建設省河治発第六三号
昭和六二年一二月一一日

北海道開発局建設部長、各地方建設局河川部長、沖縄総合事務局開発建設部長、各都道府県土木主管部長あて

建設省河川局治水課長通達


河川管理施設等の改善措置等について

標記については、「河川管理施設等の改善措置について」(昭和五〇年一二月一五日付け建設省河治発第一〇七号及び第一〇七号の二建設省河川局治水課長)等において通知し、貴職におかれても十分配慮されているところであるが、なお一層河川の安全性の向上を図るため、左記事項に留意し、河川管理施設及び許可工作物の改善措置の実施等を積極的に推進されたい。

1 河川管理施設及び許可工作物の点検及び応急対策については、昭和五〇年度より実施してきたところであるが、既に一〇年余が経過するとともに、近年、上記に係る技術の進歩が認められることから、現時点で新たに構造物の内部観察等に係る新技術の積極的な活用も図りつつ点検を行い、その結果に基づいて対策実施の緊急性を十分に考慮し、計画的に適切な対策を講じること。
2 許可工作物については、その管理責任は第一義的には許可工作物の管理者が負うものであるが、災害の発生が具体的かつ明確に予測される場合、又は、許可工作物を含む付近の河川全体が河川管理の一般的水準に照らして安全性を欠くと判断しうる場合においては、河川管理者としても監督処分権を行使する等により許可工作物の改善を図る必要がある。このため、許可工作物の管理者に対し、その安全性の点検及び必要な改善対策の実施をより強力に指導すること。

なお、農林水産省所管の許可工作物については、現在両省で改善措置の円滑な推進方策について協議中であり、まとまり次第追って通知する。

3 河川管理施設等の新築及び改築に当たっては、従来から「河川管理施設等構造令」等の技術基準に基づき治水上の安全性の確保について万全の配慮をしてきたところであるが、河川技術の基となる河川工学は経験工学的な側面を強く有するものであることから、その技術の進歩を反映させつつ河川の安全性を向上させる必要がある。このため、河川管理施設の新築・改築及び許可工作物の設置の許可等に当たっては、「河川管理施設等構造令」等の技術基準に適合することはもとより、必要に応じて調査・観測に係る最新の技術的知見の導入及び類似する施設の被災事例との比較検討、解析・実験による検証等により、なお一層河川管理施設等の安全性の向上を図るよう努めること。

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