家屋、軒及び塀等一体として居住の用に供している工作物(以下「家屋等」という。)による道路の不法占用については、従来からその排除に鋭意努力してきたところであるが、なお、相当数の不法占用が見受けられ、道路管理上大きな問題として指摘されている。
このような状況にかんがみ、今後、一般国道指定区間内においては、左記により、また、一般国道指定区間外およびその他の道路においてはこれを参考にして、すみやかにその排除に万全を期されるとともに、新たな不法占用が生じることのないよう十分留意されたい。
1 不法占用の家屋等は、いうまでもなく、行政指導、監督処分、行政代執行等により、可能な限り除却に努めるべきものとする。
2 居住の用に供しており、直ちに除却することが著しく困難である家屋等については、「法定要件を欠く道路占用物件の取扱いについて」(昭和三三年二月七日付け道発第二一号道路局長通達)等の運用として、道路管理上支障のないもので、次に掲げるものに限り、当分の間法第三二条第一項第一号に該当するものとして取り扱うこととし、順次計画的にその除却に努めるものとする。
(1) 過去において、道路管理者が占用の許可をしたことがあると認められるもの
(2) 道路管理者が、権原を取得する以前から当該土地に存した家屋等で、移転等の補償がなされなかったため、そのまま存置されているもの
(3) 道路敷と民有地の境界が不明確であったため等、家屋等が不法占用に至った経緯が真にやむを得ない事由によるものであると認められるもの
なお、占用の許可に際しては、建て替え、増・改築を認めない旨等必要な条件を附するものとし、かつ、占用の期間を三年以内として、家屋等の耐用年数の範囲内で更新を認めることができるものとする。
3 今後新たな不法占用の家屋等の発生を防止するため、次の措置を講ずるものとする。
(1) 道路敷と民有地の境界が不明な箇所については、早急に境界を確定し、境界杭を打設する等境界を明かにすること。
(2) 家屋等に不法占用されやすい高架道路下、橋梁下、法敷等は、パトロール等において定期的に巡視すること。