1 駐車場整備計画の策定について
駐車場法第四条の規定により、駐車場整備地区に関する都市計画が定められた場合においては、市町村はその地区における「駐車場整備計画」を定めなければならないとされているところである。
近年、都市における中心市街地の活力低下等に対応した駐車場整備の重大性重要性が増大している現状に鑑み、駐車場整備に関するマスタープランである「駐車場整備計画」を的確に定め、駐車場の総合的かつ計画的な整備を推進することが一層求められている。
このため、以下により「駐車場整備計画」の策定又は見直しを適切に行われたい。
(1) 既に駐車場整備地区に関する都市計画が定められており、同地区の見直しを要しない市町村については、速やかに駐車場整備計画を策定し、公表すること。
(2) 新たに駐車場整備地区を指定し又は見直しを要する既指定の市町村については、原則として同地区の都市計画決定又は変更の告示に併せて駐車場整備計画を公表すること。
(3) 駐車場整備計画を策定し公表済みの市町村においては、法第四条第二項第五号に掲げる見直しのほか、必要に応じ、概ね五年を目途に包括的な見直しを行うこと。
なお、駐車場整備計画を定めるにあたっての留意点等については、平成三年一一月一日付け建設省都再発第九九号及び一一月二五日付け同第一一四号により、通達しているので念のため申し添える。
2 駐車場法に基づく届出制度の合理化について
(1) 設置の届出の必要な路外駐車場について
百貨店等店舗及び病院の有料駐車場に係る設置の届出の取り扱いについては、自治体により異なることが多いが、今後は、以下の観点で、その利用形態により設置の届出の必要性について判断されたい。
1) 当該駐車場が、「一般公共の用に供する」と判断される場合。「一般公共の用に供する」とは不特定多数の者の直接の利用に供することである。従って、百貨店等店舗及び病院の駐車場であっても、厳密に、当該建物の利用者のみの利用に限定される場合(専用の駐車場と解する。)以外は、「一般公共の用に供する」と解する。
2) 厳密に、専用駐車場と判断される場合とは、駐車場に専用駐車場であると明示されているだけでなく、例えば、駐車場の入口で管理人等が一般の利用を排除している場合等が該当する。
3) 従って、利用客に優待券を配る等優遇措置を講じている場合であっても、厳密に一般の利用を排除していない場合は、設置の届出を必要とする。
(2) 設置の届出の受理について
路外駐車場の設置の届出の受理については、以下1)、2)のとおりである。従って、路外駐車場の設置の届出を行おうとする者に対して、この趣旨を徹底するとともに、届出義務が履行された後、届出書等の内容に疑義がある場合については、路外駐車場管理者から報告、資料を求め、必要に応じて立入検査を行い、法令に違反のあることが認められる場合には、速やかに是正命令を出すこととされたい。このためには、路外駐車場を設置しようとする者が届出を行う前に事前相談を行う等極め細かな指導を行うことも必要である。
1) 駐車場法第一二に規定される路外駐車場の設置の届出は、行政手続法第三七条の届出に該当し、届出書の記載事項に不備がないこと、必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件が適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものと解される。従って、路外駐車場管理者が、路外駐車場に関する届出等に関する省令(昭和三三年一月三一日運輸省・建設省令第一号、平成三年一〇月二八日改正運輸省・建設省令第二号)第一条に規定する形式上の要件を備えた届出書及び添附図面を届出た時点で、路外駐車場の届出義務は履行されたと解する(この時点で、届出るべき駐車場管理者が届出義務を怠ったとして、法第二二条の罰則を受けることはない。)。
2) しかし、届出られた届出書等の内容について疑義が生じた場合は、都道府県知事は、法第一八条に基づき、路外駐車場管理者から報告若しくは資料の提出を受け、立入検査を行うことができ、また、当該駐車場が法第一一条に基づく政令等の規定に違反していると認めるときは、法第一九条に基づき路外駐車場管理者に対し、是正命令を行う。
(3) 届出事務の市町村への委任について
平成九年三月三一日現在、地方自治法第一五三条第二項に基づき届出に係る事務の一部又は全部を市町村に委任している都道府県は、二九道県である。今後とも、路外駐車場の届出制度の実行を挙げるために必要であり、かつ委任を受ける市町村において体制が整備されたと判断した場合には、順次、事務委任を促進されたい。
(4) 管理規程の届出時期について
管理規程の届出の時期については、以下のとおりであるので、その旨、路外駐車場管理者に周知、徹底されたい。
法第一三条第一項の規定により、路外駐車場管理者は、供用を開始するときは、あらかじめ管理規程を定め、これを路外駐車場の供用開始後一〇日以内に都道府県知事に届出なければならないとされている。この規定は、規制緩和の観点から、あらかじめ届出を義務付けられていた管理規程の届出を供用開始後一〇日以内まで猶予することを認めたものであり、届出時期を限定する趣旨ではない。従って、路外駐車場管理者は、設置の届出の提出時期以降供用開始後一〇日以内まで、随時、管理規程を届出ることができる。
(5) 設置届及び管理規程の変更届について
路外駐車場の設置届及び管理規程の変更の届出に関し、路外駐車場管理者が法人である場合、その代表者の変更については、変更の届出を要しないので、路外駐車場管理者にこの旨周知徹底されたい。
(6) 設置の届出及び管理規程の届出に係る添付書類について
路外駐車場の設置の届出及び管理規程の届出に当たって、法定外の書類の提出を義務付けることのないようにされたい。また、届出義務の履行後、必要であれば、法第一八条に基づき、路外駐車場管理者から報告若しくは資料の提出を求められたい。