建設省道政発第二三号
昭和六〇年三月二八日

地方建設局長・沖縄総合事務局長あて

道路局長通達


日本電信電話公社及び日本専売公社の民営化等に伴う道路占用関係事務の取扱いについて


昭和六〇年四月一日に日本電信電話公社(以下「電電公社」という。)及び日本専売公社(以下「専売公社」という。)が、それぞれ、日本電信電話株式会社(以下「電電会社」という。)及び日本たばこ産業株式会社(以下「たばこ会社」という。)に組織変更されるとともに、「日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に併う関係法律の整備等に関する法律」(昭和五九年一二月二五日法律第八七号)(以下「電気通信関係整備法」という。)及び「たばこ事業法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(昭和五九年八月一〇日法律第七一号)(以下「たばこ関係整備法」という。)による道路法の一部改正及び共同溝の整備等に関する特別措置法(以下「共同溝法」という。)の一部改正の規定が同じく四月一日から施行されるので、電電会社を含む電気通信事業を営む者又はたばこ会社の行う事業のための道路の占用に関する事務の取扱いについては、左記事項に留意のうえ、遺憾のないようにされたい。

第1 道路の占用の取扱い

1 昭和六〇年四月一日以降において行う占用の許可で、電気通信事業を営む者又はたばこ会社の行う事業のための占用に係るものの取扱い

(1) 道路法の一部改正

従来、電電公社又は専売公社の行う事業のための道路の占用は、改正前の道路法第三五条の規定により協議に基づく占用とされていたが、電電公社が電電会社に、専売公社がたばこ会社にそれぞれ組織変更されることに伴い、電電会社又はたばこ会社の行う事業のための道路の占用は、改正後の道路法第三二条第一項又は第三項の規定による許可に基づく占用とされることとなった(電気通信関係整備法第六七条及びたばこ関係整備法第五五条の規定による道路法第三五条の改正)。
また、電気通信事業法(昭和五九年一二月二五日法律第八六号)の規定に基づいて設ける電柱、電線又は公衆電話所のうち、同法第一二条第一項に規定する第一種電気通信事業者(電電会社は、同法第九条第一項の許可を受けた第一種電気通信事業者とみなされる(同法附則第四条)。以下「第一種電気通信事業者」という。)がその事業の用に供するものに限って、改正後の道路法第三六条が適用されることとなる(電気通信関係整備法第六七条の規定による道路法第三六条の改正)。

(2) 運用上の留意事項

昭和六〇年四月一日以降において行う電気通信事業を営む者又はたばこ会社の行う事業のための道路の占用に係る占用の許可に関する事務を行うに当たっては、次の事項に留意されたい。
イ 一休不可分物件の取扱い

電気通信事業法の規定に基づいて設ける電柱、電線又は公衆電話所(第一種電気通信事業者がその事業の用に供するものに限る。以下この項において「電柱等」という。)とその施設の目的から一休不可分な物件(例えば、支線、支柱若しくは支線柱、管路、マンホール、ハンドホール若しくは洞道又は引込柱。以下「一休不可分物件」という。)は、占用の期間に係る政令基準(道路法施行令第九条)の適用については、電柱等とみなすものとする。
なお、その他の物件(例えば、標柱、標識板)は、一休不可分物件には該当しないので、留意されたい。

ロ 昭和六〇年三月三一日までに提出された協議書の取扱い

六〇年三月三一日以前に道路管理者が改正前の道路法第三五条の規定により電電公社又は専売公社から協議を受けたものについては、極力、同日までに処理されたいが、やむを得ずその処理が四月一日以降になる場合は、提出された協議書を道路法第三二条第二項の規定に基づき提出された申請書とみなして処理されたい。

2 昭和六〇年三月三一日までに電電公社又は専売公社との占用の協議が成立している占用の取扱い

(1) 道路法の一部改正に伴う経過措置

電電公社又は専売公社が改正前の道路法第三五条の規定により、道路管理者とした協議に基づく占用は、改正後の道路法第三二条第一項及び第三項の規定により電電会社又はたばこ会社に対して道路管理者がした許可に基づく占用とみなされることとされている(電気通信関係整備法附則第二四条、たばこ関係整備法附則第二四条)。
そのため、昭和六〇年四月一日において現に存する占用物件(工事中のもの及び協議は既に整っているが、工事を開始していないものを含む。)で、電電会社又はたばこ会社の行う事業のための道路の占用に係るものについては、当該協議に係る占用の場所、占用物件の構造、工事実施の方法、工事の時期及び道路の復旧方法に適合していればよいものとして取扱うこととする。

