建河発第五五五号・林野治第一八一一号
昭和三八年一二月七日

各地方建設局長・各営林局長・各都道府県知事あて

建設省河川局長・林野庁長官通達


砂防事業と治山事業の取扱いについて


右記両事業の調整については、昭和三年閣議決定「砂防工事ト荒廃地復旧及開墾地復旧ニ関スル件」、昭和四年発土第八五号内務、農林両次官依命通牒「砂防事務ト荒廃地復旧及開墾地復旧事務ノ取扱ノ件」等により従来から両者の調整が図られてきたところであるが、これが調整にあたつては、昭和三八年建河発第二六七号林野治第五八九号建設省河川局長林野庁長官共同通牒「治水砂防行政事務と治山行政事務の連絡調整について」により行なうよう指示してきたが、さらにこれらの趣旨を実行上徹底し、両事業の円滑な実施を図るため、今回両事業の事業区分及び事業調整要領を別紙のとおり定めたから、その取扱いについて遺憾のないよう取り計らわれたい。
なお、貴管下行政機関にもその趣旨を十分に徹底し、実施にあたり支障のないよう措置されたい。



別紙

1 事業区分

事業種別
事業目的の区分
事業の範囲
工事内容の区分
砂防
治水上砂防のため
土砂の生産を抑制し流送土砂を扞止調節するに必要な事業
1 流送土砂を扞止又は調節するためのえん堤を築造する工事
2 扇状地の侵食による土砂生産防止のための流路工事
3 河床堆積土砂の流出を防止するためのえん堤、床固又は谷止を築造する工事
4 河床匂配を緩和し縦横侵食を防止して土石流の助長を抑制するための一連のえん堤又は谷止を築造する工事
5 山腹の傾斜急峻にして造林の見込のない崩壊地に施行する擁壁、護岸及びこれと一体となつて施行するえん堤、床固又は谷止を築造する工事
6 渓流に施設する砂防設備(えん堤、床固、谷止、流路工、護岸等)の効果を維持するために影響のある近接の小面積の崩壊地、崩壊危険地、はげ山、はげ山移行地等に施行する山腹工事
治山
水源かん養のため土砂の流出の防備のため
土砂の崩壊の防備のため
飛砂の防備のため風害、水害、潮害、干害、雪害又は霧害防備のため
なだれ又は落石の危険防止のため
火災の防備のため
森林の造成事業又は森林の造成若しくは維持に必要な事業
1 崩壊地又ははげ山等の荒廃地に施行する山腹工事及びこれと一体となつて施行する基礎工事(えん堤、床固、谷止等)
2 崩壊危険地又ははげ山移行地等の荒廃山腹に施行する山腹工事
3 崩壊危険地の根固めのために施行する基礎工事(えん堤、床固、谷止等)
4 森林の保水機能増進のための山腹工事
5 飛砂の防備、風害、水害、潮害、干害、雪害又は霧害の防備、なだれ又は落石の危険の防止、火災の防備のために必要な植栽又は森林の造成若しくは維持に必要な工事(護岸、擁壁、水路等)

注 右記の区分により難い場合で、昭和四年発土第八五号内務、農林両次官依命通牒「砂防事務ト荒廃地復旧及開墾地復旧事務ノ取扱ノ件」別紙第三項に該当する場合においては、別途協議のうえ、区分するものとする。

2 事業調整要領

(1) 年度実施計画について

調整組織
調整の方法
備考
地方連絡会議

それぞれの所管庁(都道府県又は国の出先機関。以下同じ。)に係る次年度事業実施計画案について、相互に照合を行ない、意見の調整を図り、所管区分、施行時期、施行内容等を明らかにするものとする。
それぞれの所管庁は、地方連絡会議において、調整された結果に基づいて次年度事業実施計画案を策定のうえ、主務官庁に協議するものとする。

中央連絡会議

地方連絡会議において、調整の整わなかつたものについて、意見の調整を図り、所管区分、施行時期、施行内容等を明らかにするものとする。
中央連絡会議において調整の整つたものについては、ただちに主務官庁は、所管庁に連絡するものとする。

(2) 災害対策計画について

調整組織
調整の方法
備考
地方連絡会議

災害発生時において、それぞれの所管庁に係る災害対策計画案について、相互に照合を行ない、意見の調整を図り、所管区分、施行時期、施行内容等を明らかにするものとする。
それぞれの所管庁は、地方連絡会議において、調整された結果に基づいて災害対策計画案を策定のうえ、主務官庁に協議するものとする。

中央連絡会議

地方連絡会議において、調整の整わなかつたものについて、意見の調整を図り、所管区分、施行時期、施行内容等を明らかにするものとする。
中央連絡会議において調整の整つたものについては、ただちに主務官庁は、所管庁に連絡するものとする。


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