建設省道発第一一三号
昭和三九年三月三一日

各地方建設局長・北海道開発局長・道路関係三公団の長・各都道府県知事・各指定市長あて

道路局長通達


路上広告物の規制について


今般屋外広告物の規則の強化について別添のとおり通達されたが、同通達は道路管理に密接な関係を有するものであるので、道路管理特に占用許可に当って左記の事項に御留意の上遺憾なきを期せられたい。
なお、この件については都市局長と協議済である。
おって貴管下道路管理者に対しても、この旨御指導御連絡願いたい。

1 屋外広告物法に基づく屋外広告物条例による許可と道路法に基づく許可は、それぞれの目的に応じて別個に行なわれるのは当然であるが、同一の路上広告物又は路上広告物を掲示する物件について原則として同一の許可基準の下に運用されることが望ましい。

従って道路管理者は屋外広告物関係機関と常に緊密なる連繋を保ち、相互の許可に矛盾を生じないよう努めること。

2 今回の通達に示されている屋外広告物標準条例案(以下「条例案」という。)に規定されている基準については、道路管理者の占用許可基準の最低基準として運用されることが望ましい。

なお、条例案に規定されていないものについて道路管理者が独自の基準を設けることを妨げるものでないので念のため。

3 道路標識のうち標準条例案第六条第六項にいう公益上必要な物件として知事の指定した案内標識については、昭和三七年七月七日道発第二八三号道路局長通達を適用して差支えない。

なお、標準条例案に基づく条例が施行されるまでの間は案内標識については従来の例に従い同通達によるものであるから念のため。


別添

屋外広告物の規制の強化について

(昭和三九年三月二七日)
(建設省発都第五号)
(各都道府県知事あて建設事務次官通達)
標記については既に再三にわたって通達し、格段の御配慮を願ってきたところであるが、近時、屋外広告活動はますます活発化しつつある一方、わが国民の国土美化についての関心も日を追って高まっており、今年の秋にはオリンピック東京大会も開催されることとなっているので、この機会に、違反広告物の一掃を図ることはもとより、従前の規制のあり方についても積極的に検討を加えられ、屋外広告物行政により一層の御尽力を願いたい。

屋外広告物の規制の強化について

(昭和三九年三月二七日)
(建設省建設都発第三〇号)
(各都道府県知事あて都市局長通達)
標記については、昭和三九年三月二七日付け建設省発都第五号建設事務次官通達をもって善処方を要望したところであるが、特に左記の点については、格段の御配慮をわずらわしたい。
1 近年、高速自動車道路、東海道新幹線鉄道等高速交通施設の出現に伴い、これらの施設を対象とする野立広告の乱立が予想される。これら沿線の野立広告の規制については既に要請してきたところであるが、御承知のとおり、今秋にはオリンピック東京大会も開催されるので、これを機会に今後規制の一層の強化に努められたい。なお、このような高速交通施設は今後全国各地方に建設されるものと予想されるが、これら高速交通施設沿線の美観風致の維持に当たっては、沿線各都道府県及び指定都市が相互に緊密な連携の下に、全線にわたり規制対策を講ぜられたい。
2 市街地における屋外広告物の規制の効果の現状は必ずしも十分とはいいがたく、また、今回の建築基準法の改正(容積地区制の実施)に伴い高層建築物が出現することになるが、建築物の高さに比例して屋上広告物の高さを規制している例も多いので、その屋上に巨大な広告物が設置される等、現状のままでは適切な規制ができなくなるような事態も予想される。かかる情況を十分認識の上、適切な対策を講ぜられたい。
3 美観地区、風致地区等又は景観のすぐれた河川、渓谷、高原等の地域については、従来とも厳に規制されていることとは思われるが、今後可能な限りこれら禁止地域を拡大するとともに、これら地域内の屋外広告物の規制の徹底を図られたい。
4 屋外広告物行政は、今後一段と強力な施策を必要とする段階に至っているが、かかる事態に即応して屋外広告物行政の客観的妥当性を有する運営に資するため、学識経験者により構成される屋外広告物審議会を設置し、重要事項についてはその議を経る等の措置をすることが望ましい。

