鉄総第七四号・建設省道政発第三四号
平成八年三月一日

各都道府県知事あて

運輸省鉄道局長、建設省道路局長通達


軌道法等に係る審査基準及び標準処理期間について

標記については、「行政手続法の施行について」(平成六年九月三〇日付鉄総第五九五号)及び「軌道法及び軌道ノ抵当ニ関スル法律に基づく許認可等に係る審査基準及び標準処理期間について」(平成六年九月三〇日付建設省道政発第五一号)により、それぞれ地方運輸局長、都道府県土木部長宛に、軌道法等に係る審査基準及び標準処理期間を示していたところであるが、今後一層の行政手続の透明化を図るため、これらの基準等について見直しを行い、別添の通り整理したので、今後はこれに従い法令の運用を行うこととされたい。
従って、本通達の施行に伴い、以下の通達を廃止する。

・ 「行政手続法の施行について」(平成六年九月三〇日付鉄総第五九五号)
・ 「軌道法及び軌道ノ抵当ニ関スル法律に基づく許認可等に係る審査基準及び標準処理期間について」(平成六年九月三〇日付建設省道政発第五一号)

また、各都道府県知事におかれては、本通達に掲げる許認可等のうち、都道府県知事を経由して申請すべきものとされているものの申請書(軌道事業の特許、工事施行の認可及び起業目論見書の記載事項の変更の認可に係るものを除く。)を受理したときは、七日〜一四日以内に運輸大臣及び建設大臣に進達するよう努められたい。
なお、この期間は、本通達に定める標準処理期間の内数とする。
当該審査基準等については、行政手続法の趣旨を踏まえ公にするものとし、軌道経営者に対し、十分周知を図られたい。
(備考)

1 別添において、以下の左に掲げる法令は、それぞれ右に掲げる各法令を指すものとする。

軌道法 軌道法(大正一〇年法律第七六号)
軌道法施行令 軌道法施行令(昭和二八年政令第二五八号)
軌道法施行規則 軌道法施行規則(大正一二年内務・鉄道省令)
軌道建設規程 軌道建設規程(大正一二年内務・鉄道省令)
無軌条電車建設規則 無軌条電車建設規則(昭和二五年運輸省・建設省令第一号)
軌道運転規則 軌道運転規則(昭和二九年運輸省令第二二号)
無軌条電車運転規則 無軌条電車運転規則(昭和二五年運輸省令第九二号)
軌道ノ抵当ニ関スル法律 軌道ノ抵当ニ関スル法律(明治四二年法律第二八号)

2 表中の審査基準の欄の〔   〕は審査の基準が既に法令等で明確になっているもので主なものを挙げた。

〔軌道法〕

事項名
条項
審査基準
標準処理期間
軌道事業の特許
第三条
1 その事業の開始が交通体系全体の観点から、輸送需要に対し適切なものであること。

具体的には、軌道事業の特許を申請した路線において軌道経営を行うことが、その路線において発生する輸送需要に照らし、公共の福祉の増進の観点から適切なものであるかどうかについて審査を行う。

2 その事業の供給輸送力が輸送需要量に対し不均衡とならないものであること。

具体的には、次のような観点から審査を行う。
1) 特許を申請した軌道事業の供給輸送力が過大となり、健全な事業経営の基盤が損なわれ、安定的かつ継続的な輸送サービスを提供することができなくなるおそれがないかどうか。
2) 特許を申請した軌道事業の供給輸送力が過少となり、輸送需要に対応した運送を行うことができなくなるおそれがないかどうか。

八箇月
(ただし本省での標準処理期間は二箇月〜五箇月)
 
 
3 その起業目論見書等が経営上及び輸送の安全上適切なものであること。

具体的には、申請された起業目論見書等が、軌道事業の安定的かつ継続的な経営を行う上で適切なものであるかどうか及び輸送の安全を確保する上で適切なものであるかどうかについて審査を行う。

4 その事業を自ら的確に遂行するに足る能力を有するものであること。

具体的には、資金調達・償還能力、経営管理能力、技術的能力等を総合的に勘案し、適正かつ円滑に軌道事業を遂行するだけの能力を有するかどうかについて審査を行う。

5 その事業の路線において軌道経営を行うことが道路管理上及び他の諸計画との関連において適切であること。

具体的には、次のような観点から審査を行う。

 
 
 

