

河防発第三九号
昭和五七年三月二九日
建設省河川局長通達
過年発生災害復旧事業の再調査要綱について
標記については、従来、再調査対象年災に係る要綱を毎年定めて再調査を実施してきたところであるが、今後、別紙要綱により再調査を行うこととしたので通知する。なお、貴管下市町村(指定都市を除く。)に対しても周知徹底取り計らわれたい。
過年発生災害復旧事業の再調査要綱
(調査目的)
第一 本調査は、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号。以下「法」という。)第七条の規定による事業費の決定を受けた災害復旧事業(国が施行するものを除く。以下同じ。)のうち、過年発生災害に係るものについて、その後の状況の変化に即応した事業費を調査(以下「再調査」という。)するものとする。
(調査対象)
第二 災害の発生した年の四月一日の属する会計年度を初年度とした場合に、当該発生年の災害について第三年度に実施するものとする。
(調査方法)
第三 再調査は、次の各号の一に該当する場合を除き実地により行うものとする。
(1) 一箇所の再調査申請工事費が三〇〇万円以下のもの
(2) 当初決定に対し労務費、資材費、歩掛等の変動のみの箇所に係るもの並びに調査時において竣功している工事及び請負契約済みの工事箇所に係るものでその内容が机上で確認できるもの。
(竣功工事)
第四 調査時において竣功している工事及び請負契約済みの工事(以下「竣功工事」という。)については、国庫負担の対象となる清算額又は清算見込額(工事雑費が未清算の場合であって、実施設計に係る工事雑費の額を計上した場合を含む。以下「清算額等」という。)を算出し、当該清算額等を調査額とする。
(未着手工事)
第五 前項の工事以外の工事(以下「未着手工事」という。)については、事業費決定後の水勢又は地形の変動、労務費又は資材費の変動等に即応した国庫負担の対象となる工事費を調査額とする。なお、当該工事費を積算する場合に使用する設計単価及び歩掛は、再調査年の発生災害に係る災害復旧事業の事業費決定のために使用する建設大臣が承認した設計単価及び歩掛(総合単価を除く。)とする。
(内未成工事)
第六 次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。
(1) 竣功工事については、内未成に係る精算額は当該内未成額に相当する額とし、後災に係る工事の精算額等は、当該工事の精算額等から当該内未成額を控除した額を調査額とす。
(2) 未着手工事については、当該内未成額は原決定に係る額どおりとして調査額を算出すること。
(内転属工事)
第七 前災が後災の内転属となっている工事については、前災の調査額を零とし、前災を後災に含めて調査額を算出すること。ただし、前災又は後災のいずれか一方について、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)の規定による国庫負担額の嵩上げがなされている場合には、第六に定める内未成工事の取扱いに準じて調査額を算出するものとする。この場合において、第六第一号中「内未成」とあるのは「内転属」と、第六第一号及び第二号中「当該内未成額」とあるのは「当該内転属額」とそれぞれ読み替えるものとする。
(他事業との合併施行工事)
第八 他事業との合併施行に係る工事については、次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。
(1) 再調査年度から新規に着工する工事については、決定設計を実施単価で更正した額を調査額とする。ただし、合併施行設計の承認の際に附された条件のうち決定設計に係る条件がある場合に当該条件を考慮するほか、決定設計に違算又は誤測がある場合及び水勢又は地形の変動がある場合並びにこれらに伴う工法の変更により著しく差異を生じた場合には決定設計を変更のうえ、実施単価で更正を行うことができるものとする。
(2) 再調査前の年度までに着工している工事については、別記算式により算出した更正残災害費と再調査前の年度までの精算額との合計額を調査額とする。
(新災移属予定)
第九 再調査年発生災害で増破している工事であって、その増破部分の工事費が法第六条第一項第一号に規定する金額以上の場合で新災として採択できる要件を備えているものは、新災として取り扱うものとする。この場合、再調査額は原決定額とし、単価更正は行わないものとする。なお、この取扱いをした箇所の設計書には「新災移属予定」と明記するものとする。
(中止工事)
第十 次の各号に一に該当する工事は、中止工事とする。
(1) 別途費(施越工事費を除く。)により施行済で、当該工事に係る災害復旧工事の目的を達していると認められる工事
(2) 水勢又は地形の変動等による状況の安定、効果の減少等により当該工事を施行する必要がないと認められる工事
(3) 誤って二重採択されている部分の後災に係る工事
(4) 誤って採択されている所管外の工事
(5) 調査額が法第六条第一項第一号に規定する金額に該当する未着手工事若しくは施工中工事又は実施設計額が当該金額に該当する竣功工事
(6) 市町村工事を県工事に所属変更した工事で、原決定額が法第六条第一項第一号に規定する金額に該当するもの。
2 前項に該当する箇所の設計書には、それぞれ次の理由を明記するものとする。
第一号の場合 別途施行
第二号の場合 状況変化
第三号の場合 二重採択
第四号の場合 所管外
第五号及び第六号の場合 適用除外
(再調査申請等)
第十一 再調査申請等に関する書類の様式は、別記様式第一から別記様式第十二によるものとする。
(復命書)
第十二 復命を要する事項及びその順序は次のとおりとする。
(1) 復命書
(2) 特記事項調書
(3) 再調査総計表
(4) 残事業量調書
イ 災害費
ロ 関連費
(5) 申請廃工調書
(6) 新災移属予定箇所調書
(7) 中止工事調書
(8) 他事業との合併施行箇所の費用更正調書
(9) 再調査内訳整理表
(10) 箇所別調書
附 則
この要綱は、昭和五十七年四月一日から施行するものとする。
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別記算式
再調査結果による残工事の実施設計額(改残工事費) A
Aを前年度実施単価及び歩掛で積算した設計額 B
実施単価変動率 α=A/B
更正残災害費=前年度未残災害工事費×α
(注)
1 実施単価変動率αは、小数点以下2位止めとし、3位以下は四捨五入すること。
2 実施単価変動率の算定に当っては、測量及び試験費並びに用地費及び補償費を除くものとする。
3 関連事業及び助成事業については、再調査年度実施認可の際に提出した調書に記載された額を使用するものとする。ただし、条件が附されたものについては当該条件を考慮して訂正した額によるものとする。
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