建設省河政発第六四号の二
昭和五八年七月一日

各地方建設局河川部長、北海道開発局建設部長、沖縄総合事務局開発建設部長、各都道府県土木担当部長あて

建設省河川局水政課長通達


都市計画法施行令第三一条ただし書の規定に係る開発行為の許可に関する河川管理者等の意見等について


都市計画法施行令(以下「令」という。)第三一条ただし書の規定に基づき行われる開発行為で面積が五ヘクタール以上二〇ヘクタール未満のもの(以下「対象となる開発行為」という。)の取扱いについては、昭和五八年七月一日付け建設省河政発第六四号をもって河川局長から通知されたところであるが、これについては、左記により取り計らうとともに、この旨貴管下関係機関に対して周知方お願いする。

第1 河川管理者等の意見について

1 対象となる開発行為について開発許可権者(都道府県又は政令指定都市の開発許可担当部長をいう。以下同じ。)より意見を求められる場合及び求められる者は次のとおりである。

(1) 総合治水対策特定河川及びこれに準ずる河川として建設省河川局担当課長において指定したもの(以下「総合治水対策特定河川等」という。)の流域の土地の区域で対象となる開発行為が行われることにより、下流において、溢水、湛水等による災害が発生するおそれがある場合は、当該開発区域をその集水域とする河川の河川管理者(政令指定都市の長以外の市町村長が河川管理者である場合は都道府県知事をいう。以下同じ。)及び下流の河川管理者
(2) 河川氾濫区域(既往最大の洪水による最大の氾濫区域又は現行の計画高水流量のもとで想定される最大の氾濫区域をいう。以下同じ。)で対象となる開発行為が行われることにより、当該開発区域において、溢水、湛水等による災害が発生するおそれがある場合は、関係の河川管理者
(3) 海岸高潮浸水予想区域(既往最大の高潮、波浪等が発生したときに想定される海水の侵入する区域をいう。以下同じ。)で対象となる開発行為が行われることにより、当該開発区域において、浸水、高潮等による災害が発生するおそれがある場合は、当該海岸の海岸管理者
(4) 砂防指定地、地すべり防止区域若しくは急傾斜地崩壊危険区域又は土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所若しくはこれらに隣接する土地の区域で対象となる開発行為が行われることにより、土砂災害が発生するおそれがある場合は、地方建設局等(地方建設局、北海道開発局及び沖縄総合事務局をいう。以下同じ。)又は都道府県の砂防担当部局

2 意見を述べる場合の手続について

(1) 総合治水対策特定河川等の場合

総合治水対策特定河川に係る関係河川管理者の意見は流域総合治水対策協議会の座長となっている地方建設局等若しくは都道府県の河川担当部局(以下「協議会の座長」という。)又はその出先機関を通じ、総合治水対策特定河川に準ずる河川に係る関係河川管理者の意見は開発許可権者の属する都道府県の河川担当部局を通じ、それぞれ求められるものであるので、出先機関との連絡体制を整備するとともに、開発許可権者から意見を求められた場合は、必要に応じ幹事会を開催すること等により対象となる開発行為により影響を受けるおそれのある河川の河川管理者間で意見の調整を行い、速やかに開発許可権者に意見を述べること。

(2) 河川を管理する者が市町村長である場合

1(1)及び(2)に掲げる場合において河川を管理する者が市町村長であるとき(当該政令指定都市の長が対象となる開発行為に係る開発許可権者であるときを除く。)は、当該市町村の区域を管轄する都道府県の河川担当部局が河川管理者として意見を述べるものとし、意見を述べる場合は、当該市町村長の意見を聴いたうえで行うこと。

(3) 地方建設局等の場合

地方建設局等の意見は、対象となる開発行為が行われる区域において河川、海岸又は砂防に関する事務を行う事務所等の出先機関が遠距離にある等特別の事情があり円滑な連絡を図るため必要があると開発許可権者が認めた場合を除き、当該出先機関を通じて求められることとなるので、連絡体制の整備その他の措置を講じること。

(4) 内水対策を必要としている河川の場合

1(2)に掲げる場合において当該河川が内水対策を必要とするものであるときは、河川管理者は、当該河川が流入している河川の河川管理者と意見の調整を図り、速やかに開発許可権者に意見を述べること。

第2 連絡体制について

1 令第三一条の規則が制定された場合の連絡について

令第三一条ただし書に基づく都道府県又は政令指定都市の規則(以下「令第三一条の規則」という。)が定められた場合は、当該都道府県の河川、海岸又は砂防の担当部局は速やかに関係地方建設局等の担当部局及び総合治水対策特定河川等の下流域を管轄する都道府県の河川担当部局に連絡すること。

2 図面等の提供について

(1) 総合治水対策特定河川等の流域に係る都市計画区域において令第三一条の規則が定められた場合又は令第三一条の規則が定められている都市計画区域をその流域とする河川が総合治水対策特定河川等として指定された場合は、当該都道府県の河川担当部局は総合治水対策特定河川等の流域の土地の区域を示す図面を開発許可権者に提供すること。
(2) 令第三一条の規則が定められた場合は、当該都市計画区域に係る河川氾濫区域、海岸高潮浸水予想区域、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土石流危険渓流、地すべり危険箇所又は急傾斜地崩壊危険箇所を明示した図面その他の資料を開発許可権者に提供すること。

この場合、これらの資料の取扱い等については十分な注意を払うよう依頼すること。

3 その他の開発行為に関する資料の提供について

(1) 総合治水対策特定河川等の流域で行われる開発行為のうち第1により措置されるもの以外のものに関し、開発許可権者からの資料提供、都市計画法第三二条による同意又は協議その他により資料が得られた場合は、下流に他の河川管理者が存するときは、協議会の座長(総合治水対策特定河川に準ずる河川にあっては下流の河川管理者)に対し、当該資料を提供するよう努めること。
(2) (1)により資料の提供を受けたときは、協議会の座長又は下流の河川管理者は、必要に応じ、幹事会等を開催すること等により検討を行い、所要の措置を講ずるよう努めること。

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