各地方建設局長・北海道開発局長・沖縄総合事務局長・各都道府県知事あて
記
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(別添) 準用河川の指定及び管理について
1 準用河川の指定について
1 公共用物としての河川は、一級河川、二級河川又は準用河川として明確な管理体制下におく必要があり、一級河川又は二級河川に指定されたもの以外の河川は、できるだけ準用河川として管理することが望ましいので、とくに次の場合にはそれぞれに定めるところに従い、積極的に準用河川の指定を行ない、適正な管理に努めること。
(一) 一級河川又は二級河川に指定されていないもので、
(1) 水質の汚濁、汚物等の投棄により地域住民の生活環境に悪影響を与え、又はその恐れのあるもの
(2) 不適当な工作物の設置、形状変更等により降雨等において浸水被害をもたらし、又はその恐れのあるもの
(3) 災害復旧事業の施行が決定されているもの
(4) その他市町村長が必要と認めたものについては、積極的に準用河川の指定を行なうこと。ただし、砂防指定地内の河川で砂防工事が施行され、又はその計画があるものは、都道府県知事が管理するので準用河川に指定するまでもないこと。
(二) 一級河川又は二級河川の指定は準用河川として管理している河川のみでなく、広く普通河川からも積極的に採択していくものであるが、なお法定河川への円滑な管理の移行を図ることが望ましいので、指定されるまでの間も準用河川の指定を行なう等その管理の適正を期すよう配慮すること。
2 一級水系及び二級水系以外の水系内の河川についても、前記に準じて準用河川の指定を行なうこと。
2 準用河川の指定の手続について
1 準用河川の指定は市町村長が行なうが、この場合には河川法施行令(以下「令」という。)第五五条の規定に従い、次の要領により行なうこと。
(一) 準用河川を指定するときは、水系ごとに、その名称と区間を、市町村の公報により公示すること。公示するときは、次の(1)、(2)又は(3)のいずれか一つ以上により区間の起点と終点を明らかにすること(河川法施行規則第三八条)。
(1) 市町村、大字、字、小字及び地番
(2) 一定の地物、施設又は工作物
(3) 平面図
(二) 準用河川として指定する河川が他の市町村との境界に係るものであるときは、当該他の市町村長に協議すること。
(三) 準用河川の指定を変更又は廃止するときは、(一)と(二)の例により行なうこと。
2 市町村長及び都道府県知事は、準用河川の指定の状況について、河川管理事務処理規程第五条第二項及び第三項の規定により報告すること。報告は、昭和五三年八月八日建設省河政発第七六号の記2に定めるところにより行うこと。
3 準用河川について一級河川又は二級河川の指定があったときは、重複する部分については準用河川の指定の効力が失われること(令第五五条第四項)。
3 河川法の準用規定について
1 市町村長が行なう準用河川の管理については、河川法の規定のうち左記2に定めるものを除き、二級河川に関する規定が準用されること、その趣旨は、河川法の規定のうち二級河川のみに適用される規定(第五条は解釈上除かれる。)と一級河川と二級河川に共通に適用される規定が準用されること、いいかえれば河川法の規定のうち一級河川のみに適用される規定(第四条、第九条等)を除いたすべての規定(罰則の規定を含む。)が準用されること、この場合、準用される規定については、「都道府県知事」とあるのは「市町村長」と、「都道府県」とあるのは「市町村」と、「建設大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えられ、さらに令第五七条の規定により関係条文について必要な技術的読み替えが行なわれること。
2 令第五六条に掲げる次の規定は、他の法令との均衡上又は準用河川制度の趣旨にかんがみ、準用されないこととなっていること。
(一) 法第六条第五項(港湾区域又は漁港の区域に重複して法第六条第一項第三号に該当する河川区域を指定する場合の港湾管理者又は農林大臣との協議)
……港湾法等において港湾区域の指定等について準用河川の管理者との調整規定がないので、それとの均衡を図るため
(二) 法第一四条第二項(操作規則を作成する場合の関係市町村長の意見聴取)、法第三六条第一項(特定水利使用に関する処分についての関係市町村長の意見聴取)、法第九九条(地方公共団体への操作等の委託)
……これらの規定は、本来都道府県知事が管理を行なうに際しての市町村との関係を規定したものであるので、「都道府県知事」が「市町村長」と読み替えられた場合には規定する意味がなくなるため
(三) 法第一六条(河川整備基本方針の作成)、法第一六条の二(河川整備計画の作成)、法第六二条(改良工事費に対する国の負担)
……準用河川の制度が大規模な河川工事を予想していないため
(四) 法第三五条第一項(特定水利使用に関する処分についての関係行政機関の長との協議)、法第九七条第二項(兼用工作物に関する処分についての主務大臣への不服申立て)
