河川管理施設等構造令(昭和五一年政令第一九九号。以下「令」という。)及び河川管理施設等構造令施行規則(昭和五一年建設省令第一三号。以下「規則」という。)の施行については、昭和五一年一一月二二日付け建設省河政発第七〇号をもって河川局長より通達されたところであるが、令及び規則の運用にあたっては同通達によるほか、左記の事項に留意のうえ遺憾のないようにされたい。
1 令第二条(用語の定義)関係
河川整備基本方針(以下「基本方針」という。)が定められていない二級河川に許可工作物を設ける場合の取扱いについては、昭和五一年一一月二二日付け建設省河政発第七〇号による河川局長通達(以下「局長通達」という。)2(2)ハに定めるところによるほか、次に定めるところによるものとすること。
(1) 現に河川改修工事を実施している場合及び現に改修計画が定められていない場合であっても、近い将来河川改修工事の予定のあるときは、局長通達2(2)ハに該当するものであること。
(2) 近い将来河川改修工事の予定のない場合であっても、将来河川改修工事の予定のあるときは、規則第二八条に定める橋その他の将来の河川改修工事に伴う改築が著しく困難な施設については、局長通達2(2)ハに準ずるものとすること。
2 令第一八条(構造の原則)関係
本条の「流水」には河川の流水ないしは降雨による浸透水が含まれ、本条は、堤防が河川の流水による洗掘に対して安全であることのほか、河川の流水ないしは降雨による浸透水に対しても安全でなければならないことを規定したものであること。
3 令第一九条(材質及び構造)関係
「その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれに準ずるものによる構造のもの」とは、盛土の部分がなくても自立する構造(押え盛土によって自立するものを含む。以下「自立式構造」という。)のものをいうものとすること。
4 令第二〇条(高さ)関係
(1) 「堤防の高さ」には、堤防の築造に際して行う余盛りは含まないものであること。
(2) 計画高水位に加える値(以下「余裕高」という。)については、本条第一項の規定によるほか、対岸の状況、上流及び下流における河岸及び堤防の高さその他の特別の事情を考慮する必要があるときは、それを考慮して定められる値を加えた値を下回らないものとすること。なお、計画高水流量の洪水が流下するときに流出土砂の堆積等により水位上昇が予想される河川にあっては、計画上の余裕として、このような水位上昇を考慮して計画高水位を定めるものとし、余裕高にこのような計画上の余裕は含まないものであること。
5 令第二二条(盛土による堤防の法勾配等)関係
(1) 第一項に規定する「法勾配」は、計画横断形に係る堤防の法勾配であって、堤体の圧縮沈下、基礎地盤の圧密沈下等を考慮して余盛りを行う場合の施工上の法勾配は含まないものであること。
(2) 施工上の法勾配の決定にあたっては、地盤条件等を考慮し、施行後の堤防の沈下が安定した時点においては、本条に規定する法勾配が確保されるよう配慮されていなければならないものであること。
6 令第二四条(側帯)関係
(1) 規則第一四条第一号に規定する第一種側帯については、原則として、側帯設置箇所の地盤条件等を考慮して、個別に必要な構造を決定するものとするが、その幅は、一級河川の指定区間外においては五メートル以上一〇メートル以下、一級河川の指定区間内及び二級河川においては三メートル以上五メートル以下をそれぞれ標準とするものとすること。なお、旧川の締切箇所及び著しい漏水箇所においては、堤防又は地盤の土質条件等を考慮して上記の値にかかわらず適切な幅とするものとすること。
(2) 第二種側帯又は第三種側帯が既に設置されている場所に許可工作物を設置しようとする場合は、原因者の負担において側帯を移設する等の代替措置を講ずるものとすること。ただし、側帯の機能を著しく損なわない場合又は代替措置を講ずることが著しく困難な場合は、この限りでないものとすること。
(3) 土地改良事業等として河川工事を行う場合及び許可工作物を設置する場合は、土地改良事業等として第二種側帯及び第三種側帯を設置させる必要はないものとすること。
(4) 第三種側帯については、第一種側帯又は第二種側帯の機能を損なわない場合にはそれらの側帯と兼ねることができるものであるが、それによることが適当でないと認められるときは、第一種側帯又は第二種側帯とは別に第三種側帯を設けることができるものであること。
(5) 側帯の構造については、以上のほか、設置後の管理に支障を生じないよう十分に配慮し、所要の措置を講ずるものとすること。
7 令第二七条(管理用通路)関係
