蔵管第二三五四号
昭和二七年五月三〇日

建設省河川局長あて

大蔵省管財局長通牒


国有海浜地の取扱について


標記のことについて、各財務局長あて、別紙(写)のとおり通ちょうしたから、都道府県に対しては、貴局から周知徹底方御指導願います。
なお、都道府県に対しての御指導については、その措置を報告して下さい。



別紙〔写〕

国有海浜地の取扱について

(昭和二七年五月三〇日)
(蔵管第二三五四号)
(各財務局長あて管財局長通牒)
標記のことについては、各財務局において疑義があるやに思われるので、その取扱方を左記のように通知します。
なお建設省河川局長あて別紙(写)のとおり通ちょうしたから申し添えます。
1 公共物としての海浜地

国有財産法に定める公共物としての国有海浜地は、国において直接公共の用に供する財産であって、直接に社会公共の利益のために存し、公衆が自由にこれを使用することによって、その存在価値を全くするものである。
従って海浜地は、その自然の状態において公衆の自由使用に公開されるものであって、一般公衆はその範囲内においてのみ自由に使用し得られる。
(1) 無償使用の範囲

海浜地が、その自然の状態において公衆の自由使用に供される場合、例えば海水浴、網干等に使用される場合は、使用料の徴収を必要としない。

(2) 有償使用(占用使用料を徴すべき場合)の範囲

公共物は、時には、その用途又は目的を妨げない限度において、特別の使用又は収益をなさしめることができる。すなわち海浜地として公衆の利用に供することを妨げない限度において、管理者が特定の企業者又はその他の特定人に対し、国有財産法の規定に基き占用使用料を徴収して、その使用又は収益をなさしめることができるのであって、例えば特定人に対し、航着場、海水浴場の脱衣場等に使用するためにその区域及び期間を定め、使用料を徴収して占用許可をする場合である。

2 通常の普通財産としての海浜地

公共物としての海浜地は、その自然の状態において、公衆の自由使用に公開され又は公衆の自由使用を妨げない限度において、管理者が特定人に対し占用許可をする範囲のものであることは前記のとおりである。従ってかかる公共のために存置する必要がなくなった場合においては、公共物としての性格を喪失したものであるから、通常の、普通財産として取り扱わなければならない。例えば海水浴、網干等自然の状態において公衆の自由使用に公開されていた海浜地を、特定人に対し、水産加工場、納屋及び併用住宅等の永久又は半永久的建物を建設するために使用させる場合又は農耕適地として利用することが土地の利用増進の上において適切であり、公共物として存置する必要のなくなった場合等は、最早公共物としての性格を喪失したものであるから、普通財産として取り扱わなければならない。

3 財産管理の機関

(1) 公共物としての海浜地………………………建設省(都道府県)
(2) 普通財産としての海浜地……………………大蔵省(財務局)

公共物としての性格を喪失した海浜地は、建設省(都道府県)から大蔵省(財務局)に引き継ぎをなし、大蔵省(財務局)において通常の普通財産として管理する。


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