地下鉄施設内への二次占用については、これまで、歩行者の安全な通行機能の確保の観点から極力抑制してきたところであるが、地下鉄利用者の質的・量的に拡大するニーズに対応するため、また、近況における占用実態への適合の観点等を踏まえ、今般地下鉄施設への二次占用に関する取扱方針を左記のとおり定めたので、これを十分留意の上、その処理について遺憾のないようにされたい。
1 占用許可対象物件
地下鉄施設内における道路占用許可対象物件は、以下に掲げるものとする。
(1) 看板類 額面看板、柱巻看板、ポスター板、ショーウィンド等
(2) 地下鉄施設内に鉄道事業者が自ら設置することが妥当であると認められる施設又は物件に広告物を添架したもの
(3) 主として地下鉄利用者の利便の増進を目的とするもの(以下「利便施設」という。)
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(イ) 売店(可動式)
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一般的に地下鉄利用者が利用するものと認められるもの
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(ロ) 店舗(固定式)
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(ハ) コインロッカー
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(ニ) 自動販売機
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たばこ、飲料水、トイレ用ちり紙、自動簡易写真機 等
(売店等に併設されるものも含む。)
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(ホ) 自動現金出入機
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(ヘ) 第一種電気通信事業者等の設置する物件 公衆電話、PHS無線基地局、移動電話通信施設類
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(ト) 運輸大臣及び建設大臣の認可を受けた関連事業に係る物件 航空券の券売機 等
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(チ) その他地下鉄利用者等の利便性の向上に著しく寄与すると認められる物件
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2 占用主体
許可物件の設置及び管理を確実かつ適正に遂行するにたる技術的能力及び管理能力を有する者とする。
3 占用場所
(1) 看板類
原則として壁面又は柱とし、歩行者の通行の障害及び歩行者の案内及び誘導に支障とならない場所であること。
(2) 利便施設等
簡易な店舗、自動販売機、コインロッカー等については、地下鉄のホーム及びコンコース内で鉄道事業者が歩行者の通行に支障がなく安全と認めた場所又は次の場所とし、利便施設等設置後、歩行者の通行及び安全に支障がないよう乗降客の多寡に応じ必要な余裕幅員を設けておくこと。
(イ) 地下鉄施設の計画上、暫定的に生じている余裕スペース
(ロ) 地下鉄建設の工法上、構造上等の理由によりやむを得ず生じた余裕スペース
(ハ) 主として、路上交通の処理のため一体的に設けられた通路施設における余裕スペース
前記(イ)〜(ハ)については、別図参照のこと。
4 構造
(1) 看板類
固定する壁面等からの出幅は歩行者の通行の障害とならないよう最小限とし、かつ、地震等に耐える堅固なもので、倒壊、落下、剥離、老朽、汚損等により公衆に危険を生じさせ、又は美観を損わないものでなければならない。
(2) 売店及び店舗
売店の構造は簡易な対面式のものとし、規模は五平方メートル程度以下の小規模のものとする。店舗の構造は凹構造になっている場所やコーナー部分で事実上歩行者の通行がほとんどない場所に固定して設置すること。
(3) 自動販売機
地下鉄施設内という閉鎖された空間に限定して設置を認めるものであることから、壁面、柱及び売店等に固定する等適切な転倒防止措置を講じること。
(4) その他
占用物件の配置及び構造については、歩行者の利便及び通行の安全を確保するよう十分考慮するとともに、火災又は荷重等により一般公衆に対して支障を及ぼさないような構造としなければならない。
5 その他
(1) 看板類のデザイン及び表示内容は美観風致等を十分考慮することとする。
(2) 売店及び店舗については、それぞれ裸火を使用し、又は爆発性の物件若しくは悪臭、騒音を発生する物件を保管又は設置してはならない。
(3) 占用物件の適正な維持管理のため、必要に応じて許可条件を付すこととする。
(4) 占用許可に際しては、本通達によるほか関係法令等を勘案し、適切な処理を行うこととする。
(5) 本通達以降、社会情勢の変遷等により、新たな物件の占用許可申請があり、又は疑義等が生じた場合には、その都度事前に当局にその可否等について照会することとする。
(6) モノレール等の停留場内における道路占用の取扱いについても、前記に準じた取扱いをすることとする。
地下鉄利用者の通行に支障を与えない範囲の考え方
ア 凹構造になっている場所
イ コーナー部分で事実上、歩行者の通行がほとんどない部分
ウ 駅改良等で生じた空室
エ 歩行者の通行に支障がなく安全と認めた場所
(コンコースに設置する場合)
(ホームに設置する場合)
※ 矢印で示している幅については、乗降客の多寡に応じ歩行者の通行及び安全に支障がないよう必要な余裕幅員を設けるものとする。
で囲んだ部分が売店及び店舗の設置場所である。