(1) 規則第一五条の「管理用通路に代わるべき適当な通路」とは、堤防からおおむね一〇〇メートル以内の位置に存する通路(私道を除く。)で、適当な間隔で堤防への進入路を有し、かつ、所定の建築限界を有するものをいうものとすること。この場合において、当該通路に係る橋の設計自動車荷重については、地域の状況を勘案し、おおむね一四トン以上のものでよいものとすること(規則第二四条ただし書、第三二条ただし書及び(2)の「管理用通路に代わるべき適当な通路」についても同様とすること。)。なお、当該規定に基づき所定の管理用通路を堤防上に設ける必要がない場合は、橋(取付部を含む。)が堤防と交差する場合において、所定の管理用通路を堤防上に設けることが不適当又は著しく困難であるとき及び計画高水流量が一秒間につき一〇〇立方メートル未満又は川幅が一〇メートル未満のときに限定し、これらの場合においても、規則第一五条本文又は規則第三六条第三号に規定する基準にできるだけ近い構造の管理用通路を堤防上に設けるよう努めるものとすること。
(2) 堤防の高さと堤内地盤高との差が〇・六メートル未満である区間の管理用通路については、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合又は自立式構造の特殊堤その他特別の事情により管理用通路を設けることが不適当若しくは著しく困難である場合を除き、川幅に応じ、それぞれ次の表に掲げる値以上の幅員とすること。この場合において、建築限界は、管理用通路の幅員が三メートル未満であるときは規則第三六条第三号の規定に、三メートル以上であるときは規則第一五条第二号の規定にそれぞれ準ずるものとすること。なお、下表の2の項中「三」とあるのは、規則第三六条第三項の適用があるときは、「二・五」とすることができるものであること。
項
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川幅(単位メー
トル)
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管理用通路の幅員(単位メートル)
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左岸又は右岸
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右岸又は左岸
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1
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五未満
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一
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一
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2
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五以上一〇未満
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三
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一
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3
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一〇以上
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三
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三
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8 令第三二条(連続しない工期を定めて段階的に築造される堤防の特例)関係
連続しない工期を定めて段階的に築造される堤防の天端幅については、本条に規定するところにより定まるそれぞれの段階における計画高水位に対応する流量を計画高水流量とみなして令第二一条第一項の規定を準用することができるものであるが、一般には計画天端幅以上で施工するよう努めるものとすること。
9 令第三六条(構造の原則)関係
(1) 堰の設置に伴う湛水の影響(波浪、漏水等)により、付近の河岸及び河川管理施設等に著しい支障を及ぼすおそれのある場合は、必要な措置を講ずべきものであること。
