河政発第九七号
昭和五八年一二月一日

各都道府県知事あて

河川局長通達


河川敷地占用許可準則の一部改正について


標記については、昭和五八年一二月一日付け建設省河政発第九六号をもつて建設事務次官から通達されたが、その運用については、左記の事項に留意のうえ、遺憾のないように措置されたい。
おつて、貴管下市町村長に対しても、この旨周知方取り計らわれたい。

一 「敷地の位置」関係

(一) 「中小河川」とは、当該占用の場所における河川の流域面積が、おおむね二〇〇平方キロメートル未満のものをいうものであること。
(二) 「遊水地」とは、下流の河道の洪水時の流量を低減させるために河道に隣接して設けられる流水を貯留する土地(防災調節池及び雨水貯留施設を含む。)をいうものであること。
(三) 遊水地に係る占用にあつては、堤防法尻から五メートル以上離すこととされているが、特に越流堤法尻及び排水門からは五メートル以上で当該施設の機能上必要と認められる距離とすること。
(四) ダム貯水池に係る「河岸」とは、常時満水位の水際線とするものであること。

二 「敷地の位置五」及び「植物」関係

本基準の運用については、追つて河川敷地に係る植樹の基準を定めることとするが、当分の間は、昭和五八年六月三〇日付け治水課及び都市河川課作成に係る「河岸等の植樹基準(案)」(ダム貯水池については、追つて連絡する基準)によること。

三 「柵その他の工作物」関係

簡易な柵、橋等で河川管理上支障がないと認められるものの範囲は、追つて定めるものであること。

四 「空地の設定」関係

既存の占用のうち、現行準則において占用を許可しないこととされている施設のためにする占用については、改正前の基準によること。


(別添1)

河岸等の植樹基準(案)

(趣旨)
第一 この基準は、河岸等の河川区域内において行う植樹(以下「植樹」という。)について河川管理上必要とされる一般的・技術的基準を定めるものとする。
(定義)
第二 この基準において、次の表の左欄に掲げる用語の意義はそれぞれ同表の右欄各項に定めるところによるものとする。
掘込河道
一定区間を平均した場合に、計画高水位が堤内地盤高以下の河道でその堤防高(堤内地盤から盛土又はパラペットの天端までの高さ)が60cm未満のものをいう。
側帯
河川管理施設等構造令第24条に規定する側帯をいう。
河道の高水敷
河川法第6条第1項第3号に規定する土地で遊水地、湖沼及びダム貯水池に係るものを除いたものをいう。
遊水地
下流河道の洪水時の流量を低減させるために河道に隣接して設けられる流水を貯留する土地をいう。
湖沼の前浜
その計画高水位が水面勾配をもたないで定められている湖沼の河川法第6条第1項第3号に規定する土地をいう。
高規格堤防
超過洪水に伴う越水等によつても破堤が生じない幅の広い堤防をいう。
自立式護岸
自立式である鋼矢板護岸及びコンクリート擁壁護岸等の基礎構造を含めて自立式である護岸をいう。
高木
別表「樹木分類表」中高木類に属する樹木及びこれらに類する樹木で成木時の高さが1m以上のものをいう。
低木
別表「樹木分類表」中低木類に属する樹木及びこれらに類する樹木で成木時の高さが1m未満のものをいう。
耐風性樹木
別表「樹木分類表」中深根系に属する樹木及びこれらに類する樹木で耐風性を有すると認められるものをいう。
耐潤性樹木
別表「樹木分類表」中耐潤性樹木とされた樹木及びこれらに類する樹木で耐潤性を有すると認められるものをいう。
(植樹の位置)
第三 植樹の位置は、掘込河道の河岸、堤防の裏小段・側帯、河道の高水敷、遊水地、湖沼の前浜及び高規格堤防とする。
(植樹に関する一般的基準)
第四 植樹は、次の表の左欄に定める植樹を行う河川区域の区分に応じてそれぞれ同表の右欄各項に定める基準に適合するように行わなければならない。
河川区域の区分
一般的基準
掘込河道の河岸
1 植樹の位置は、河川管理用通路(道路法上の道路と兼用しているもの(以下「兼用道路」という。)を含む。)及び河岸法面とすること。
2 河川管理用通路(兼用道路を除く。)においては、植樹樹木は低木のみとし必要な車両通行帯等を確保すること。
3 河岸法面に植樹する場合においては、超過洪水の安全な疎通と法面の安定に配慮すること。
4 樹木の枝、根等が背後の民地との境界線又は道路法上の道路(以下「道路」という。)の建築限界を侵すことのないようにすること。
堤防の裏小段
1 植樹の位置は、漏水等の堤防保全上の問題のない区間に限ること。
2 植樹は、盛土を設けて行うこと。
3 樹木の枝、根等が背後の民地との境界線又は道路の建築限界を侵すことのないようにすること。
堤防の側帯
1 植樹の位置は、漏水等の堤防保全上の問題のない区間に限ること。
2 第1種側帯においては、植樹樹木は低木のみとすること。
3 樹木の枝、根等が背後の民地との境界線又は道路の建築限界を侵すことのないようにすること。
河道の高水敷
1 高木の植樹の位置は、川幅が上下流に比較して広い急拡部等で、洪水時の流水が死水状態若しくはそれに近い状態にあり、計画上も計画高水流量の疎通に必要な流下断面となつていない区域に限ること。
遊水地
1 植樹は、遊水地の必要な貯水機能を別途確保して行うとともに、洪水時に流出しないと認められるものに限ること。
高規格堤防
1 植樹は、掘込河道の基準に準じて行うこと。
(植樹に関する技術的細目基準)
第五 植樹は、第四に定めるもののほか、次の表の左欄及び中欄に定める植樹を行う河川区域の区分及び位置区分に応じてそれぞれ同表の右欄各項に定める基準に適合するように行わなければならない。
河川区域の区分
植樹の位置区分
技術的細目基準
掘込河道の河岸
河川管理用通路
(兼用道路以外の場合)
1 堤内側及び堤外側いずれの植樹の場合も2.5m以上の車両通行帯を確保すること。
<模式図>
 