屋外広告物の規制の強化について

(昭和三九年三月二七日)
(建設省建設都総発第七号)
(各都道府県担当部長あて都市局都市総務課長通達)
屋外広告物の規制については、昭和三九年三月二七日付け建設省発都第五号事務次官通達及び建設都発第三〇号都市局長通達により、その運用の強化についてお願いしたところであるが、それらの通達の趣旨に従い今回「屋外広告物標準条例案」を作成したので、屋外広告物行政の参考とされたい。なお、本条例案は、都道府県の実情を調査するとともに、屋外広告物の規制に関する今後の動向も考慮に加え、一般的標準試案として作成したものである。従って、各地方の特殊性、個別的情勢に応じ本条例案と異った規制を図ることは何ら差支えのないところであるが、その運用に当っては、建設事務次官通達及び都市局長通達の趣旨に従って屋外広告物規制の実を挙げるよう特に御配慮願いたい。
おって、本条例案の各条項の運用については、別紙の事項に留意されたく、今後屋外広告物条例に基づく規則を整備されるに当って、参考に資されたい。



参考

屋外広告物標準条例案

改正 昭和四八年一一月一二日
昭和六〇年 八月一五日

(目的)

第一条 この条例は、屋外広告物法(昭和二四年法律第一八九号)の規定に基づき、屋外広告物(以下「広告物」という。)について必要な規制を行ない、もつて美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止することを目的とする。

(広告物のあり方)

第二条 広告物又は広告物を掲出する物件は、美観風致を害し、及び公衆に対し危害を及ぼすおそれのないものでなければならない。

(禁止地域等)

第三条 次の各号に掲げる地域又は場所においては、広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置してはならない。

一 都市計画法(昭和四三年法律第一〇〇号)第二章の規定により定められた第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、美観地区、風致地区又は緑地保全地区(知事が指定する区域を除く。)
二 削除
三 文化財保護法(昭和二五年法律第二一四号)第二七条又は第五六条の一〇第一項の規定により指定された建造物及びその周囲で知事が指定する範囲内にある地域並びに同法第六九条第一項若しくは第二項又は第七〇条第一項の規定により指定され、又は仮指定された地域
四 〇〇県文化財保護条例(昭和 年 県条例第 号)第 条の規定により指定された建造物及び同条例第 条の規定により指定された〇〇〇並びにこれらの周囲で知事が指定する範囲内にある地域
五 森林法(昭和二六年法律第二四九号)第二五条第一項第一一号の規定により指定された保安林のある地域(知事が指定する区域を除く。)
五の二 自然環境保全法(昭和二六年法律第八五号)第三章及び第四章の規定により指定された原生自然環境保全地域及び自然環境保全地域(知事が指定する区域を除く。)
六 都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律(昭和三七年法律第一四二号)第二条第一項の規定により指定された保存樹木のある地域
七 高速自動車国道及び自動車専用道路の全区間、道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。)の知事が指定する区間並びに鉄道、軌道及び索道の知事が指定する区間
八 道路及び鉄道等(鉄道、軌道及び索道をいう。以下同じ。)から展望することができる地域で知事が指定する区域
九 都市公園法(昭和三一年法律第七九号)第二条第一項に規定する都市公園の区域
一〇 河川、湖沼、渓谷、海浜、高原、山岳及びこれらの附近の地域で、知事が指定する区域
一一 港湾、空港、駅前広場及びこれらの附近の地域で、知事が指定する区域
一二 官公署、学校、図書館、公会堂、公民館、博物館、美術館、体育館、病院及び公衆便所の建物並びにその敷地
一三 古墳、墓地及びこれらの周囲の地域で、知事が指定する区域
一四 社寺、教会、火葬場の建造物及びその境域で、知事が指定する区域
一五 ○○○○○………………
(禁止物件)

第四条 次の各号に掲げる物件に広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置してはならない。

一 橋りよう、トンネル、高架構造及び分離帯
二 石垣、よう壁の類
三 街路樹、路傍樹及び都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律第二条第一項の規定により指定された保存樹
四 信号機、道路標識及び歩道柵、駒止めの類並びに里程標の類
五 電柱、街灯柱その他電柱の類で知事が指定するもの
六 消火栓、火災報知機及び火の見やぐら
七 郵便ポスト、電話ボツクス及び路上変電塔
八 送電塔、送受信塔及び照明塔
九 煙突及びガスタンク、水道タンクその他タンクの類
一〇 銅像、神仏像及び記念碑の類

