電気通信事業法が本年四月一日から施行されたことに伴い、今後、第一種電気通信事業又は第二種電気通信事業を営み又は営もうとする者からなされる道路の占用の許可の申請の増加が予想されるところである。
電気通信設備その他の電気通信事業に係る占用物件は、電気通信事業への競争原理の導入、電気通信技術の進歩等に伴い、従来日本電信電話公社が設けていた電柱、電線又は公衆電話所等の物件とはその構造、形態等が異なる新たな物件の出現が予想されるとともに、電気通信事業への新規参入者による電柱、電線又は公衆電話所等の物件の増加が予想されるので、その占用の位置、設置方法等を従来以上に詳細に判断、調整を行う必要がある。
また、電線、管路又は洞道等の物件については、網的な敷設が必要とされることが予想されることから、複数の道路管理者にまたがる可能性が高く、その調整等を行うことにより、道路空間の適正かつ有効な利用を図る必要がある。
このため、電気通信設備その他の電気通信事業に係る物件の道路の占用の許可に当たっては、当該物件に係る占用関係事務の適正を期するため、当分の間、左記により、事前に当局に協議されたい。
1 事前協議の対象とする範囲
電気通信事業に係る占用物件であって、次の各号のいずれかに該当するものとする。ただし、電線であって、その占用が道路の横断のみのものについては、この限りでない。
(1) 従来、日本電信電話公社が設けていた電柱、電線又は公衆電話所等の物件とその材料、構造、形態等が異なるもの(材料、構造若しくは形態に係る規格又は型式の変更に係るものを含む。)
(2) 第一種電気通信事業者(東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社及びエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下「電電会社」という。)を除く。)に係る電柱、電線若しくは公衆電話所又はこれらの物件とその施設の目的から一体不可分な物件(「日本電信電話公社及び日本専売公社の民営化等に伴う道路占用関係事務の取扱いについて」(昭和六〇年三月二八日付け建設省道政発第二三号、第二三号の二、第二三号の三、第二三号の四建設省道路局長通達)にいう一体不可分物件をいう。)であって、かつ、次のいずれかに該当するもの以外のもの
イ 電気通信事業法第一四条第一項に規定する軽微な変更に伴うもの
ロ 電気通信設備の変更であって、電気通信事業法第一四条第一項の規定による許可又は同条第二項の規定による届出を要しないものに伴うもの
(3) 前二号に掲げるもののほか、第一種電気通信事業者に係る占用物件であって、かつ、占用の目的、占用の場所、占用物件の構造又は工事実施の方法等からみて、道路の構造の保全、安全かつ円滑な道路の交通の確保、道路の不経済な損傷の防止、道路空間の適正かつ有効な利用その他道路の管理上支障を生ずるおそれがあるもの
(4) 第二種電気通信事業者に係るもの
(5) 電気通信事業法第九〇条第一項各号のいずれかに該当する電気通信事業を営む者に係るもの
2 事前協議において添附すべき書面等
(1) 事前協議は、次に掲げる事項を記載した書面を添附した文書で行うこととする。ただし、記載すべき事項を電気通信事業法第九条第二項の規定により郵政大臣に提出された申請書の写しその他の書面をもって明らかにし得るときは、当該書面を添附することをもって足りることとする。
イ 施設を設置することを必要とする理由(郵政大臣の許可等を証する書面を含む。)
ロ 施設を設置する区域その他の施設計画
ハ 占用物件の種類ごとの型式、重量及び数量(延長)並びに電線にあっては電圧
ニ 設置者の施設管理能力
ホ 施設の保守管理の方法
ヘ 電線その他の占用物件の道路への設置位置を明らかにした平面図(電柱の管理者の別及び電柱番号を明示すること。)
ト 電線その他の地上に設ける占用物件にあっては、その道路への標準的な設置位置を明らかにした側面図
チ 管路、洞道その他の地下に設ける占用物件にあっては、その道路への標準的な設置位置を明らかにした横断面図
リ 占用物件の種類ごとにその構造を明らかにした図面
ヌ 電柱の管理者との事前協議の状況
ル 電電会社の電気通信設備との接続等をする場合にあっては、同社との協議の状況
(2) 前記(1)にかかわらず、電電会社に係る事前協議にあってはニ及びヌに掲げる事項を記載した書面の、第一種電気通信事業者(電電会社を除く。)に係る事前協議にあってはニに掲げる事項を記載した書面の添附を省略することとする。