 
(兼用道路の場合)
1 植樹する高木は耐風性樹木であること。
2 高木の植樹は、護岸の高さが計画高水位以上の場合に限ること。
3 高木の植樹は、樹木の主根が成木時においても護岸構造に支障を与えないよう、護岸法肩から必要な距離を離すこと。
<模式図>
 
 
 
河岸法面
1 植樹は、護岸の高さが計画高水位以上の場合に限ること。
2 植樹を行つた場合には、張芝等の法面保護工を実施すること。
3 高木の植樹は、河岸法面法肩より堤内側が河川管理用通路(兼用道路を含む。)である場合に限ること。
4 植樹する高木は耐風性樹木であること。
5 高木の植樹は、樹木の主根が成木時においても護岸構造に支障を与えないよう、護岸法肩から必要な距離を離すこと。
<模式図>
 
 
堤防裏小段
 
1 植樹は、樹木の主根が成木時においても堤防の定規断面内に入らないよう、裏小段の堤防法尻沿いに必要な盛土を設けることとし、必要に応じ縁切り施設を設けて行うこと。この場合に水防活動等の支障とならないよう留意するとともに、盛土が堤防の安定性を損わないものであること。
2 1の盛土部分には張芝等の法面保護工を実施すること。
<模式図>
 
 
堤防側帯
第二種及び第三種側帯
1 第2種側帯においては、高木の植樹は水防活動に資する場合に限ること。
2 高木の植樹は、樹木の主根が成木時においても堤防の定規断面内に入らないよう行うこと。盛土部分がある場合には、必要に応じ堤防裏法面と盛土部分の間に縁切り施設及びドレーン工を設けて行うこと。この場合に盛土が堤防の安定性を損わないものであること。
3 2の盛土部分には張芝等の法面保護工を実施すること。
<模式図>
 
 
河道の高水敷
 
1 低木の植樹は、堤防表法尻及び低水路法肩から10m以上の距離を離すこと。
2 低木を群生して植樹する場合は、河川横断方向の群生の幅(2以上の群生の場合はその和)が高水敷幅の4分の1以下とすること。また、列植する場合は、河川縦断方向の列植延長が100m以下とし、列植の間隔は50m以上とすること。
<模式図>
 
