道路法等の一部を改正する法律(昭和四六年法律第四六号)及び道路交通法の一部を改正する法律(昭和四六年法律第九八号)、駐車場法施行令の一部を改正する政令(昭和四六年政令第二五三号)並びに地方税法の一部を改正する法律(昭和四六年法律第一一号)及び減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一部を改正する省令(昭和四六年大蔵省令第二三号)が公布されたので、これらの法令の施行に際しては、左記の事項に留意のうえ、その運用に遺憾なきを期せられたい。
一 路上駐車場等について
(一) 路外駐車場の駐車料金の額について(道路法等の一部を改正する法律第三条関係)
従来、路上駐車場(駐車場法(昭和三二年法律第一〇六号)第二条第一号の路上駐車場をいう。以下同じ。)の駐車料金(以下「駐車料金」という。)の額は、駐車一時間につき五〇円をこえない範囲内で政令で定める額をこえてはならないこととされ、駐車場法施行令(昭和三二年政令第三四〇号)により、当該政令で定める駐車料金の額の限度は駐車一二分につき一〇円とされていた。しかしながら、近年都市における道路交通の円滑化を図るためには、各都市における道路交通の現況、自動車の駐車需要、駐車の実態、都市交通の自動車交通への依存度等を総合的に勘案し、各都市の実情に即した適切な駐車料金を定め、路上駐車場の管理を適正に行なう必要性が強まつてきた。このため、このたび、駐車場法の一部を改正することにより、駐車料金を条例により弾力的に定めることができることとし、駐車料金の額を定める際の原則を法定することとしたものである。今後、駐車料金の額は、この原則により、適正に定めなければならないこととなつたが、とりわけ附近の路外駐車場の駐車料金に比して著しく均衡を失しないものでなければならない点に留意すること。(なお、駐車場法施行令の一部を改正する政令により、駐車料金の額の限度に関する規定は削除された。)
(二) 路上駐車場における駐車時間の制限等について(道路交通法第四九条、第一一〇条の二及び第一一九条の二関係)
イ 道路交通法の一部を改正する法律により、都道府県公安委員会は、路上駐車場が設けられている道路の部分について、車両の駐車の時間を制限しようとするときは、当該路上駐車場を設置した地方公共団体の意見をきかなければならないこととされたが、路上駐車場管理者は駐車時間の制限の実効を確保するためには、できるかぎり、総理府令・建設省令で定める構造のパーキング・メーターを設置することがのぞましいこと。なお、同構造については、その機能、形状等について現在両省庁において検討中である。
ロ 道路標識等により同一の車両が引き続き駐車することができる時間が制限されている道路の部分(以下「駐車時間が制限されている道路の部分」という。)について、総理府令・建設省令で定める構造のパーキング・メーターの設置された路上駐車場が設けられているときは、車両は道路交通法施行令(昭和三五年政令第二七〇号)に定められる方法により、パーキング・メーターが作動されている場合でなければ、駐車してはならないこととされ、違反者に対しては、罰金又は反則金が課されることとなつた(道路交通法(昭和三五年法律第一〇五号)第四九条第三項及び第四項並びに第一一九条の二第一項第一号及び第九章)ので、駐車時間が制限されている道路の部分に設けられた路上駐車場の管理及び運営にあたつては、所轄警察との間に密接な連絡調整を図り、厳正な運用を期すること。
(三) 都道府県公安委員会が設置するパーキング・メーターについて
都道府県公安委員会は、駐車時間の制限されている道路の部分(路上駐車場が設置されている道路の部分を除く。)について、総理府令・建設省令で定める構造のパーキング・メーターを設置し、及び管理することができることとなつた。
なお、駐車場法第三条の駐車場整備地区内については、
イ 現に路上駐車場設置計画に基づいて路上駐車場が設置され、又は設置されることが予定されている場合には、原則として、路上駐車場によること(建設省・警察庁間了解事項)。
ロ 都道府県公安委員会がパーキング・メーターを設置しようとするときは、路上駐車場設置計画を定めなければならないとされている者の意見をきかなければならないこと(道路交通法第一一〇条の二第七項)。
とされたことにかんがみて、路上駐車場設置計画と都道府県公安委員会によるパーキング・メーター設置計画との間において設置場所、設置台数、手数料又は駐車料金、同一の車両が引き続き駐車することのできる時間等について、十分な連絡調整を図ること。
(四) 道路法等の一部を改正する法律及び道路交通法の一部を改正する法律はいずれも昭和四六年一二月一日から施行されるものであること。
二 路上駐車場設置計画の基準及び路外駐車場の自動車の出入口に関する基準並びにボーリング場における駐車施設の附置について(駐車場法施行令の一部を改正する政令関係)
(一) 自動車交通の安全を確保するため、路上駐車場を設けてはならない道路の部分として次のものが追加されたこと(駐車場法施行令第一条の二第七項関係)。
踏切の前後の側端からそれぞれ前後に一〇メートル以内の道路の部分
(二) 自動車交通の安全及び歩行車の通行の安全を確保するため、路外駐車場(駐車場法第二条第二号の路外駐車場であつて自動車の駐車の用に供する部分の面積が五〇〇平方メートル以上であるものをいう。以下同じ。)の自動車の出口及び入口を設けてはならない道路の部分として次のものが追加された(駐車場法施行令第七条第一項関係)が、とくに児童及び幼児の通行の安全を確保するよう路外駐車場の構造及び設備の基準については、よりいつそう厳正な運用を図ること。
