建設省道政発第二七号
昭和四五年四月六日

各地方建設局長・北海道開発局・道路関係三公団の長・各都道府県知事・各指定市長あて

道路局長通達


地下占用物件の防護対策について


地下占用物件(以下「占用物件」という。)に起因する事故の防止については、昭和三八年一月二六日付道発第二三号「地下占用物件による事故の防止について」及び昭和四四年三月二四日付道政発第一五号「道路工事又は占用工事に起因する事故の防止について」により指示したところであり、貴職におかれましても鋭意事故の防止に努められていることと思料するが、昭和四四年三月二〇日の東京都板橋区仲宿のガス爆発事故を契機として、通商産業省にガス導管防護対策会議が設置され、ガス導管の防護対策について検討の結果、その基本的な考え方及び問題点について別添報告書のとおりの結論が得られたところである。道路管理者としては、本報告書の趣旨を尊重し事故の防止に努めることはもとより、ガス導管に限らず他の占用物件についても、事故の発生により道路交通に及ぼす障害及び地域住民に与える影響を十分考慮し、その防護対策について左記事項に留意のうえ、遺憾のないよう措置されたい。
なお、占用者に対し本通達の趣旨を強力に指導するとともに、貴管下道路管理者にもこの旨周知徹底方お取り計らい願いたい。

1 占用物件の防護方法について

(イ) 道路に関する工事又は占用工事の施行に際し、占用物件相互の関係を考慮し事故の防止上特に必要があると認められる場合は、出来る限り既設占用物件の移設(共同溝に収容する場合を含む。)等の措置を行なうよう努めるとともに、占用工事施行者に対しこの旨指導すること。
(ロ) 道路に関する工事又は占用工事の施行者に対し、道路の構造の保全及び事故の防止を図るため、他の占用物件の防護について十分な配慮をするよう指導すること。特に工事中のたわみ又は埋め戻し後の異常荷重等により他の占用物件の安全を害することが予想される場合には、工事の施行者に対し吊防護又は受防護(特に掘削深度が大きい場合等重要な受防護については、鋼又はコンクリートを主体とする構造とする。)の防護措置を講ずるよう指示すること。

2 工事の施行者若しくは占用者相互間における連絡協議について

道路に関する工事又は占用工事を施行することにより既設の占用物件に影響を与えるおそれがある場合には、占用物件相互の安全を図るため、防護上の措置について工事の施行者若しくは占用者相互の間において事前に協議書を取り交わすよう指導すること。
なお、この協議に当たっては、既設占用物件の管理者も適切な検討を加えるよう指導すること。

3 図面の整備について

占用物件の占用者に対し、占用物件の位置、構造、数量等を記入した統一図面の提出を求め、占用物件の現状を正確に把握するよう努めること。

4 試掘について

道路に関する工事又は占用工事の施行者に対し、他の占用物件の埋設位置、構造等について事前に調査検討し、掘さくにより損傷を与えるおそれがあると認められるときは、人力で試掘を行なうよう指導すること。

5 立会い及び見回りについて

道路に関する工事及び占用工事の施行者に対し、工事施行の際は必ず現場において他の占用者の立会いを求め、占用物件の確認その他防護上の措置について打合わせるよう指導するとともに工事施工中は他の占用者においても占用物件の安全を確認するため、定期的に見回りをすることに努めるよう指導すること。

6 事故防止のための連絡体制について

道路に関する工事及び占用工事の施行者に対し、地盤の不等沈下等事故の発生が予想されるような異常を発見した場合は、直ちに道路管理者又は他の占用者に連絡し、事故の防止のための措置を講ずるよう指導すること。

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