一 漁業調整規則上の取扱い
漁業法(昭和二四年法律第二六七号)第六五条第一項及び水産資源保護法第四条第一項の規定に基づき、並びにこれらの法律を実施するために定める都道府県内水面漁業調整規則(以下「漁業調整規則」という。)による砂れきの採取又は除去に関する取扱いについては、次によるものとする。
1 河川工事等による砂れきの採取又は除去については、漁業調整規則による規制は行なわない。
2 河川法等の許可等に基づいて行なう砂れきの採取又は除去については次による。
(1) 直轄管理河川等以外においては、次のうちいずれかの措置をとるものとする。
ア 漁業調整規則による規制は行なわない。
イ 禁止区域における砂れきの採取又は除去を禁止行為又は都道府県知事(水産担当の知事をいう。以下同じ。)の許可を要する行為とする。ただし、河川管理者等がその砂れきの採取又は除去について、都道府県知事と協議し、その結果に基づき河川法等の許可等をした場合にはこの限りでない。
ウ 禁止区域及び指定区域についてイと同様の措置をとる。
(2) 直轄管理河川等においては、(1)のイの措置をとるものとする。ただし、直轄管理河川等以外の部分につき(1)のイ又はウの措置がとられていない場合にはこの限りでない。
二 覚書上の取扱い
一によるほか、都道府県の水産部局(以下「水産部局」という。)及び都道府県の土木部局)規制の対象が直轄管理河川等に係る場合は建設省地方建設局又は北海道開発局。以下「土木部局」という。)は、砂れきの採取又は除去につき、特にその取扱いを定める必要がない場合を除き、覚書により次の取扱いを定めることができる。
1 河川工事等による砂れきの採取又は除去については、次のうちのいずれかを基準として定める。ただし、直轄河川工事等に係る場合にあつては(1)の措置をとるものとする。
(1) 土木部局は、産卵場等において河川工事等により砂れきの採取又は除去をしようとするときは、水産部局の意見聴取を行なう。
(2) 禁止区域において、(1)と同様の措置をとる。
2 河川法等の許可等に基づいて行なう砂れきの採取又は除去については、河川管理者等は、次に掲げる砂れきの採取又は除去(漁業調整規則で定めたものを除く。)につき河川法等の許可等をしようとするときは、水産部局に対し意見聴取又は協議を行なう。ただし、禁止区域(指定区域を定めたときは指定区域を含む。以下同じ。)以外の区域に係る砂れきの採取又は除去については、漁業権者が同意しているときはこの限りでない。
(1) 禁止区域に係るもの
(2) 禁止区域に係るもの及び禁止区域以外の漁業権漁場において漁業権者に損失の生ずるおそれがあり、又は漁業権者との間に紛争の生ずるおそれがあるもの
(3) 禁止区域に係るもの及び禁止区域以外の漁業権漁場において漁業権者に損失の生ずるおそれがあり、又は漁業権者との間に紛争の生ずるおそれがあるものとしてあらかじめ協議して定めた場合又は区域に係るもの
(4) 漁業権漁場に係るもの
備考
1 「河川工事等」とは、河川工事、砂防工事、地すべり防止工事又は海岸保全施設に関する工事(災害復旧事業としてこれらの工事を行なうものを含む。)をいう。
2 「河川法等の許可等」とは、河川法(昭和三九年法律第一六七号)、砂防法(明治三〇年法律第二九号)、地すべり等防止法(昭和三三年法律第三〇号)及び海岸法(昭和三一年法律第一〇一号)の規定に基づく許可又は承認(これらにかわるべき協議を含む。)をいう。
3 「直轄管理河川等」とは、一級河川のうち河川法第九条第二項に規定する指定区間以外の区域及び建設大臣の直轄工事が施行される海岸保全区域をいう。
4 「禁止区域」とは、都道府県内水面漁業調整規則例(昭和三八年一〇月二三日付け三八水漁第六九八二号)第二九条及び第三〇条に規定する区域をいう。
5 「河川管理者等」とは、河川法第七条に規定する河川管理者(同法第九条第二項の指定区間においては都道府県知事)、砂防法第五条に規定する地方行政庁又は同法第六条に規定する主務大臣、地すべり等防止法第七条に規定する都道府県知事及び海岸法第五条に規定する海岸管理者(同法第六条の規定により建設大臣が工事を施行する場合にあつては建設大臣)をいう。
6 「指定区域」とは、漁業権漁場の区域のうち、都道府県知事が水産資源の保護管理上禁止区域に準ずる区域として指定した区域をいう。
なお、指定区域の指定又は変更をしようとするときは都道府県の水産部局は、都道府県の土木部局(直轄管理河川等については地方建設局又は北海道開発局)に協議するものとする。
7 「直轄河川工事等」とは、建設大臣が直轄で施行する河川工事等をいう。
8 「産卵場等」とは、禁止区域のうち水産動物の産卵、稚魚の生育又は水産植物の種苗の生育にとくに適しているという理由により指定された区域をいい、都道府県の水産部局と都道府県の土木部局(直轄管理河川等については地方建設局又は北海道開発局)とが協議して定めたものとする。