各都道府県知事あて
記
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(別添1) 河岸等の植樹基準(案)
(趣旨)
第一 この基準は、河岸等の河川区域内において行う植樹(以下「植樹」という。)について河川管理上必要とされる一般的・技術的基準を定めるものとする。
(定義)
第二 この基準において、次の表の左欄に掲げる用語の意義はそれぞれ同表の右欄各項に定めるところによるものとする。
(植樹の位置)
第三 植樹の位置は、掘込河道の河岸、堤防の裏小段・側帯、河道の高水敷、遊水地、湖沼の前浜及び高規格堤防とする。
(植樹に関する一般的基準)
第四 植樹は、次の表の左欄に定める植樹を行う河川区域の区分に応じてそれぞれ同表の右欄各項に定める基準に適合するように行わなければならない。
(植樹に関する技術的細目基準)
第五 植樹は、第四に定めるもののほか、次の表の左欄及び中欄に定める植樹を行う河川区域の区分及び位置区分に応じてそれぞれ同表の右欄各項に定める基準に適合するように行わなければならない。
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〔別表〕 樹木分類表
(注) [ ]印は耐潤性樹木を表わす。表中の数字は、参考数値である。
水平方向の根系の大きさは、根幹からの距離を表わす。幹径は胸高直径である。
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(別添2) 河川等の植樹基準(案)と試行にあたつての留意事項
1 本基準(案)改正の背景
本基準(案)は、昭和56年12月の河川審議会答申「河川環境管理のあり方について」を踏まえ、昭和58年6月に定められ当分の間試行するものとされた。その後、約6年間の試行を通じて、河岸等の植樹が相当進展したが、水と緑のオープンスペースとしての水辺の役割への期待は近年より一層高まつている。このため、今回、本基準(案)の一部を見直し、もつて地域社会の河川環境に関する要請にこたえようとするものである。
本基準(案)は、河川区域内において行う植樹について一般的な基準を定めたものであり、治水上好ましいか又は治水上の支障がないことが明らかな場合の植樹を妨げるものではない。このため、本基準(案)によらず、治水上の必要から植樹を行う場合及び治水機能が別途確保されているなど治水上支障がなく河川の環境機能が向上する場合については、治水上の支障のないことを個別に確認することとし、事前に本職に協議することとされたい。
本基準(案)は、さらに当分の間試行するものであるが、今後技術的検討を加え、より完全なものとしていくこととしている。
2 植樹の実施主体及び維持管理等
イ 河川区域内において行う植樹の許可処分は、原則として河川法第27条と併せて第24条の規定に基づいて行うこと。
ロ 植樹の実施主体は、原則として地方公共団体又はこれに準ずる団体(以下「地方公共団体等」という。)とし、当該地方公共団体等に維持管理されるものとする。民間団体等については植樹した樹木が地方公共団体等に引き継がれること等によりその維持管理が確実に行われるものに限り認めること。
ハ 地方公共団体等が設置する公園等に占用されている区域内において植樹された樹木は、植樹の実施主体の如何にかかわらず当該公園管理者に維持管理させることが望ましいこと。
ニ 河岸等のハ以外の区域で民間団体等が植樹を行つた場合にも地方公共団体等に維持管理させることが望ましいが、必要やむを得ず民間団体等に維持管理させる場合には植樹の許可の際に当該団体と樹木の維持管理に関する協定を締結する等その維持管理が適正に行われることを担保しておくこと。
ホ 樹木の維持管理にあたつては本基準(案)に適合するように日常の維持管理の徹底を図り適時に植えかえ等を行うとともに低木についてはその高さが常時1m未満となるように措置し、樹木が河川管理施設等に悪影響を及ぼすことのないようにすること。
3 植樹にあたつての留意事項
イ 掘込河道の河岸等にある兼用道路の植樹については、道路法第32条の規定に基づく占用許可を受ける必要があり、河川法上の許可処分等を行う場合は事前に当該道路管理者と十分調整すること。
ロ 堤防裏小段、堤防側帯等の堤防への影響が懸念される区域に高木を植樹する場合においては、植樹樹木の主根が成木時においても堤防定規断面内に入らないよう樹種及び植樹位置の選定は特に慎重に行うとともに、堤防の安定性を損うことのないよう十分留意すること。ここで堤防の定規断面とは原則として計画堤防又は現堤防のいずれか大きい方とする。ただし、現堤防が計画堤防より十分大きい場合で現堤防に植樹を行おうとする場合は、個別に本職と協議されたい。
なお、樹木の主根が堤防定規断面内に侵入する可能性がある場合、樹木の耐風性が弱く倒伏する可能性が高い場合、盛土部の土砂又は樹木を水防用に利用する可能性がある場合、盛土部の土質が堤防の土質と著しく異なるなど縁切り施設を設けた方が堤防及び盛土部が安定する場合等にあつては、必ず縁切り施設を設けることとし、堤防側帯については、あわせてドレーン工を設けること。
ハ 堤防沿いの堤内地にある河川区域内の土地の植樹については、第三種側帯に準じて行うこと。
ニ 遊水地における植樹にあたつては、洪水時の水深、流速等から樹木に働くモーメントを計算する等により樹木が流出しないことを確認すること。また、樹木を群生させる場合には、流水の集中による堤防の洗掘等が生じることのないよう植樹位置の選定を行うこと。
ホ 高規格堤防に関する基準は、特定高規格堤防整備事業によるものに適用するほか特定地域高規格堤防整備事業費補助によるものについてもこれに準じること。
4 その他
建設省河川砂防技術基準(案)計画編において河川等の植樹について本基準(案)とは別に河岸等植樹基準(案)により行うものとされているが、当分の間は本基準(案)により試行することとされたいこと。
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