都計発第一三六号・道環発第七号・住街発第七九号
昭和五五年一二月一八日

建設省都市局長・道路局長・住宅局長通達



幹線道路の沿道の整備に関する法律の施行について


標記については、昭和五五年一二月一八日付け建設省道環発第六号をもつて建設事務次官から通達されたが、さらに左記の事項に留意し、遺憾のないようされたい。
なお、貴管下関係機関に対しても、この旨周知徹底方取り計らわれたい。

1 沿道整備道路の指定について

(1) 沿道整備道路の指定は、その幹線道路としての機能を将来にわたつて確保する必要のある道路について、その沿道の計画的な整備を促進するため行うものであるので、道路の機能並びに沿道の土地利用の状況及び用途地域等の都市計画を十分考慮して行うこと。
(2) 新設又はバイパスの整備等の大規模な改築を行う道路については、基本的には道路構造により道路交通騒音対策を講ずるものであるが、その地域の土地利用及び地形の状況等により、道路構造による対策を講ずることが困難若しくは不適切な場合又は道路構造による対策のみでは必ずしも十分な対策となり得ない場合には、沿道整備道路の指定の対象となり得るものであること。
(3) 沿道整備道路の指定は、原則として二車線以上の道路について行うこと。
(4) 自動車の交通量若しくは道路交通騒音が現に指定基準を超えていない場合又は沿道に相当数の住居等が現に集合していない場合における沿道整備道路の指定は、おおむね五年後までに指定基準を超え、又は相当数の住居等が集合することが確実であると見込まれるときに行うこと。ただし、土地利用の将来の見通し等を勘案し、道路交通騒音により生ずる障害を未然に防止し、沿道の計画的な整備を図るため特に必要があると認められる場合には、この限りでないこと。
(5) 沿道整備道路の指定を行おうとするときは、あらかじめ関係陸運局長及び環境担当部局と協議し、自然保護にかかわりがある場合には、自然保護担当部局と協議するとともに、必要に応じ農林担当部局と意見調整を行うこと。また、市街化区域以外の区域における沿道整備道路の指定に当たつては、農業の振興に支障を及ぼさないよう配慮すること。
(6) 沿道整備道路の指定の承認申請書は、別添の様式により道路局路政課に提出すること。

2 沿道整備協議会について

(1) 沿道整備協議会の会議には、都道府県及び関係市町村の道路担当部局、都市担当部局、建築担当部局及び開発許可担当部局並びに環境担当部局のほか、原則として商工業担当部局及び農林水産関連企業担当部局並びに沿道の状況に応じ自然保護担当部局及び農林担当部局の職員が参加するものとすること。
(2) 沿道整備協議会において協議の対象となる事項は、沿道整備道路の整備に関すること、沿道整備の基本的方向に関すること、沿道整備促進のための施策の推進に関すること等であること。

3 沿道地区計画について

(1) 沿道地区計画に関する都市計画の決定について

1) 沿道地区計画の区域

(イ) 沿道地区計画の区域は、土地利用及び公共施設の現状及び将来の見通し等を勘案して、土地利用の一体性が確保されるよう適正な規模で定めること。この場合において、その奥行きは、沿道整備道路の道路交通騒音による環境影響に配慮しつつ、合理的な範囲とすること。
(ロ) 沿道地区計画の区域の境界、法第九条第五項の規定に基づき沿道地区計画の区域の一部について沿道地区整備計画を定めない場合における沿道地区整備計画の区域の境界及び2)(ロ)に該当する場合における区域内の細区分の境界は、原則として道路その他の施設、河川その他の地形、地物等土地の範囲を明示するのに適当なものにより定めることとし、これにより難い場合には、土地所有の状況、土地利用の現状及び将来の見通し、用途地域の指定状況、沿道地区計画において定めることとなる道路等の施設の配置等を勘案して、敷地境界線等によりできる限り整形となるように定めること。

2) 沿道の整備に関する方針の策定の基準

(イ) 沿道の整備に関する方針は、当該地区の整備に関する総合的な指針として定められ、さらに、沿道地区整備計画が定められ、また、これを踏まえて法第九条第六項の規定に基づく要請が行われることとなるので、当該区域の整備をどのように行い、どのような形態の市街地を形成しようとするかなどについて、関係権利者、住民等が容易に理解できるように定めること。
(ロ) 沿道の整備に関する方針は、次に掲げる事項を記載すること。