 
(注) L=20+0.005Q
3 高木の植樹は、堤防表法尻及び低水路法肩から20m以上の距離を離し、かつ、堤防表法面と計画高水位の接線から(20+0.005Q)m(Qは計画高水流量で単位はm3/secとする。以下同じ。)(30m未満の場合は30m、70mを超える場合は70m)以上の距離を離すこと。また、植樹の間隔は、河川横断方向については(20+0.005Q)m(70mを超える場合は70m)以上、河川縦断方向については(30+0.005Q)m以上とし堤脚沿いに高流速を生じさせないようにすること。
4 植樹する高木は、耐風性樹木であつて、植樹にあたつては流出防止工を施し一本立で行うこと。
遊水地
 
1 植樹は、遊水地の必要な貯水機能を損わないよう代替容量を確保して行うこと。
2 低木の植樹は、堤防法尻、越流施設及び排水門から5m以上の距離を離すとともに、洪水時の水深、流速等からみて、流出防止のための措置を講ずるか又は流出しないと認められる位置とすること。
3 高木の植樹は、堤防法尻、越流施設及び排水門から15m以上の距離を離すとともに、洪水時の水深、流速等からみて、流出防止のための措置を講ずるか又は流出しないと認められる位置とすること。
4 植樹する高木は、耐風性・耐潤性樹木であること。
<模式図>
 
 
湖沼の前浜
 
1 低木の植樹は、堤防法尻及び低水路法肩から5m以上の距離を離すこと。
2 高木の植樹は、堤防法尻及び低水路法肩から15m以上の距離を離すこと。
3 植樹する高木は、耐風性・耐潤性樹木であつて、植樹は一本立で0.1haあたり1本の密度を限度として行うこと。
<模式図>
 
 
高規格堤防
 
1 従来の堤防定規断面の堤防敷上の高規格堤防への植樹については、掘込河道の基準に準じて行うこと。

ただし、高規格堤防の所要の断面が未完成である場合は、盛土部のみ植樹を行えることとし、植樹の位置は、樹木の主根が成木時においても従来の堤防の定規断面内に入らない位置とすること。

2 従来の堤防定規断面の堤防敷以外の高規格堤防への植樹は随意とする。
<模式図>
 
 



〔別表〕

樹木分類表

樹木分類
根系
樹種
根系(主根)の大きさ(m)
 
幹径
(m)
樹冠幅
(m)
 
 
 
