国住街第三三四号
平成一三年四月二七日

国土交通省住宅局市街地建築課長通知


先導型再開発緊急促進事業の運用について

一 環境対応促進型事業の要件について

住宅部分については、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準(平成一一年三月三一日通産省・建設省告示第二号)又は住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針(平成一一年三月三〇日建設省告示第九九八号)に適合すること。
非住宅部分については、建築物に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準(平成一一年三月三一日通産省・建設省告示第一号)に適合すること。

二 福祉対応促進型事業の要件について

住宅部分については、長寿社会対応住宅設計指針(平成七年六月二三日付建設省住備発第六三号)及び設計指針の補足基準(平成七年六月二三日付建設省住備発第六八号)を満たすこと。
非住宅部分については、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(平成六年法律第四四号)第二条に定める特定建築物が「特定施設を高齢者・身体障害者等が円滑に利用できるようにするための判断の基準(平成六年九月二七日建設省告示第一九八七号)」の第二誘導的基準に適合すること。

三 安全市街地形成促進型事業の要件について

要綱第三第七号中「建築基準法に基づく耐震関係規定、援道規定等に適合しない建築者が存在する等防災上問題のある」とは、次のいずれかに該当するものをいう。
(一) 建築基準法第二章及び第三章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定のうち建築物及び建築物の敷地に係る安全上、防災上、避難上及び通行の安全上の規定に適合しない建築物及び建築物の敷地が存在すること。
(二) 建築基準法第四二条第二項の規定に基づき特定行政庁の指定した道路が存在すること。

四 要綱第五第二項の規定による別途定める方法について

(一) 要綱第五第一項第一号中「省エネルギー化等環境負荷の低減を図るために付加的に要する費用」の算出は、以下の算式を用いてもよいこととする。

A=B1/10,000×C1+B2/10,000×C2
A:付加的費用の額
B1:別表一―一に掲げる環境対応促進項目のポイント合計
B2:別表一―二に掲げる環境対応促進項目のポイント合計
C1:一に掲げる要件を満たす施設建築物等について、建築工事費(他の国庫補助金が交付される部分に相当する額を除く。)に非住宅部分の床面積(共用部分を含む)の全体床面積に対する割合を乗じたもの
C2:一に掲げる要件を満たす施設建築物等について、建築工事費(他の国庫補助金が交付される部分に相当する額を除く。)に住宅部分の床面積(共用部分を含む)の全体床面積に対する割合を乗じたもの

なお、住宅部分と非住宅部分に共通な共用部分等住宅部分と非住宅部分に分けることが困難な部分にあっては、非住宅部分の床面積、住宅部分の床面積及び全体床面積から各々除いてC1、C2を計算してよいこととし、非住宅部分に複数の用途が含まれる場合にも同様の考え方によること。

(二) 要綱第五第一項第二号中「バリアフリー化を図るために付加的に要する費用」の算出は、以下の算式を用いてもよいこととする。

A=B1/10,000×C1+B2/10,000×C2
A:付加的費用の額
B1:別表二―一に掲げる福祉対応促進項目のポイント合計
B2:別表二―二に掲げる福祉対応促進項目のポイント合計
C1:二に掲げる要件を満たす施設建築物等について、建築工事費(他の国庫補助金が交付される部分に相当する額を除く。)に非住宅部分の床面積(共用部分を含む)の全体床面積に対する割合を乗じたもの
C2:二に掲げる要件を満たす施設建築物等について、建築工事費(他の国庫補助金が交付される部分に相当する額を除く。)に住宅部分の床面積(共用部分を含む)の全体床面積に対する割合を乗じたもの

なお、住宅部分と非住宅部分に共通な共用部分等住宅部分と非住宅部分に分けることが困難な部分にあっては、非住宅部分の床面積、住宅部分の床面積及び全体床面積から各々除いてC1、C2を計算してよいこととし、非住宅部分に複数の用途が含まれる場合にも同様の考え方によること。

(三) 要綱第五第一項第三号中「災害時に避難場所として活用可能な集会所、空地等公共的施設の整備費」のうち集会所、アトリウム等の施設(空地等以外のもの)に関する整備費の算出は、以下の算式を用いるものとする。

A=B×S1/S2+C
A:当該施設の整備費
B:施設建築物等の建築工事費
S1:補助対象となる公共的施設の床面積の合計
S2:施設建築物等の延床面積
C:当該施設の仕上等工事費

(注)

・当該施設は、集会所、アトリウム等のうち災害時に避難場所等として活用可能な部分のみとする。
・他の補助対象項目で積算したもの(空地等整備費等)を重複計算しないこと。

五 要綱第五第一項第三号中「災害時に避難場所として活用可能な集会所、空地等公共的施設の用地費相当額」のうち集会所、アトリウム等の施設(空地等以外のもの)に関する用地費の算出は、評価基準日における宅地評価額によるものとし、当該施設が施設建築物の一部となる場合には以下の算式を用いるものとする。

A=B×C×D
A:当該施設の用地費相当額
B:評価基準日における当該施設の存する施設建築物敷地内の宅地評価額の平均
C:当該施設の存する施設建築敷地の面積
D:権利変換計画に定められた当該施設の土地持ち分比の合計

(当該施設が権利変換計画上で一体となる施設の一部分である場合は、床面積割合により按分する。)
(注)