(i) 土地利用に関する方針
(ii) 道路交通騒音により生ずる障害の防止に関する方針

(ハ) 法第九条第五項の規定により特別の事情があるときは、沿道地区計画の区域の全部又は一部について沿道地区整備計画を定めることを要しないこととされているが「特別の事情があるとき」とは、沿道地区計画の区域が広い範囲にわたり、土地の所有者その他利害関係を有する者の意見調整に時間を要する等の場合であり、当該事情が解消した場合には、沿道地区整備計画を定めること。

3) 沿道地区計画策定の基本方針

(イ) 沿道地区計画の内容は、その制度の趣旨にかんがみ、少なくとも、間口率の最低限度、建築物の高さの最低限度及び建築物の構造に関する遮音上必要な制限から成る遮音の観点からの制限又は建築物の構造に関する防音上必要な制限を地域の実情に応じて定めることとするほか、新市街地においては道路の配置及び規模を定める等市街化の状況、公共施設の整備状況等地区の特性を考慮して、良好な都市環境の形成に資するため必要と認められる計画事項を定めるものとし、これらの計画事項については、土地利用の現状及び将来の見通し等を勘案して、適切な内容で定めること。
(ロ) 一の沿道地区計画の区域内において、道路交通騒音により生ずる障害の防止を図る観点から、又は当該区域内における適正かつ合理的な土地利用の促進を図る観点から必要がある場合には、一の計画事項を区域の一部について定め、又は区域を区分してそれぞれ異なる計画内容とすることができるものであること。
(ハ) 沿道地区計画に定めようとする内容のうち、市町村の条例で制限として定められることが見込まれる計画事項については、条例による制限にふさわしい内容となるように定めること。
(ニ) 沿道地区計画に関する都市計画を定めるに当たつて、地域地区、都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画の決定又は変更が必要となる場合には、当該決定又は変更を併せて行うこと。

4) 沿道地区整備計画を定める際の個別基準

沿道地区整備計画の内容として定める計画事項のうち、道路交通騒音により生ずる障害の防止又は軽減に直接に関連するものについては、次の基準により定めること、なお、その他の計画事項については、「都市計画法及び建築基準法の一部改正について」(昭和五六年一〇月六日付け建設省計民発第二九号、建設省都計発第一二二号、建設省住街発第七二号、建設省計画局長、建設省都市局長、建設省住宅局長通達。以下「昭和五六年通達」という。)記の四の(二)の(ハ)から(ホ)の基準を適用すること。この場合において、昭和五六年通達の当該部分について「地区施設」とあるのは「沿道地区施設」と、「地区計画」とあるのは「沿道地区計画」と、読み替えるものとすること
(イ) 間口率の最低限度

沿道整備道路の構造、当該区域における土地利用の現状及び将来の見通し、道路交通騒音の状況、敷地の規模、形状、方位等を総合的に勘案して、背後地の住民等に対して遮音上有効であるように定めるものとし、原則として一〇分の七以上に定めること。

(ロ) 建築物の高さの最低限度

沿道整備道路の構造、当該区域における土地利用の現状、及び将来の見通し、経済力、都市施設の整備状況、背後地の住居等に対する遮音効果等を総合的に勘案して定めること。
この場合において、沿道整備道路に接する敷地については、沿道整備道路に面して建築物の各部分の高さが沿道整備道路の路面の中心から少なくとも五mとなるように定めること。

(ハ) 建築物の構造に関する遮音上必要な制限

間口率の最低限度及び建築物の高さの最低限度を定める場合において、背後地の住居等に対して遮音上有効な構造となるよう定めること。

(ニ) 建築物の構造に関する防音上必要な制限

沿道整備道路の構造、道路交通騒音の状況等を勘案し、住宅、学校、病院その他の静穏を必要とする建築物について、開口部等が防音上有害な空隙が生じないものとする等防音上有効な構造となるように定めること。この場合において、窓及び出入口に設けられる戸は、ガラスの厚さ(当該戸が二重以上になつている場合には、それぞれのガラスの厚さの合計)が〇・五cm以上であるがガラス入りの金属性のもの又はこれと防音上同等以上の効果のあるものとして定めること。