垂直
水平
 
 
高木類
深根系
イチイ(オンコ)
1.5
1.4〜1.9
0.25
8〜12
 
 
イチョウ
1.3
1.7〜2.3
0.30
10〜20
 
 
キハダ
1.3
1.2〜1.7
0.22
5
 
 
クリ
1.3
1.2〜1.7
0.22
12〜16
 
 
クロマツ
1.8
0.9〜1.8
0.25〜0.30
7〜13
 
 
デイゴ(アメリカデイゴ)
0.6
1.3〜1.7
0.18
2〜8
 
 
ヒマラヤスギ
1.1
1.9〜2.6
0.34〜0.35
11〜25
 
 
ミズナラ
1.4
1.7〜2.3
0.24
5〜13
 
 
モミノキ
2.2
1.6〜1.9
0.24〜0.28
10〜20
 
 
ユリノキ
1.7
1.2〜1.7
0.22
5〜14
 
 
ランシンボク
1.5
2.0〜2.7
0.36
7
 
 
[アベマキ]
3.0
1.3〜3.8
0.24〜0.50
14
 
 
[イチイガシ]
1.4
1.8〜2.5
0.33
6〜12
 
 
[イヌガヤ]
3.0
2.8〜3.8
0.50
6〜9
 
 
[イヌマキ]
1.6
2.0〜2.7
0.36
7〜17
 
 
[イロハモミジ]
1.7
1.6〜2.2
0.29
5〜6
 
 
[カクレミノ]
0.8
1.0〜1.2
0.12
6〜8
 
 
[カシワ]
3.0
1.2〜3.8
0.32〜0.50
5〜9
 
 
[カツラ]
1.2
1.0〜1.5
0.18〜0.20
10〜21
 
 
[カヤ]
1.8
1.0〜1.8
0.18〜0.30
8〜24
 
 
[クヌギ]
1.3
1.9〜2.6
0.34
7〜11
 
 
[コウヨウザン]
0.9
0.9〜1.5
0.26
5〜15
 
 
[コナラ]
2.1
1.4〜2.0
0.26
11〜14
 
 
[サルグルミ]
2.6
1.9〜2.4
0.25〜0.32
6〜18
 
 
[シイノキ]
1.0
1.4〜1.9
0.25
4〜13
 
 
[シダレヤナギ]
1.2
1.3〜1.8
0.24
4〜11
 
 
[タラヨウ]
1.7
1.5〜2.1
0.28
6〜13
 
 
[ダイオウショウ]
2.0
1.4〜1.9
0.25
3〜9
 
 
[チョウセンゴヨウ]
1.0
1.9〜2.6
0.34
5〜13
 
 
[ツブラジイ]
0.6
1.7〜2.3
0.30
4〜13
 
 
[トチノキ]
1.3
1.2〜1.7
0.22
7〜18
 
 
[トネリコ]
1.0
0.9〜1.3
0.17
3〜9
 
 
[ナギ]
3.0
1.7〜3.8
0.30〜0.50
9〜12
 
 
[プラタナス(スズカケノキ)]
1.8
1.3〜2.3
0.24〜0.30
11〜21
 
 
[マツ(アカマツ)]
1.8
0.9〜1.7
0.26〜0.30
8〜15
 
 
[マテバシイ]
0.8
1.2〜1.7
0.22
9〜18
 
 
[ムクロジ]
3.6
2.1〜4.5
0.38〜0.60
9〜18
 
 
[メタセコイア]
1.1
0.6〜1.1
0.24
3〜7
 
 
[ヤチダモ]
2.4
1.3〜3.0
0.24〜0.4
5〜8
 
 
[ラクウショウ]
0.8
1.4〜2.0
0.26
9〜22
 
中間系
アオギリ
1.5
1.4〜1.9
0.24
2〜5
 
 
ウバメガシ
1.7
1.4〜1.8
0.19
3〜9
 
 
ウメ
0.6
1.1〜1.3
0.12
3〜5
 
 
エンジュ
0.6
1.2〜1.6
0.22
9〜12
 
 
カキノキ
0.8
1.0〜1.3
0.16
6〜12
 
 
カラマツ
1.6
1.1〜3.3
0.20〜0.44
5〜14
 
 
クワ(ヤマグワ)
1.1
1.0〜1.4
0.18
10〜15
 
 
ザクロ
1.0
0.6〜0.8
0.1
5〜6
 
 
シラカシ
1.1
1.2〜1.7
0.22
9〜12
 
 
スモモ
0.5
1.5〜1.8
0.10
5〜6
 
 
ソメイヨシノ(サクラ)
1.2
1.1〜1.5
0.20
4〜8
 
 
タブノキ
1.3
1.4〜3.8
0.26〜0.50
8〜13
 
 
ヌルデ
0.7
1.3〜1.6
0.14
4
 
 
