建設省道交発第八三号
昭和五〇年一二月一六日

各地方建設局長・北海道開発局長・沖縄総合事務局長・各都道府県知事・三公団総裁あて

道路局長通達


路上放置車両の処理について


去る七月二五日、かねてより係争中の一般国道一七〇号における路上放置車両への原動機付自転車の追突事件に関し、最高裁判所の判決があったが、その判決理由において道路管理者の責任が厳しく指摘されている。
すなわち、道路管理者は、道路を常時巡視して応急の事態に対処しうる看視体制をとり、故障車を発見した場合には故障車のあることを知らせるためバリケードを設けるとか、道路の片側部分を一時通行止めにするなど道路の安全性を保持するために必要とされる措置を講ずべきであったのにもかかわらず、それらの措置を全く講じなかったのは道路管理に瑕疵があったということになるとされている。
ついては、この判決にみられる事案の重要性に鑑み、今後、左記事項に留意のうえ同種の事故の再発防止のため、道路パトロールの実施の徹底を図るなど道路の管理に万全を期せられたい。
なお、記2の件については、警察庁との間で打合せずみなので、念のため申し添える。
おって、この旨、貴管下道路管理者にも周知徹底を図られたい。(都道府県知事あてのみ)

1 道路パトロール体制の強化

(1) 道路法第四二条の趣旨に則り道路の種類、交通実態、道路構造上の諸条件等を考慮して道路パトロール要領(以下「要領」という。)を策定すること。なお、すでに要領を策定している道路管理者については(2)の趣旨にそって再点検を行うこと。
(2) 要領の策定にあたっては、道路管理の現状及びその体制の実情に即して道路モニター制度の積極的な活用を図るほか、道路パトロール中に路上における交通上の障害物を発見した場合の措置、特に明らかに路上放置車両と認められるものについての所轄警察署への早急な排除方の要請等を具体的に定めること。

なお、昭和三七年八月二八日付け道路局長通達「道路の維持修繕等管理要領について」及び昭和四六年七月八日付け道路局長通達「道路管理の強化について」を参考にすること。

2 都道府県公安委員会との協調体制の確立

都道府県公安委員会と道路管理者とが相互に協力して交通の危険を防止するために都道府県公安委員会との協調体制について協議を行い、交通安全対策の確立を図ること。

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