(ホ) 建築物の用途の制限

商業その他幹線道路の沿道としての区域の特性にふさわしい業務の利便に貢献し、かつ、道路交通騒音より生ずる騒音による障害の防止が図られるよう配慮すること。

(ヘ) 緑地その他の緩衝空地の配置及び規模

沿道整備道路の構造、当該区域及びその周辺の地域における土地利用の現状及び将来の見通し、道路交通騒音の状況、敷地の規模、形状等を総合的に勘案して、適切な配置及び規模で定めること。

5) その他の留意事項

以上のほか、沿道地区計画に関する都市計画を定めるに当たつては、次の諸点に留意すること。
(イ) 沿道整備道路に接続する地域であつても、工場立地法(昭和三四年法律第二四号)第六条第一項に規定する特定工場が立地している地区、石油パイプライン事業用施設、駅舎等の鉄道・軌道施設、自動車ターミナル施設、道路運送法による一般自動車道、一般乗合旅客自動車運送事業等の用に供する施設等が相当範囲にわたつて存する区域等その背後地に道路交通騒音により生ずる障害が発生しないと認められる地区については、原則として沿道地区計画の区域に含めないものとすること。
(ロ) 当該区域において、工場立地法第四条第一項の工場立地に関する準則又は高圧ガス取締法(昭和二六年法律第二〇四号)、火薬類取締法(昭和二五年法律第一四九号)、石油コンビナート等災害防止法(昭和五〇年法律第八四号)、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四二年法律第一四九号)若しくは鉱山保安法(昭和二四年法律第七〇号)の規制を受ける建築物等が存する場合にあつては、これらの準則等との整合性を保つようにすること。
(ハ) 学校その他の公益上必要な施設及びガソリンスタンド、LPGスタンド、軽油スタンド等のようにその配置、形状等が特殊なものについては、その新築、改築又は増築に支障をきたさないようにすること。
(ニ) 沿道商工業者の経済力、店舗等の新設、改造計画に配慮するとともに、当該区域において商店街整備計画、店舗共同化計画等中小小売、サービス業振興のための諸施策が講じられ、又は講じられようとしている場合には、これらの諸施策との整合性を保つようにすること。
(ホ) 市街化区域以外の区域における沿道地区計画の策定に当たつては、農業の振興に支障を及ぼさないよう配慮すること。
(ヘ) 市町村の都市計画担当部局は、計画策定に当たつては、あらかじめ、環境担当部局、商工業担当部局及び農林水産関連企業担当部局並びに当該区域が港湾区域、臨港地区又は港湾隣接地域に係る場合には港湾管理者と協議することとし、また、都道府県の都市計画担当部局は、承認に当たつては、あらかじめ、環境担当部局、商工業担当部局及び農林水産関連企業担当部局と協議するとともに、市街化調整区域又は用途地域が定められていない地域において策定する場合には農林担当部局と意見調整を行うこと。

(2) 沿道地区計画の区域内における行為の規制について

1) 開発許可を要する行為については届出を不要とし、開発許可基準の一として取り扱うこととされているので、開発許可担当部局と緊密な連絡調整を図ること。
2) 届出が義務付けられる行為のうち、建築物等の新築、改築若しくは増築又は用途の変更については、幹線道路の沿道の整備に関する法律施行令(昭和五五年政令第二七三号)第一〇条第二号の規定に該当する場合のほかは、通常、届出と建築確認申請の双方の手続を要することとなるので、煩雑な手続とならないよう事務の簡素化及び迅速化に特に配意すること。なお、この法律において「建築物」とは、建築基準法(昭和二五年法律第二〇一号)第二条第一号に定める建築物をいうものであること。
3) 届出が義務付けられる行為は、土地の区画形質の変更及び建築物等の新築、改築又は増築のほか、沿道地区計画に定められた内容によつて、建築物等の用途の変更、建築物等の形態若しくは意匠の変更又は木竹の伐採がその対象となるので、沿道地区計画の案の作成段階からこの旨周知させること。
4) 勧告事務の運用に当たつては、地域の実情、建築物等の利用上の必要性等をも総合的に勘案し、過大な負担を課することとならないよう配慮するとともに、勧告を行う時期についても当該届出に係る行為が他の法令による許可、認可等を要するものである場合には、これらの手続の進行状況に留意し、適切な時期に行うこと。なお、木竹の伐採の届出に対し、勧告を行おうとする場合において当該届出に係る行為が森林法(昭和二六年法律第二四九号)の地域森林計画で定められた森林に係るものであるときは、事前に都道府県林務担当部局と連絡調整をすること。