ハゼノキ
0.6
1.4〜2.0
0.26
8〜10
 
 
ホルトノキ
2.5
1.2〜3.8
0.22〜0.50
8〜16
 
 
モモ
0.8
1.4〜2.0
0.26
3〜6
 
 
[イイギリ]
0.9
1.0〜1.4
0.18
7〜9
 
 
[イヌエンジュ]
0.8
1.1〜1.6
0.22
5〜8
 
 
[オニグルミ]
1.0
0.7〜1.5
0.13〜0.20
8〜24
 
 
[キリ]
1.5
1.2〜1.7
0.22
5〜8
 
 
[クスノキ]
1.5
1.5〜2.3
0.28〜0.30
9〜25
 
 
[コブシ]
1.1
1.4〜1.8
0.22
7〜11
 
 
[サイカチ]
0.9
1.3〜1.8
0.24
10〜15
 
 
[シキミ]
1.0
0.7〜1.1
0.20
2〜3
 
 
[シナサワグルミ]
1.1
1.0〜1.4
0.18
5〜18
 
 
[シロダモ]
2.5
1.0〜3.8
0.16〜0.50
7〜11
 
 
[センダン]
1.2
1.2〜1.8
0.22〜0.24
5〜20
 
 
[タイサンボク]
1.3
2.7〜3.6
0.48
10〜13
 
 
[チャンチン]
2.5
2.8〜3.8
0.5
2〜8
 
 
[ニセアカシア(アカシア)]
0.6
1.0〜2.4
0.24〜0.36
6〜15
 
 
[ネムノキ]
1.0
1.7〜2.2
0.28
6〜10
 
 
[バクチノキ]
1.0
1.1〜1.5
0.20
7〜11
 
 
[ホオノキ]
1.0
1.3〜2.0
0.24〜0.26
9〜12
 
 
[ボーボノキ]
0.7
0.8〜1.1
0.14
2〜3
 
 
[モミジ(モミジバフウ)]
0.6
1.4〜2.0
0.26
5〜6
 
 
[ヤマモモ]
1.0
1.4〜1.6
0.12
4〜12
 
浅根系
カイズカイブキ
1.3
0.6〜2.4
0.10〜0.32
3〜8
 
 
カエデ(トウカエデ)
0.9
1.2〜1.7
0.22
6〜11
 
 
カナメモチ
0.6
0.3〜1.1
0.15
4〜8
 
 
カナリーヤシ(フェニックス)
0.6
1.1〜1.8
0.38
2〜12
 
 
カリン
1.0
0.7〜1.9
0.12〜0.25
6〜15
 
 
キンモクセイ
0.6
1.2〜1.7
0.22
3〜7
 
 
ケヤキ
4.0
1.1〜7.5
0.20〜1.0
12〜20
 
 
ゴンズイ
0.6
0.5〜0.7
0.09
1〜3
 
 
サカキ
0.8
0.4〜1.4
0.07〜0.19
6〜8
 
 
ソテツ
0.6
1.5〜2.2
0.32
1〜11
 
 
ツバキ(ヤブツバキ)
0.5
1.0〜1.4
0.18
5〜8
 
 
トウヒ
0.6
1.9〜2.6
0.34
13〜20
 
 
ナナカマド
0.5
0.4〜0.8
0.18
5〜7
 
 
ハナミズキ
0.5
0.7〜1.0
0.12
5〜10
 
 
ヒイラギ
0.5
0.6〜1.0
0.18
5〜9
 
 
ヒノキ
1.0
1.1〜2.5
0.24〜0.36
7〜16
 
 
モッコク
0.7
0.7〜0.9
0.12
6〜17
 
 
[アカシデ]
1.0
1.5〜2.0
0.24
7〜9
 
 
[アカメガシワ]
0.8
1.1〜1.5
0.20
3〜9
 
 
[アキニレ]
1.0
1.6〜2.1
0.26
6〜9
 
 
[アスナロ(ヒバ)]
1.3
1.5〜2.1
0.28
2〜4
 
 
[アメリカヤマナラシ]
0.9
1.9〜2.6
0.35
5〜7
 
 
[イタリヤヤマナラシ]
1.4
2.0〜2.7
0.36
5〜11
 
 
[イチジク]
1.3
0.4〜2.4
0.07〜0.32
1〜4
 
 
[イヌツゲ]
0.9
0.5〜1.8
0.07〜0.60
2〜6
 
 
[イヌビワ]
0.7
0.7〜0.9
0.05
1〜3
 
 
[イブキ]
2.5
2.0〜6.8
0.36〜0.90
5〜10
 
 
[エゴノキ]
0.3
2.0〜2.3
0.17
4〜5
 
 
[エノキ]
1.1
0.6〜2.1
0.10〜0.28
11〜14
 
 
[オオバボダイジュ]
2.4
1.1〜4.5
0.2〜0.6