2 道路の路面には、広告物を表示してはならない。

(許可地域等)

第五条 次の各号に掲げる地域又は場所において、広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置しようとする者は、規則で定めるところにより、知事の許可を受けなければならない。

一 第三条第一号かつこ書、第五号かつこ書又は第五号の二かつこ書に規定する区域
二 道路及び鉄道等(第三条第七号に該当するものを除く。)の知事が指定する区間
三 道路及び鉄道等から展望することができる地域(第三条第八号に該当するものを除く。)で知事が指定する区域
四 河川、湖沼、渓谷、海浜、高原、山岳及びこれらの附近の地域(第三条第一〇号に該当するものを除く。)で知事が指定する区域
五 港湾、空港、駅前広場及びこれらの附近の地域(第三条第一一号に該当するものを除く。)で、知事が指定する区域
六 ○○○○○………………

2 前項各号に掲げる地域又は場所のほか、市及び次の各号に掲げる区域において、広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置しようとする者は、規則で定めるところにより、知事の許可を受けなければならない。

○○郡○○町大字○○
○○郡○○村大字○○
(適用除外)

第六条 次の各号に掲げる広告物又は広告物を掲出する物件については、第三条から前条までの規定は、適用しない。

一 法令の規定により表示する広告物又はこれを掲出する物件
二 国又は地方公共団体が公共的目的をもつて表示する広告物又はこれを提出する物件
三 公職選挙法(昭和二五年法律第一〇〇号)による選挙運動のために使用するポスター、立札等又はこれらを掲出する物件

2 次の各号に掲げる広告物又はこれを掲出する物件については、第三条及び前条の規定は、適用しない。

一 自己の氏名、名称、店名若しくは商標又は自己の事業若しくは営業の内容を表示するため、自己の住所又は事業所、営業所若しくは作業場に表示する広告物又はこれを掲出する物件で、規則で定める基準に適合するもの
二 前号に掲げるもののほか、自己の管理する土地又は物件に管理上の必要に基づき表示する広告物又はこれを掲出する物件で、規則で定める基準に適合するもの
三 冠婚葬祭又は祭礼等のため、一時的に表示する広告物又はこれを掲出する物件
四 講演会、展覧会、音楽会等のためその会場の敷地内に表示する広告物又はこれを掲出する物件
五 電車又は自動車に表示される広告物で、規則で定める基準に適合するもの
六 道路運送車両法(昭和二六年法律第一八五号)に基づく登録を受けた自動車で、その使用の本拠の位置が他の都道府県の区域内に存するものに当該他の都道府県(当該自動車の使用の本拠の位置が地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二五二条の一九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区域内にある場合にあつては、当該指定都市)の屋外広告物条例の規定に従つて表示される広告物
七 人、動物又は車両(電車又は自動車を除く。)、船舶等に表示される広告物
八 地方公共団体が設置する公共掲示板に規則で定めるところにより表示する広告物

3 次の各号に掲げる広告物又は広告物を掲出する物件については、第四条第一項の規定は、適用しない。

一 同項第二号、第八号又は第九号に掲げる物件にその所有者又は管理者が自己の氏名、名称、店名若しくは商標又は自己の事業若しくは営業の内容を表示するため表示する広告物で規則で定める基準に適合するもの
二 前号に掲げるもののほか、同項各号に掲げる物件にその所有者又は管理者が管理上の必要に基づき表示する広告物
三 前二号に掲げる広告物を掲出する物件

4 自己の氏名、名称、店名若しくは商標又は自己の事業若しくは営業の内容を表示するため、自己の住所又は事業所、営業所若しくは作業所に表示する広告物又はこれを掲出する物件で、第二項第一号に掲げるもの以外のものについては、規則で定めるところにより知事の許可を受けて表示し、又は設置する場合に限り、第三条の規定は、適用しない。
5 道標、案内図板その他公共的目的をもつた広告物若しくは公衆の利便に供することを目的とする広告物又はこれらを掲出する物件については、規則で定めるところにより知事の許可を受けて表示し、又は設置する場合に限り、第三条の規定は、適用しない。
6 公益上必要な施設又は物件で知事が指定するものに、規則で定める基準に適合して寄贈者名等を表示する場合においては、第三条から前条までの規定は、適用しない。