(2) 可動堰の堰柱の流心線に直角方向の幅は、技術的に無理のない範囲でできるだけ小さくするものとすること。
10 令第三七条(流下断面との関係)関係
(1) 「山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるとき」とは、原則として堰(固定堰を含む。以下この項について同じ。)の設置地点に堤防(計画堤防を含む。以下この項について同じ。)がない場合であって、かつ、堰の設置による影響が堰の上流部に存する提防、家屋、農地等に及ばないとともに堰設置地点又は堰の上流付近から越水し、堰付近の家屋、農地等に浸水し若しくは堤内地に流入するおそれがない場合が該当するものであること(令第三八条第一項、第四九条第一項において準用する場合、第六一条第一項及び第六三条第一項の場合についても同様とすること。)。なお、堰の設置による影響の検討にあたっては、令第三九条第一項の表の第三欄に掲げる径間長に満たない土砂吐き又は舟通し(閘門を含む。以下同じ。)並びに魚道及び流筏路を無効河積として取り扱うものとし、また、固定堰又は固定部を流下断面内に設けるときは、堰の設置に伴い堰上流の河床が上昇すること等についても考慮するものとすること。
(2) 土砂吐き、舟通し、魚道、流筏路等(以下「土砂吐き等」という。)を流下断面外に設けることとすればそれらの機能を発揮しない場合及び令第三九条第一項の表の第三欄に掲げる径間長によっても、なお、土砂吐き又は舟通しの機能を発揮しない場合においては、「治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずる」ことによって、土砂吐き等を流下断面内に設けることができるものであり、この場合において、その径間長については、令の適用はないものであること(令第四九条第一項において準用する場合についても同様とすること。)。
(3) 堰の設置者が行う「治水上の機能の確保のため適切と認められる措置」については、次のイからニに定めるところによるものとすること(令第四九条第一項において準用する場合についても同様とすること。)。
イ 計画横断形又は現状の流下断面のそれぞれの流下断面積を小さくしない限りにおいて、治水上支障のない範囲で部分的に低水路の法線形を修正することができるものであること。また計画河床を現状の河床の状況に応じて上下流にわたって変更する必要があると認められるときは、河川管理者は、河川改修上支障のない範囲で計画横断形(計画縦断形を含む。以下同じ。)を変更するものとすること。
ロ 堰の固定部及び令第三九条第一項の表の第三欄に掲げる径間長に満たない可動部(それらを設けることにより増えることとなる堰柱を含む。)を設けることにより流下断面が阻害されることとなる場合において、阻害される断面積に相当する断面積の確保は、低水路又は川幅の拡大によるものとし、計画高水位を高くすることは行わないものとすること。ただし、地形の状況により、計画高水位を高くしても、当該計画高水位と河岸の高さとの間に必要な余裕高が確保されると認められる場合は、この限りでないものとすること。また、当該部分により阻害される河積以外の河積が、その上下流の河積に比較して広く、流下能力に十分余裕がある場合は阻害される断面積の確保については、考慮する必要がないものであること。
ハ 堰の機能を確保するため特にやむを得ないと認められる場合は、治水上支障のない範囲で、堰の固定部に必要最少限度の落差を設けて、上流側の計画河床を上げること等ができるものであること。なお、この場合において、河川管理者は、計画横断形の変更が必要と認められる場合には、計画横断形を変更するものとすること。
ニ 低水路又は川幅を拡大する場合は、原則として、堰上流の護床工の先端から堰下流の護床工の先端までの区間については、拡大した低水路幅又は川幅を確保する(河川の状況により護床工の先端まで拡大した幅を確保することが不適当な場合は、この限りでない。)ものとし、取り付け角度は、上流側においてはおおむね一〇度以内、下流側においてはおおむね一三度以内とするものとすること。
11 令第三八条(可動堰の可動部の径間長)関係
(1) 第一項の「可動部の全長(両端の堰柱の中心線間の距離をいう。次項において同じ。)が計画高水流量に応じ、同欄に掲げる値未満である場合には、その全長の値」とは、可動堰の可動部の径間数が一径間である場合の径間長について規定したものであるが、この場合においても当該径間長については、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、また両端の堰柱の位置については、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼすことのないようそれぞれ適切に配慮されたものとすること。