4 沿道整備促進のための施策について

(1) 沿道地区計画の区域内において道路交通騒音により生ずる障害の防止と沿道の計画的な整備を促進するためには、市町村が土地を取得し、これが公共施設又は公用施設に関する事業、市街地開発事業、緩衝建築物に関する事業等の用に供されることにより幹線道路の沿道にふさわしい土地利用への転換を図つていくことが有効かつ適切であるので、国の無利子資金を積極的に活用して土地の買入れを推進すること。なお、国からの無利子資金の貸付けについては、別途「沿道整備資金貸付要領(仮称)」を通知する予定であること。
(2) 道路管理者による緩衝建築物の建築費等の負担は、緩衝建築物の建築により得られる遮音上の効用に着目し、緩衝建築物で沿道整備計画の実現に資するものの建築の促進を図る観点から行われるものであるので、この趣旨にかんがみ、積極的にこの制度の活用が図られるよう努めること。なお、この制度の運用については、別途通知する予定であること。
(3) この法律による防音工事の助成措置は、今後新たに建築される建築物について防音構造とすることが義務付けられている区域内に限り講ずることが適切であることにかんがみ、その区域内に存する既存建築物のみを対象として講ずるものとされたものであること。なお、別途「防音工事助成要綱(仮称)」を通知する予定であること。

5 沿道整備計画の区域内において市町村が定める条例による制限について

(1) 建築基準法第六八条の二第一項の規定に基づく条例(以下「条例」という。)による制限は、建築基準法上の制限が建築物の敷地、構造等に関する最低の基準であることにかんがみ、沿道地区計画の内容のうち特に重要な事項について合理的に必要と認められる最小限度のものとするとともに、当該制限への個別の建築物の計画の適合又は不適合が一義的に判断されるように明確なものとすること。なお、沿道地区計画が道路交通騒音により生ずる障害の防止と適正かつ合理的な土地利用が図られるよう定められることにかんがみ、沿道地区計画の区域内において条例で制限として定めることができる「特に重要な事項」には、主として、間口率の最低限度、建築物の高さの最低限度、建築物の構造に関する遮音上必要な制限及び建築物の構造に関する防音上必要な制限が該当するものであること。
(2) 条例で制限として定めることができる事項は、道路交通騒音により生ずる障害の防止又は軽減の目的に直接関連するものであるが、これらは、当該目的を達成する上で相互に密接な関連を有するものであるので、土地利用の現状及び将来の見通し、既存建築物の状況、道路交通騒音の背後地への影響の軽減の必要性等を十分勘案して必要なものを定めること。なお、条例による制限は、沿道地区計画の内容として定められたもののうちから定められるものであるので、条例で制限として定められることが見込まれる計画事項については、その内容について都市計画担当部局と緊密な調整を図ること。
(3) 建築物の構造に関する防音上必要な制限を定める場合には、当該制限は、静穏を必要とする建築物で、防音上有効な構造とする必要があるものが現に存する土地の区域又は将来存することとなる土地の区域について、防音工事助成の制度をも十分勘案して、必要最小限の範囲内で定めること。この場合において、「静穏を必要とする建築物」の種類は明確に定めること。
(4) 建築基準法施行令(昭和二五年政令第三三八号)第一三六条の二の二第六項に規定する例外許可のうち、建築物の位置、構造、用途等の特殊性により防音上支障がない場合における例外許可は、建築物内部に対する道路交通騒音の影響の程度を個別に判断した上で、防音構造を義務付けなくても静穏が保たれると認めた場合に限り行うこと。
(5) 建築基準法施行令第一三六条の二の二第三項第三号に規定する「遮音上有効な構造」とは、建築物の構造に関する遮音上必要な制限が間口率の最低限度及び高さの最低限度に関する制限と相まつて道路交通騒音の背後地への影響を軽減するため建築物がいわゆるピロティ等の構造となることを禁止しようとするものであることにかんがみ、その敷地が沿道整備道路に接する建築物の間口率の最低限度及び高さの最低限度により規定される部分が背後地と沿道整備道路との間を遮へいして道路交通騒音により生ずる障害を防止し、又は軽減する構造をいうものであること。したがつて、ピロティ等の構造であつても更に壁等により背後地と沿道整備道路の間が遮へいされているものや、窓、通風口等の開口部を有していてもそれらが小規模であること等により遮音上支障がないものはこれに該当するものであること。
(6) 建築基準法施行令第一三六条の二の二第三項第四号イに例示されている防音構造は、〇・五cm以上の厚さのガラスをはめたいわゆる気密型のサッシュがこれに該当するものであり、「防音上同等以上の効果のあるもの」とは、例えば出入口に設ける金属製の戸等によりこれと同等程度以上の防音性能を有するものが該当するものであること。
(7) 建築基準法施行令第一三六条の二の二第三項第四号ロに規定する「防音上効果のある措置」とは、例えば換気扇を開閉装置付のものにする等道路交通騒音が直接建築物内に達することを防ごうとするものであり、燃焼器、ガス消費機器等に直接接続された排気筒又は給気筒は、開閉装置を設けるまでもなく防音上効果のある措置を講じたものに該当するほか、屋根裏、床下等に設ける小規模な自然換気のための排気口等は、防音上特に支障がある場合を除き開閉装置を設ける必要はないものであること。
(8) 建築基準法施行令第一三六条の二の二第三項第四号ハに規定する「防音上支障がない構造のもの」とは、鉄筋コンクリート造等の密実な屋根又は壁はこれに該当するものであるほか、住居等において一般に採用されているもののうち相当程度遮音効果のあるもの、例えば壁についてはラスボード下地のモルタル塗又はプラスター塗その他これに類するものを外装又は内装のいずれかに用いているものなどがこれに該当するものであること。
(9) 沿道地区計画の区域内において建築行為を行う場合には、幹線道路の沿道の整備に関する法律施行令第一〇条第二号の規定に該当する場合を除き、建築確認申請と届出を行わなければならないのが一般であり、特に条例で制限を定める場合には同一の事項について双方の手続で適合性を審査することとなるので、担当者間において密接な連絡をとりつつ、適切かつ迅速な事務処理が図られるよう特に留意すること。
(10) 条例の制定は市町村が行い、その運用には建築主事及び特定行政庁も当たることとされていることにかんがみ、当該市町村において建築主事を設置する等の措置により建築行政の一貫性が図られるよう配慮すること。
(11) 以上のほか、条例の制定又は運用に当たつては、次の諸点に留意すること。