(経過措置)

第七条 第三条から第五条までの規定による知事の指定があつた際、当該指定のあつた地域若しくは場所又は物件に現に適法に表示され、又は設置されていた広告物又は広告物を掲出する物件については、当該指定の日から一年間(この条例の規定による許可を受けていたものにあつては、当該許可の期間)は、これらの規定は、適用しない。その期間内にこの条例の規定による許可の申請があつた場合においてその期間が経過したときは、その申請に対する処分がある日まで、また同様とする。

(禁止広告物)

第八条 次の各号に掲げる広告物又は広告物を掲出する物件を表示し、又は設置してはならない。

一 著しく汚染し、たい色し、又は塗料等のはく離したもの
二 著しく破損し、又は老朽したもの
三 倒壊又は落下のおそれがあるもの
四 信号機又は道路標識等に類似し、又はこれらの効用を妨げるようなもの
五 道路交通の安全を阻害するおそれのあるもの
(許可の期間及び条件)

第九条 知事は、第五条又は第六条第四項若しくは第五項の規定による許可をする場合においては、許可の期間を定めるほか、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するため必要な条件を附することができる。
2 前項の許可の期間は、一年をこえることができない。
3 知事は、申請に基づき、許可の期間を更新することができる。この場合においては、前二項の規定を準用する。

(変更等の許可)

第一〇条 第五条又は第六条第四項若しくは第五項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る広告物又は広告物を掲出する物件を変更し、又は改造しようとするとき(規則で定める軽微な変更又は改造をしようとするときを除く。)は、規則で定めるところにより、知事の許可を受けなければならない。
2 知事は、前項の規定による許可をする場合においては、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するため必要な条件を附することができる。

(許可の基準)

第一一条 この条例の規定による広告物の表示又は広告物を掲出する物件の設置の許可の基準は、規則で定める。
2 知事は、広告物の表示又は広告物を掲出する物件の設置が前項の基準に適合しない場合においても、特にやむを得ないと認めるときは、第二一条に規定する屋外広告物審議会の議を経て、許可をすることができる。

(許可の表示)

第一二条 この条例の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る広告物又は広告物を掲出する物件に許可の証票を貼付しておかなければならない。ただし、許可の押印又は打刻印を受けたものについては、この限りでない。
2 前項の許可の証票又は許可の押印若しくは打刻印は、許可の期限を明示したものでなければならない。

(管理義務)

第一三条 広告物を表示し、若しくは広告物を掲出する物件を設置する者又はこれらを管理する者は、これらに関し補修その他必要な管理を怠らないようにし、良好な状態に保持しなければならない。

(除却義務)

第一四条 広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置する者は、許可の期間が満了したとき、若しくは第一六条の規定により許可が取り消されたとき、又は広告物の表示若しくは広告物を掲出する物件の設置が必要でなくなつたときは、遅滞なく、当該広告物又は広告物を掲出する物件を除却しなければならない。第七条に規定する広告物又は広告物を掲出する物件について、同条の規定による期間が経過した場合においても、同様とする。
2 この条例の規定による許可に係る広告物又は広告物を掲出する物件を除却した者は、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

(措置命令)

第一五条 知事は、第八条又は第一三条の規定に違反して広告物を表示し、若しくは広告物を掲出する物件を設置する者又はこれらを管理する者に対し、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するため必要な措置を命ずることができる。
2 知事は、前項の規定による措置を命じようとする場合において、当該広告物を表示し、又は当該広告物を掲出する物件を設置する者を過失がなくて確知することができないときは、これらの除却をその命じた者又は委任した者に行なわせることができる。ただし、広告物を掲出する物件を除却する場合においては、五日以上の期限を定めて、これを設置する者はその期限までに知事に申し出るべき旨及びその期限までにその申出がないときは、知事の命じた者又は委任した者が除却する旨を公告するものとする。

(許可の取消し)

