昭和四三年四月一日付け建設省河防発第三一号による公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法事務取扱要綱(昭和三一年一二月一〇日付け建設省発河第一一四号。以下「要綱」という。)の一部改正に伴い、改正要綱が適用される災害復旧事業の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法施行規則(昭和二六年四月三〇日建設省令第一〇号。以下「規則」という。)様式第三の設計書の作成等については、左記によることとしたので、遺憾のないよう取り扱われたい。
第一 請負施行に係る本工事費の構成
要綱第四第一項第一号の請負施行に係る本工事費の構成は、次のとおりとする。
第二 各費目の積算基準
設計書に計上すべき各費目の内容及び積算は、要綱第四及び第七に定めるもののほか、次に定めるところによる。
一 本工事費及び附帯工事費(請負施行の場合)
(1) 直接工事費
直接工事費は、箇所又は工事種類により各工事部門を工種、種別、細別及び名称に区分し、それぞれの区分ごとに次に掲げる労務費、材料費及び直接経費の三要素について積算する。
イ 労務費
労務費は、工事の施行に直接必要な労務の費用とし、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法施行令(昭和二六年政令第一〇七号)第六条第二項の規定によつて承認を受けた設計単価及び歩掛(以下「承認単価及び歩掛」という。)により積算する。ただし、実施にあたつて、承認単価及び歩掛により難い場合には、実施時期、地域の実態及び他の事業との関連等を考慮した設計単価及び歩掛により積算することができる。
ロ 材料費
材料費は、工事の施行に直接必要な材料の費用(購入場所から現場までの運搬費を含む。)とし、承認単価及び歩掛により積算する。ただし、実施にあたつては、労務費と同様の取り扱いをすることができる。この場合には、特に材料の運搬距離及び運搬方法について十分検討のうえ適正に積算するものとする。
ハ 直接経費
直接経費は、工事の施行に直接必要な(イ)、(ロ)及び(ハ)に掲げる経費とし、それぞれに定めるところにより積算する。
(イ) 特許使用料
特許使用料は、契約に基づき使用する特許の使用料及び派出される技術者等に要する費用の合計額とする。
(ロ) 水道高熱電力料
水道高熱電力料は、工事の施行に直接必要な電力、電灯使用料及び用水使用料(基本料を除く。)とする。
(ハ) 機械経費
機械経費は、工事の施行に直接必要な機械の使用に要する経費(材料費、労務費を除く。)とし、「補助事業等に係る工事設計書の作成について(昭和三四年四月一日建設省発会第一〇七号建設事務次官通知)」三(一)別紙「補助事業等請負工事機械経費積算要領」により積算し、その他の器具等の経費についてはこれに準じて積算する。
(2) 共通仮設費
イ 共通仮設費の各項目の積算
共通仮設費の各項目の積算は、次の(イ)から(ヘ)までに掲げる費用で各工事部門に共通的なものとし、それぞれに定めるところにより積算する。
(イ) 運搬費
運搬費は、機械器具の運搬に要する費用並びに現場内における器材の運搬に要する費用とする。
(ロ) 準備費
準備費は、工事施行のための準備及び跡片付けに要する費用、調査、測量及び丁張りに要する費用、調査並びに伐開、整地及び除草に要する費用、調査とする。
(ハ) 安全費
安全費は、交通管理に要する費用、安全施設等に要する費用、安全管理等に要する費用並びに工事施工上必要な安全対策等に要する費用とする。
(ニ) 役務費
役務費は、土地(営繕に係る敷地を除く。)の借上げに要する費用及び電力、用水等の使用基本料とする。
(ホ) 技術管理費
技術管理費は、品質管理のための試験等に要する費用、出来形管理のための測量等に要する費用、工程管理のための資料の作成に要する費用並びにその他技術管理上必要な資料の作成に要する費用とする。
(ヘ) 営繕費
営繕費は、現場事務所、試験室等の営繕に要する費用、労務者宿舎の営繕に要する費用、倉庫及び材料保管場の営繕に要する費用、労務者の輸送に要する費用並びに前記に係る土地・建物の借り上げに要する費用とする。
ロ 共通仮設費の算定
共通仮設費の算定は、「土木請負工事の共通仮設費算定基準(平成四年三月一九日建設省技調発第七六号建設大臣官房技術審議官通知)」により算出した額の範囲内とし、別表第一に掲げる工種区分に従つて所定の率計算による額と積上げ計算による額とを加算して行うものとする。
(イ) 率計算による部分
次の算式により算出する。
