都市計画法施行令の一部を改正する政令(昭和五八年政令第一〇二号)が、七月一日に施行され、都道府県又は政令指定都市の規則で都市計画法第三四条第一〇号イに該当する市街化調整区域における開発行為の規模の要件を二〇ヘクタールから五ヘクタールまで引き下げることができることとなった。
近年の河川流域における開発の進展に伴う治水安全度の低下、洪水、高潮、津波、土石流、がけ崩れ等による国民の生命・財産の被害の状況等にかんがみ、都市計画法施行令第三一条ただし書の規定に基づき行われる開発行為で面積が五ヘクタール以上二〇ヘクタール未満のもの(以下「対象となる開発行為」という。)について適切な防災対策が講じられるよう、開発許可の処理に当たり、左記のように取り扱われることとなったので、別途通達する事項に留意のうえ、遺憾のないよう措置されたい。
1 対象となる開発行為は、都市計画法第三三条第一項各号に定める基準に適合し、かつ、第三四条第一〇号イに該当する場合でなければ、第二九条に基づく許可が行われないが、第三四条第一〇号イについては、次の各要件に該当すること等を基準として運用されることとなっている(昭和四四年一二月四日付け建設省計宅開発第一一七号、建設省都計発第一五六号建設省計画局長・都市局長連名通達「都市計画法による開発許可制度の施行について」記2の4の(5))。
(1) 当該開発区域の大部分が、災害防止のため保全すべき土地等として積極的に保全すべき土地でないこと。
(2) 対象となる開発行為の位置及び自然的条件からみて、排水施設その他の施設の計画に支障をきたすおそれがないこと。
(3) 対象となる開発行為に関して必要となる公共施設等を、開発行為を行う者が自らの負担において整備すること。
2 対象となる開発行為が総合治水対策特定河川及びこれに準ずると認められる河川の流域の土地の区域で行われることにより下流において溢水、湛水等による災害が発生するおそれがある場合並びに対象となる開発行為が河川氾濫区域、海岸高潮浸水予想区域、砂防指定地、地すべり防止区域若しくは急傾斜地崩壊危険区域内の土地又は土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所若しくはこれらに隣接する土地の区域で行われることにより溢水、湛水等による災害が発生するおそれがある場合に、開発許可権者が都市計画法第二九条の許可を行うに当たっては、関係の河川管理者、海岸管理者又は地方建設局、北海道開発局、沖縄総合事務局若しくは都道府県の砂防担当部局の意見を聴くこととなる。
3 対象となる開発行為について開発許可権者より意見を求められた場合は、都市計画法第三三条第一項各号及び一に掲げる同法第三四条第一〇号イの規定の適用に当たっての開発許可権者の判断が適切に行われ、開発行為に際して適切な防災対策が講じられることとなるよう、必要な意見を述べることとされたい。