各都道府県知事・都道府県公安委員会委員長・五大市公安委員会委員長あて
記
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(別紙) アーケードの設置基準
目次
一 通則
(1) 定義
(2) 公共性
(3) 交通
(4) 美観
(5) 制限の附加
(6) 変更又は緩和
二 道路の一側又は両側に設けるアーケード
(1) 設置場所及び周囲の状況
イ 車馬の通行禁止道路
ロ 国道又は主要道路
ハ 通行の障害
ニ 都市計画上の支障
ホ 消防危険区域
ヘ 防火地域及び準防火地域
ト 側面建築物の構造
(2) 構造
イ 車道への突出禁止
ロ 道路中心の保有空間
ハ 高さの限度
ニ 材料
ホ 階数
ヘ 壁の禁止
ト 天井の構造
チ 木造側面建築物による支持
リ 主要な部分の強度
ヌ 柱の径
ル 側面建築物の避難障害
ヲ 電気的絶縁
(3) 屋根
イ 幅の限度
ロ 車道への突出禁止
ハ 切断又は断層部
ニ 垂れ壁
ホ 消火足場
ヘ 開放部分
(4) 柱の位置
イ 道路の有効幅員
ロ 消防施設等との関係
ハ 側面建築物の避難障害
(5) 添架物等
イ 装飾物等
ロ 電気工作物
三 道路の全面又は大部分をおおうアーケード
イ 道路幅員
ロ 背面道路
ハ 側面道路
ニ 側面建築物の構造
ホ 側面建築物の避難施設等
ヘ 火災通報設備
ト 高さの限度
チ 排煙施設
リ 登はん設備等
ヌ 消火足場
ル 交さ部分
四 屋根が定着していないアーケードの特例
五 仮設日よけの特例
イ 設置期間
ロ 設置場所
ハ 屋根の材料
ニ 構造
ホ 屋根の構造
六 がんぎの特例
1 通則
(1) この基準において、「アーケード」とは、日よけ、雨よけ、又は雪よけのため、路面上に相当の区間連続して設けられる公益上必要な建築物、工作物その他の施設をいう。
(2) アーケードは、がんぎ又は商業の利便の向上のためにやむを得ないもので、且つ、相当の公共性を有するものでなければならない。
(3) アーケードは、信号機若しくは道路標識の効果を妨げ、又は道路(道路交通取締法第二条に規定する道路をいう。以下同じ。)の見透しを妨げ、その他道路の交通の安全を害するようなものであってはならない。
(4) アーケードは、都市の防火、衛生及び美観を害するものであってはならない。
(5) 現地各機関は、アーケードを設置しようとする場所等の特殊性により、この基準のみによっては、通行上、防火上、安全上又は衛生上支障があると認めるときは、所要の制限を附加することができる。
(6) この基準において現地各機関の裁量を認めているものを除く外、風土の状況、消防機械の種類、建築物の構造等の特殊性により、この基準に定める制限の効果と同等以上の効果をもたらす他の方法がある場合、この基準の一部を適用する必要がない場合、又はこの基準の一部をそのまま適用することによって通行上、防火上、安全上若しくは衛生上支障がある場合において、その基準の一部を変更して実施する必要があると認めるときは、それぞれ所管部門に応じ中央機関に連絡の上、その処理を行うものとする。
2 道路の一側又は両側に設けるアーケード
(1) 設置場所及び周囲の状況は、左の各号によらなければならないものとする。
イ 歩車道の区別のある道路の歩道部分又は車馬の通行を禁止している道路であること。
ロ 車道の幅員(軌道数を除く。以下本号中に同じ。)が一一メートル未満の一級国道若しくは二級国道又は道路法第五六条の規定により指定を受けた車道の幅員が九メートル未満の主要な都道府県道若しくは市道でないこと。
ハ アーケードの設置により、道路の円滑な通行を阻害するおそれのある場所でないこと。
ニ 都市計画広場又は都市計画街路で、未だ事業を完了していない場所でないこと。
ホ 引火性、発火性若しくは爆発性物件又は大量可燃物を取り扱う店舗の類が密集している区域その他の消防上特に危険な区域でないこと。
ヘ 防火地域内又は準防火地域内であること。
ト アーケードに面する建築物(以下「側面建築物」という。)のうち、防火上主要な位置にある外壁及び軒裏が、耐火構造又は防火構造であること。
チ 街路樹の生育を妨げない場所であること。
(2) 構造は、左の各号によらなければならないものとする。
イ 歩車道の区別のある道路においては、車道内に又は車道部分に突き出して設けないこと。