5〜14
 
 
[カロリナポプラ]
0.8
1.1〜1.4
0.19
4〜6
 
 
[ギンドロ]
1.9
1.4〜3.6
0.26〜0.48
12〜25
 
 
[クロガネモチ]
1.2
1.4〜2.0
0.26
4〜6
 
 
[コウヤマキ]
1.1
1.1〜1.5
0.2
2〜12
 
 
[コノテガシワ]
0.9
1.0〜1.4
0.22
2〜5
 
 
[コバノトネリコ]
1.5
0.9〜2.9
0.2
2〜12
 
 
[コメツガ]
0.6
1.8〜2.4
0.32
15〜19
 
 
[サザンカ]
1.2
1.0〜2.2
0.10〜0.29
1〜4
 
 
[サルスベリ]
0.8
1.1〜1.5
0.20
5〜6
 
 
[サワラ]
1.0
1.0〜1.7
0.36
8〜12
 
 
[サンコジュ]
0.3
0.6〜1.0
0.18
3〜6
 
 
[シダレザクラ]
1.6
2.2〜3.0
0.40
5〜18
 
 
[シラカバ]
0.5
1.5〜2.1
0.3
8〜13
 
 
[ズミ]
0.6
1.7〜2.0
0.14
4〜5
 
 
[ツガ]
1.1
1.5〜2.1
0.28
15〜23
 
 
[ドロノキ]
4.0
5.5〜7.5
1.0
9〜12
 
 
[ナンキンハゼ]
1.2
1.5〜2.2
0.36
7〜8
 
 
[ネズコ]
1.0
1.5〜2.1
0.26
5〜13
 
 
[ハルニレノキ]
0.6
0.9〜1.5
0.28
13〜21
 
 
[ハンノキ]
1.0
0.7〜1.2
0.23
9〜12
 
 
[ブナ]
0.8
1.5〜2.3
0.38
9〜13
 
 
[ミズキ]
0.5
1.2〜2.6
0.22〜0.35
6〜15
 
 
[ムクノキ]
0.9
1.2〜1.7
0.22
13〜18
 
 
[モチノキ]
0.6
0.7〜1.0
0.16
4〜7
 
 
[ヤマナラシ]
0.5
1.3〜1.8
0.22
4〜6
 
 
[ヤマハンノキ]
0.6
0.6〜1.1
0.24
7〜11
 
 
[ヤマボウシ]
0.8
1.1〜1.5
0.2
3〜4
 
 
[ヤマモミジ]
0.2
0.5〜0.7
0.09
4〜8
 
 
[ユーカリ]
1.0
1.3〜1.8
0.24
5〜15
 
 
[ユズ]
0.6
0.8〜1.0
0.11
2〜3
 
 
[ユズリハ]
0.9
1.2〜1.7
0.22
6〜9
低木類
深根系
キャラボク
0.5
1.0〜1.3
0.16
2
 
 
キョウチクトウ
0.5
0.4〜0.5
0.05
3〜6
 
 
サンザシ
0.5
0.6〜1.0
0.20
1
 
 
シャリンバイ
0.6
0.8〜1.1
0.14
3〜5
 
 
タラノキ
1.1
0.9〜1.0
0.07
0.6〜1.2
 
 
チャノキ
0.7
0.4〜0.5
0.04
2.1〜4.2
 
 
ノイバラ
0.7
0.4〜0.5
0.01〜0.03
1.4〜4.1
 
 
ヒサガキ
0.5
0.4〜0.6
0.10
2〜4
 
 
[アジサイ]
0.2
0.2〜0.3
0.03
1.3〜2.6
 
 
[ウツギ]
0.7
0.5〜0.6
0.05
1〜2
 
 
[ガクアジサイ]
0.3
0.2〜0.3
0.03
1〜2
 
 
[ニワトコ]
0.6
0.8〜1.0
0.07
1.8〜2.7
 
 
[バイカウツギ]
0.5
0.4〜0.5
0.02〜0.03
2
 
 
[ボケ]
0.2
0.1〜0.2
0.02
1〜2
 
 
[ヤマアジサイ]
0.3
0.2〜0.3
0.02〜0.03
0.36〜0.86
 
中間系
エニシダ
1.1
0.4〜0.6
0.08
0.5〜1.5
 
 
ニシキギ
0.2
0.2〜0.3
0.04
1〜2
 
 
ハギ(ヤマハギ)
0.2
0.4〜0.5
0.03
1〜2
 
 
ハクチョウゲ
0.3
0.3〜0.4
0.005
0.3〜0.5
 
 
ホソバヒイラギナンテン
0.4
0.3〜0.4
0.02〜0.03
0.8〜1.6
 
 
ボックスウッド
0.5
0.3〜0.8
0.05〜0.1
0.3〜0.5
 
 
ミヤマトベラ
0.2
0.1〜0.2
0.01
0.3
 
 
メギ
0.7
