事務連絡
平成一一年九月八日

都道府県河川主管課長あて

建設省河川局河川環境課都市河川室長、建設省河川局治水課沿川整備対策官


河川情報基盤緊急整備事業の今後の取り扱いについて

平成八年度に創設された河川情報基盤緊急整備事業により、今日まで、全国で、雨量計、水位計、テレメータシステム等の整備が図られてきたところである。
しかしながら、近年、以下の観点から、より一層情報基盤整備を推進し、活用していくことが求められるようになっている。

1) 先般の地下街浸水被害等の新たな都市型水害への対応
2) より一層の迅速かつわかりやすい情報提供による災害の拡大の防止
3) 施設の遠隔操作化をはじめとする効率的な河川管理、リダンダンシーの確保

このため、本事業の実施内容を拡充し、引き続き重点的に情報基盤整備を推進していくこととした。
本事業で拡充する内容を、河川情報基盤緊急整備事業実施要綱(案)として定めたので、これに基づき現在の河川情報基盤緊急整備計画の策定を図り、すみやかに河川情報基盤の整備を推進されたい。

河川情報基盤緊急整備事業実施要綱(案)

第1 本要綱は、洪水時、渇水時、水質事故時等の緊急時における河川管理者の円滑な対応及び日常の河川に関する情報提供の観点から、種々の河川情報の収集、分析、伝達及び河川管理の高度化を図ることを目的とする。
第2 河川情報基盤緊急整備事業で国の補助の対象となるものは、次の各号に適合するものとする。

1 対象地域

対象地域は一般河川指定区間及び二級河川の全流域とするが、特に左記の河川を重点的に行うものとする。
・破堤・越水等が生じた場合、大きな被害が発生すると予想される河川
・最近五年のうちに浸水被害が発生した流域
・破堤、越水等により地下空間(地下鉄、地下街等)に被害が生じるおそれのある流域

なお、現在、補充事業において整備中の施設管理に必要な情報基盤施設は、原則として当該補助事業において整備するものとする。
2 対象施設

1) 光ファイバ

気象・水文等の情報伝達内容の高度化、伝達手段のリタンダンシーの確保により、確実な河川管理を期する観点から、下記の光ファイバの整備を行うもの。
・一級河川指定区間及び二級河川に敷設するもので、ITVと一体整備することにより、洪水流況の把握や河川管理施設の遠隔操作等、操作の高度化を可能とするもの。
・流域の情報収集のため、関係市町村等との間に敷設するもの。

2) ITV

洪水流況等を監視するため、ITVの整備を行うもの。

3) 洪水予測システム

洪水予測を行うため、気象・水文データの収集や予測システム等のハード及びソフトの整備を行うもの。

4) 洪水情報緊急伝達施設整備

洪水流況、河川管理施設の状況及び洪水予測に関する情報等を迅速に伝達する観点から、地下街等を氾濫域にかかえる河川等において沿川にスピーカ等の情報伝達機器の整備を実施するもの。

5) その他

・洪水予測システムの精度向上のためのより高密度な雨量計
・水位計の設置、耐用年数を過ぎたシステムの大規模な更新等、上記1)〜4)の効率化に資する施設。
・水利用が進み、水質事故等が発生した場合に著しい被害が生じるおそれのある河川における水質監視施設。

第3 前項の施設の整備にあたっては、「河川情報基盤緊急整備計画」を定めることとし、これに基づき計画的整備を行うものとする。


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