河川法の一部を改正する法律(平成三年法律第六一号)、河川法施行令の一部を改正する政令(平成三年政令第三三三号)及び河川法施行規則の一部を改正する省令(平成三年建設省令第二一号)の施行については、平成三年一一月一日付け建設省河政発第六九号により河川局長名をもって通達したところであるが、これらの法令の運用及び解釈並びに高規格堤防整備事業の実施及び高規格堤防の管理に当たっては、下記の事項に留意した上、遺憾のないようにされたい。
1 河川法改正の趣旨
今回の河川法(昭和三九年法律第百六七号。以下「法」という。)の改正は、計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる規格構造を有し、堤体内での通常の土地利用が可能な高規格堤防の整備の円滑な推進を図ることを目的とするものであり、高規格堤防の堤体上の土地の通常の利用を促進することを目的とするものではないこと。
2 高規格堤防特別区域の指定及び公示について
地方建設局河川部長(北海道開発局建設部長及び沖縄総合事務局開発建設部長を含む。)は、指定区間外の一級河川について、高規格堤防特別区域の指定が必要になったときは、本省河川局水政課長に対し、次に掲げる図書を添付して、その旨を申し出ること。
イ 公示案
ロ 位置図
ハ 縮尺二、五〇〇分の一の実測平面図
ニ 高規格堤防の事業計画の概要(事業スケジュールを含む。)
ホ その他参考となるべき事項を記載した図書
3 高規格堤防に係る河川整備基本方針等について
高規格堤防を整備する河川の河川整備基本方針においては、高規格堤防の整備に関する事項として、高規格堤防のおおよその設置区間を定めるものであること。また、高規格堤防を整備する河川の河川整備計画においては、高規格堤防の横断形及び高規格堤防の敷地のうち通常の土地利用に供することができない天端の幅を定め、「(参考)」に主要な地点における高規格堤防の横断形の設計要件となる高規格堤防設計水位を記載するものであること。
4 高規格堤防の整備事業について
(1) 高規格堤防の整備は、大都市地域の大河川における超過洪水対策として行われるものであり、具体的な設置区域としては、こうした治水上の観点から、現在のところ、利根川、江戸川、荒川、多摩川、淀川及び大和川に係る大都市地域内の市街化区域等が想定されるものであること。
(2) 高規格堤防を設置する場合の具体的な高規格堤防の幅については、計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる必要最小限のものとするものであること。
5 高規格堤防の管理について
(1) 河川敷地の占用については、平成六年一〇月一七日付け建設省河政発第六一号(以下「通達」という。)をもって建設事務次官から通達されているところであるが、高規格堤防特別区域内の河川管理者が権原に基づき管理する土地に係る第二四条の土地の占用の許可については、当分の間、通達別紙の河川敷地占用許可準則(以下「準則」という。)第八を除き、通達下記事項及び準則の各規定に従って処理するものとすること。また、高規格堤防特別区域内の占用にあって、法第二六条第一項の許可を受けることを要しない工作物の新築又は改築を伴うものについては、当該工作物の概要の把握に努めるものとすること。
(2) 高規格堤防特別区域内の土地における法に基づく許可を行ったときは、規則別記様式第一河川現況台帳調書(丙の六)の摘要欄に高規格堤防特別区域内における許可である旨を記載するものとすること。
(3) 高規格堤防の堤内側に河川保全区域は指定しないものであること。
(4) 高規格堤防特別区域内の駐車場、空地等については、道路交通法(昭和三五年法律第一〇五号)第五一条第八項(第七五条の八第二項において準用する場合を含む。)に規定する場所として使用することについて、河川管理上問題があるものではないこと。
(5) 高規格堤防特別区域が通常の利用に供することができる土地の区域であって、当該区域内においては河川管理者以外の者による種々の土地利用が行われるものであることにかんがみ、高規格堤防特別区域内の河川管理者以外の者が権原を有する他人の土地に係る河川法の運用に当たっては、河川管理上真にやむを得ない必要がある場合に限り河川法に基づく土地の立入り、命令等の権限を行使するものとすること。