

建設省道政発第五二号
昭和四四年八月二〇日
道路局長通達
指定区間内の一般国道における路上広告物等の占用許可基準
第1 趣旨及び方針
路上広告物の占用の場所によっては信号機及び道路標識の効用を妨げること、道路の有効幅員を狭くすること、車両運転者に無用の心理的緊張を与えること等によって道路交通の安全を阻害するおそれがあることにかんがみ、良好な道路環境の確保を図るため指示区間内の国道(道内の主要な一般国道を含む。)における路上広告物の占用は本基準に従い厳正に取り扱うものとする。
第2 定義
本基準において「路上広告物」とは、次に掲げる工作物又は物件をいう。
(1) 添加看板等
電柱、街灯、標識、アーケードその他道路区域内の工作物又は物件に添付される看板(以下「添加看板」という。)広告用の幕若しくは旗ざお、はり札、はり紙及びこれらに類するもの。
(2) 突出看板等
建物、へい、その他道路区域外の工作物若しくは物件に添加され又は道路区域外の土地に設置された道路区域内に突出する看板、広告用幕若しくは日よけ及びこれらに類するもの。
(3) 立看板等
道路区域内の土地に設置される立看板、広告板、広告用旗ざお、標識、広告塔、アーチ及びこれらに類するもの。
(4) 自家用看板等
突出看板等及び立看板等のうち沿道で営業又は事業を行なう者が自己の営業所(店舗を含む。)又は事業所若しくは作業所に添加する自己の店名、屋号、商標若しくは自ら販売若しくは制作する商品の名称又は自己の営業若しくは事業の内容を表示するもの。
第3 適用除外
次に掲げる広告物については、本基準を適用しない。
(1) 法令の規定により設置されるもの。
(2) 国又は地方公共団体が公共的目的をもって設置するもの。
(3) 公職選挙法による選挙運動のために使用するポスター、立札等
(4) 冠婚葬祭のため一時的に設置するもの。
第4 禁止場所等
路上広告物、又はこれを掲出する工作物若しくは物件(以下「路上広告物等」という。)は、次に掲げる道路若しくは場所又は工作物若しくは物件に設置又は添加してはならない。ただし、自家用看板についてはこの限りでない。
(1) 自動車専用道路。ただし、道路の区域内に設ける休憩所、給油所及び自動車修理所の業務のために設ける必要最小限の路上広告物については、この限りでない。
(2) 今後改築済となる道路の区間(舗装工事又は局部改良等小規模のものを除く。)
(3) 次の各号に掲げる物件、工作物、場所
イ 橋、トンネル、高架構造(横断歩道橋を含む。)及び分離帯
ロ 街路樹、信号機、道路標識、防護柵、駒止めの類及び里程標の類
ハ 消火栓、火災報知機、郵便ポスト、電話ボックス、変圧塔、及びこれらに類する物件
ニ 道路が交差し、及び連絡する場所、横断歩道並びに踏切道
ホ 車両等が徐行する必要のあるまがりかど(交差点を除く。)及び勾配の急な坂
ヘ 橋(長さ二〇メートル以下のものを除く。)及びトンネルの前後それぞれ一〇メートルの区域内、警戒標識、規制標識(駐車禁止、駐停車禁止の標識を除く。)及び横断歩道の指示標識の前後それぞれ一〇メートルの区域内並びに信号機の前後それぞれ二〇メートルの区域内
ト 車道幅員五・五メートル以上の道路が交差若しくは連結している交差点又は連結点、横断歩道及び踏切道の前後それぞれ一〇メートルの区域内
チ その他道路管理上特に支障を及ぼすと考えられる場所
第5 設置方法
路上広告物等の設置は次に掲げる方法によってしなければならない。
(1) 添加看板等
イ 添加看板等(添加看板のうち巻付看板及び照明式バス停留所標識に添加する看板を除く。)の最下部と路面との距離は四・五メートル以上とする。ただし、歩道上においては二・五メートル以上とすることができる。
ロ 原則として道路中央側につき出してはならない。
ハ 電柱、街灯等の柱類に添加する添加看板等の大きさは縦一・五メートル以内、横〇・八メートル以内とし、その表示面積は一・〇平方メートル以内とする。
ニ 添加看板は一柱につき一個(巻付看板及び照明式バス停留所標識に添加する看板については、一平方メートルの範囲内において一個を二面として掲出することができる。)に限るものとする。
ただし、市街地を形成している区域内の道路にあっては、一柱につき取付一個、巻付一個とすることができる。この場合において巻付看板は一面とし対面禁止としなければならない。
