建設省都再発第一四四号
平成一〇年一二月一一日

都道府県知事、指定都市の長あて

建設省都市局長通達


再開発緊急促進事業補助金交付要綱

第1 通則

再開発緊急促進事業補助金(以下「補助金」という。)の交付に関しては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三〇年法律第一七九号)、同法施行令(昭和三〇年政令第二五五号)、建設省所管補助金等交付規則(昭和三三年建設省令第一六号)その他関係通達に定めるもののほか、この要綱に定めるところによる。

第2 交付の目的

補助金は、環境負荷の低減や福祉空間の形成、さらには安全市街地の形成に関し、関連法規上の基準に適合する施設建築物を整備する等特に公益性の高い市街地再開発事業等を施行する者又は特定建築者に対し、これらの者が行う建築物及びその敷地の整備に関する事業並びにこれに附帯する事業に要する費用の一部を助成することにより、各種政策課題への対応に資する事業の緊急的な促進を図ることを目的とする。

第3 定義

この要綱において、次に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 市街地再開発事業等 都市再開発法(昭和四四年法律第三八号)第二条第一号に規定する市街地再開発事業及び地区再開発事業制度要綱(平成一二年三月二四日付け建設省都再発第一九号)第二条第一号に規定する地区再開発事業をいう。
(2) 特定建築者 都市再開発法第九九条の二第一項又は第一一八条の二八第一項の規定により施設建築物の建築を行う者をいう。
(3) 環境対応促進型事業 エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和五四年法律第四九号)第一四条第一項に基づき定められた建築主の判断の基準を満たす施設建築物等を整備する事業
(4) 福祉対応促進型事業 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成六年法律第四四号)第三条に基づく建築主の判断基準(基礎的基準)を満たす施設建築物等を整備する事業
(5) 安全市街地形成促進型事業 建築基準法に基づく耐震関係規定、接道規定等に適合しない建築物が存在する等防災上問題のある地区の安全性向上に資する事業

第4 補助対象

補助金の交付の対象となる事業(以下「補助事業」という。)は、以下の要件を満たす市街地再開発事業等(平成一五年三月三一日において完了しないものにあっては、同日後に実施される事業の部分を除く。)であって、建設大臣が予算の範囲内において補助する必要があると認めるものとする。
(1) 次の(a)、(b)又は(c)に該当すること。

(a) 環境対応促進型事業
(b) 福祉対応促進型事業
(c) 安全市街地形成促進型事業

(2) 平成一〇年四月一日以降に建築工事の着工がなされ又は平成一三年三月三一日までに権利変換計画又は管理処分計画の認可がなされるものであること。

第5 補助金の額

1 補助対象事業の建設工事費(平成一〇年四月一日以降交付決定の日以前において要した費用を含み、他の事業の国庫補助が交付される部分の補助対象事業費及び公共施設管理者負担金に相当する額を除く。以下同じ。)に一〇〇分の三(第4(1)の(a)、(b)又は(c)のうち複数に該当するものについては、補助率を一〇〇分の五)を乗じて得た額以内とする。ただし、以下の該当するものに応じ、各々以下の費用を限度とする。

(1) 環境対応促進型事業

省エネルギー化等環境負荷の低減を図るために付加的に要する費用

(2) 福祉対応促進型事業

バリアフリー化を図るために付加的に要する費用

(3) 安全市街地形成促進型事業

特殊基礎工事、免震・制震構造工事等の防災性能強化費並びに災害時に避難場所として活用可能な集会所、空地等公共的施設の整備費、用地費及び補償費(地区内残留者の用地費相当額及び建物買収費相当額を含む。)

2 前号(1)から(3)の費用の算出は、これに相当するものとして別途定める方法によってもよいこととする。
3 各年度の補助金の額は、当該年度に支出される建設工事費を超えないものとする。

第6 交付の申請

1 補助金の交付の申請をしようとする者は、補助金交付申請書に工事設計書及び補助事業費財源表を添えて、その者が都道府県又は指定都市であるときは建設大臣に、その者が都道府県又は指定都市以外の者であるときは都道府県知事に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、補助金の交付の申請があったときは、当該申請に係る補助金の交付が法令及び予算で定めるところに適合していること、補助事業の目的及び内容が適正であること、金額の算定に誤りがないこと、申請の内容に不備又は不適当なものがないことなどを確認し、補助金を交付すべきものと認めたときは、補助金交付申請進達書を建設大臣に提出しなければならない。

第7 交付決定の変更の申請

1 補助金の交付決定額の変更又は補助事業の内容の変更(軽微な変更を除く。)をしようとする補助事業者(補助事業を行う者をいう。以下同じ。)は、補助金交付決定変更申請書に変更工事設計書を添えて第6第一項の規定に準じて提出しなければならない。
2 都道府県知事は、補助金の交付決定の変更の申請があったときは、第6第二項の規定に準じて補助金交付決定変更申請進達書を提出しなければならない。
3 第一項に規定する軽微な変更とは、次に掲げる変更以外の変更で補助金の額に変更を生じないものをいう。

