建設省道政発第四一号・都街発第一五号
昭和六〇年五月二〇日

各地方建設局長・北海道開発局長・沖縄総合事務局長・道路関係四公団の長・各都道府県知事・各指定市長あて

道路局長・都市局長通達


日本電信電話公社の解散に伴う措置に関する覚書等について

昭和六〇年四月一日に日本電信電話公社(以下「旧公社」という。)が解散されたことに伴い、道路管理者と日本電信電話株式会社(以下「新会社」という。)とが次に掲げる事項について協議を行う場合の準則として、新たに別紙1の日本電信電話公社の解散に伴う措置について(以下「別紙1の往復文書」という。)及び別紙2の日本電信電話株式会社に係る道路の占用物件等の移転に要する費用の負担に関する覚書(以下「別紙2の覚書」という。)を交換したので、左記事項に留意のうえその取扱いに遺憾のないように措置されたい。

1 占用物件等の移転等に要する費用の負担
2 橋の新設又は改築に際し、電気通信線路を添架する場合の費用負担
3 一般国道等(有料道路を除く。)の管理に用いる通信施設の設置及び通信役務の提供

追って、都道府県知事におかれては、貴管下道路管理者にもこの旨周知徹底方お取計らい願いたい。

第1 趣旨

別紙1の往復文書及び別紙2の覚書は、旧公社の解散に伴い、次に掲げる建設省と旧公社が締結した協定、覚書その他の文書がその効力を昭和六〇年三月三一日限りで失ったことを前提に、道路管理者と新会社とが協議を行う必要がある事項について当該協議を行う場合の準則を新たに取決めたものである。
1 道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定(昭和三五年八月一日成立)
2 道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定の運用に関する細目協定(昭和三五年八月一日成立)
3 橋の新設又は改築に際し、公衆電気通信線路を添架する場合の費用負担に関する覚書(昭和三九年三月二五日)
4 道路の占用の期間更新の手続きに関する覚書(昭和四五年三月一八日)
5 一般国道等の通信施設に関する覚書(昭和四五年四月一七日)
6 一般国道等の通信施設に関する覚書の細目事項(昭和四五年四月一七日)
7 道路の占用の期間更新の手続きに関する覚書(昭和五四年一二月一二日)

第2 占用物件等の移転等に要する費用の負担の取扱い

別紙1の往復文書中記1及び別紙2の覚書による措置は、「日本電信電話公社及び日本専売公社の民営化等に伴う道路占用関係事務の取扱いについて」(昭和六〇年三月二八日付け建設省道政発第二三号、第二三号の二、第二三号の三及び第二三号の四建設省道路局長通達)により新会社に係る占用物件で昭和六〇年四月一日において現に存するものの占用料の額について経過措置を講ずることとされたことから採られた措置であるので、当分の間の措置とされたものである。

第3 橋の新設又は改築に際し、電気通信線路を添架する場合の費用負担の取扱い

橋の新設又は改築に際し、電気通信線路を添架する場合の費用負担の取扱いに係る別紙1の往復文書中記2によりその例によるものとされた旧「橋の新設又は改築に際し、公衆電気通信線路を添架する場合の費用負担に関する覚書」(別紙3)(以下この項において「旧覚書」という。)については、次の事項に留意のうえその取扱いに遺憾のないよう適切な運用を図られたい。
1 旧覚書による負担金は、原因者負担金として取扱うこと。
2 橋の新設または改築とは、橋を新設又は架替する場合のほか、拡幅工事において拡幅部分の主構造が従前の橋の主構造から独立した構造である場合を含むものであること。
3 鉄筋コンクリート床版橋を費用負担の対象外としたのは、これらの橋はおおむね四m以下の場合が多く、添架物件による荷重の増加は僅少であるので、橋の構造変化の必要はないとみなしたものであること。
4 一m当たり五〇kgを超える物件の添架についてのみ費用負担の対象としたのは、五〇kg以下の物件の添架は橋の構造に影響を与えないものとみなしたことに基づくものであること。
5 主構等力学的に添架物件荷重に関連する工事費とは、上部構造の工事費から交通の用及び交通の便益のために供せられる部分(床版、舗装、高欄、照明等)に要する工事費を除いたものであること。
6 下部構造を負担金算定の対象外としたのは、通常の添架物件の荷重では下部構造に与える影響は極めて少ないと認められることに基づくものであること。
7 間接費の率は、「道路整備特別会計における附帯工事の事務取扱要領」に準拠したものであること。
8 線路を取付けるための工事は、占用に関する工事であり、旧覚書の対象外であること。

