建設省河政発第四一号・河治発第三五号
昭和五五年五月二一日

各地方建設局河川部長、北海道開発局建設部長、沖縄総合事務局開発建設部長、各都道府県土木主管部長あて

建設省河川局水政課長、治水課長通達


河川管理施設の操作規則の取扱いについて


河川法(昭和三九年法律第一六七号)第一四条第一項及び河川法施行令(昭和四〇年政令第一四号。以下「施行令」という。)第八条の規定により操作規則を定めなければならない河川管理施設(以下「操作施設」という。)の範囲等について、左記により取り扱うこととしたので、遺憾のないように措置されたい。

1 操作施設の範囲について

(1) 操作施設の範囲は、原則として次のとおりとすること。

イ 施行令第八条第一号(洪水を調節する施設)関係

(イ) 湖沼水位調節施設
(ロ) 遊水地の調節施設
(ハ) 洪水を調節する堰

ロ 施行令第八条第二号(流水を分流させる施設)関係

(イ) 分流堰
(ロ) 分流水門
(ハ) 揚水機場

ハ 施行令第八条第三号(内水を排除する施設であって治水上特に重要なもの)関係

(イ) 排水量が毎秒三〇トン以上の排水機場

ニ 施行令第八条第四号(洪水の逆流又は高潮その他海水の流入を防止する施設であって治水上又は利水上特に重要なもの)関係

(イ) 全長五〇メートル以上の逆流防止水門、樋門、防潮水門
(ロ) 全長一〇〇メートル以上の潮止堰
(ハ) 敷高が計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下で、一般国道又は計画交通量が一日につき六、〇〇〇台以上の都道府県道若しくは市町村道に係る陸閘

ホ 施行令第八条第五号(その他流水の正常な機能を維持する施設であって治水上又は利水上特に重要なもの)関係

(イ) 浄化用水導入施設
(ロ) 浄化施設で特に操作規則を定める必要があるもの
(ハ) 全長一〇〇メートル以上の堰

ヘ 施行令第八条第六号(舟の通航の用に供する施設)関係

(イ) 閘門
(ロ) もっぱら舟の通航の用に供する水門及び洪水時又は高潮時に舟の通航が多くなるため特に操作規則を定める必要がある水門

(2) (1)の各号に掲げる操作施設に該当するものであっても、次のものは操作規則を定める必要がないものであること。

イ 河川管理施設等構造令(昭和五一年政令第一九九号)第七三条(適用除外)に規定するもの
ロ 今後五ケ年以内に改築等の予定があるもの

(3) (1)の各号に掲げる操作施設について特に規格構造を明示していないものは、規格構造の如何にかかわらずすべてが対象となるものであること。

なお、「全長」とは、それぞれ次に示すとおりであること。
イ 堰の場合は、可動部の全長であって両端の堰柱の中心線間の距離をいう。
ロ 水門の場合は、流水を流下させるためのゲート及び門柱の部分の全長であって両端の門柱の中心線間の距離をいう。
ハ 樋門の場合は、流水を流下させるためのゲート及び隔壁部分の全長であって、両端の壁の中心線間の距離をいう。

(4) 一体として管理する必要がある河川管理施設については、次のとおり措置するものとすること。

イ 二以上の操作施設を関連して操作する必要がある場合は、相互の操作規則の内容について十分調整を図るものとすること。
ロ 操作施設以外の河川管理施設であっても、操作施設と関連して操作する必要があるもの(以下「関連施設」という。)は、操作規則を定めるものとし(関連施設の河川管理者が操作施設の河川管理者と異なる場合においては、関連施設の河川管理者が定めることとなる。)、相互の操作規則の内容について十分調整を図るものとすること。

2 建設大臣の承認を要する都道府県知事の定める操作規則について

(1) 都道府県知事が定める操作規則のうち、河川管理事務処理規程(昭和四〇年四月一日建設省訓令第一号。以下「処理規程」という。)第一条第二号に規定する建設大臣の承認を要する操作規則は、前記1(1)の各号に掲げる操作施設に係るもののうち、イ及びロに掲げるものに係る操作規則とすること。
(2) 都道府県知事が定める操作規則について建設大臣の承認を申請する場合の処理規程第三条の規定に基づく所轄地方建設局長の経由は、当該操作規則が計画高水流量五〇〇m3/S以上の一級河川における操作施設に係るものである場合に行うものとすること。

3 操作規則を定める必要がない河川管理施設の操作について

(1) 建設大臣が操作規則を定める河川管理施設以外のもの(操作施設以外のもの及び前記1(2)に掲げるもの)で操作を伴うものについては、地方建設局長(北海道開発局長を含む。)が操作規則に準じて操作要領を定めるものであること。(「直轄河川維持修繕の実施について(昭和四六年三月二六日付け建設省河治発第二三号河川局治水課長通達)」及び「排水機場の直轄管理及びこれに伴う河川区域の取扱いについて(昭和四八年五月一五日付け建設省河政発第五八号、河治発第二一号河川局水政課長・治水課長通達)」)
(2) 都道府県知事においても、(1)の例により操作要領を定めることとする等の措置を講ずるものとすること。

4 その他

(1) 操作施設の工事に関する実施計画(直轄工事の場合は、地方建設局処務規程第四条第二項等に規定する実施計画をいい、都道府県知事が施行する工事の場合は、河川法第七九条第一項及び第二項の規定に基づき建設大臣の認可を要する河川改良工事年度実施計画をいう。)について、本省と事前打合せを行う際には当該操作施設の操作規則の骨子(案)を作成のうえ、治水課に提出するものとすること(都道府県知事が定める操作規則に係るものの場合は建設大臣の承認を要するものに限る)。
(2) 操作規則及び操作要領の作成にあたっては、「河川管理施設の操作規則の作成について」(昭和四二年二月二二日付け建設省河治発第一三号河川局治水課長通達)を参考にするものであること。

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