各都道府県知事・都道府県公安委員会委員長あて
記
別紙 道路の上空に於ける通路の許可基準
1 通則
(1) 道路の上空に於ける渡り廊下その他の道路(以下「通路」という。)は、建築物内の多数人の避難又は道路の交通の緩和等相等の公共的利便に寄与するものでなければならない。
(2) 通路は、交通、防火、安全、衛生、美観を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれのあるものであってはならない。
(3) 通路は、たとえ臨時的であっても売場、店舗、商品置場、事務室等通行又は運搬以外の用途に供してはならない。
(4) 通路は、これを設ける道路に面する建築物の採光を著しく害するものであってはならない。また、通路を設ける建築物の通路の直下にある居室の開口部を採光に有効でないものとした場合においても、当該居室の採光が建築基準法第二八条第一項の規定に適合する場合に限りこれを設けることができる。
(5) 通路は、消防用機械の移動又は操作、救助、注水その他の消防活動を妨げるものであってはならない。
(6) 通路の規模は、常時通行する人数若しくは運搬する物品の数量又は非常の際避難する人数に応じて最小限度とすることとし、その階数は一とし、その幅員は六メートル以下としなければならない。
(7) 通路は、信号機若しくは道路標識の効果を妨げ、又は道路の見透しを妨げ、その他道路の交通の安全を害しないように設けなければならない。
(8) 各機関は、通路を設けようとする場所等の特殊性により、この基準のみによっては、通行上、防火上、安全上、衛生上その他周囲の環境保持上支障があると認めるときは、所要の制限を附加するものとする。
(9) 各機関は、風土の状況、消防機関の種類、建築物の構造等の特殊性により、この基準に定める制限の効果と同等以上の効果をもたらす他の方法がある場合若しくはこの基準の一部を適用する必要がない場合又はこの基準をそのまま適用することによって通行上、防火上、安全上、衛生上その他周囲の環境保持上支障がある場合において、この基準の一部を変更して実施し、又はその一部の適用を除外する必要があると認めるときは、それぞれ中央機関に連絡の上、その処理を行うものとする。
2 通路の設置数及び設置場所
通路の設置数及び設置場所は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1) 通路は、同一建築物について一箇とすること。ただし、建築物の用途及び規模によりやむを得ないと認められる場合においては、建築基準法施行令第一三七条第一項第一号又は第三号に該当するもの一箇、同項第二号に該当するもの一箇、計二箇とすることができる。
(2) 通路は、次に掲げる場所に設けないこと。ただし、周囲の状況等により支障がないと認められるときは、(ロ)の水平距離を縮小することができる。
(イ) 道路が交差し、接続し、又は屈曲する場所
(ロ) 通路を設ける建築物の隣地境界線から水平距離一〇メートル以内の場所
3 通路の構造
通路の構造は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
(1) 通路の防火措置は、次に掲げるところによること。ただし、用途及び周囲の状況により支障がないと認められる場合においては、この限りでない。
(イ) 通路を設ける建築物から五メートル以内にある通路の床、柱(通路を設ける建築物の柱で通路を支える柱を含む。)及びはりは耐火構造とすること。
(ロ) 通路と通路を設ける建築物との間には随時開けることができる自動閉鎖の甲種防火戸を設けること。
(ハ) 通路を設ける建築物の外壁の開口部が大きい場合等で、その建築物の火災によって通路による避難に支障がある場合には、その開口部に防火戸を設ける等通路による避難が安全であるように適当な措置を講ずること。
(ニ) 通路には、適当な排煙の措置を講ずること。
(2) 通路の路面からの高さは、電線、電車線等の路面からの高さを考慮し、これらの物件に支障を及ぼさないような高さ(五・五メートル程度以上)とすること。
(3) 通路は、これを支える柱をできる限り道路内に設けない構造とすること。
(4) 通路は、これを設ける建築物の地震時の震動性状に応じて、適当な構造とすること。
(5) 通路の構造計算をする場合、積載荷重は、床、柱、大ばり又は基礎に対して一平方メートルにつき五〇〇キログラム以上とし、水平震度は〇・二以上、鉛直震度は〇・一以上とすること。
(6) 通路の下面には、必要に応じ照明設備を設けること。
(7) 通路には、適当な雨どい及び多雪地にあっては雪止めの設備を設けること。
(8) 通路の外部には、恒久的であると臨時的であるとをとわず、広告物、装飾物その他これらに類するものを添加し、又は不必要な塗装をしないこと。
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