会発第九一八号・河政発第五八号
昭和五一年九月七日

各都道府県知事・各地方建設局長・北海道開発局長・沖縄総合事務局長あて

建設大臣官房会計課長・河川局水政課長通達


廃川敷地等の管理について


いわゆる「みなし区域」の期限が切れ又は切迫していることもあつて、最近、廃川敷地等として処理される国有地が増加していることに伴い、これらの管理及び処分について混乱を生じている事例が見受けられるので、今後は次のように取扱われたい。
1 下付すべき土地について

(1) 下付すべき土地は、下付申請に基づいて十分審査のうえ、申請者が正当な権利を有すると認められるときは、遅滞なく下付すること。
(2) 旧河川法第二条の区域認定により土地の所有権を消滅された者が、すでに死亡し又は合併により消滅している場合は、その相続人等包括承継人が下付を受ける権利を有するものであるが、複数の相続人があるときは、各人が共同して下付を受けるものである。
(3) 下付申請権者については、市町村長等の協力を得て十分調査し、下付申請権者が判明したときは、申請期間内に下付申請するよう指導すること。
(4) (3)の措置をとってもなお下付申請がなされず、かつ、法定管理期間(河川法第九一条第一項の管理期間。以下同じ。)が満了したときは、いたずらに遅滞することなく、大蔵大臣に引継ぐ等の措置をとること。

2 廃川敷地の台帳について

廃川敷地は、法定管理期間内は、従前当該土地を管理していた河川管理者が河川法の規定に基づいて管理するものであり、短期の事後処理的な整理期間であることから国有財産法第三二条の台帳を備えることを要しないものとする。

3 使用料について

廃川敷地は、法定管理期間内においては、「河川法の施行について(昭和四〇年六月二九日建河発第二四五号河川局長通達)」8(3)ロにより使用収益させることができる。
この場合の使用料は、河川法第三二条第一項の規定に基づいて都道府県知事が定める占用料の算定基準によるものとする。
使用料の算定を大蔵省の定める基準(普通財産(土地及び建物)貸付料算定基準)によらないのは次の理由による。
(1) 土地については、当該期間内は、従前と同様の許可をする場合のほか新たな使用の許可はしないため、占用者の使用利益の実態は変わらない。
(2) 国有財産の貸付けではあるが、使用料は、河川法第九四条の規定により、その管理費用を負担する者の収入となり、都道府県知事が管理する土地については、当該都道府県の収入であって、国の基準が適用されない。
(河川法第九四条は、国有財産管理の特則であると考えられる。)

4 引継ぎ

(1) 法定管理期間満了後大蔵大臣に引き継ぐべき財産については、当該期間満了後引継手続が遅延することのないよう、法定管理期間内に財産内容の調査等所要の処理を完了すること。
(2) 大蔵省に引継ぐ土地について、占用者が、法定管理期間満了後(大蔵大臣引継後)引き続き使用しようとするときは、大蔵大臣から貸付けを受ける必要があるが、貸付料の額について大蔵省の定める基準が適用されるため、従前の占用料相当額と大幅に異ることが予想される場合は、法定管理期間内に、当該占用者に対し、その旨を教示すること。その際、詳細については所管財務局又は財務部に照会するよう付記すること。

5 経過措置期限後判明した「みなし区域」の処理について

昭和五一年四月一日(北海道においては昭和五三年四月一日)以後に「みなし区域」が判明した場合は、次のように処理するものとする。
(1) 河川区域又は河川予定地とすべきものは、すみやかにその指定を行うこと。
(2) 普通河川の敷地となるものについては、同日において建設省所管国有財産の管理担当部局長としての都道府県知事に所属替されたこととなるので、所属替について所定の手続をとること。
(3) (1)及び(2)以外の土地については、すみやかに河川法施行令第四九条の廃川公示を行い、法定管理期間の満了する日(昭和五二年一月三一日(北海道においては昭和五四年一月三一日))までに、河川法第九二条又は同法施行法第一八条の規定に基づき必要な交換又は下付を行い、法定管理期間満了後は、すみやかに、河川法第九三条第一項の規定による譲与、同法施行法第一八条の規定に基づく下付又は国有財産法の規定による大蔵大臣への引継(引継不適当財産については所定の手続)、又は他省庁の長等への所管替若しくは所属替を行うこと。


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport