電線、水管、ガス管又は下水道管(以下「管路等」という。)を道路の地下に設ける場合における埋設の深さについては、道路法、同法施行令(以下「施行令」という。)及び同法施行規則(以下「施行規則」という。)のほか、「ガス管及び水道管の占用の取扱いについて(案)」(昭和四四年七月一五日付国道第一課・部長会議資料)、「歩道部における道路占用に係る地下電線の埋設深度の取扱いについて」(平成四年一月一七日付路政課課長補佐・国道第一課特定道路専門官事務連絡)、「硬質塩化ビニル管等の占用許可の取扱いについて」(平成六年五月三〇日付路政課課長補佐・国道第一課特定道路専門官事務連絡)等により取扱いを定めてきたところであるが、電気、ガス及び下水道事業者等から、最近の管路等に係る技術水準の向上等を理由として、それらの埋設の深さを従前より浅くするよう求める要望がかねてよりなされていることに加え、平成七年三月に閣議決定された「規制緩和推進計画」において、「ガス導管、地中電線類の埋設深さについて、道路構造の保全の観点等を踏まえて技術的検討を実施し、基準の緩和の可否を検討する」こととされている。
これらを受け、当局では、学識経験者等からなる「道路占用埋設物件の浅層化技術検討委員会」を設置し、管路等を地下に設ける場合における埋設の深さに係る検討(以下「技術的検討」という。)を行い、平成一〇年一一月にその結果が別添のとおり取りまとめられた。
管路等の埋設の深さを従前より浅くすることにより、占用工事に係る期間短縮等の効果が期待されることから、技術的検討の結果等をもとに、管路等を地下に設ける場合における埋設の深さ等について左記のとおり運用することとしたので、今後の取扱いはこれによることとされたい。
1 基本的な考え方
今般の措置は、技術的検討の結果を踏まえ、現行制度の下で管路等の埋設の深さを可能な限り浅くすることとしたものである。したがって、原則として技術的検討において対象とされた管路等の種類に限り、同検討で道路構造及び管路等の双方に及ぼす影響がないと評価された範囲内で運用を行うこととする。
2 適用対象とする管路等の種類及び管径
今般の措置の対象となる管路等の種類(規格)及び管径は、事業の種別ごとに別表に掲げるものとする。また、事業の種別ごとに別表に掲げる管路等の種類(規格)以外のものであっても、別表に掲げるものと同等以上の強度を有するものについては、当該別表に掲げるものの管径を超えない範囲内において、今般の措置の対象とすることができる。なお、管径にはいわゆる呼び径で表示されるものを含む。
3 埋設の深さ
2に掲げる管路等を地下に設ける場合には、事業の種別ごとに次に掲げる基準に従って行うものとする。
(1) 電気事業及び電気通信事業等
1) 電線を車道の地下に設ける場合
電線の頂部と路面との距離は、当該電線を設ける道路の舗装の厚さ(路面から路盤の最下面までの距離をいう。以下同じ。)に〇・三メートルを加えた値(当該値が〇・六メートルに満たない場合には、〇・六メートル)以下としないこと。
2) 電線を歩道(当該歩道の舗装が一定以上の強度を有するものに限る。以下同じ。)の地下に設ける場合
路面と電線の頂部との距離は〇・五メートル以下としないこと。ただし、車両の乗り入れ等のための切り下げ部分(以下「切り下げ部」という。)がある場合で、路面と当該電線の頂部との距離が〇・五メートル以下となるときは、当該電線を設ける者に切り下げ部の地下に設ける電線につき、あらかじめ十分な強度を有する管路等を使用する場合を除き、所要の防護措置を講じさせること。
(2) 水道事業及びガス事業
水管又はガス管の頂部と路面との距離は、当該水管又はガス管を設ける道路の舗装の厚さに〇・三メートルを加えた値(当該値が〇・六メートルに満たない場合には、〇・六メートル)以下としないこと。
なお、水管又はガス管の本線以外の線を歩道の地下に設ける場合は、その頂部と路面との距離は〇・五メートル以下としないこと。ただし、切り下げ部がある場合で、路面と当該水管又はガス管の頂部との距離が〇・五メートル以下となるときは、当該水管又はガス管を設ける者に切り下げ部の地下に設ける水管又はガス管につき、あらかじめ十分な強度を有する管路等を使用する場合を除き、所要の防護措置を講じさせること。
(3) 下水道事業
下水道管の本線の頂部と路面との距離は、当該下水道管を設ける道路の舗装の厚さに〇・三メートルを加えた値(当該値が一メートルに満たない場合には、一メートル)以下としないこと。
なお、下水道管の本線以外の線を、車道の地下に設ける場合には、その頂部と路面との距離は当該道路の舗装の厚さに〇・三メートルを加えた値(当該値が〇・六メートルに満たない場合には〇・六メートル)、歩道の地下に設ける場合には、その頂部と路面との距離は〇・五メートル以下としないこと。ただし、歩道の地下に設ける場合で、切り下げ部があり、路面と当該下水道管の頂部との距離が〇・五メートル以下となるときは、当該下水道管を設ける者に切り下げ部の地下に設ける下水道管につき、あらかじめ十分な強度を有する管路等を使用する場合を除き、所要の防護措置を講じさせること。
また、下水道管に外圧一種ヒューム管を用いる場合には、当該下水道管と路面との距離は、一メートル以下としないこと。
4 運用上の留意事項
(1) 今般の措置は、技術的検討の結果を踏まえ、管路等を地下に設ける場合の埋設の深さを可能な限り浅くすることとしたものであるので、その趣旨を踏まえ積極的な取組みを行うこと。なお、管路等の埋設の深さにつき、別に基準を定めている場合にあっては、今般の措置に即して当該基準の見直しを行うなど、実効が確保されるよう所要の措置を講ずること。
(2) 2に掲げる管路等を地下に設ける場合であっても、道路の舗装構成、土質の状態、交通状況及び気象状況等から、技術的検討の結果を適用することが不適切であると認められる場合は、従前の取扱いによること。
また、2に掲げる管路等の種類(規格)以外の管路等を今般の措置の対象とする場合は、埋設を行う者に2に掲げるものと同等以上の強度を有することを道路管理者に示させること。
(3) 3(1)2)並びに(2)及び(3)の歩道における取扱いは、車道における技術的検討の結果を受け、別途当局において実施した検討の結果に基づいている。
(4) 3(1)2)並びに(2)及び(3)により、管路等を歩道の地下に設ける場合で、事業者から、当該歩道の路面と当該管路等の頂部との距離を〇・六メートル以下とする内容の占用の許可の申請がなされたときには、必要に応じて、今後、切り下げ部が設けられる場合に生じる追加的な管路等の防護の方法及び事業者の費用負担について所要の条件を附すこと。なお、条件に附すべき事項は別途通知する。
(5) 施行令第一二条第三号に規定する本線とは、水道又はガス施設における基幹的な線で、道路の地下に設けるに当たっては道路構造の保全等の観点から所要の配意を要するものを指す。例えば、水道又はガス施設における基幹的な線以外の線で、給水管又は引込線と直接接続されているもの又はそれらと直接接続することが予定されているものは、一般的には水管又はガス管の本線以外の線として取り扱うことが可能であると考えられる。なお、給水管及び引込線は、同号に規定する本線に該当しない。
(6) 施行令第一二条第四号に規定する本線とは、下水道施設における基幹的な線で、道路の地下に設けるに当たっては道路構造の保全等の観点から所要の配意を要するものを指す。例えば、下水道法施行規則第三条第一項に規定する「主要な管渠」は、概ね本線に該当するものと考えられる。
したがって、2に掲げる管路等のうち、下水道事業の用に供するものは、一般的には本線以外の線として取り扱うことが可能であると考えられる。
(7) 2に掲げる管路等については、「ガス管および水道管の占用の取扱いについて(案)」(昭和四四年七月一五日付国道第一課・部長会議資料)2(イ)、(ロ)及び3(イ)、(ロ)の規定を適用しないものとする。
5 その他
(1) 「歩道部における道路占用に係る地下電線の埋設深度の取扱いについて」(平成四年一月一七日付路政課課長補佐・国道第一課特定道路専門官事務連絡)は廃止する。
(2) 「歩道の占用工事における改良土の活用と地下電線の埋設深度の取扱いについて」(平成六年三月二九日付道路利用調整官・道路保全対策官事務連絡)を次のとおり改正する。
次のとおり 〔略〕
(3) 「硬質塩化ビニル管等の占用許可の取扱いについて」(平成六年五月三〇日付路政課課長補佐・国道第一課特定道路専門官事務連絡)を次のとおり改正する。
次のとおり 〔略〕