本工事費中の直接工事費+(支給品費+無償貸付機械等評価額……A
附帯工事費中の直接工事費+(支給品費+無償貸付機械等評価額……B
本工事費中の共通仮設費=A×[(A+B)に係る共通仮設費率]
附帯工事費中の共通仮設費=B×[(A+B)に係る共通仮設費率]
施工地域、工事場所を考慮した共通仮設費率の補正値は加算するものとする。
(ロ) 積上げ計算による部分
現場条件等を適確に把握することにより必要額を適正に積上げるものとする。
(3) 現場管理費
現場管理費は、工事の施行にあたつて工事を管理するために必要な共通仮設費以外の経費とし、別表第二に掲げる工種区分に従つて次の算式により算出する。
本工事費中の純工事費……A
附帯工事費中の純工事費……B
本工事費に係る支給品費……C
附帯工事費に係る支給品費……D
本工事費中の現場管理費=(A+C)×[(A+B+C+D)に係る現場管理費率]
附帯工事費中の現場管理費=(B+D)×[(A+B+C+D)に係る現場管理費率]
(イ) 二種以上の工種からなる工事については、その主たる工事の現場管理費率を適用するものとし、また、工事条件によつては工事名にとらわれることなく工種を選定するものとする。
(ロ) 資材等を支給するときは、当該支給品費を純工事費に加算した額を現場管理費算定の対象となる純工事費とする。
(4) 一般管理費等
一般管理費等は、一般管理費及び利潤とし、別表第3に従つて次の算式により算出する。
(5) 本通知によらないことができる工事
鋼橋製作等主として工場製作に係る工事若しくはこの通知によることが著しく不適当又は困難であると認められる工事については、この通知によらないことができるものとする。
(6) 消費税等相当額
消費税等相当額は、工事価格に取引にかかる消費税及び地方消費税の税率を乗じて得た額とする。
(7) 他の施設の管理者施行の場合における附帯工事費
要綱第四第一項第二号後段の管理者施行の場合における附帯工事費は、当該管理者施行に係る附帯工事の工事費及び事務費の合計額を計上し、この場合における事務費については、当該附帯工事の規模等を考慮して算出した額を計上する。
二 測量及び試験費
測量及び試験費は、事業主体が直接調査、測量及び試験を行なう場合においては調査、測量及び試験に要する材料費、労務費、労務者保険料、土地の借料、機械器具費等を計上し、請負又は委託により施行する場合においては請負費又は委託費を計上する。
三 機械器具費
機械器具費は、工事が直営施行の場合において、当該工事の内容及び規模に適合した機械を選定し、工事の施行上必要最小限度の費用を計上する。
なお、工事が請負施行の場合において、事業主体が機械器具等を請負業者に貸与して請負工事を施行させることが特に必要と認められるときは、それらに要する費用を計上できる。
四 営繕費
営繕費は、工事が直営施行の場合において計上するものとし、当該直営施行に係る工事費(営繕費及び工事雑費を除く。以下この号において「工事費」という。)が次に該当する場合当該工事費にそれぞれ定める率を乗じて得た額の範囲内とする。ただし、(ロ)から(ニ)までの場合において、それぞれ算出される額がそれぞれの前において算出される額の最高額に達しないときは、営繕費は当該最高額の範囲内において増額することができる。
(イ) 工事費が一千万円以下の場合 千分の五〇
(ロ) 工事費が一千万円を超え三千万円以下の場合 千分の四〇
(ハ) 工事費が三千万円を超え一億円以下の場合 千分の三〇
(ニ) 工事費が一億円を超える場合 千分の二〇
また、工事が請負施行の場合において、事業主体が当該請負工事の施行を監督するために事務所、見張所等を特に必要とすると認められる場合に限り、これらに要する最小限度の費用を計上することができる。
五 工事雑費
工事雑費は、次の算式により算出する。
(1) 工事が請負施行の場合
本工事費+附帯工事費+測量及び試験費(請負又は委託に係るもの)……A
用地費及び補償費+測量及び試験費(直営施行に係るもの)+機械器具費+営繕費……B
工事雑費=A×(15/1000)+B×(40/1000)
(2) 工事が直営施行の場合
本工事費+附帯工事費+測量及び試験費(直営施行に係るもの)+用地費及び補償費+営繕費……A
工事雑費=A×(40/1000)
第三 事務費、工事雑費及び指導監督事務費
要綱第四第二項に定める事務費及び要綱第四第一項第七号に定める工事雑費並びに令第一二条第三項に定める指導監督事務費の算定基準については、建設省所管補助金等交付規則(昭和三三年建設省令第一六号)に基づき、別に定める「河川局所管国庫補助事業に係る補助金等交付申請及び実施認可(承認)について(災害復旧事業及び水防警報施設事業に係るものを除く。)」で規定する「事務費」の算定基準に準じて取り扱うものとする。
