このような状勢にかんがみ、今後とも土石流に対処するための砂防工事を強力に推進するとともに、人命保護の立場から土石流危険渓流の周知、警戒避難体制の確立あるいは人命・財産を土石流から保護するため必要となる住宅の移転等を含めた総合的な土石流対策を実施し、災害の防止・被害の軽減に努める必要がある。
1 土石流に対処するための砂防工事の推進
地方建設局長(北海道開発局長及び沖縄総合事務局長を含む。以下同じ。)及び都道府県知事は、土石流に対処するための砂防工事のより一層の促進を図るものとする。
2 土石流危険渓流の周知等
(1) 地方建設局長及び都道府県知事は、土石流危険渓流に関する資料を関係市町村に提供し、都道府県及び市町村の地域に係る地域防災計画に土石流危険渓流を組み込むよう指導するものとする。
(2) 地方建設局長及び都道府県知事は、都道府県及び関係市町村が地域防災計画に掲載した土石流危険渓流に関する資料を、適切な土地利用及び異常気象時における適切な対応を図るための情報として、関係住民に提供するよう指導するものとする。
(3) 都道府県知事は、市町村において土石流危険渓流である旨を現地に表示する等土石流危険渓流の周知徹底を図るよう指導するものとする。この場合において、地方建設局長は、都道府県知事の指導について協力するものとする。
3 警戒避難体制の確立
都道府県知事は、関係機関と緊密な連絡・調整を図ったうえ、関係市町村が土石流危険渓流周辺における警戒避難体制の整備を早急に図るよう指導するものとする。この場合において、地方建設局長は、都道府県知事の指導について協力するものとする。
4 住宅の移転の促進
都道府県知事は、関係部局間で緊密な連絡・調整を図ったうえ、各種制度の活用により、人命・財産等を土石流から保護するため必要となる住宅の移転を促進するよう関係市町村を指導するものとする。
5 情報の収集・伝達、防災意識の普及
都道府県知事は、市町村が日頃から土石流に関する情報の収集・伝達、日常の防災活動、降雨時の対応等について地域住民に周知するよう指導するものとする。この場合において、地方建設局長は、都道府県知事の指導について協力するものとする。
6 以上の諸施策を統合的かつ効率的に実施するため、地方建設局及び都道府県の砂防担当部局は、関係機関及び関係部局と協議を行い十分な連絡・調整を図るものとする。