第一六条 知事は、この条例の規定による許可を受けた者が次の各号の一に該当するときは、許可を取り消すことができる。

一 第九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)又は第一〇条第二項の規定による許可の条件に違反したとき
二 第一〇条第一項の規定に違反したとき
三 前条の規定による知事の命令に違反したとき
四 虚偽の申請その他不正の手段により許可を受けたとき
(除却命令)

第一七条 知事は、第三条から第五条まで若しくは第一四条第一項の規定に違反し、又は第一五条第一項の規定による知事の命令に違反して広告物を表示し、又は広告物を掲出する物件を設置する者に対し、これらの除却を命ずることができる。
2 知事は、前項の規定による措置を命じようとする場合において、当該広告物を表示し、又は当該広告物を掲出する物件を設置する者を過失がなくて確知することができないときは、その措置をその命じた者又は委任した者に行なわせることができる。ただし、広告物を掲出する物件を除却する場合においては、五日以上の期限を定めて、その期限までにこれを除却すべき旨及びその期限までに除却しないときは、知事の命じた者又は委任した者が除却する旨を公告するものとする。

(立入検査)

第一八条 知事は、この条例の規定を施行するため必要な限度において、広告物を表示し、若しくは広告物を掲出する物件を設置する者若しくはこれらを管理する者から報告若しくは資料の提出を求め、又はその命じた者をして広告物又は広告物を掲出する物件の存する土地若しくは建物に立ち入り、広告物若しくは広告物を掲出する物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(処分、手続等の効力の承継)

第一九条 広告物を表示し、若しくは広告物を掲出する物件を設置する者又はこれらを管理する者について変更があつた場合においては、この条例又はこの条例に基づく規則により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者に対してしたものとみなす。

(管理者等の届出)

第二〇条 この条例の規定による許可に係る広告物又は広告物を掲出する物件を表示し、又は設置する者は、これらを管理する者をおいたときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
2 この条例の規定による許可に係る広告物若しくは広告物を掲出する物件を表示し、若しくは設置する者又はこれらを管理する者に変更があつたときは、新たにこれらの者となつた者は、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
3 この条例の規定による許可に係る広告物若しくは広告物を掲出する物件を表示し、若しくは設置する者又はこれらを管理する者は、これらが滅失したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
4 この条例の規定による許可に係る広告物若しくは広告物を掲出する物件を表示し、若しくは設置する者又はこれらを管理する者がその氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

(公告)

第二一条 知事は、第三条から第五条までの規定による指定をし、又はこれらを変更したときは、その旨を公告するものとする。

(手数料)

第二二条 この条例の規定による許可(許可の更新を含む。)を受けようとする者は、別に条例で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。

(屋外広告業の届出)

第二二条の二 屋外広告業を営もうとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

一 氏名又は名称
二 営業所の名称及び所在地
三 法人にあつては役員の氏名
四 営業所ごとに置く講習会修了者等の氏名及び所属営業所名
五 ○○○○○

2 屋外広告業を営む者は、屋外広告業を廃止したとき又は前項の規定により届け出るべき事項に変更があつたときは、規則で定めるところにより、その旨を届け出なければならない。

(講習会)

第二二条の三 知事は規則で定めるところにより、広告物の表示及び広告物を掲出する物件の設置に関し必要な知識を修得させることを目的とする講習会を開催しなければならない。
2 知事は、規則で定めるところにより、講習会の運営に関する事務を他の者に委託することができる。
3 第一項の講習会を受けようとする者は、別に条例で定めるところにより、講習手数料を納付しなければならない。
4 前三項に定めるほか、講習会に関し必要な事項は、規則で定める。

(講習会修了者等の設置)

第二二条の四 屋外広告業を営む者は、その営業所ごとに講習会修了者又は次の各号の一に該当する者(以下「講習会修了者等」という。)を置かなければならない。

一 他の都道府県又は指定都市の講習会修了者
二 職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号)に基づく職業訓練指導員免許所持者、技能検定合格者又は職業訓練修了者であつて広告美術仕上げに係るもの
三 知事が、規則で定めるところにより、講習会修了者と同等以上の知識を有するものと認定した者

2 知事は、講習会修了者等の置かれていない営業所について、当該営業所の属する屋外広告業を営む者に対し、期間を定めて、講習会修了者等を置くべきことを命ずることができる。