0.2〜0.3
0.02
1〜2
 
 
[カンボク]
0.2
0.1〜0.3
0.02〜0.04
0.5〜3
 
 
[クチナシ]
0.5
0.2〜0.6
0.20
0.5〜1.8
 
 
[ナンテン]
0.3
0.2〜0.3
0.02
1.6
 
 
[ハクサンボク]
0.4
0.3〜0.5
0.08
3〜5
 
 
[ハンバミ]
0.5
0.2〜0.8
0.03〜0.10
0.5〜3
 
 
[ヒイラギナンテン]
0.3
0.2〜0.3
0.03
0.5〜1.5
 
 
[フヨウ]
0.1
0.1〜0.2
0.04
1〜3
 
 
[マサキ]
0.7
0.5〜0.7
0.12
1.4〜3.5
 
 
[マユミ]
0.3
0.4〜0.5
0.03
1〜2
 
 
[ムクゲ]
0.6
0.6〜0.8
0.12
1〜4
 
 
[ヤツデ]
0.5
0.4〜0.5
0.03
〜2.1
 
 
[ヤブデマリ]
0.7
0.3〜0.6
0.02〜0.05
2〜4
 
浅根系
アオイ
0.7
0.1〜0.4
0.02〜0.05
0.3〜1.5
 
 
アセビ
0.5
0.2〜0.4
0.03〜0.05
2.7〜8
 
 
ウグイスカズラ
0.3
0.3〜0.4
0.02〜0.03
0.8〜1.8
 
 
ウメモドキ
0.3
0.6〜0.7
0.07
2.3〜5.8
 
 
カラタチノキ
0.7
0.7〜1.1
0.18
〜4
 
 
キンシバイ
0.2
0.2〜0.3
0.01
0.5〜1
 
 
コデマリ
0.3
0.1〜0.2
0.02
1.5〜3
 
 
サツキ(サツキツツジ)
0.2
0.2〜0.3
0.03
2
 
 
シモツケ
0.1
0.1〜0.2
0.02〜0.03
0.8〜1.1
 
 
ツゲ
0.3
0.2〜0.3
0.04
2
 
 
ネズミモチ
0.5
0.8〜1.0
0.08
2〜2.5
 
 
ハナゾノックバネウズキ(アベリア)
0.2
0.1〜0.2
0.02
0.5〜1.4
 
 
マンリョウ
0.3
0.1〜0.2
0.008
0.1〜0.3
 
 
ユキヤナギ
0.3
0.3〜0.4
0.01〜0.02
1.5〜2.2
 
 
レンギョ
0.4
0.7〜0.8
0.01
1.2〜2.4
 
 
[アオキ]
0.3
0.2〜0.3
0.04
0.8〜1.2
 
 
[アキグミ]
0.4
0.9〜1.0
0.03〜0.10
0.3〜1.2
 
 
[イボタノキ]
0.5
0.7〜0.8
0.02〜0.03
2.8〜8.4
 
 
[コクチナシ]
0.2
0.2〜0.4
0.04〜0.05
0.5〜1.8
 
 
[サンショウ]
0.2
0.1〜0.2
0.04
〜2.3
 
 
[ジンチョウゲ]
0.3
0.3〜0.4
0.04
0.6〜1.2
 
 
[タニウズキ]
0.5
0.5〜0.6
0.04
0.8〜1.6
 
 
[トベラ]
0.6
0.1〜0.2
0.01
3
 
 
[ドウダンツツジ]
0.3
0.3〜0.4
0.03
1.3〜1.8
 
 
[ナギイカダ]
0.1
0.3〜0.5
0.005
〜1.1
 
 
[ナツグミ]
0.4
0.8〜0.9
0.02
2〜4
 
 
[ナワシログミ]
0.4
0.4〜0.5
0.04〜0.05
2.75
 
 
[ヒイラギモクセイ]
0.6
0.8〜1.2
0.16
2.7〜4.9
 
 
[ミツバツツジ]
0.3
0.2〜0.3
0.03〜0.04
1.6〜2.4
 
 
[ヤマブキ]
0.1
0.1〜0.4
0.003〜0.007
1〜3
 
 
[レンゲツツジ]
0.3
0.3〜0.4
0.04
0.7〜1.4
 
 
[ロウバイ]
0.1
0.1〜0.2
0.02
1.4〜3.5

(注) [ ]印は耐潤性樹木を表わす。表中の数字は、参考数値である。

水平方向の根系の大きさは、根幹からの距離を表わす。幹径は胸高直径である。



(別添2)
河川等の植樹基準(案)と試行にあたつての留意事項

1 本基準(案)改正の背景