第4 一般国道等(有料道路を除く。)の管理に用いる通信施設の設置及び通信役務の提供の取扱い

一般国道等(有料道路を除く。)の管理に用いる通信施設の設置及び通信役務の提供の取扱いに係る別紙1の往復文書中記2によりその例によるものとされた旧「一般国道等の通信施設に関する覚書」(別紙4)及び旧「一般国道等の通信施設に関する覚書の細目事項」(別紙5)については、次の事項に留意のうえその取扱いに遺憾のないよう措置されたい。
1 道路管理者は、一般国道等における通信施設の設置についての計画を作成しようとする場合には、非常電話の受信先等について必ず事前に関係警察署及び消防署に協議を行うこと。
2 特に重要なトンネルとは、「道路トンネルにおける非常用施設の設置基準」(昭和四二年四月一四日建設省道企発第一四号建設省道路局長通達)第二条トンネルの等級区分におけるA〜Cのトンネルをいうものであること。
3 翌年度における一般国道等の通信施設の設置計画を毎年度九月末日までに別記様式により建設省道路局路政課(建設大臣直轄管理に係る分については、国道第一課)あて提出すること。

第5 通達の廃止

第1の各号に掲げる文書の効力が失効したことに伴い、次に掲げる通達は廃止する。
1 「道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定について」(昭和三五年八月一〇日付け建設省道発第三七七号・計発第三三〇号建設省道路局長・計画局長通達)
2 「道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定等の一部改正について」(昭和四六年九月三〇日付け建設省道政発第九九号・都街発第三三号建設省道路局長・都市局長通達)
3 「橋の新設又は改築に際し、公衆電気通信線路を添架する場合の費用負担に関する覚書について」(昭和三九年三月二五日付け建設省道発第九七号・都発第二八号建設省道路局長・都市局長通達)
4 「道路の占用の期間更新の手続に関する覚書について」(昭和四五年三月一九日付け建設省道政発第二〇号建設省道路局長通達)
5 「一般国道等の通信施設に関する覚書について」(昭和四五年四月一七日付け建設省道政発第三一号建設省道路局長通達)
6 「道路の占用の期間更新の手続に関する覚書について」(昭和五四年一二月一三日付け建設省道政発第五五号建設省道路局長通達)


別記様式
<別添資料>



別紙1

日本電信電話公社の解散に伴う措置について

(昭和60年4月22日)
(建設省道政発第40号・都街発第12号)
(日本電信電話株式会社代表取締役社長あて建設省道路局長・都市局長通知)
昭和60年4月1日に日本電信電話公社が解散されたことに伴い、次の事項に関しては、下記のとおり取り扱うこととするので、了解されたい。

1 占用物件等の移転等に要する費用の負担
2 橋の新設又は改築に際し、電気通信線路を添架する場合の費用負担
3 一般国道等(有料道路を除く。)の管理に用いる通信施設の設置及び通信役務の提供

1 占用物件等の移設等に要する費用の負担に関しては、昭和60年3月31日において効力を有していた「道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定」(昭和35年8月1日成立)第19条に規定する内容と同じ内容の措置を当分の間継続するための覚書を日本電信電話株式会社と建設省との間において別途締結する。
2 橋の新設又は改築に際し、電気通信線路を添架する場合の費用負担並びに一般国道等(有料道路を除く。)の管理に用いる通信施設の設置及び通信役務の提供に関しては、これらの事項に関して日本電信電話株式会社と建設省との間において新たな取決めがなされ、その効力が発生するまでの間は、昭和60年3月31日において効力を有していた「橋の新設又は改築に際し、公衆電気通信線路を添架する場合の費用負担に関する覚書」(昭和39年3月25日)並びに「一般国道等の通信施設に関する覚書」(昭和45年4月17日)及び「一般国道等の通信施設に関する覚書の細目事項」(昭和45年4月17日)の例による。

この場合において、これらの覚書中「日本電信電話公社」又は「公社」とあるのは「日本電信電話株式会社」又は「会社」と、「公衆電気通信線路」とあるのは「電気通信線路」と読み替えるものとする。



別紙2

日本電信電話株式会社に係る道路の占用物件等の移転等に要する費用の負担に関する覚書

建設省と日本電信電話株式会社(以下「会社」という。)は、会社に係る占用物件等の移転等に要する費用の負担に関し、当分の間、次のとおり取り扱うことに合意し覚書とする。
1 道路の区域内にある会社に係る電柱、電線若しくは公衆電話所又は管路、マンホール、ハンドホール若しくは洞道、支線若しくは支柱又はこれらの付属設備(以下「電柱等」という。)について、道路法(昭和27年法律第180号)第71条第2項第1号若しくは第2号の規定による移転等の措置を行う場合の当該移転等に要する費用又は道路の区域外にあった電柱等について、当該電柱等が道路の拡幅工事等のため新たに道路の区域内に入ることとなることに伴い、道路管理者の求めに応じて道路の区域内において移転等の措置を行う場合の当該移転等に要する費用は、会社が負担するものとする。
2 道路の区域外にあった電柱等について、当該電柱等が道路の拡幅工事等の支障となるため、道路管理者の求めに応じて道路の区域外に移転等の措置を行う場合の当該移転等に要する費用は、道路管理者が負担するものとし、その額は、移転等により会社が通常受けるべき損失を償うべき額とし、原則として次の各号に掲げる費用の合計額とする。