・当該施設は、集会所、アトリウム等のうち災害時に避難場所として活用可能な部分のみとする。
・施行者が取得済みの土地は、その取得額を宅地評価額とみなすこと。



別表1 環境対応促進項目

1 非住宅床の場合

項目
条件等
ポイント
1)外壁、屋根等に係る熱損失防止
PAL≦建築主の判断基準の基準値
100
 
PAL≦建築主の努力指針の基準値
110
2)空調設備に係る省エネルギー化
CEC/AC≦建築主の判断基準の基準値
80
 
CEC/AC≦建築主の努力基準の基準値
160
3)機械換気設備に係る省エネルギー化
CEC/V≦建築主の判断基準の基準値
40
 
CEC/V≦建築主の努力指針の基準値
45
4)照明設備に係る省エネルギー化
CEC/L≦建築主の判断基準の基準値
30
 
CEC/L≦建築主の努力指針の基準値
60
5)給湯設備に係る省エネルギー化
CEC/HW≦建築主の判断基準の基準値
40
 
CEC/HW≦建築主の努力指針の基準値
45
6)エレベーターに係る省エネルギー化
CEC/EV≦建築主の判断基準の基準値
15
 
CEC/EV≦建築主の努力指針の基準値
30
7)太陽光発電装置
発電能力10kW以上を有する太陽光発電装置を1式以上設置する
5
 
発電能力20kW以上を有する太陽光発電装置を1式以上設置する
10
8)太陽熱利用給湯
導入した場合
10
9)中水道
導入した場合
20
10)雨水再利用装置
導入した場合
10
11)設備配管のための階高増
(階高が3.6m以上の場合)
90
12)カーテンウォールの皮膜厚増
(皮膜厚が16μm以上の場合)
100

2 住宅床の場合

項目
条件等
ポイント
1)熱損失係数
共同住宅に関する熱損失係数の基準を満たすもの
290
2)太陽光発電装置
発電能力3kW以上を有する太陽光発電装置を1式以上設置する
15
 
発電能力5kW以上を有する太陽光発電装置及び蓄電能力200Ah以上を有する蓄電装置を1式以上設置する
25
3)太陽熱利用給湯(アクティブソーラー)
太陽熱を利用した給湯装置を原則として全住戸に設置する
45
4)太陽熱利用暖房(パッシブソーラー)
太陽熱を利用した暖房装置を全住戸の5%以上の住戸に設置する
5
 
太陽熱を利用した暖房装置を全住戸の10%以上の住戸に設置する
10
5)省エネルギー対応分電盤
過電流警報機能付分電盤を原則として全住戸に設置する
15
6)スケルトンインフィル分離等による省資源住宅
純ラーメン架構の採用
300
7)雨水再利用
雨水貯留装置を原則として全住戸バルコニーに設置
25
8)健康に配慮した内装材
使用した場合
20

注)
・建築主の判断基準:エネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準(平成11年3月31日通産省・建設省示第1号)
・建築主の努力指針:エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法に基づく建築主の努力指針(平成5年7月29日大蔵省・厚生省・農林水産省・通商産業省・運輸省・建設省告示第3号(平成11年改正))
・1 6)については、共用通行部分整備費が補助対象となる事業については計上できない。
・2 1)については、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準(平成11年3月31日通産省・建設省告示第2号)の算出方法による。また、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針(平成11年3月30日建設省告示第998号)への適合が確認されたものについては、自動的に290ポイント計上してよい。



別表2 福祉対応促進項目
1 非住宅床の場合

項目
条件等
ポイント
1)床仕上げ配慮
実施した場合
95
2)フリーアクセスフロア
導入した場合
150
3)身体障害者対応EV設置
誘導的基準適合
60
4)車椅子対応エスカレーター設置
設置した場合
10
5)廊下・階段の幅員・勾配対応
誘導的基準適合
70
6)誘導・注意喚起床材敷設
敷設した場合
5
7)階段手摺設置
誘導的基準適合
5
8)音声触知図案内板
導入した場合
5
9)劇場、集会場等における車椅子対応
実施した場合
40
10)事務所における机面照度
500LX確保
20
 
700LX確保
60
11)ホテルにおける室内バリアフリー化
浴室・洗面等に実施した場合
20
12)博物館、美術館等文化施設での車椅子対応
実施した場合
20
13)各フロアに車椅子対応トイレの設置
実施した場合
15

2 住宅床の場合

項目
条件等
ポイント
1)共用廊下の床仕上げ
実施した場合
35
2)廊下・階段の幅員・勾配対応
実施した場合
80
3)手摺設置
設計基準適合
30
 
設計基準のうち推奨基準適合
60
4)身体障害者対応EV設置
設計基準適合
10
5)住戸内床段差解消
設計基準適合
30
6)住戸手すり設置可能措置
設計基準適合
90
7)建具・設備(9)除く)
設計基準適合
80
8)高齢者対応浴室
設計基準適合
100
 
設計基準のうち推奨基準適合
110
9)通報装置
設計基準適合
5
 
設計基準のうち推奨基準適合
10
10)浴室暖房
導入した場合
30
11)温水床暖房の導入
主要な居室に導入
40
 
全ての居室に導入
70

注)
・誘導的基準:特定施設を高齢者・身体障害者等が円滑に利用できるようにするための判断の基準(平成6年9月27日建設省告示第1987号)第2誘導的基準
・設計基準:長寿社会対応住宅設計指針(平成7年6月23日建設省住備発第63号)及び長寿社会対応住宅設計指針の補足基準(平成7年6月23日付け建設省住備発第68号)に基づく基準
・1 1)及び2)に関し共用通行部分整備費が補助対象の事業については×0.8
・1 3)〜7)は共用通行部分整備費が補助対象の事業については計上できない。
・1 13)は誰もが円滑に利用できる便所の整備費が補助対象の事業については計上できない。
・2 1)〜4)は共用通行部分整備費が補助対象の事業については計上できない。

補助対象項目
補助対象事業費
 
 
 
平成 年度
平成 年度
平成 年度
施設整備費
 
 
 
用地費補償相当額
 
 
 


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