(2) 流心部が固定していると認められない河川の区間にあっては、第四項の適用がないものであること(令第四九条第一項において準用する場合、第六三条第三項、規則第一七条ただし書及び第二九条第三項についても同様とすること。)。ただし、堰の設置により流心部が固定されることとなる場合にあっては、その流心部を前提として本項の適用があるものであること。
12 令第三九条(可動堰の可動部の径間長の特例)関係
(1) 可動堰の可動部の一部を土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねるものとする場合においては、当該部分の径間数は必要最小限にとどめるものとすること。
(2) 規則第一九条第二号の「令第三九条第一項の規定による径間長に応じた径間数」とは、兼用部分以外の部分の径間数をいうものであること。
13 令第四〇条(可動堰の可動部のゲートの構造)関係
(1) 規則第二〇条第一項の規定に基づき可動堰の可動部のゲートに作用する荷重について、規則第六条及び第七条の規定を準用する場合の設計震度は、可動堰の実情に応じ、規則第二〇条第二項に定める値以上の適切なものとすること。
(2) 規則第二一条第一号の「治水上の機能の確保のため適切と認められる措置」とは、ゲートが倒伏しない状態で、計画高水流量が流下するものとした場合における堰上げ水位と河岸又は堤防の高さとの差が、同号本文の規定によりゲートを設けると仮定したときのものと同等以上となるよう河岸又は堤防を嵩上げ又は川幅を拡幅することをいうものとすること。この場合において、河岸又は堤防の嵩上げは、原則として〇・六メートル以下とすること。
14 令第四二条(可動堰の可動部の引上げ式ゲートの高さの特例)関係
(1) 第一項の規定は、背水の影響を受ける河川の計画高水流量が、背水を及ぼす河川の計画高水流量に比べて著しく小さい場合で、かつ、背水の影響を受ける河川の堤防の高さが自流に対して十分余裕のある区間に適用があるものであること(令第五一条第二項及び第六四条第一項において準用する場合についても同様とすること。)。
(2) 第二項の規定は、河川の上流区間、内水河川等地盤沈下に伴って計画高水位も同時に下げ得る場合においては、地盤沈下を考慮する必要がないものであること。また「必要と認められる高さ」については、将来容易に嵩上げできると認められる場合は、将来の嵩上げ等を考慮して高さを定めて差し支えないものであること(令第六四条第一項において準用する場合についても同様とすること。)。
15 令第四三条(管理施設)関係
(1) 可動堰の可動部が引上げ式ゲートである場合には、管理橋を設けるものとすること。ただし、山間狭窄部その他これに類する区間に設けられる場合であって、治水上及び堰の維持管理上の支障がないと認められるときは、この限りでないものとすること。
(2) 管理橋の幅員、設計荷車等は、堰の維持管理上必要とされる適切なものとするものとすること。
16 令第四七条(構造)関係
(1) 第一項の「これに準ずる構造」には、プレキャストコンクリート管、鋼管及びダクタイル鋳鉄管の構造のものを含むものとする。
(2) 第二項の「堆積土砂等の排除に支障のない構造」とは、樋門(樋管を含む。以下同じ。)の内径が一メートル以上であるものをいうものとすること。ただし、樋門の長さが五メートル未満であって、かつ、堤内地盤高が計画高水位より高い場合においては、樋門の内径が〇・三メートル以上であるものをいうものとすること。
17 令第四九条(河川を横断して設ける水門の径間長等)関係
第二項の「河川を横断して設ける樋門」には、水路が河川に合流する場合において、水路を横断して設けられる樋門は含まないものであること。ただし、将来河川又は準用河川にする予定のある水路にあっては、当該水路の管理者と協議して、本項の規定に準拠して取り扱うよう努めるものとすること。
18 令第五〇条(ゲートの構造)関係
フラップゲート又はマイターゲートとする場合は、河川又は背後地の状況等を勘案し、必要に応じ、引上げ式の予備ゲート又は角落しを設けるものとすること。
19 令第五一条(水門のゲートの高さ等)関係
第二項において、令第四一条第一項を準用する場合の「当該地点における河川の両側の堤防」とは、水門が横断する河川で水門設置地点の直上流部の堤防をいうものであること。
20 令第五三条(護床工等)関係
(1) 樋門の断面積が〇・五平方メートル以下の場合においては、規則第二五条本文の適用がないものであるが、この場合においても同条本文に規定する長さ未満の必要な長さの区間に護岸を設けるものとすること。