(2) 電電会社に係る占用物件の一括更新の取扱い

(1)に掲げる物件のうち、電電会社の行う事業のための道路の占用に係るものの占用の期間は、「道路の占用の期間更新の手続きに関する覚書について」(昭和五四年一二月一三日付け建設省道政発第五五号道路局長通達)により、すべて昭和六四年九月三〇日とされているが、占用料徴収その他の道路占用関係事務の簡素化に資するため、(1)の措置にかかわらず、昭和六〇年四月一日をもって、占用の一括更新処理を行うものとする。
この場合において、電電会社から六〇年四月末日までに、占用の始期を六〇年四月一日とする占用許可申請書を提出させ、遅滞なく占用許可を行うこととする。
なお、申請書に添付する図面等は、前記覚書により調製され、毎年度補正されることとされている図面等を用いることとし、改めて提出させる必要はないが、未だその調製がなされていない道路管理者にあっては、電電会社と打合せのうえ可及的速やかに提出させることとして、占用許可が遅延することのないようにされたい。
追って、この措置は、電電公社と合意済であることを申し添える。

第2 占用料の取扱い

1 電気通信事業に係る占用物件の道路法施行令の別表の適用

(1) 電気通信事業法の規定に基づいて設ける電柱についての道路法施行令の別表の適用関係

電気通信事業法の規定に基づいて設ける電柱で、第一種電気通信事業者がその事業の用に供するものについては、道路法施行令の別表の「電話柱(電柱であるものを除く。)」の項を適用する。

(2) 同一箇所に集約して設置される管路で電線を収容するものの取扱い

第一種電気通信事業者の管路で同一箇所に集約して設置されているものの占用料は、コンクリート巻き等により一体構造とされているものについては、これを一の管路とみなし、その垂直撮影幅を外径とし、その他のものについては、一本ごとの管路について算定する。

2 電気通信事業又はたばこ会社の行う事業に係る占用物件に係る占用料の額

(1) 通達の一部改正

「道路法施行令及び道路整備特別措置法施行令の一部を改正する政令の施行について」(昭和四二年一一月一三日付け建設省道政発第九〇号)の一部を次のように改正する。
イ 記3(2)(イ)中「、日本通信電話公社、日本専売公社」を削る。
ロ 記3(2)(ホ)(a)(一)及び(二)中「電柱」を「電柱又は電話柱」に改める。
ハ 記3(2)(ホ)(a)(五)中「電気事業者」を「電気事業者若しくは電気通信事業法(昭和五九年法律第八六号)第一二条第一項に規定する第一種電気通信事業者(以下「第一種電気通信事業者」という。)」に改める。
ニ 記3(2)(ホ)(a)(六)中「電気」を「電気、電気通信(第一種電気通信事業者の設けるものに限る。)」に改める。
ホ 記3(2)(ホ)(a)(九)中「たばこ、」、「、電話」及び「(存在)」を削る。
ヘ 記3(2)(ホ)(b)(四)中「電気事業者」を「電気事業者又は第一種電気通信事業者」に、「電柱」を「電柱又は電話柱」に改める。

(2) 削除
(3) 電電会社に係る現に存する占用物件の占用料の経過措置

電電会社に係る占用物件で、昭和六〇年四月一日において現に存するもの(電気通信関係整備法附則第二四条により許可に基づく占用とみなされる占用物件をいう。)の占用料の額については、昭和六〇年度から昭和六四年度までの間経過措置を講ずることとする。
この場合において、昭和六〇年度は政令で定める額の五〇パーセントとし、昭和六一年度から昭和六四年度までについては各年度ごとに順次逓増させることとする。

(4) その他

占用料の賦課処分は、記第1 1 (2)の一括更新許可処分と併せて行われたい。

第3 共同溝の占用の取扱い

1 共同溝法第一五条の削除

従来、電電公社の共同溝の占用については、改正前の共同溝法第一五条の規定により協議に基づく占用とされていたが、電電公社が電電会社に組織変更されることに伴い、この協議に基づく占用の制度が廃止され(電気通信関係整備法第七一条の規定による共同溝法第一五条の規定の削除)、電電会社の共同溝の占用は、改正後の共同溝法第一二条第一項の規定による許可に基づく占用とされることになる。
なお、協議に基づく占用の制度の廃止に伴い、改正前の共同溝法第一五条の規定により電電公社と協議する建設大臣の権限の地方建設局長等への委任規定(改正前の共同溝の整備等に関する特別措置法施行令第八条第九号)が削除された(「日本電信電話株式会社法、電気通信事業法、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(昭和六〇年三月一五日政令第三一号)第六一条による共同溝の整備等に関する特別措置法施行令の一部改正)。

2 共同溝法第二条第三項第一号の改正

電気通信事業を営む者のうち、第一種電気通信事業者が新たに改正後の共同溝法第二条第三項第一号に規定する公益事業者に加えられた(電気通信関係整備法第七一条の規定による共同溝法第二条第三項第一号の改正)。

3 共同溝法の一部改正に伴う経過措置

電電公社が改正前の共同溝法第一五条の規定により道路管理者とした協議に基づく占用は、改正後の共同溝法第一二条第一項の規定により電電会社に対して道路管理者がした許可に基づく占用とみなされる(電気通信関係整備法附則第二六条)。

第4 その他

1 建設省と電電公社とが締結した文書等の取扱い

「道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定」(昭和三五年八月一日成立)その他建設省と電電公社とが締結した文書及び当該文書に基づく通達又は通達の取扱いについては、別途通知することとしているので、その旨了知されたい。

2 施行期日
この通達は、昭和六〇年四月一日から施行する。

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