……(三)のほか、準用河川の制度上、このような規定を準用する必要のある場合が少ないため
4 準用河川の管理について
1 準用河川の管理にあたっては、河川区域の指定等により河川区域の範囲を明確にするとともに、流水占用、土地占用その他の河川において行なわれる行為の現況を適確に把握し、河川台帳の調整保管に努めること。
2 流水占用、土地占用その他の行為について河川法第二三条等の処分をするときは、河川の公共用物としての性格に留意し、河川法第一条の河川管理の目的が達成されるよう適正に行なうこと。
3 不法占用、汚物等の不法投棄その他河川法の規定に違反する行為をした者に対しては、河川法第七五条の監督処分その他の違反是正のための措置を迅速に講じ、河川の機能の維持に努めること。
4 市町村長は、流水の占用で令第二条第三号イ、ロ、ハ又はニに該当するもの(特定水利使用)に関して河川法第二三条等の処分をする場合があったときは、河川法第七九条第二項の規定により都道府県知事の認可を受けること。
5 市町村長は、準用河川について河川工事を施行する場合等で他の河川管理者の管理する河川に著しい影響を及ぼすおそれがあると認められるときは、河川法第一五条の規定により、あらかじめ、当該他の河川管理者に協議すること。
5 流水占用料等について
1 市町村長は、準用河川について河川法第二三条から第二五条までの許可をしたときは、その許可を受けた者から、流水占用料、土地占用料又は土石採取料その他の河川産出物採取料(以下「流水占用料等」という。)を徴収することができること。この場合には、当該流水占用料等は当該市町村の収入となること。
2 流水占用料等の額は令第一八条第一項に規定する基準に従って市町村長の規則により定めること。この場合、関係都道府県において定められている額と均衡のとれたものとすること。
なお、発電のための流水占用料等にあっては、昭和四〇年一〇月一日建設省告示第二八六四号により建設大臣が定めた額の範囲内であること。
6 廃川敷地等について
1 準用河川について河川法第九一条第一項に規定する廃川敷地等が生じたときは、市町村長は、次の(一)から(五)までの事項を当該市町村の公報により公示すること(令第四九条、規則第三七条)。
(一) 河川の名称
(二) 廃川敷地等が生じた年月日
(三) 廃川敷地等の位置
(四) 廃川敷地等の種類及び数量
(五) 令附則第七条第一項の適用がある場合には、その申請は公示の日から三月以内に行なうべき旨の教示
2 市町村長は、廃川敷地等の公示をしたときは、河川法第九一条の規定により一〇ケ月間管理し、その間できる限り河川法第九二条の規定により新たに河川区域となる土地と交換するよう努めること。
3 廃川敷地等は、河川法第九三条の規定により当該廃川敷地等の存する市町村が譲与を受けられること。
7 普通河川管理条例との関係について
1 前記1の法定河川外の末端河川の管理は、地方自治法第二条第三項及び第一四条第二項に規定するとおり地方公共団体の行政事務として条例により管理することもできるが、できる限り準用河川制度を活用すること。
2 準用河川として指定した河川については、市町村のいわゆる普通河川管理条例のみならず、都道府県の普通河川に関する条例も適用されないこと。
(一) この場合、当該条例が当該市町村の行政区域内のすべての普通河川(一級河川、二級河川及び準用河川以外の河川)に適用されるものとされている場合には、その普通河川がすべて準用河川に指定されるときを除き、当該条例を廃止し、又は一部改正する必要もないが、
(二) 当該条例が普通河川のうち特に指定したものに適用されるものとされている場合には、その普通河川のうち準用河川に指定されたものを当該条例から削除する必要があるので、当該条例の一部改正を行なう必要があること。
3 前記1の普通河川管理条例により管理されていた河川が準用河川に指定された際、現に当該条例の規定による許可を受けている等権原に基づいて河川法の規定による許可を要する行為を行なっている者がある場合には、その者は、河川法第八七条の規定により、準用河川の指定があった後は従前と同じ条件で河川法の規定による許可を受けたものとみなされること。
8 その他
1 準用河川の管理に必要な河川管理規則を制定する場合には、都道府県の河川管理規則の例により当該市町村の実情に応じて必要な事項を適宜定めること。
2 前記各項のほか、河川管理事務の執行にあたっては、河川法その他の関係法令の規定と関係通達等の趣旨を十分理解すること。
通達等のうち、とくに次の(一)から(四)までに掲げるものには十分留意すること。
(一) 河川法の施行について(昭和四〇年三月二九日建発河第五八号事務次官通達)
(二) 河川法の施行について(昭和四〇年六月二九日建河発第二四五号河川局長通達)
(三) 廃川敷地等の処分について(昭和四四年九月二七日建設省河政発第七九号河川局長通達)
(四) 河川管理事務処理規程(昭和四〇年四月一日建設省訓令第一号)
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