建設省道一発第三七号
昭和四五年一〇月九日

各地方建設局道路部長・北海道開発局道路維持課長あて

道路局国道第一課長通達


危険箇所並びに異常気象時における道路通行規制の検討について


標記について、別紙により、調査し、調査結果を報告されたい。



別紙

危険箇所並びに異常気象時における通行規制の再検討について

道路局長通達「道路管理の強化について」(昭和四五年九月一八日付建設省道政発第八四号の二)に基づき、昭和四五年度指定区間内の危険箇所並びに異常気象時における通行規制及び指定区間外のうち直轄改築計画区間内の危険箇所について、左記により再検討を行ない、一二月末までにその結果を報告されたい。なお、指定区間外、直轄改築計画区間の扱いについては都道府県も同時に本調査を行なうので十分関係府県と連絡協議されたい。
1 危険箇所の再点検

昭和四三年度に実施した危険箇所総点検の要領に準じ、落石、崩土地区、地辷り地区、河川の流水、海岸の波浪による洗掘地区等の危険箇所について、再度総点検を行ない、その実態を把握すると共に、これに処する具体的な対策を立て、道路交通の危険防止と交通安全の確保に努めるため、再点検の結果を(昭和四五年度以降の全体計画)別紙によりとりまとめ報告すること。
なお、沢崩れ、落石、雪崩等の危険箇所で、保安林、砂防指定地等として他の管理者で対策を実施する必要があると思われるものについては、必要最少限の工事を道路管理者が施行するとともにそれぞれの管理者に対して防災対策の実施を要請する。

2 異常気象時における通行規制基準の再検討

異常気象時における道路の通行規制については、道路局長通達「異常気象時における道路通行規制要領」(昭和四四年四月一日付建設省道政発第一六号)により実施しているが、次の点に留意のうえ、規制基準の再検討を行ない、その結果を別紙によりとりまとめ報告すること。
(1) 通行規制区間の分類

危険箇所と異常気象の状況により「通行規制区間」と「特殊通行規制区間」に分ける。
1) 「通行規制区間」は過去の記録により危険箇所の事故発生と異常気象との間に相関関係がある場合で、異常気象による規制の基準値を定めて、これにより事前規制を実施する区間
2) 「特殊通行規制区間」は、危険箇所の事故発生と異常気象との間に相関関係が見られない場合で、パトロール等により、気象、現地の状況等により判断して危険が予想される場合に事前規制を実施する区間(局長通達第二項後段によるもの)

(2) 規制区間の取り方

次の事項について配慮すること。
1) 規制区間の起終点は出来るだけ危険箇所の近くとする。
2) 〃        規制措置が迅速に取れる場所(概ね三〇分)とする。
3) 〃        近くに駐車場等の広場があるか又は自動車の折返し可能な場所とする。
4) 危険箇所が長い区間に点在する場合、山間部で部落等がない場合は一区間として規制してよいが、途中に部落、交差道路がある場合には過度の規制とならないよう十分検討すること。

(3) 規制基準

1) 基準値は規制措置に必要な時間を考慮して定めること。
2) 危険箇所が二以上の工事事務所又は地建にわたって点在する場合は両者でよく協議すること。

3 異常気象時における通行規制方法の再検討

一般国道五六号線・高知県の落石事故について、最高裁の判決は、道路管理者は、防災工事、通行規制の措置を取らなかったとして管理の瑕疵を認めており、今後はこれと類似した事故が発生した場合には道路管理者の責任は免れられないものと思われるので、現在実施している通行規制の方法について再検討し、現地の状況に応じた規制方法を確立し報告すること。

4 指定区間外・直轄改築計画区間内の再点検に当っての注意

(1) 改築計画が現道拡幅の場合

危険箇所の改築に要する事業については改築計画断面を考慮し所要額を計上する。

(2) 改築計画が現道を外れる場合

現道が他の道路として残る場合は予測される重要度に応じ廃道となる場合はそれまでの期間の安全確保に必要な措置を考慮する。これに要する事業費は、当該府県の計画に計上させる。

(3) (2)の区間で他の管理者(道路以外)に対する危険箇所、防災対策要望箇所については当該府県と十分連絡協議すること。


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