(1) 建築物(附帯施設を含む。)の位置又は形態の変更
(2) 事業を施行する区域の変更

第8 交付決定の取消しの申請

補助金の交付の決定があった後、事情の変更等により特別な事由が生じたため、当該決定の取消しを申請しようとする補助事業者は、補助金交付決定取消申請書を建設大臣に提出しなければならない。この場合において、補助事業者が都道府県及び指定都市以外の者であるときは、都道府県知事を経由するものとする。

第9 完了予定期日の変更

1 補助事業者は、補助事業が予定の期間内に完了しないため、補助事業完了予定期日(以下「完了予定期日」という。)を変更しようとする場合には、補助事業の完了予定期日変更報告書を建設大臣に提出しなければならない。この場合において、補助事業者が都道府県及び指定都市以外の者であるときは、都道府県知事を経由するものとする。
2 前項の規定は、補助金の繰越しを伴わず、かつ、変更後の完了予定期日が当初の完了予定期日(補助金繰越しがあった場合は、当該繰越しを伴う変更により定められた完了予定期日とする。)後六箇月以内である場合は、適用しない。
3 前二項の規定にかかわらず、完了予定期日の変更が補助事業の内容の変更(第7第三項に規定する軽微な変更を除く。)を伴う場合は、補助金の交付決定の変更の申請に含めて行わなければならない。

第10 実績報告

補助事業に係る実績報告は、「都市局所管補助事業等の実績報告書の取扱いについて」(昭和四五年六月二三日付け建設省都市局長通達)により行わなければならない。

第11 補助金の返還

補助金の返還は、「補助金等の返還の期限の取扱いについて」(昭和四六年五月二四日付け建設省会発第三五九号建設大臣官房長通達)により行わなければならない。

第12 全体設計の事前承認

1 補助金の交付を申請しようとする者は、次の各号の一に該当する工事を施工しようとする場合において、補助金の交付の申請前に、全体設計承認申請書に交付申請の場合に準じて作成した全体工事設計書及び関係図面を添付して建設省都市局長に提出してその承認を受けなければならない。この場合において、承認を申請する者が都道府県又は指定都市以外の者であるときは、都道府県知事を経由するものとする。

(1) 建築物の建築等の工事で、施工上設計を分割することが困難又は著しく不経済なもの等で一括して施工する必要があり、かつ、その施工年度が二年度以上にわたるもの
(2) 大規模な物件等の移転の工事でこれに要する期間が一二箇月を越えるもの

2 全体設計の変更(第7第三項に規定する軽微な変更を除く。)をしようとする者は、前項の規定に準じて建設省都市局長の承認を受けなければならない。

第13 都道府県知事の指導監督

1 指導監督事務

都道府県知事は、補助事業の円滑な実施を図るため、補助事業者(都道府県及び指定都市を除く。)に対し必要な指示を行い、報告書の提出を命じ、又は実地に検査しなければならない。

2 指導監督事務費交付の基準

国は、都道府県知事が行う前項の指導監督に要する費用として、当該年度における当該都道府県の区域内の補助対象事業の建設工事費の額に一〇〇分の三・〇以内において建設大臣が定める率を乗じて得た額に相当する額を都道府県に交付する。

第14 補助金の経理

1 補助事業者は、補助金について経理を明らかにする帳簿を作成し、補助事業の完了後五年間保管しなければならない。
2 補助事業者は、次の各号の一に該当する場合において、前項に規定する帳簿を都道府県知事に提出しなければならない。

(1) 市街地再開発組合の行う市街地開発事業において、都市再開発法第四五条第四項の規定による公告が行われたとき
(2) 特定建築者の行う市街地再開発事業において、都市再開発法第九九条の六第二項(同法第一一八条の二八第二項において準用する場合を含む。)の規定による地上権又は敷地の譲渡が行われたとき
(3) 地区再開発事業において、建築工事が完了したとき
(4) 前項に掲げるもののほか、都道府県知事が必要と認めるとき

第15 申請書等の様式

この要綱に規定する申請書等の様式は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 補助金交付申請書 別記様式第1
(2) 工事設計書及び変更工事設計書 別記様式第2
(3) 補助事業費財源表 別記様式第3
(4) 補助金交付申請進達書 別記様式第4
(5) 補助金交付決定変更申請書 別記様式第5
(6) 補助金交付決定変更申請進達書 別記様式第6
(7) 補助金交付決定取消申請書 別記様式第7
(8) 補助事業の完了予定期日変更報告書 別記様式第8
(9) 全体設計(変更)承認申請書 別記様式第9



附 則

この要綱は、平成一〇年一二月一一日から適用する。



様式〔略〕


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