イ 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に一〇メートル以内の道路の部分
ロ 横断歩道橋(地下横断歩道を含む。)の昇降口から五メートル以内の道路の部分
ハ 小学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園、保育所、精神薄弱児通園施設、肢体不自由児通園施設、情緒障害児短期治療施設、児童公園、児童遊園及び児童館の出入口から二〇メートル以内の道路の部分(当該出入口に接するさくの設けられた歩道を有する道路及び当該出入口に接する歩道を有し、かつ、縁石線又はさくその他これに類する工作物により車線が往復の方向別に分離されている道路以外の道路にあつては、当該出入口の反対側及びその左右二〇メートル以内の道路の部分を含む。)
なお、既設の路外駐車場の附近にロ又はハに掲げる施設を設置する場合には、既設の路外駐車場が技術的基準に不適合にならぬよう配慮することについて、別添一のとおり、関係官庁あて協力方を依頼したので、技術的基準の運用にあたつては、関係機関と密接な連絡を図ること。
(三) 駐車場法施行令の一部を改正する政令は、昭和四六年一二月一日から施行されるものであること。
(四) 駐車場法施行令の一部を改正する政令の施行の際現に設置されている路上駐車場若しくは路外駐車場又は現に新設工事中の路上駐車場若しくは路外駐車場については、なお従前の例によることとされているが、改正の趣旨にかんがみ、当該政令の施行前においても、新たな基準によるよう指導を行なうこと。
(五) 現に設置されている路外駐車場については、駐車場法第一二条及び第一三条の届出をすみやかに行なわせ、その監督、指導を徹底すること。なお、駐車場法第一二条の届出手続については、駐車場法施行令の一部を改正する政令の施行後は、「路外駐車場に関する届出等に関する省令の一部を改正する省令」(昭和四六年運輸省令・建設省令第五号)(別添二)により一部改正された届出手続によることとなるので留意すること。
(六) 駐車場法第二〇条(建築物の新築又は増築の場合の駐車施設の附置」及び同法第二〇条の二(建築物の用途変更の場合の駐車施設の附置」の「特定用途」として新たにボーリング場が追加されたので、ボーリング場の新築若しくは増築又は用途変更については、同法第二〇条及び第二〇条の二の規定に基づく条例の運用に際して留意すること。
三 都市計画において定められた建築物である路外駐車場及び特殊の装置を用いる路外駐車場に係る不動産取得税及び固定資産税の減税措置並びに機械式駐車設備に係る減価償却資産の耐用年数の短縮について
(一) 従来、不動産取得税及び固定資産税の課税の特例は、都市計画において定められた路外駐車場で地下に設けられるものに限つて適用されていたがこのたび新たに次のとおり課税の特例の範囲が追加されたこと(地方税法第七三条の一四第一一項及び第三四九条の三第二一項)。
イ 都市計画において定められた路外駐車場で、直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に自動車の駐車の用に供する部分を設けるもの又は自治省令で定める特殊の装置を用いるものの用に供する家屋を取得した場合における当該家屋の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の算定については、地上に設けられる路外駐車場の用に供する家屋にあつては、当該家屋の価格の三分の一に相当する価格から控除する。
ロ 都市計画において定められた路外駐車場で、直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に自動車の駐車の用に供する部分を設けるもの又は自治省令で定める特殊の装置を用いるものの用に供する家屋及び償却資産に対して課する固定資産税の課税標準は、当該家屋及び償却資産に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から五年度分の固定資産税に限り、地上に設けられる路外駐車場の用に供する家屋及び償却資産にあつては、当該家屋及び償却資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の二の額とする。
ハ イ及びロの自治省令で定める特殊の装置は、垂直循環方式による駐車装置である(地方税法施行規則第七条の六及び第一一条の三)。
(二) 機械式駐車設備に係る減価償却資産の耐用年数については、従来、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第二番号三六九の項により一七年とされてきたが、このたび一五年に改正されたこと(減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二番号三三九の三の項)。
(三) (一)に係る地方税法の一部を改正する法律は、昭和四六年四月一日から施行され、及び減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一部を改正する省令は、昭和四六年四月一二日から施行されたものであること。