(2) 同条第一号の規定は、水門が河川を横断する場合に適用され、水門が水路を横断するときは適用がないものであること。
21 令第五四条(揚水機場及び排水機場の構造の原則)関係
揚水機場及び排水機場のポンプ室及び吸水槽については、河川区域内のもの又は河川区域内にまたがるものを除き、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とする必要がないものであること。なお、排水機場の吐出水槽その他の調圧部については、河川区域外のものであっても鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとすること。
22 令第五五条(排水機場の吐出水槽等)関係
小規模な吐出管により計画堤防外で堤防を横過して排水機場から直接排水する排水機場は、「樋門を有する排水機場」には該当しないものであり、吐出水槽その他の調圧部を設ける必要がないものであること。
23 令第五六条(流下物排除施設)関係
「河川管理上の支障がないと認められるとき」には、揚水機場又は排水機場が許可工作物であって、かつ、それに接続する樋門のゲートの開閉に支障がないと認められる場合が該当するものであること。
24 令第六二条(橋脚)関係
(1) 第一項の「その他流水が作用するおそれがない部分」とは、川幅が五〇メートル未満の河川にあっては計画堤防高以上、川幅が五〇メートル以上の河川にあっては付近の河岸又は堤防の構造に著しい支障を及ぼすおそれのある場合を除き計画高水位以上の高さに存する橋脚の部分をいうものとすること。また第二項の規定による根入れ深さより上の部分の橋脚については、計画河床高以下であっても、「その他流水が作用するおそれがない部分」には該当しないものであり、その水平断面はできるだけ細長い楕円形その他これに類する形状のものとし、かつ、その長径(これに相当するものを含む。)の方向は洪水が流下する方向と同一とすること。
(2) 第一項の「橋脚の水平断面が極めて小さいとき」とは、直径一メートル以下の場合又は橋脚による河積の阻害率が著しく小さい場合をいうものとすること。なお、パイルベント型式の橋脚は、原則として、設けてはならないものとすること。ただし、治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでないものとすること。
25 令第六三条(径間長)関係
(1) 「基準径間長」とは、第一項に規定する式によって得られる値をいうものであり、五〇メートルを限度とするものではないものであること(令第六三条第三項、規則第二六条、第二九条及び第三一条についても同様とすること。)。
(2) 規則第二九条第一項の「次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより近接橋の橋脚を設けることとした場合における径間長の値とする」とは、径間長のみを規定したものではなく、第一号及び第二号の規定に基づきそれぞれの見通し線上に橋脚を設け、かつ、所定の径間長を確保することを合わせて規定したものであること。
(3) 規則第二九条第二項及び第三項は、径間長の緩和のみを規定したものであり、見通し線上に橋脚を設けること及び同条第一項ただし書を否定したものではないものであること。
(4) 規則第二九条第三項の規定は、近接橋の径間長に令第六三条第四項の規定を適用する場合に適用されるものであること。
26 令第六五条(護岸等)関係
(1) 規則第三一条第三号において、規則第一六条第三号を準用する場合の「橋の設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間」には、橋台の両端から上流及び下流にそれぞれ橋台幅(一〇メートルを超えることとなる場合は一〇メートル)の区間を含むものとし、「河岸又は堤防の高さ」とは、規則第三二条の「取付通路」の高さに相当する高さをいうものとすること。
(2) 令第六五条第二項の「橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるとき」とは、橋が高架により河岸若しくは堤防を横過する場合等であって、橋による日照阻害により河岸若しくは提防の芝の生育に支障を及ぼすおそれがあるとき又は橋から雨滴等の落下に対し、河岸若しくは堤防を保護する必要があると認められるときをいうものであること。なお、保護する範囲は、橋の桁下高と河岸又は堤防の法尻の高さ等を考慮して適切な範囲とするものとすること。
27 令第六六条(管理用通路の構造の保全)関係
(1) 規則第三二条の「適切な構造」とは、規則第一五条本文の幅員(天端幅が五・五メートルを超える場合は五・五メートル)及び建築限界を有したものを標準とするものとすること。
