建設省道政発第五七号
平成五年一一月二五日

北海道開発局長・沖縄総合事務局長・各地方建設局長・各都道府県知事・各指定市長・日本道路公団総裁・首都高速道路公団理事長・阪神高速道路公団理事長・本州四国連絡橋公団総裁あて

道路局長通達


道路構造令等の一部を改正する政令の施行について


道路構造令等の一部を改正する政令(平成五年政令第三七五号)が、平成五年一一月二五日に公布され、同日から施行されることとなった。
同政令の施行に当たっては、左記の事項に留意し、遺漏のないようにされたい。
なお、貴管下関係機関に対しても、この旨周知徹底方取り計らわれたい。

I 歩行者の安全かつ円滑な通行の確保について

1 趣旨

ゆとりとうるおいのある国民生活の実現の要請に応え、身体障害者、高齢者等を含む様々な歩行者の多様な利用形態に対応し、安全かつ円滑な交通を確保するため、必要な道路構造の見直し等を行うものであること。

2 歩道等の幅員(道路構造令第一〇条第二項、第一〇条の二第二項及び第三項、第一一条第三項及び第四項、第三九条第一項並びに第四〇条第一項関係)

車いす利用者等様々な歩行者が安全かつ円滑に通行できるよう、自転車歩行者道、歩道、自転車歩行者専用道路及び歩行者専用道路(以下「歩道等」という)について最小幅員の拡大を行うとともに、歩道等及び自転車道について橋梁、トンネル等に係る最小幅員の縮小規定を廃止することとしたものであること。

3 歩行者の滞留の用に供する部分(道路構造令第一一条の二関係)

(1) 歩道等において、横断歩道、バス停、タクシー乗り場等の付近に信号待ち、バス待ち等の歩行者が滞留することによって他の歩行者等の交通が妨げられる事例が多く発生していることに鑑み、当該歩道等の部分として滞留している歩行者のための空間を確保し、全体として歩行者及び自転車の安全かつ円滑な通行の確保を図ることとしたものであること。
(2) 当該部分は、歩行者の通行の過程で生じる滞留の用に供する歩道等の部分であり、当該部分を設ける場合に、その設置場所が道路法施行令第三八条の二に規定する「道路の交差部分及びその付近の道路の部分」又は横断歩道設置場所及びその付近の道路の部分に該当するときは、当該地域を管轄する都道府県公安委員会の意見を聴くこと。

4 道路の附属物の追加(道路法施行令第三四条の三、道路構造令第一〇条の二第三項及び第一一条第四項関係)

(1) ベンチ又はその上屋は、様々な歩行者が道路を安全かつ円滑に通行できるようにするため、バス利用の利便性の向上、歩行中の休憩需要への対応等の必要性に鑑み、道路の管理上必要と判断されるものを、道路の附属物として整備することができるものとしたものであること。

この場合、ベンチ又はその上屋の設置は、単にバス事業者等の要請により行うものではなく、道路管理者が安全かつ円滑な道路の交通の確保その他道路の管理上必要なものであると判断する場合に行うものであること。
なお、ベンチ又はその上屋は固定されたものであることに留意されたい。

(2) 道路附属物であるベンチ又はその上屋の設置に当たっては、左記「ベンチ及び上屋の道路占用の取扱いについて」との整合性について特に配慮すること。

また、既存道路にベンチ又はその上屋を設けるときは、改正後の道路構造令第一〇条の二第三項又は第一一条第四項の規定の趣旨を踏まえ、必要な幅員を確保すること等歩行者等の安全かつ円滑な通行に十分配慮すること。

(3) 一般的に、ベンチ又はその上屋は、地方公共団体、バス事業者等が占用物件として設置することができるものであり、その場合における取扱いについては、別途「ベンチ及び上屋の道路占用の取扱いについて」において通達することとしていること。
(4) 受益者負担金について規定した道路法第六一条の規定は、ベンチ又はその上屋の設置に係る工事についても適用があり、当該規定に基づきバス事業者等から受益者負担金を徴収することができるものであること。
(5) ベンチ又はその上屋を設けようとするときは、当該地域を管轄する警察署長と協議すること。なお、道路交通法第八〇条に基づく当該地域を管轄する警察署長との協議については別途行うこと。

II 車両の大型化について

1 趣旨

貨物輸送における労働力不足への対応、国際貨物輸送の円滑化等の観点から車両の大型化への対応の必要性が高まってきていることに鑑み、道路構造面での対策と併せ、車両構造面において安全及び環境に関し必要な対応を図りつつ、車両の総重量等の制限を緩和するものであること。

2 車両の総重量の最高限度の引上げ(車両制限令第三条第一項第二号イ関係)

高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路(以下「指定道路」という。)を通行する車両について、総重量の最高限度を引き上げることとしたこと。
なお、指定道路の指定に当たっては、事前に、都道府県公安委員会の意見を聴くとともに、接続する道路の道路管理者と十分な調整を行うこと。

3 橋、高架の道路等の設計自動車荷重の見直し(道路構造令第三五条第二項関係)

車両の大型化に適切に対応するため、橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路の設計に用いる設計自動車荷重を引き上げることとしたが、その具体的な基準については、別途「橋、高架の道路等の技術基準について」において通達するところであるので、それによることとされたい。

4 特殊車両の通行許可手続き等の変更(車両制限令第三条第一項、第二項及び第三項関係)

今般の車両制限令の改正に伴い、特殊車両の通行許可手続き等を変更することとしているが、別途「車両の通行の制限について」を通達するところであるので、今後の手続きはそれによることとされたい。

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