ロ 歩車道の区別のない道路においては、道路中心線から二メートル以内に又はその部分に突き出して設けないこと。但し、構造上やむを得ない梁で、通行上及び消防活動上支障がない場合は、この限りでない。
ハ 地盤面からの高さ四・五メートル以下の部分には、柱以外の構造部分を設けないこと。但し、歩車道の区別のある道路の歩道部分に設ける場合で、且つ、側面建築物の軒高が一般的に低く二階の窓からの避難を妨げるおそれがある場合においては、地盤面からの高さ三メートルを下らない範囲内で緩和することができる。
ニ アーケードの材料には不燃材料を用いること。但し、柱並びに主要な梁及び桁には、アルミニウム、ジュラルミン等を、屋根には、網入ガラス以外のガラスを、それぞれ用いないこと。
ホ 階数は、一であること。
ヘ 壁を有しないこと。
ト 天井を設ける場合は、防火、排煙、換気、通行等に支障がない構造とすること。
チ 木造の側面建築物に支持させないこと。
リ アーケードは、積雪、暴風等に対して安全なものであること。
ヌ 柱は、なるべく鉄管類を用い、安全上支障がない限り細いものとすること。
ル 側面建築物の窓等からの避難の妨げとならないようにすること。
ヲ アーケードに電気工作物を設ける場合は、木造の側面建築物と電気的に絶縁するようにつとめること。
(3) 屋根は、左の各号によらなければならないものとする。
イ 歩車道の区別のない道路に設ける場合の屋根の水平投影幅は三メートル以下とすること。
ロ 歩車道の区別のある道路に設ける場合には、屋根の下端等が絶対に車道部分に突出しないようにすること。
ハ 屋根には、アーケードの延長五〇メートル以下ごとに、桁行〇・九メートル以上を開放した切断部又は高さ〇・五メートル以上を開放した桁行一、八メートル以上の断層部を設けること。但し、屋根にアルミニウム等の火災の際とけやすい材料を使用し、消防上支障がないと認めるときはこれを緩和することができる。
ニ 屋根の下面には、アーケードの延長おおむね一二メートル以下ごとに鉄板等の垂れ壁を設けること。但し、前号但書の部分等でほのほの伝走のおそれがない場合は、この限りでない。
ホ 屋根面上は、おおむね六メートルごとに、火災の際その上部で行う消防活動に耐えうる構造とした部分を設け、その部分の幅を〇・六メートル以上とし、且つ、その部分に着色等の標示をすると共に要すればすべり止め及び手すりを設けること(以下これらの部分を「消火足場」という。)。
ヘ 屋根面(消火足場で〇・八メートル以下の幅の部分及び越屋根の部分を除く。)の面積の五分の二以上を地上から簡便且つ確実に開放しうる装置を設けること。但し、屋根(天井を有するときは天井面)が四分の一以上の勾配で側面建築物に向って下って居りその水平投影幅が三メートル以下であって、且つ、アーケードの下の排煙、換気に支障がない場合においてはこの限りでない。
(4) 柱の位置は、左の各号によらなければならないものとする。
イ 道路に設置する場合にあっては路端寄りに設けること。但し、歩車道の区別のある道路であって歩道幅員三メートル未満の場合には、歩道内の車道寄りに限り、歩道幅員三メートル以上の場合には歩道内の車道寄りにも設けることができる。
ロ 消防用機械器具、消火栓、火災報知機等、消防の用に供する施設、水利等の使用及び道路の附属物の機能を妨げるおそれのある位置並びに道路の隅切部分に設けないこと。
ハ 側面建築物の非常口の直前及び両端から一メートル以内で避難の障害となるおそれのある位置に設けないこと。
(5) 添架物等は、次の各号によらなければならないものとする。
イ 恒久的な広告物等の塗装若しくは添架又は恒久的な装飾をしないこと。
但し、アーケードの両端(切断部、断層部等を含まないものとする。)における地名、街区名等の標示で、不燃材料のみで構成され、アーケードの梁以上の高さに設けられるものについては、この限りでない。
ロ 電気工作物は、アーケードの軒先から〇・二メートル以内又は消防用登はん設備から一メートル以内の部分その他消防活動上特に障害となる部分には施設しないこと。
3 道路の全面又は大部分をおおうアーケード
道路の全面をおおい、又は道路中心線から二メートル以内に突き出して設けるアーケードは、前項各号(第一号ロ、ト、第二号イ、ロ、ハ及び第三号イを除く。)によるの外、左の各号によらなければならないものとする。