(イ) 学校、派出所、駐在所、郵便局、日本電信電話株式会社又は国際電信電話株式会社が公衆電気通信事業の用に供する建築物、駅舎等の鉄道・軌道施設、自動車ターミナルビル、流通機構上重要と認められる営業倉庫、上屋等であつて公益上必要な施設については、沿道地区計画の趣旨をも考慮しつつ、それぞれの業務に支障を生ずることがないよう、条例の制定に当たつて制限の適用の対象外とすることを含め十分な配慮を行うとともに、また、これらの施設のうち用途上又は構造上やむを得ないと認められるものについては、建築基準法施行令第一三六条の二の二第六項に規定する例外許可による適用除外を行うことにより対処すること。
(ロ) 工場立地法第六条第一項に規定する特定工場が立地している地区は、原則として沿道地区計画の区域に含められないことにかんがみ、条例による制限を定めようとする場合も、この沿道地区計画の内容を限度として、大規模な工場等その敷地の規模、形状及び利用状況等を総合的に勘案して行うこと。

また、条例による制限が定められた場合であつても、敷地の規模、形状及び利用状況等(遮音壁を含む。)を総合的に勘案して遮音上支障がないときは、「建築物の位置、構造、用途等の特殊性により防音上又は遮音上支障がない」ものとして建築基準法施行令第一三六条の二の二第六項に規定する例外許可の対象となりうること。

(ハ) ガソリンスタンド、LPGスタンド及び軽油スタンド等のようにその配置、形状等が特殊なものについては、沿道地区計画の案の作成に当たつては、これらの事業場の新築、改築又は増築に支障をきたさないよう対処することとされており、条例による制限はこの沿道地区計画の内容を限度として定めること。

6 その他

(1) 道路管理者は、沿道整備道路の指定、沿道整備協議会の運営、沿道地区計画の策定、条例の制定等について、調査、資料の提供その他必要な協力を行うこと。
(2) 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五五年法律第三四号)第六条の規定により二以上の道路が沿道整備道路として指定された場合における同法による費用負担その他の措置については、これらの道路の道路管理者が相互に協議して定めること。


〔様式〕略


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