(2) 同条の「取付通路」とは、橋と管理用通路との平面交差が必要な場合に設ける堤防上の取付部をいうものとし、「その他必要な施設」とは、橋の取付道路と管理用通路との立体交差が必要な場合に設ける函渠等をいうものであること。平面交差又は立体交差とする場合の取扱いは、次の(3)及び(4)に定めるところによるほか、「工作物設置許可基準について」(平成六年九月二二日付建設省河治発第七二号)別紙の工作物設置許可基準によるものとすること。
(3) 水管が堤防を横過する場合の管理用通路の取扱いは、次のイ及びロに定めるところによるものとすること。
イ 水管の振動が堤体に悪影響を及ぼすおそれのないときは、水管を計画堤防外で天端上に設けることができるものとし、この場合において管理用通路は、必要な盛土を行うことによってその上に設けることができるものであること。
ロ 計画堤防外の天端に管理用通路を設けることが、水管の構造上著しく困難又は不適当な場合は、管理用通路を堤防の裏小段又は堤内地に迂回させることができるものとすること。この場合において、河川巡視員の巡視に支障とならないよう堤防の天端に必要な措置を講ずるものとすること。
28 令第六七条(適用除外)関係
第二項の「堰と効果を兼ねる橋」には、両端の堰柱間に設けられる管理橋の部分のほか、河岸又は堤防と直近の堰柱との間に設けられる管理橋の部分(以下「兼用部分以外の部分」という。)を含むものであること。これらの部分の径間長については、令第六三条の規定の適用はないものであり、兼用部分以外の部分に橋脚を設ける場合を除き、堰の構造から定まる径間長となるものであること。兼用部分以外の部分に橋脚を設ける場合の径間長は、原則として、令第六三条の規定を準用するものとすること。ただし、当該部分の径間長が著しく大となるときは、当該部分の径間長の平均値が令第六三条の規定により得られる値以上となるよう定めることができるとともに、この場合において片側の管理橋がないときは、その部分を一径間とみなすことができるものとすること。また、以上の措置によっても、なお、当該部分の径間長が八〇メートル以上となる場合は、本職と協議するものとすること。
29 令第七〇条(構造)関係
第二項において令第四七条第一項を準用する場合の「これに準ずる構造」の取扱いは、十分な屈とう性及び水密性を有する継手によって接続されたプレキャストコンクリート管、鋼管及びダクタイル鋳鉄管の構造のものを含むものとすること。
30 令第七一条(ゲート等)関係
(1) 第一項ただし書は、堤内地盤高が計画高水位より高い場合において適用があるものであること。
(2) 第二項の「ゲートの開閉装置」は、手動式で差し支えないものであること。ただし、大規模なもので手動式によることが困難又は著しく不適当と認められるときは、電動式等とするものとすること。
31 令第七二条(深さ)関係
「河床の変動が極めて小さいと認められるとき」とは、伏せ越しが岩盤の中に埋め込まれる場合、河床に岩が露出している場合、長期にわたって河床の変動が認められない場合、現に当該施設の下流側に近接して固定部がおおむね計画横断形に係る河床高に合致した堰、床止め、水門等が設けられており河床が安定している場合、床止め又は護床工等を設けて河床の安定を図る場合等をいうものとすること。
32 令第七四条(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)関係
本条の「応急措置」には、局部改良等の応急措置、臨時措置及び部分的な改造工事が含まれるものであること(附則第二項についても同様とすること。)。
33 令第七五条(暫定改良工事実施計画が定められた場合の特例)関係
(1) 暫定改良工事実施計画(以下「暫定計画」という。)の策定の手続きとして局長通達15(1)に規定する「認可」とは、「河川局所管国庫補助事業に係る全体計画の認可について(昭和五一年四月一二日付け建設省河総発第一三八号 河川局長通達)」の「認可」をいうものとし、また、「承認」とは、地方建設局処務規程(昭和二四年九月一日付け建設省訓第二〇号)等の「承認」をいうものであること。
(2) 暫定計画が定められた場合の取扱いについては、局長通達15に定めるところによるほか、次のイ及びロに定めるところによるものとすること。
イ 局長通達15(2)の「当該施設の設置地点における計画河床の高さと現状の河床の高さとが著しく異なり施設の機能の維持が著しく困難な場合」とは、原則として、可動堰の可動部が起伏式である堰であって、かつ、土砂の堆積により施設の機能の維持が著しく困難となる場合をいうものであること。なお、可動堰の可動部が引上げ式である堰等にあっては、上げ越し構造(ゲタばき構造)にする等の特別の措置を講ずることが不適当又は著しく困難な場合又は特別の措置を講じてもなお施設の機能の維持が著しく困難である場合をいうものとすること。