(屋外広告業を営む者に対する指導、助言及び勧告)

第二二条の五 知事は、屋外広告業を営む者に対し、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために必要な指導、助言及び勧告を行うことができる。

(審議会)

第二三条 広告物に関する重要事項を調査審議するため、県に屋外広告物審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 知事は、次の各号に掲げる場合においては、審議会の意見をきかなければならない。

一 知事が第三条から第五条までの規定による指定をし、又はこれらを変更しようとするとき
二 第六条第二項第一号、第二号及び第五号、同条第三項第一号並びに第一一条第一項に規定する基準を定め、又はこれらを変更しようとするとき

3 審議会は、広告物に関する事項について、知事に建議することができる。
4 審議会の組織、委員の任期、運営その他必要な事項は、規則で定める。

(規則への委任)

第二四条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第二五条 第一七条第一項の規定による知事の命令に違反した者は、一〇万円以下の罰金に処する。
第二六条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

一 第三条から第五条までの規定に違反して広告物又は広告物を掲出する物件を表示し、又は設置した者
二 第一〇条の規定に違反して広告物又は広告物を掲出する物件を変更し、又は改造した者
三 第一四条第一項の規定に違反して広告物又は広告物を掲出する物件を除却しなかつた者
四 第一五条第一項の規定による知事の命令に違反した者

第二七条 第一八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第二八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前三条の違反行為をした場合においては、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

附 則

この条例は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において規則で定める日から施行する。

附 則 (昭和四八年一一月建設省都公緑発第八一号)

1 この条例は、○○○の日から施行する。ただし、この条例による改正後の屋外広告物条例(以下「新条例」という。)第二二条の二及び第二二条の四の規定は、この条例の施行の日から起算して九〇日を経過した日から施行する。
2 新条例第二二条の二の規定の施行の際、現に屋外広告業を営んでいる者については、同条の施行の日から三〇日間は同条第一項の届出をしないで引き続き屋外広告業を営むことができる。
3 知事は、○○○の日から起算して九〇日以内に新条例第二二条の三に規定する講習会を開催しなければならない。

附 則 (昭和六〇年八月建設省都公緑発第六一号)

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第二二条の四第一項第二号の改正規定は、昭和六〇年一〇月一日から施行する。

屋外広告物標準条例運用上の参考事項

第一 標準条例案第三条関係

一 第一号、第二号又は第五号の風致地区、美観地区又は保安林の地域は、その全域を禁止地域とすることが適当であると思われる。従つて、かつこ書による除外措置は、これら地区、地域の状況に照らし、やむを得ない場合に限り、除外地域以外の区域の禁止の効果を損わない範囲内において行なうことが望ましい。
二 第七号の規定においては、高速自動車国道及び自動車専用道路の具体名を明示することが望ましい。また、東海道新幹線鉄道の沿線の都府県(指定都市を含む。)にあつては、同号の規定を次のようにすることが望ましい。

(七) 高速自動車国道、自動車専用道路及び東海道新幹線鉄道の全区間並びに道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。)の知事が指定する区間並びに鉄道(東海道新幹線鉄道を除く。)、軌道及び索道の知事が指定する区間

三 第七号及び第八号の指定は、例えば都市内の景観のすぐれた街路の区間、景観のすぐれた山岳、海浜、湖沼、河川、樹林等を通過し、又はこれらを展望できる道路及び鉄道等(高速自動車国道、自動車専用道路及び東海道新幹線鉄道を除く。)の区間並びに当該道路及び鉄道等並びに高速自動車国道、自動車専用道路及び東海道新幹線鉄道から展望できる区域等、特に美観風致の維持を必要とする区間、区域について行なうことが適当であると思われる。

第二 標準条例案第五条関係

一 第一項第二号及び第三号の規定は、道路及び鉄道等の禁止区間以外の全区間並びに道路及び鉄道等から展望できる地域で禁止地域以外の区域(路端からおおむね五〇〇メートルないし一、〇〇〇メートルまで)について行なうことが適当であると思われる。ただし、市街地内については、状況に応じ適宜措置することが必要である。
二 第一項第二号から第六号までにおいては、禁止地域の隣接地域は、原則として許可地域とし、禁止地域と無規制地域とが直接することはできる限りさけることが望ましい。
三 第二項においては、市については原則としてその全域を、町村については人口五〇〇〇以上の市街的町村の市街的部分を許可地域とすることが適当である。