(1) 電柱等の移転等に要する物品費以外の費用
(2) 原設備の物品の損失額
(3) 新設備が原設備と同等の機能を保持するため技術上やむを得ず原設備より増加する場合にあっては、当該増加する部分の物品費

3 道路の区域内にある電柱等について、道路法第71条第2項第3号の規定による移転等の措置を行う場合の当該移転等に要する費用又は電柱等について、当該電柱等が道路の拡幅工事等により必要となる他の占用物件に関する工事の支障となるため移転等の措置を行う場合の当該移転等に要する費用については、道路管理者、会社その他の関係者が協議してその負担の割合等を定めるものとする。
4 第1項から第3項までの規定は、都市計画法(昭和43年法律第100号)、土地区画整理法(昭和29年法律119号)又は都市再開発法(昭和44年法律第38号)による道路について準用する。

この場合において、これらの規定中「道路管理者」とあるのは、「施行者」と読み替えるものとする。
附 則
この覚書は、昭和60年4月1日から施行する。
昭和60年5月20日

(建設省道路局長)
(建設省都市局長)
(日本電信電話株式会社代表取締役社長)



別紙3

橋の新設又は改築に際し、公衆電気通信線路を添架する場合の費用負担に関する覚書

橋(鉄筋コンクリート床版橋を除く。以下同じ。)の新設又は改築に際し、日本電信電話公社(以下「公社」という。)が当該橋に公衆電気通信線路(以下「線路」という。)を単独又は他の占用物件と同時に添架することにより荷重の増加をきたし、橋の主構造の変更を必要とする場合の道路管理者に対する公社の費用負担について「道路の占用の協議に関する建設省・日本電信電話公社協定の運用に関する細目協定」第16条に基づき建設省道路局長・都市局長および日本電信電話公社施設局長は、下記により覚書を交換する。
1 公社は橋に添架する線路の荷重が単独又は同時に添架する他の占用物件の荷重と併せて50kg/mをこえる場合は、当該橋の主構造の変更を必要とするものとして、2により増加する工事費を負担するものとする。
2 増加する工事費は直接費及び間接費とし、直接費は次式により算定し、間接費は直接費の10%に相当する額の範囲内において道路管理者と公社が協議して定めるものとする。

直接費=上部構造の主構等力学的に添架荷重に関連するものの工事費×(公社の添架物件荷重/(橋梁の死荷重+活荷重)+全添架物件荷重)

3 この覚書の改廃は、三者の協議によるものとする。

この覚書を証するため、本書三通を作成し、おのおの一通を保有する。
昭和39年3月25日

(建設省道路局長)
(建設省都市局長)
(日本電信電話公社施設局長)



別紙4

一般国道等の通信施設に関する覚書

建設省と日本電信電話公社(以下「公社」という。)は、一般国道等(有料道路を除く。以下同じ。)の管理に用いる通信施設(以下「通信施設」という。)の設置および通信役務の提供について、道路管理者の要望に基づく公社の措置等に関し、次のとおり合意し覚書とする。
1 トンネルの通信施設

交通上、特に重要なトンネル(見通しがきかず、かつ原則として300米以上の長さをもつもの。)に、公社は次により通信施設を設置および通信役務の提供を行なう。
(1) トンネルの出入口附近に、必要に応じ公衆電話を設置する。
(2) 前号の公衆電話の附属機器として非常電話(緊急通報用、以下同じ。)の設置は約200米間隔とする。
(3) トンネル内とトンネル管理事務所等を結ぶ警報装置用として、専用回線を提供(端末機器は道路管理者の設備)する。

2 自動車専用道路の通信施設

(1) バスストップ等駐停車可能個所に、必要に応じ公衆電話を設置する。
(2) 道路上に、公衆電話とあわせて、約1粁間隔に非常電話を設置する。
(3) 道路上と道路管理事務所等を結ぶ、テレコントロール用として、公社は専用回線もしくは準専用回線を提供(端末機器は道路管理者の設備)する。

3 テレコントロール回線の提供

自動車専用道路以外の道路に設置するテレコントロール用回線として、公社は専用回線もしくは準専用回線を提供(端末機器は道路管理者の設備)する。

4 通信設備の設置および通信役務の提供に関する協議方法

前各項の通信施設の設置および通信役務の提供については、当分の間、建設省(道路局)と公社(本社)の間において、年度開始前に、その実施計画の調整(地方道関係を含む。)をはかり、設置個所等を決定する。この場合、建設省は、非常電話の設置に関する事項について、事前に警察庁および消防庁と協議を行なうものとする。
附 則

1 この覚書に定めのない事項および運用において疑義が生じた場合の取扱いについては、その都度、協議により定めるものとする。
2 この覚書に改正の必要が生じた場合、または廃止の必要が生じた場合は協議の上、その措置を定めるものとする。
3 この覚書の効力の発生は、締結の日をもって発効することとする。

昭和45年4月17日

(建設省道路局長)
(日本電信電話公社営業局長)
(日本電信電話公社施設局長)



別紙5

一般国道等の通信施設に関する覚書の細目事項

建設省と日本電信電話公社(以下「公社」という。)は、「一般国道等の通信施設に関する覚書」(以下「覚書」という。)の円滑な運用を計るため、その細目について次のとおり定める。
1 トンネルの通信施設

(1) 公衆電話の設置に当って、道路管理者は、その必要とする土地の確保および工事について、可能な限り協力する。
(2) トンネル非常電話の設置に当って、道路管理者は、その設置場所を確保する。また、トンネル内に道路管理者の所有する通信線路がある場合は、その一部を公社に無償で使用させる。
(3) トンネルの通信施設のうち、線路の設置および保守の責任分界点は、トンネルの入口に公社が設置する端子板とする。
(4) 通信線路がトンネルを通過して公衆電話を設置する必要がある場合、トンネル内の道路管理者の所有する通信線路がある場合は、その一部を公社に無償で使用させる。
(5) 公社は警報装置用回線を、次により提供する。なお、線路設置費の負担は要しないものとする。

ア 市内専用区域内に終始する回線については市内専用とする。
イ 市外回線となる場合で実回線を使用するものは、市外専用普通第1規格とする。
ウ 市外回線となる場合で、搬送回線を使用するものは、用途に則した回線規格とする。
エ 自動局収容の場合で、準専用規格に適合する端末機器を使用するものは、市内、市外を問わず準専用とする。

(6) 非常電話は、原則として、その設置場所を加入区域とする取扱局に収容する。非常電話の通報先は、その非常電話が収容される取扱局に所属する一般加入電話の通報先と同一とする。

なお、非常電話の設置場所が区域外の場合の通報先については、原則として公社が定める取扱局とする。

(7) 非常電話の照明用電源の供給(AC100VまたはAC200V)およびこのために必要となる第3種接地工事は、道路管理者が施行する。なお、保守の責任分界点は施行区分に準ずる。

2 自動車専用道路の通信施設

(1) 公衆電話の設置に当って、道路管理者は、その必要とする土地の確保および工事について可能な限り協力する。
(2) 非常電話の通信方式、設置間隔および通報先の選定等は、道路管理者と公社が協議の上定める。
(3) テレコントロール用端末機器の機能および設置場所等について、道路管理者は、あらかじめ公社に対し提示する。なお、保守の責任分界点は、原則として端末機器または非常電話機の端子板とする。

3 テレコントロール用回線の提供方法

公社はテレコントロール用回線を、次により提供する。なお、線路設置費は要しないものとする。
(1) 自動接続通話方式による場合

市内専用区域の内外を問わず準専用とする。

(2) 市外区間で、手動局収容となる場合

端末機器の電話機部分(電話機および回路部分)を除去して市外専用普通第1規格とする。

4 通信施設に関する道路管理者の協力

道路管理者は、公社の通信施設について、その設置目的が道路管理にあることをとくに考慮し、通信施設の工事について困難を生じないよう、また道路工事等に当って移転を極力生じさせない等の措置について十分配慮し協力する。

5 警察等への協議等

道路管理者は、非常電話を設置しようとするときは、あらかじめ、関係警察および消防機関と協議するものとし、テレコントロール用機器を設置しようとするときは、あらかじめ関係警察機関へ通知するものとする。

6 都道府県道等への適用

都道府県道等地方公共団体が管理する道路に通信施設設置の要望がある場合には、この覚書により、それぞれ指導する。

7 その他

(1) テレコントロール用の端末機器および警報装置に対する自営用品認定手続はすみやかに措置する。
(2) 道路状況等を道路管理機関に通報するための特設ダイヤルの設置等については、公社においても郵政省の指導に基づき、その検討を行なうものとする。
昭和45年4月17日

(建設省道路局長)
(日本電信電話公社営業局長)
(施設局長)


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