イ 道路の幅員が四メートル以上且つ八メートル以下であること。
ロ 側面建築物の各部分から、側面建築物の前面以外の方向二五メートル以内に幅員四メートル以上の道路若しくは公園、広場の類があること。但し、前段に規定する距離が五〇メートル以内で、その間に消防活動及び避難に利用できる道路がある場合は、この限りでない。
ハ 側面建築物の延長おおむね五〇メートル以下ごとに避難上有効な道路があること。但し、周囲の状況により避難上支障がないときは、この限りでない。
ニ 側面建築物の延焼のおそれのある部分にある外壁及び軒裏は耐火構造又は防火構造であり、且つ、それらの部分にある開口部には防火戸が設けられていること。但し、この場合、敷地とアーケードを設置する道路との境界線は、隣地境界線とみなす。
ホ 側面建築物は、既存のものについても、建築基準法施行令第一一四条及び第五章第一節並びに火災予防条例の規定に適合していること。
但し、防火上、避難上支障がない場合は、この限りでない。
ヘ 火災発生の際に、これを区域内に周知させるために有効な警報装置及びアーケードを設置しようとする道路の延長おおむね一五〇メートル以下ごとに消防機関に火災を通報することのできる火災報知機が設けられていること。
ト 柱以外の構造部分の高さは、地盤面から六メートル以上であること。但し、側面建築物が共同建築等で軒高が一定し、消防活動上及び通行上支障がないときは、当該軒高及び地盤面からの高さ四、五メートルに下らない範囲内で緩和することができる。
チ 屋根面は、断層部分又は消火足場と交さする部分を除き、その全長にわたってアーケードの幅員の八分の一以上を常時開放しておくこと。但し、換気、排煙の障害となるおそれのない場合には越屋根の類を設けることができる。
リ アーケードを設置しようとする道路の延長五〇米以下ごとに屋根面上に登はんできる消防進入用の設備及びこれに接して消防隊用の消火栓並びにこれに接続する立管及びサイアミーズコネクションを設けること。但し、街区又は水利の状況により消防上支障がないときは、その一部を緩和することができる。
ヌ 前号の設備及び各消火足場を道路の延長方向に連絡する消火足場を設けること。
ル その幅員の全部をアーケードでおおわれた道路と交ささせるときは、交さする部分を開放し、又は高さ〇・五メートル以上を開放した断層部とすること。
4 屋根が定着していないアーケードの特例
屋根に相当する部分にガラス以外の不燃材料又は防炎処理をした天幕の類を使用しその全部を簡単に撤去することができ、且つ、容易に地上から開放できる装置をつけたアーケードで、交通上支障のない場合においては第二項中第二号ニ、第三号ロ、ハ、ニ、ホ及び第三項中イ、チ、リ、ヌは適用しない。
5 仮設日よけの特例
夏季仮設的に設ける日よけで、期間終了後は全部の構成材料が撤去されるものについては、第二項中第一号イ、ハ、ホ、第二号イ、ロ、ハ、ホ、ヘ、ト、リ、ヌ、ル、第三号イ、ロ、ハ、第四号全部及び第三項中ト、ルの規定のみを適用する外、左の各号によらなければならないものとする。
イ 設置期間は六月から九月までの四箇月以内であること。
ロ 歩車道の区別のある道路の歩道部分のみに設けるものであること。
但し、歩車道の区別のない道路にあってアーケードの延長及び幅員並びに附近の建築物、道路、消防水利その他周囲の状況から、通行上、消防上支障がない場合は、この限りでない。
ハ 屋根の材料はビニール、よしず、天幕等軽量で、且つ、延焼の媒介となるおそれの少ないものであること。
ニ 構造は、容易に破壊消防を行いうるような簡単なものであること。
ホ 延長一二メートル以下ごとに少くとも屋根の部分を撤去しやすいように独立の構造としたものであること。
6 がんぎの特例
がんぎについては、第二項中第一号イ、ロ、ハ、第二号イ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チ、リ、ヌ、ル、ヲ、第三号イ、ロ、ニ、第四号全部及び第五号全部のみに適用する。但し、地方の特殊事情によりこれらの規定の一部又は全部を適用しないことができる。
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