建会発第六五六号
昭和四六年八月三〇日

各地方建設局長・各都道府県知事あて

建設大臣官房会計課長通達


海岸法、港湾法または漁港法の適用のない一般海域の管理の適正化について

海岸法、港湾法または漁港法の規定の適用のない一般海域の管理については、従来から建設省所管国有財産として適正に管理するべく規則等を制定して厳格に処理するよう促してきたところであるが、いまだ一部では規則等の制定及びこれに基づく処理がなされていないため、無断で占使用を行なっている事態を放置し、または占使用料を徴さないところが見受けられる。加えて、最近の骨材需要の増大に伴ってこれら一般海域における海底砂利等の盗掘が相ついで発生している現状は、はなはだ遺憾である。
先般国会においても一般海域における管理体制の明確化と管理の適正化等について強く指摘されたところであるが、今後は、規則等が未制定なところにあってはすみやかにこれを制定するとともに、既に規則等が制定されているところにあっても他の国有財産と同様に不法占使用の排除及び防止に努め、これの実効を図るため監視体制を整えるとともに、海上保安庁等関係機関に対し協力を依頼する等これの管理の適正を図られたく、命により通知する。
なお、一般海域の管理に関する規則等を制定し、その費用を負担して管理している場合においては、その占使用料は、岡山県土木部長及び東京都河川部長あて回答(別紙写し参照)したとおり、当該都道府県の収入として差支えないので、念のため申し添える。



(別紙写し)

(一) 建設省所管国有財産の範囲について

(昭和三五年一一月一八日)
(建会岡第一号)
(岡山県土木部長あて会計課長)
昭和三五年四月七日付け監乙第六八六号で照会のあった標記のことについて、左記のとおり回答する。
港湾区域及び漁港区域以外の海域については、建設省所管の行政財産(公共用財産)の範囲に入るものと解してさしつかえない。
なお、「海底土砂採取願」は、建設省所管国有財産取扱規則(昭和三〇年建設省訓令第一号)第二一条及び第二一条の二の規定により処理するものとし、土砂採取料は貴県の港湾区域管理規則等を勘案して決定されたく、また、岡山農地事務局長からの協議については、建設省所管国有財産取扱規則第二〇条の規定により処理されたい。

〔照会〕

(昭和三五年四月七日)
(監乙第六八六号)
(会計課長あて岡山県土木部長)
国有財産の範囲については、国有財産法第二条に「国の負担において国有財産となった財産、又は法令の規定により若しくは寄附により国有となった財産である」と規定されているが、建設省所管国有財産の範囲について次のことについて御教示方お願いいたします。
現に岡山県知事あてに特定個人から「海底土砂採取願」及び、岡山農地事務局長から「海域内構造物設置並びに水域占用の協議」があり、岡山県においては河川、海岸については岡山県河川管理規則、港湾区域については、岡山県港湾管理規則により処理しておりますが、海については別に規定を定めてなく、この取扱についても海も建設省所管国有財産の範囲に入るか否かについて疑問が生じ、もし建設省所管国有財産の範囲に入るとすればこの取扱を如何ようにしたらよいか照会しますから至急御回答下さるようお願いします。

(二) 一般海域からの土砂採取料の帰属について

(昭和四一年一二月六日)
(建会東第四六号)
(東京都建設局河川部長あて会計課長)
昭和四〇年一〇月二六日付け40建河管発第一三一四号をもつて照会のあつた標記について、左記のとおり回答する。
海岸法、港湾法等の特別法の適用を受けない一般海域は、建設省所管の行政財産(公共用財産)として、その管理を都道府県知事に委任したものであるから、当該都道府県がその管理について費用を負担している場合は、都道府県知事は、規則の定めるところにより土砂採取料を徴し、当該都道府県の収入としてさしつかえないものと解する。

〔照会〕

(昭和四〇年一〇月二六日)
(40建河管発第一三一四号)
(会計課長あて東京都建設局河川部長)
海岸保全区域外の建設省所管の公共財産である一般海域は、「建設省所管国有財産取扱規則」に基づき当該都道府県知事に管理及び処分が委任されており、従つて、一般海域からの土砂採取料は当該都道府県の収入に帰属させても差し支えないか疑義がありますので、何分のご意見を伺いたく照会いたします。


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