本基準(案)は、昭和56年12月の河川審議会答申「河川環境管理のあり方について」を踏まえ、昭和58年6月に定められ当分の間試行するものとされた。その後、約6年間の試行を通じて、河岸等の植樹が相当進展したが、水と緑のオープンスペースとしての水辺の役割への期待は近年より一層高まつている。このため、今回、本基準(案)の一部を見直し、もつて地域社会の河川環境に関する要請にこたえようとするものである。
本基準(案)は、河川区域内において行う植樹について一般的な基準を定めたものであり、治水上好ましいか又は治水上の支障がないことが明らかな場合の植樹を妨げるものではない。このため、本基準(案)によらず、治水上の必要から植樹を行う場合及び治水機能が別途確保されているなど治水上支障がなく河川の環境機能が向上する場合については、治水上の支障のないことを個別に確認することとし、事前に本職に協議することとされたい。
本基準(案)は、さらに当分の間試行するものであるが、今後技術的検討を加え、より完全なものとしていくこととしている。

2 植樹の実施主体及び維持管理等

イ 河川区域内において行う植樹の許可処分は、原則として河川法第27条と併せて第24条の規定に基づいて行うこと。
ロ 植樹の実施主体は、原則として地方公共団体又はこれに準ずる団体(以下「地方公共団体等」という。)とし、当該地方公共団体等に維持管理されるものとする。民間団体等については植樹した樹木が地方公共団体等に引き継がれること等によりその維持管理が確実に行われるものに限り認めること。
ハ 地方公共団体等が設置する公園等に占用されている区域内において植樹された樹木は、植樹の実施主体の如何にかかわらず当該公園管理者に維持管理させることが望ましいこと。
ニ 河岸等のハ以外の区域で民間団体等が植樹を行つた場合にも地方公共団体等に維持管理させることが望ましいが、必要やむを得ず民間団体等に維持管理させる場合には植樹の許可の際に当該団体と樹木の維持管理に関する協定を締結する等その維持管理が適正に行われることを担保しておくこと。
ホ 樹木の維持管理にあたつては本基準(案)に適合するように日常の維持管理の徹底を図り適時に植えかえ等を行うとともに低木についてはその高さが常時1m未満となるように措置し、樹木が河川管理施設等に悪影響を及ぼすことのないようにすること。

3 植樹にあたつての留意事項

イ 掘込河道の河岸等にある兼用道路の植樹については、道路法第32条の規定に基づく占用許可を受ける必要があり、河川法上の許可処分等を行う場合は事前に当該道路管理者と十分調整すること。
ロ 堤防裏小段、堤防側帯等の堤防への影響が懸念される区域に高木を植樹する場合においては、植樹樹木の主根が成木時においても堤防定規断面内に入らないよう樹種及び植樹位置の選定は特に慎重に行うとともに、堤防の安定性を損うことのないよう十分留意すること。ここで堤防の定規断面とは原則として計画堤防又は現堤防のいずれか大きい方とする。ただし、現堤防が計画堤防より十分大きい場合で現堤防に植樹を行おうとする場合は、個別に本職と協議されたい。

なお、樹木の主根が堤防定規断面内に侵入する可能性がある場合、樹木の耐風性が弱く倒伏する可能性が高い場合、盛土部の土砂又は樹木を水防用に利用する可能性がある場合、盛土部の土質が堤防の土質と著しく異なるなど縁切り施設を設けた方が堤防及び盛土部が安定する場合等にあつては、必ず縁切り施設を設けることとし、堤防側帯については、あわせてドレーン工を設けること。

ハ 堤防沿いの堤内地にある河川区域内の土地の植樹については、第三種側帯に準じて行うこと。
ニ 遊水地における植樹にあたつては、洪水時の水深、流速等から樹木に働くモーメントを計算する等により樹木が流出しないことを確認すること。また、樹木を群生させる場合には、流水の集中による堤防の洗掘等が生じることのないよう植樹位置の選定を行うこと。
ホ 高規格堤防に関する基準は、特定高規格堤防整備事業によるものに適用するほか特定地域高規格堤防整備事業費補助によるものについてもこれに準じること。

4 その他

建設省河川砂防技術基準(案)計画編において河川等の植樹について本基準(案)とは別に河岸等植樹基準(案)により行うものとされているが、当分の間は本基準(案)により試行することとされたいこと。


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