ロ 局長通達15(2)の「近い将来当該施設の設置地点を含む区間につき基本方針に基づく河川改修工事を行う予定がない場合」とは、「河川局所管国庫補助事業に係る全体計画の認可について」の運用について(昭和五一年七月二〇日付け建設省河治発第五二号 治水課長通達)の参考として添付した「河川改良工事全体計画作成要領解説」の1(2)Bの「暫定計画」に基づき河川改修工事を行う場合をいうものとすること。
34 令第七六条(小河川の特例)関係
計画高水流量又は現況流量(左右岸いずれか低い方の河岸又は堤防の高さの水位で流下する流量)が流下することとした場合の流速が、規則第三六条第四号にあってはおおむね一秒間につき二メートルを超える場合、また第五号にあってはおおむね一秒間につき三メートルを超える場合は、第四号または第五号の規定の適用はないものであること。ただし、計画の流速が上記の数値以下で、現況の流速が上記の数値を超える場合であって、かつ、現況の流下断面における根入れ深さが令第六二条第二項又は第七二条に定める値以上であるときは、第四号又は第五号の規定の適用ができるものであること。
35 附則第二項(経過措置)関係
(1) 令の施行以前より、連続する工期を定めて工事を実施中であった一連区間の堤防については、本附則の「工事中」として取り扱うものとすること。なお、この場合においても、できるだけ令及び規則に定める基準に準拠するよう努めるものとすること。
(2) 現に存する堤防について行われる嵩上げを伴わない部分的な補強工事は、局長通達14(1)の「部分的な改造工事」に該当し、本附則の「改築」としては取り扱わないものとすること。
(3) 次の各号に掲げる災害復旧は、本附則の「災害復旧」に該当するものであり、局長通達14(2)に定めるところによるものとすること。なお、固定堰等治水上の影響の大きい工作物の効用復旧を実施する場合には、災害が新たに発生又は助長されることのないよう十分留意するものとすること(令第七四条についても同様とすること。)。
イ 災害により滅失した施設を原形に復旧すること。
ロ 被災した施設を原形に復旧することが不可能な場合において、当該施設の従前の効用を復旧するために必要な施設を設けること(局長通達14(2)ハ本文に該当する場合は除かれるものであること。)。
ハ 被災した施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合において、これに代わるべき必要な施設を設けること。
36 その他(河川改修工事と許可工作物の設置との調整等)
(1) 「計画横断形が川幅を拡げる計画である場合」においては、局長通達16(1)ハにより部分施工ができるものであるが、できるだけ計画横断形に合せるよう関連の河川改修工事(暫定計画に基づく工事を含む。以下この項において同じ。)の実施に努めるものとすること。なお、特別の事情により関連の河川改修工事が実施できない場合は、次のイ及びロに定めるところによるものとすること。
イ 部分的にも令の基準に適合しない径間が生ずることとならないよう必要最小限の拡幅工事を同時施工させるものとすること。この場合において、取り付け範囲は、本通達10(3)ニの基準を超えないものとすること。ただし、拡幅区間の用地買収が著しく困難である等特にやむを得ないと認められるときは、当該用地買収等に係る部分の施設については、令第七三条第二号の臨時に設けられる施設として取り扱うものとすること。この場合においては、治水上著しい支障を与えないよう十分配慮するものとすること。
ロ 上記の措置に伴って生じる具体的な取扱い、又は上記の措置以外の取扱い方法については、本職と協議するものとすること。
(2) 局長通達16(1)ニの「この場合における暫定計画は土地改良事業等の計画を十分尊重して定めるものとすること」の取扱いは、次に定めるところによるものとすること。
現に当該区間の上流部において、基本方針又は改修計画に基づく河川改修工事を実施しているときを除き、当該土地改良事業等による河川工事の計画に使用されている雨量が、到達時間内雨量でおおむね一〇年確率降雨以上である場合は、当該計画をもって暫定計画とすることができるものとすること。ただし、当該区間の上流部に近い将来河川改修工事が予定される区間がある場合は、関係部局の了解を得ることによって、当該工事の計画に対応した計画とするよう努めるものとすること。なお、土地改良事業等による河川工事によって、原則として、現況の河川の流下能力を小さくしてはならないものであること。