第三 標準条例案第六条関係

一 第二項第一号の自家広告の基準においては、一事業所当りの表示面積を、禁止地域内においてはおおむね五平方メートル以下、許可地域内においてはおおむね一〇平方メートル以下とすることが望ましい。なお、美観風致を害するおそれのある色彩、例えば蛍光塗料によるようなものは、なるべく制限することが望ましい。
二 第二項第二号の管理上の必要に基づく広告物の基準においては、表示面積を必要最小限度にとどめるものとし、おおむね〇・三平方メートル以下とすることが望ましい。
三 第二項第五号の自動車、電車に表示する広告物の基準は、おおむね次の基準の範囲内とすることが望ましい。

(単位センチメートル)
 
 
側部
前部
後部
電車
表示面積
四五×六〇以下
四一×二五以下
四一×二五以下
 
箇数
左右各二箇まで
一箇
一箇
乗合自動車
表示面積
四五×九〇以下
 
五〇×九〇以下
 
箇数
左右各一箇
 
一箇

四 第三項第一号の禁止物件に表示する自家広告の基準においては、広告物の表示面積をおおむね五平方メートル以下とすることが望ましい。
五 第六項に規定する寄贈者名等の表示は、おおむね次に定めるところによることが望ましい。

(一) 表示の大きさは、表示方向から見た場合における当該施設又は物件の外郭線内を一平面とみなしたものの大きさの二〇分の一以下で、かつ、〇・五平方メートル以下であること。
(二) 表示は、原則として一箇限りとすること。
(三) 蛍光塗料の使用はなるべく制限すること。

第四 標準条例案第一一条関係

一 第一項の許可の基準は、自家広告以外の広告物については、おおむね次のように措置することが望ましい。

(一) 高速自動車国道、東海道新幹線等の高速交通施設から展望できる地域で知事が指定する区域内においては、野立広告物は、路端からの距離を五〇〇メートル以上、相互間の距離を三〇〇メートルから五〇〇メートル程度以上とし、表示面積を五〇平方メートル以下にとどめるものとする。
(二) 一般の道路及び鉄道等から展望できる地域で知事が指定する区域内においては、野立広告物は、路端からの距離及び相互間の距離を一〇〇メートル以上とし、表示面積を三〇平方メートル以下にとどめるものとする。
(三) 標準条例案第五条第一項に規定する区域のうち、前二号の区域以外の区域においては、広告物の乱立を防止するため、広告物相互間の距離を一〇〇メートル以上、表示面積を三〇平方メートル以下にとどめるものとする。同条第二項に規定する区域においても、同程度とするものとする。
(四) 屋上広告物の高さは、地上からこれを設置する箇所までの高さの三分の二の範囲内であつて、かつ、一五メートルないし、二〇メートル以下にとどめるものとする。なお、地上から広告物の頂点までの高さは、四八メートル以下にとどめるものとし、それによりがたい事由がある場合にも五一メートルをこえないものとする。
(五) 電柱の類に直接塗装するもの又は巻き付けにする広告物については、地上一・二メートル以上の箇所に表示するものとし、その長さは一・五メートル以下とするものとする。袖付けにするものについては、歩道上に突出す場合は地上二・五メートルないし三メートル以上、車道上に突出す場合は地上四・五メートル以上の箇所に表示するものとし、その長さは一・二メートル以下、出幅〇・二メートル以下とするものとする。なお、袖付けにするものは、原則として歩道又は民地側へ向けることが望ましい。

広告物の箇数は、塗装又は巻き付けにするもの一巻きと袖付けにするもの一箇以内にとどめるものとする。

二 第一項の許可の基準は自家広告については、一事業所当りの表示面積を、禁止地域内においては一五平方メートル以下、許可地域内の野立広告については五〇平方メートル以下とすることが望ましい。なお、美観風致を害するおそれのある色彩、例えば螢光塗料によるようなものは、なるべく制限することが望ましい。


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport