建設省所管補助金等交付規則(昭和三三年建設省令第一六号)第五条第二項第二号の規定に基く補助条件(以下単に「補助条件」という。)の運用については、左記のとおり取り扱うこととしたので、貴管下関係市町村長にも周知徹底のうえ、遺憾のないように取り計らわれたい。
なお、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法施行令(昭和二六年政令第一〇七号)第一〇条の規定に適用される残存物件等については、補助条件が適用されないので念のため申し添える。
1 対象となる物件の範囲
(1) 補助条件の対象となる物件は、補助事業等(以下単に「補助事業」という。)により取得した機械、器具、仮設物その他の備品(以下「備品」という。)及び材料で、当該補助事業完了の際残存しているものをいうものとする。
(2) 前号にいう備品とは、原型のまま比較的長期の反覆使用に耐える物品で、取得単価二〇、〇〇〇円以上のものをいうものとする。
(3) セメント空袋、アスファルト空缶等補助事業の施行により附随的に発生した物件については、別途指示するところによるものとし、補助条件の対象から除外する。
2 補助金等の返還
(1) 補助事業の完了の際物件が残存するときは、3により継続使用する場合を除き、当該物件の残存価額に当該補助事業に係る国の補助率又は負担率を乗じて得た額を返還すべきものとする。
(2) 物件を継続使用した場合(以後継続使用しない場合に限る。)において、当該継続使用に係る補助事業完了の際物件が残存するときは、継続使用に係る補助事業完了の際の当該物件の残存価額にその物件を取得した補助事業に係る国の補助率又は負担率を乗じて得た額を返還すべきものとする。
(3) 前二号による返還金は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第七条第二項の規定による条件に基づく納付金として取り扱うものとする。
(4) 物件を二以上の補助事業の経費で共同して取得した場合においては、当該物件の残存価額は、各補助事業の分担した費用の割合に応じて按分するものとする。
(5) 残存価額は、備品については、取得価額に別表第1に定める残存価額率を乗じて得た額とし、材料については、取得価額とする。この場合において備品の使用期間が別表第2に定める耐用年数を満了した場合においては、取得価額の一〇%相当額を撤去費又は処分費とみなして、残存価額と相殺するものとする。
(6) 取得価額は、原則として現場渡価額とするが、輸送費又は据付費が別に計上されている場合においては、これらの費用を控除したものとする。
(7) 備品で、その使用期間が耐用年数に満たないものについては、建設大臣がやむを得ないものと認めた場合に限り、残存価額から撤去費又は処分費を控除することができるものとする。
3 継続使用
(1) 備品で、その使用期間が耐用年数に満たないもの及び材料を継続して使用しようとするときは、原則として各年度ごとに、建設大臣の承認を受けなければならないものとする。ただし、備品のうち、耐用年数一年以下のもの、取得価額五〇万円未満のもの又は残存価額が十万円未満となったものについては、あらかじめ建設大臣の承認があったものとする。
(2) 継続使用が認められるのは、同種の他の補助事業に限られているが、同種の補助事業とは、当該物件を取得した補助事業に交付された補助金と建設本省における主管局が同一である補助金に係る補助事業で、補助事業者が同一のものをいうものとする。
(3) 二以上の補助事業の経費で共同して取得した物件は、当該共同取得に係る各補助事業のいずれについても同種である補助事業において継続使用し得るほか、当該共同取得に係る各補助事業のそれぞれについて同種である補助事業の間において共同して継続使用することができるものとする。
4 備品の使用期間の計算方法
(1) 当該備品を取得した日の属する月から、補助事業(継続使用の場合にあっては、継続使用に係る最終の補助事業)の完了した日の属する月(精算事務処理の必要な備品については、当該補助事業に係る完了実績報告書を作成した日の属する月)までの経過月数によるものとする。
(2) 補助事業により中古品を取得した場合においては、建設大臣がやむを得ないものと認めたときに限り、取得前の既経過期間を使用期間に加算することができるものとする。
5 物件の滅失又は毀損の場合の措置
(1) 補助事業により取得した物件が、備品についてはその使用期間が耐用年数を満了する以前に、材料については補助事業に使用される以前に、滅失(売却又は他の工事等への転用による事業現場からの搬出を含む。以下同じ。)し、又は毀損した場合においては、当該滅失又は毀損がなかったものとして取り扱う。この場合において、物件が滅失し、又は毀損により使用が不可能となったときは、補助事業者の負担において代るべき物件を補充する場合を除き補助金の返還を行うこととなるが、その際の備品の使用期間は、当該滅失又は使用不可能となった日の属する月までとして算出するものとする。
(2) 前号の場合において、当該滅失又は毀損が、天災地変その他補助事業者の責に帰することのできない事由によるものであるときは、建設大臣は、備品についてはその使用期間が耐用年数を満了したものとみなし、材料については補助事業に使用されたものとみなすことができるものとする。
6 その他
(1) 備品で、その使用期間が耐用年数を満了したのち、なお使用可能なものについては、なるべく当該物件を取得した補助事業と同種の他の補助事業に継続使用するものとすること。
(2) 建設大臣は、特別の事情によりこの通達により難いと認める物件については、残存価額を時価により修正し、又は使用期間の計算方法若しくは同種の補助事業の範囲に関し、特例を設けることができる。
(3) この通達の実施の細目については、各主管局ごとに別に定める。
(4) この通達は、昭和三三年度分の予算に係る補助事業から適用する。