建設省河治発第九八号
昭和五〇年一一月一九日

各地方建設局河川部長、各都道府県土木部長、北海道開発局建設部長、沖縄総合事務局開発建設部長あて

建設省河川局治水課長通達


河川区域内の土地に自転車歩行者専用道路を設置する場合の取扱いについて


標記については、別紙のとおり取扱い要領を定め、今後は、これに基づき実施することとしたので、下記事項に留意のうえ、遺憾のないようにされたい。なお、このことについては、道路局と協議済みである。

1 道路管理者が河川区域内の土地に設置することができるものは、道路法第四八条の七第二項に定める「自転車歩行者専用道路」とし、同法第四八条の七第一項に定める「自転車専用道路」については、原則として設置を認めないものとすること。
2 河川管理用車両の通行路に自転車歩行者専用道路を設置することができるのは、河川管理用車両が制約なしに通行できる措置が講ぜられる場合に限るものとすること。
3 道路管理者以外の者が設置するもっぱら自転車及び歩行者の通行の用に供する道路(いわゆる「遊歩道」を含む。)についても、本取扱い要領に準じて、措置するものとすること。


(別紙)

河川区域内の土地に自転車歩行者専用道路を設置する場合の取扱要領

1 自転車歩行者道の設置位置

(1) 自転車歩行者専用道路(以下「自転車歩行者道」という。)の設置位置は、河川事業計画及び治水上の影響を勘案して定めるものとする。
(2) 自転車歩行者道の設置位置は、原則として、堤防天端、裏小段又は遊水地とする。ただし、地形、堤防の状況等によりやむを得ないと認められる場合には、表小段又は高水敷に設置できるものとする。

2 設置位置の細則

(1) 高水敷に設置する場合の位置は、次によるものとする。

イ 堤防法面に護岸が設置されていない場合には、堤防法尻からの距離は、原則として、一〇メートル以上離すものとする。ただし、舗装しない場合は、堤防法尻に接して設置することができるものとする。
ロ 堤防法面に護岸が設置されている場合には、堤防法尻に接して設置できるものとする。
ハ 低水路肩からの距離は、低水護岸が設置されているときは、原則として五メートル以上、低水護岸が設置されていないときは、原則として一〇メートル以上離すものとする。

(2) 遊水地においては、堤防法尻に接して設置することができるものとする。
(3) 自転車駐車場の施設は、原則として、堤防には設置しないものとする。

3 自転車歩行者道の構造

(1) 坂路の勾配は、「自転車道等の設計基準について」(昭和四九年三月五日付け建設省都街発第一三号、道企発第一二号、都市局長・道路局長通達)によるものとする。
(2) 川表側に設置する坂路の幅員は、河積等を勘案して定めるものとし、特に小規模な河川において、河積縮少の影響が大きいと認められる場合には、堤防法線の修正等を行ない、流過能力の確保を図るものとする。
(3) 川表側には、原則として、逆坂路は設置しないものとする。ただし、交通安全、自転車歩行の確保等やむを得ない場合においては、逆坂路を設置することができるものとし、必要な範囲に護岸を設置するものとする。
(4) 表小段に設置する場合で、堤防法面に護岸が設置されていないときは、原則として、路面は舗装しないものとする。

また、表小段には、柵類は設置しないものとする。

(5) 高水敷に設置する場合には、洪水時における高水敷の洗掘を防止するため、舗道面の両側は、芝張り等によって被覆するものとする。
(6) 自転車駐車場の施設は、軽易なものであって、河川管理上の支障を生じない構造とするものとする。

4 自転車歩行者道の管理

(1) 堤防に設置する自転車歩行者道の管理は、「堤防と道路との兼用工作物管理協定(準則)について」(昭和四七年六月一九日付け建設省河政発第五七号、道政発第四九号、河川局長・道路局長通達)によるものとする。
(2) 高水敷及び遊水地に設置する自転車歩行者道については、兼用工作物とせずに、河川法上の許可工作物として取扱い、もっぱら道路管理者が管理し、それに要する費用を負担するものとする。

なお、許可工作物としての河川敷地の占用の範囲は、路面を舗装する場合には、路面幅に両側それぞれ一メートルを加えた幅とし、舗装しない場合には、路面幅とする。

(3) 自転車歩行者道の設置後、河川管理上支障が生ずることとなつた場合には、道路管理者が、河川管理者と協議のうえ、河川管理に支障のないよう措置するものとする。


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