建設省道政発第九一号
昭和四二年一一月一四日

各地方建設局長・北海道開発局長・各都道府県知事・指定市長・日本道路公団総裁・首都高速道路公団理事長・阪神高速道路公団理事長あて

道路局長通達


高速自動車国道又は自動車専用道路に設ける休憩所、給油所及び自動車修理所の取扱いについて


標記については、先の「道路法施行令及び道路整備特別措置法施行令の一部を改正する政令(昭和四二年政令第三三五号)」により新たに道路の占用物件として追加したところであるが、その道路占用の許可基準を別紙のとおり定めたので、左記の事項に御留意の上事務の処理に遺憾のないようにせられたい。
なお、貴管下関係機関に対しても、この旨御指導願いたい。

1 高速自動車国道又は自動車専用道路に設ける休憩所給油所及び自動車修理所の占用許可を行なおうとする場合においては、昭和四二年一一月一三日付{/建設省道政発第九〇号/建設省道政発第九〇号の二/建設省道政発第九〇号の三/建設省道政発第九〇号の四/}道路局長通達
「道路法施行令及び道路整備特別措置法施行令の一部を改正する政令の施行について」のとおり当局と事前協議を厳守されたいこと。
2 事前協議は文書をもって行なうものとし、次に掲げる図書を添付すること。

(1) 位置図
(2) 平面図
(3) 縦断面図
(4) 横断面図
(5) 占用物件の設計図
(6) 占用する土地の大量図
(7) 占用面積計算書
(8) 占用物件の工事概算書
(9) その他法第三二条第二項各号に掲げる事項を記載した書類


(別紙)

道路サービス施設占用許可基準

1 趣旨

高速自動車国道又は自動車専用道路に設置される休憩所、給油所及び自動車修理所(以下「道路サービス施設」という。)は、その規模及び構造等において一般の占用物件と著しく異なるものであるが、これらの道路の安全かつ円滑な交通を確保するために必要な利用者サービスを提供する公共性の高い施設として占用を認められるものである。したがって、道路サービス施設の道路占用については、この基準に従い公正な処理を行い、道路管理の適正と当該施設の効率的な運営を期することとし、もって高速自動車国道及び自動車専用道路における交通の安全と通行者の利便の一層の向上に資するものとする。

2 方針

(1) 占用の場所及び範囲

イ 道路サービス施設は、高速自動車国道又は自動車専用道路の附属物として設けられた路側駐車場の区域内に限り占用を許可するものとする。この場合において、当該路側駐車場は、本来の駐車需要に必要な面積のほか、道路サービス施設の占用を許可することにより派生する駐車需要に必要な面積が十分に確保されたものでなければならない。
ロ 道路管理者は、同一路線及び関連する路線(以下「同一路線等」という。)の道路サービス施設の配置計画をあらかじめ策定し、当該配置計画に適合するものについてのみ占用を許可するものとする。

(2) 占用主体の決定

道路サービス施設の占用は、道路管理者に代わり得る公共的な団体(地方公共団体が出資する公共的団体を含む。)に限り認めるものとする。この場合、同一路線等の道路サービス施設については、当該同一路線等において一定水準以上のサービスが長期的に確保されること、道路管理者の指示等が適切かつ迅速に周知されること等に配慮しつつ、占用主体を決定するものとする。

(3) 占用主体の義務

道路サービス施設の占用主体は、占用許可の条件として次に掲げる義務を負担するものとする。
イ 高速自動車国道又は自動車専用道路上で発生した事故その他の緊急事態を発見し、又はこれについて連絡を受けた場合は、速やかに道路管理者、警察、救急医療機関等へ連絡すること。
ロ 災害その他の非常事態に備え、防災訓練等に努めるとともに、非常事態が発生し、又はその発生が予測される場合は、通行者の避難誘導その他の措置を講ずること。
ハ 必要に応じ、路側駐車場(トイレ、園地及び歩道部を含む。)の清掃、除雪その他の管理を行うこと。
ニ 路側駐車場の区域内に、必要に応じ、ベンチその他道路サービス施設の利用者の利便の向上に資するために必要な施設の設置及び管理を行うこと。
ホ 通行者に対する道路案内等を行うこと。
ヘ その他道路管理者の要請により道路の管理に協力すること。
ト 道路サービス施設に係る経理とその他の経理とを区分して経理すること。

(4) 施設の運営

イ 道路サービス施設の占用主体は、原則として、当該施設の営業を競争入札により選定した第三者に委託するものとする。この場合において、占用主体は、多様な業態の営業者(営業を委託された第三者をいう。以下同じ。)を選定するなど、当該施設の利用者の利便の向上が図られるよう配慮するものとする。
ロ 道路サービス施設の占用主体は、前記の委託をする場合には、占用許可条件及び道路管理者の指示に従い、通行者の利便及び交通の安全を図るために必要な条件を付するものとする。

(5) 占用料

道路サービス施設の占用主体は、所定の占用料を納付するものとする。

(6) 占用物件の配置及び構造

道路サービス施設の配置及び構造については、次によるものとする。
イ 当該施設の設置によって当該道路の交通の安全が害されないよう、導流島、道路標識その他必要な安全施設が整備されていること。
ロ 道路サービス施設に出入りするため道路の本線上を横切る交通が生じないよう施設を配置すること。
ハ 沿道から道路サービス施設へ物品の搬入等を行なうための出入路は、当該用途以外の用途に供されないような構造とすること。
ニ 広告物の掲出に当たっては、その地域の屋外広告物条例等を遵守するとともに、当該道路の美観を損なわないよう十分な配慮をすること。
ホ その他道路サービス施設の配置及び構造については、通行者の利便及び交通の安全を図るため十分な配慮をすること。

3 その他

道路サービス施設の占用に関連して高速自動車国道及び自動車専用道路の管理上次の事項に留意するものとする。
イ 上記の道路占用による以外は、道路サービス施設を道路に設けることは認められないものであること。
ロ 沿道における道路サービス施設類似の施設との連結(高速自動車国道法第一一条、道路法第四八条の四)は、許可してはならないこと。
ハ 路側駐車場その他高速自動車国道又は自動車専用道路の区域内において、車両等を利用して物品の販売その他の営業活動を行う者に対しては、道路法第四八条の五又は高速自動車国道法第一七条の規定の趣旨に従い、極力その排除の措置を講ずること。


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