ホ 第四(三)ヘ及びトの場合にあっては、巻付看板を対面禁止として掲出することができる。
ヘ 電柱に添加する看板等の相互間の距離は、道路一側につき二〇メートル以上とする。
ト はり紙、ぬり広告等路上工作物又は物件に直接貼付又は塗装したものであってはならない。
(2) 突出看板等
イ 自家用看板等に限るものとし、一営業所又は一事業所若しくは一作業所につき二個以内とする。ただし、たばこ、塩又は切手の販売店、専門店、加盟店、代理店等を表示する〇・五平方メートル以下のもの及び広告用日よけを除く。
ロ 看板の最下部と路面との距離は四・五メートル以上とする。ただし、歩道上においては二・五メートル以上とすることができる。
ハ 路面上に一メートル以上つき出してはならない。
(3) 立看板等(アーチを除く。)
イ 立看板等のうち立看板、旗ざおは、催物、集会等のため一時的に設けるものとし、その大きさ(旗ざおについては旗の部分の大きさ)は縦二メートル、横一メートル以内とする。
ロ 地面に接する部分の位置は、法敷、側こう上又は路肩とする。ただし、横〇・五メートル以内の立看板、標識又は旗ざおを幅員四メートル以上の歩道上に設ける場合は、歩道内の車道寄りに設けることができる。
(4) アーチ
イ 原則として、祭礼、催物等のために一時的に設けるものに限る。
ロ 車道を横断するものであってはならない。ただし、車道幅員九メートル未満の道路を横断するものであって、交通の円滑を妨げるおそれがないものは限りでない。
ハ 道路を横断する部分の最下部と路面との距離は、五メートル以上とする。ただし、歩道を横断する部分の最下部と路面との距離は、三・五メートル以上とすることができる。
ニ 地面に接する部分の位置は、法敷とする。ただし、交通の円滑を妨げるおそれがない場合は、路端寄り又は歩道内の車道寄りに設けることができる。
第6 構造色彩等
(1) 路上広告物塔は、相当強度の風雨、地震等に耐える堅固なもので、倒壊、落下、はく離、老朽、汚損等により美観を損い、又は公衆に危険を与えるおそれのないものでなければならない。
(2) 路上広告物等の構造、色彩等は、信号機又は道路標識に類似し、又はこれらの効用を妨げるものであってはならない。路上広告物等の地色は、原則として白色又は淡色に限るものとする。
(3) 路上広告物等は、電光式、照明式又は反射材料式であってはならない。ただし、自家用看板等及び照明式バス停留所標識に添加する看板については、電光式又は照明式に限り認めることができる。
(4) 路上広告物等のデザイン及び表示内容は、美観風致を十分考慮して定めるものとする。
第7 既設の路上広告物等の取扱等
(1) 占用許可物件であってこの基準に適合しないものは、占用許可更新の際に、この基準に適合するよう強力に指導するとともに、耐用年数の経過により改造又は修繕する際には、除却、移転、改造等の必要な措置を命ずるものとする。なおこれらの処理については、今後計画的に順次整理し、三年後に完了するものとする。
(2) 不法占用物件については、この基準に適合するものは占用許可申請を行なわせるものとし、この基準に適合しないものは適合するよう移転、改造等を行なわせた上で占用許可申請を行なわせるものとする。なおこれらの占用許可申請の行なわれないものは所定の手続きにより除却させる。
(3) 本基準実施後に新たに設置される柱類に添加される添加看板については、占用許可を与えないものとする。(消火栓標識、バス停留所標識、防犯灯等公共的目的をもつ物件で、やむを得ない事情により広告つきとなるものについてはこの限りでない。)
(4) 本基準実施前に既に設置された柱類であって、看板の添加されていないものについては、本基準に適合するものであっても、添加看板の占用は慎重に取り扱うものとする。
第8 その他
路上広告物の占用許可を与えるに際しては、この基準によるほか、道路交通法、屋外広告物法及び屋外広告物条例の許可基準をあわせて勘案し、かつ屋外広告物関係機関と緊密な連絡をとって公正な処理を行なうよう努めるものとする。
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