建設省道企発第五二号
昭和五〇年七月一五日

北海道開発局建設部長・沖縄総合事務局建設部長・各地方建設局道路部長・各都道府県土木部長・九大市建設局長・日本道路公団技術部長・首都高速道路公団工務部長・阪神高速道路公団工務部長・本州四国連絡橋公団工務部長あて

建設省道路局企画課長通達


道路附属物の基礎について

道路附属物(道路照明施設、道路標識、道路反射鏡、道路情報提供装置等)の基礎の設計については、従来施設の種類に応じた個別の方式で行われてきたが、今般これを統一して別紙のとおり標準的な基礎寸法を定めたので、今後はこれによられたく通知する。
なお、「道路照明施設設置基準」(昭和四二年四月二七日付建設省道企発第一七号道路局長通達)のうち第一八条「基礎」の第一項の運用は本通達によられたい。
貴管下道路管理者(地方道路公社を含む)についても周知徹底されたくお願いする。

1 適用の範囲

道路照明、道路標識、道路反射鏡、道路情報提供装置等、道路附属物の基礎として、剛体基礎を用いる場合に適用する。

2 設計荷重

1)基礎の設計に用いる設計外力としては、自重と風荷重を考慮するものとし、風荷重は短期荷重として扱う。
2)設計風速は次の値を標準とする。

路側式の道路標識、道路反射鏡等…40m/sec
オーバーハング、オーバーヘッド式の道路標識、道路情報
提供装置等…50m/sec
道路照明…60m/sec

(1) 風荷重の算定は次式による。

P=1/16・V2・CD・A

ここで、P=風荷重 (kg)

V=設計風速 (m/sec)
A=受圧面積 (有効投影面積 m2)
CD=抗力係数で下記を標準とする。

支柱に対して 0.7
板に対して 1.2

3 基礎の形状

基礎の平面形状は方形または円形を原則とする。

4 基礎の寸法

1) 道路照明、道路反射鏡、路側式道路標識、オーバーハング式道路標識の基礎の標準寸法は、それぞれ表―1〜4に示す値を標準とする。

本表は、正方形または円形の平面寸法に対する根入れ長さを示したものである。

2) 道路附属物のうち表―1〜4にあてはまらないものについては、基礎一基当りの天端に作用する水平力(H)と曲げモーメント(M)を計算したうえ、表―5によって基礎の寸法を定めてよい。

本表は、正方形または円形の平面寸法に対する根入れ長さを示したものである。
なお、路側式の道路標識であって、基礎が舗装面に埋め込まれている場合には、舗装部分の抵抗を考慮に入れ、根入れ長さを表―3に示す値の70%まで低減してよい。

3) 次のような場合にあっては、表―1〜4に示す標準寸法によらず、別途計算によるか、過去の実績に基づき寸法を定めるものとする。

i) 地下埋設物の影響等の理由で、基礎幅または根入れ長さを標準寸法によることが困難であるか、不適切な場合

表―1 道路照明基礎の根入れ長さ(基礎幅50cm)
単位:cm
種類
ポールの形式
根入れ長さ
基本形
8―8
8―18
160
 
10―8
10―21
10―23
210
 
12―8
12―23
12―28
 
Y形
8―8Y
8―18Y
180
 
10―8Y
10―21Y
10―23Y
210
 
12―8Y
12―23Y
12―28Y
240
表―2 道路反射鏡基礎の根入れ長さ(基礎幅50cm)
単位:cm
鏡面数
種類
 
根入れ長さ
一面
丸形
φ    60
60
 
 
80
90
 
 
100
120
 
短形
[ ]
 
 
 
60×45
60
 
 
60×50
60
 
 
66×51
90
 
 
75×55
90
 
 
80×60
90
 
楕円形
( )
 
 
 
67×54
60
 
 
89.5×71.6
90
 
 
112×89.6
120
二面
丸形
φ    60
90
 
 
80
120
 
 
100
150
 
短形
[ ]
 
 
 
60×45
90
 
 
60×50
90
 
 
66×51
90
 
 
75×55
120
 
 
80×60
120
 
楕円形
( )
 
 
 
67×54
90
 
 
89.5×71.6
120
 
 
112×89.6
150

(注)

1)注意板の大きさは18×60cmとした。
2) 鏡面下端から基礎天端までの高さは2.5mとした。
ii) 地盤が特殊な場合(軟弱地盤、岩盤等)
iii) 正方形または円形以外の断面形状の基礎を用いる場合

4) オーバーヘッド式の道路標識、道路情報提供装置もしくはこれらに準ずる大型の道路附属物の基礎については、上記1)〜3)の規定によらず道路橋基礎の設計法に準拠して設計するものとする。

表―3 路側式の道路標識基礎の根入れ長さ(基礎幅50cm)
単位:cm
 
標識分類
案内標識
 
 
警戒標識
 
規制標識
 
板の拡大率
 
1)
2)
3)
1枚
2枚
1枚
2枚
基本寸法
 
40
60
90
60
60
60
90
1.3倍
 
60
90
120
90
90
90
120
1.6倍
 
60
120
120
90
120
120
150
2.0倍
 
90
150
150
120
150
120
180
2.5倍
 
120
150
150
210


1) 本表は、本標識板下端から基礎天端までの高さ2.5m以下のものに適用する。
2) 警戒標識欄及び規制標識欄において、枚数は本標識板の設置枚数を示す。

なお、補助標識を付設したものにも、上表を適用してよい。

3) 案内標識欄の対象標識は次のとおりである。

1)…国道番号、都道府県番号、まわり道(120―A)
2)…待避所、駐車場(117―A)
3)…非常電話、非常駐車帯、駐車場(117・B)、街路の名称

表―4 オーバーハング式の道路標識基礎の根入れ長さ

(基礎幅80cm)

単位:cm
標識板面積
根入れ長さ
1.5m2以下
180
2.5m2以下
210
3.5m2以下
240
4.5m2以下
270
注 1) 本表は、標識板下端から基礎天端までの高さ約5mのものに適用する。
表―5 基礎天端への作用力に応じた基礎の寸法
 
H(t)
0.03
0.05
0.10
0.15
0.20
0.30
0.40
0.50
0.60
0.80
1.0
1.2
1.4
 
 
M(t・m)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.05
 
40
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.10
 
60
60
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
基礎幅50cmに対する根入れ長さ
0.15
 
60
60
90
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.20
 
90
90
90
90
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.30
 
 
90
90
120
120
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.40
 
 
 
120
120
120
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.50
 
 
 
120
120
120
150
 
 
 
 
 
 
 
 
 
0.60
 
 
 
120
120
150
150
150
 
 
 
 
 
 
 
 
0.80
 
 
 
 
150
150
150
150
180
 
 
 
 
 
 
 
1.0
 
 
 
 
150
150
180
180
180
180
 
 
 
 
 
 
1.2
 
 
 
 
 
120
120
120
150
150
150
 
 
 
 
 
1.4
 
 
 
 
 
150
150
150
150
150
150
 
 
 
 
基礎幅80cmに対する根入れ長さ
1.6
 
 
 
 
 
 
150
150
150
150
150
180
 
 
 
 
1.8
 
 
 
 
 
 
150
150
150
150
180
180
 
 
 
 
2.0
 
 
 
 
 
 
150
150
180
180
180
180
180
 
 
 
2.4
 
 
 
 
 
 
 
180
180
180
180
180
210
210
 
 
2.8
 
 
 
 
 
 
 
180
180
180
210
210
210
210
 
 
3.2
 
 
 
 
 
 
 
 
210
210
210
210
210
210
 
 
3.6
 
 
 
 
 
 
 
 
210
210
210
210
210
240
 
 
4.0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
210
210
210
240
240
 
 
4.5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
240
240
240
240
 
 
5.0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
240
240
240
240
 
 
6.0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
240
240
270
270
 
 
7.0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
270
270
270
 
 
8.0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
270
270
 
 

All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport