建設省道政発第五五号
平成九年五月一三日

各地方建設局道路部長・北海道開発局建設部長・沖縄総合事務局開発建設部長・道路関係四公団担当部長・各都道府県担当部長・各指定都市担当局長あて

道路局路政課長通達


道路の掘り返し防止対策の徹底について


地下埋設工事等による道路の掘り返しの防止については、「地下埋設工事等による道路の掘り返し規制に関する緊急措置について」(昭和三七年一〇月二三日付け閣議了解。以下「閣議了解」という。)、「地下埋設工事等による道路の掘り返しの規制及びこれによる事故の防止に関する対策要綱」(昭和四五年一〇月五日付け事務次官等会議申合せ。以下「対策要綱」という。)等に基づき、貴職におかれても鋭意努力されていることと思料するが、地下埋設工事等による道路の掘り返しが依然として交通渋滞の大きな要因とされていること及び道路の掘り返し工事に対する国民の批判に応えるため、上記閣議了解等の趣旨を再確認し、関係公益事業者に対してもその周知徹底を図るとともに、今後、さらに左記の事項に留意のうえ、道路の掘り返し防止対策の徹底を期されたい。

1 道路の掘り返し防止規制の強化

(1) 道路の掘り返し防止については、閣議了解において、「道路舗装工事完了後は、原則として、一定期間(セメントコンクリート舗装については概ね五年、アスファルトコンクリート舗装については概ね三年)当該箇所の掘り返しを抑制する措置を講ずるもの」と定めているところであるが、道路交通の障害及び道路の損傷を最小限にとどめるため、その運用として上記規制期間を延長する措置を講じられたい。
(2) 当該規制期間内における地下埋設工事等は真にやむを得ないと認められる場合を除き厳に抑制すること。

真にやむを得ないと認められる工事とは、例えば、災害の防止、事故の復旧等一般の危険を防止するため掘削する場合等当該規制措置が講じられる前の段階では想定され得なかった工事であり、管・線路の老朽化による取替工事等本来計画的になされるべき工事については規制の解除を認めることのないよう適正かつ厳格な規制措置の運用を図られたい。

2 複数年度にわたる工事調整の推進

道路工事及び地下埋設工事等の施工時期等の調整については、対策要綱において各年度毎の工事計画について実施することとされ、さらに、「道路の掘り返し防止対策の徹底について」(昭和五七年二月一九日付け建設省道政発第六号建設省道路局路政課長通達)において「長期間にわたる地下埋設工事等が予定されている場合等においては、複数年度の調整にも配慮すること」としているところである。今後、一層の計画的かつ合理的な工事調整を実施し、工事の共同施工、連続施工を促すため、年度ごとの調整に加え、複数年度にわたる長期の調整についても実施するよう努められたい。
その際、長期の調整の実が挙がるように、工事計画の提示については将来的な計画の取消し・変更も認めることとするなどして、計画内容の提示が促進されるように取り計られたい。予算制度上の制約により複数年度にわたる確定した計画の提示が困難な舗装打換工事等道路に関する工事についても、舗装歴、損傷状況等から予定される工事計画を提示するなどの措置を講じられたい。

3 共同施工及び非開削工法の推進

道路の同一区間における複数の地下埋設工事等を同時に施工する共同施工や道路を掘り返すことなく地下埋設工事等を行う非開削工法は、道路の不経済な損傷及び道路の交通の支障の防止に資するものであり、道路管理者としては、地方連絡協議会等における工事の調整に当たって、地下埋設工事等を行う事業者に対し共同施工及び非開削工法を積極的に採用するよう指導を強化することとされたい。
特に、地下埋設工事等が道路の同一区間(歩・車道の別、道路の上下線の別まで一致している場合をいう。)において計画され、当該地下埋設工事等に係る埋設物の占用位置が近接していると認められ、かつ当該地下埋設工事等に係る施工時期の調整が可能な場合には、工事方法として原則として共同施工を採ること、また、地下埋設工事等が国道及び主要幹線街路のうち交通量の多いものを横断して施工される場合又は掘り返しの規制期間内にある道路若しくは共同溝の整備されている道路において施工される場合には、工事方法として原則として非開削工法を採ることとして事業者を指導することとされたい。

4 年度末等特定の時期への工事の集中の抑制について

地下埋設工事等の年度末等特定の時期への集中の抑制については、「地下埋設工事その他の道路の掘り返しを伴う占用工事の年度末等特定の時期への集中の抑制について」(昭和六一年一〇月二〇日建設省道政発第八九号建設省道路局路政課長通達)等において示達しているところであるが、依然として特定の時期への集中の傾向に歯止めがかからず国民から強い批判を受けていることから、今後、上記特定の時期における具体的な抑制目標を設定し、その履行に向けた工事計画の作成を地下埋設工事等を行う事業者に促すなどして工事の平準化のための適切な指導を行うこととされたい。

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