第四 設計書の記載方法
規則別記様式第3の各表の記載方法は、同様式備考のほか、次に定めるところによる。
1 第一表
イ 「河川名、路線名」欄には、道路にあつては一般国道(「国」と略称する。)、道路法(昭和二七年法律第一八〇号)第五六条の規定により建設大臣の指定した主要な都道府県道若しくは市道(「((主))」と略称する。)又はその他の都道府県道、市道若しくは町村道(「((一))」と略称する。)の別を橋梁にあつては、当該橋梁の存する路線名のほか前記の道路の別を併記する。
ロ 「工事費」欄の「摘要」には、要綱第九第一項第一号に規定する応急仮工事がある場合においては、仮道、仮桟道、仮橋又は仮締切の別及び金額を記載する。
ハ 「被災原因その他」欄に記載する事項のうち、規則別記様式第三備考三に定めるその他必要な事項とは、溢流、埋没、破堤等の被災の態様、被災水位、応急工事の有無等をいう。
2 第二表
イ 査定にあたつては、営繕費及び工事雑費の「摘要」欄にその算出の根拠となつた算式をそれぞれ記載し、実施にあたつては、工事雑費の摘要欄に同様の事項を記載する。
ロ 査定にあたつては、工事費の「摘要」欄に工事費に含まれる消費税等相当額を円単位( )書きで記載する。
3 第三表
イ 「費目」欄には、本工事費と記載する。
ロ 「工種」欄には、直接工事費については、土工、基礎工、法覆工、護岸工、突堤工、舗装工、橋梁工、橋梁上部工等の別、間接工事費については共通仮設費及び現場管理費の別並びに一般管理費等を記載する。
ハ 共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等については、「摘要」欄にその算出の根拠となつた算式をそれぞれ記載する。
4 第四表
第三表に準じて記載する。
5 第五表
イ 「費目」欄には、測量及び試験費と記載する。
ロ 「工種」欄には、地形測量、地質調査、水理調査及び材料試験等の別を記載する。
ハ 「種別」欄には、事業主体が直接施行する場合にあつては、地形測量については平面測量、縦断測量等の別を、地質調査については試掘、試錐、電気探査、地耐力試験、試行試験等の別を、水理試験については、施設、観測等の別を、材料試験についてはコンクリート試験、土質試験、鋼材試験等の別を記載する。請負又は委託により施行する場合にあつては、請負費又は委託料と記載する。
ニ 「細別」欄には、工種の種類に応じて材料費、労務費、労務者保険料、土地の借料及び機械器具費等の別を記載する。
6 第六表
イ 「費目」欄には、用地費及び補償費と記載し、一段下げて土地、立竹木、建物及び工作物、権利並びに補償工事等の別を記載する。
ロ 「細別」欄には、土地については、、田地、畑地、宅地、山林原野等の別を、立竹木については用材木、観賞樹、立毛等の別を、建物及び工作物については住宅、工作物等の別を、権利については漁業権、鉱業権、営業の権利等の別を、補償工事のうち軽微なものについては本工事費、機械器具費等の別を記載する。
7 第七表
「区分」欄には、購入、借上、運搬、船舶保険料、据付、撤去、修理及び製作等の別を記載する。
8 第九表
「区分」欄には、新築、購入、借上、改築、移転、修繕、敷地借上、敷地購入等の別を記載する。
9 その他
イ 第八表及び第一〇表は、作成を省略する。
ロ その他記載方法は、第六設計書記載例のとおりとする。
第五 添付書類
規則別記様式第三の第三表から第一一表までの各表には、次に定める書類を添付する。
1 第三表
一位代価表その他の積算根拠を明らかにした書類
2 第四表
(1) 一位代価表その他積算根拠を明らかにした書類
(2) 管理者施行の附帯工事に係る附帯工事費については、各費目別の内訳表
(3) 附帯工事について当該附帯工事に係る施設の管理者の負担額がある場合においては、その負担割合を決定した計算の基礎を明らかにした書類
3 第五表
(1) 調査、測量及び試験の内容を明らかにした書類
(2) 一位代価表その他積算根拠を明らかにした書類
4 第六表
(1) 丈量図
(2) 一位代価表その他積算根拠を明らかにした書類
(3) 補償工事(軽微なものを除く。)については、各費目内訳表に準じた内訳表
5 第七表
積算根拠を明らかにした書類
6 第九表
建物の新築、改築、移転及び修繕に要する費用については、本工事費内訳表に準じた内訳表
7 第一一表
各費目内訳表に準じた内訳表
第六 設計書記載例