1) 申請した路線が都市計画と整合が図られており適切なものであること。
2) 申請した路線においての軌道事業が、道路管理上支障を及ぼさないこと。
3) 申請した路線が、周辺の道路計画、地下利用計画に支障を及ぼさないこと。

6 その他事業の開始が公益上必要であり、かつ、適切なものであること。

具体的には、特許申請の内容に応じ、1〜5以外に必要と考えられる点について審査を行う。

 
工事施行の認可
第五条第一項
〔軌道建設規程、軌道運転規則、無軌条電車建設規則、無軌条電車運転規則〕
及び
・ 地下鉄道の火災対策の基準について(昭和五〇年一月三〇日付鉄総第四九号の二、昭和五〇年一月三〇日付建設省道改発第一一号)
・ 地下鉄道の火災対策の基準の取扱いについて(昭和五〇年二月一四日付鉄土第九号、昭和五〇年二月一四日付建設省道政発第一七号)
一〇箇月(ただし本省での標準処理期間は五箇月)
工事施行の認可の申請期間の伸長の決定
第五条第二項

工事施行の認可を申請すべき期限内に申請ができないことにつき、その理由が正当であると認められるものであるかということ。

一箇月
工事着手、竣工期限の延伸の決定
第七条第二項(第五条第二項準用)
(法文上に明記)
二箇月
運賃及び料金の設定の認可
第一一条第一項
1 能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むものであること。

具体的には、運賃・料金が、効率的かつ合理的に鉄道事業を経営した場合における適正な原価に公正妥当な利潤を加えたものを回収し得るような水準であること。

2 特定の旅客又は荷主に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

具体的には、運賃及び料金がさまざまな利用者に対し、あまねく公平に設定されていること。

3 旅客又は貨物の運賃及び料金を負担する能力にかんがみ、旅客又は荷主が当該事業を利用することを困難にするおそれがないものであること。

具体的には、利用者利便の保護・確保の観点から、運賃及び料金が利用者の負担能力を考慮したものであること。

4 他の鉄道及び軌道事業者との間に不当な競争を引きおこすこととなるおそれがないものであること。

具体的には、運賃及び料金が競合路線を有する鉄道及び軌道事業者との競争のため、不当に安くなっていないこと。

一箇月〜四箇月
特許に係る権利義務の譲渡の許可
第一五条

軌道法第三条に規定する軌道事業の特許に係る審査基準に準ずるものとする。

二箇月
軌道の譲渡又は事業の管理の受委託の認可
第一六条第一項

軌道法第三条に規定する軌道事業の特許に係る審査基準に準ずるものとする。

二箇月
運転の管理の受委託の許可
第一六条第一項
1 その事業を継続して運営するために必要であること。
2 受託者が当該業務の管理を行うのに適している者であること。
二箇月
軌道会社の合併の認可
第二二条

軌道法第三条に規定する軌道事業の特許に係る審査基準に準ずるものとする。

二箇月
事業の相続の認可
第二六条

軌道法第三条に規定する軌道事業の特許に係る審査基準に準ずるものとする。

 
事業の休廃止の許可
第二六条

当該休止または廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認められないこと。
具体的には、当該線区の輸送量の動向、代替交通機関の整備の状況等についての十分な調査によって審査を行う。

休止は一箇月
廃止は二箇月
解散決議の許可
第二六条

軌道法第二六条に規定する軌道事業の休廃止の許可に係る審査基準に準ずるものとする。

二箇月

〔軌道ノ抵当ニ関する法律〕

事項名
条項
審査基準
標準処理期間
軌道財団設定の認可
第一条
1 当該軌道の担保に供された部分のみで独立して営業しうる規模を有するものであること。
2 当該軌道財団の組成物件が所有権以外の物権の目的となっていない等、軌道財団の組織が適正であること。
二箇月
軌道財団の拡張、分割又は合併の認可
第一条

軌道ノ抵当ニ関スル法律第一条に規定する軌道財団の設定の認可に係る審査基準に準ずるものとする。

拡張については二箇月
分割、合併は一〇日
競落の許可
第一条

軌道法第一六条第一項に規定する軌道の譲渡の許可に係る審査基準に準ずるものとする。

 

〔軌道法施行令〕

事項名
条項
審査基準
標準処理期間
起業目論見書の記載事項の変更の認可
第四条第一項

軌道法第三条に規定する軌道事業の特許に係る審査基準に準ずるものとする。

四箇月 (ただし本省での標準処理期間は一箇月〜二箇月)
線路又は工事方法書の記載事項の変更の認可
第六条第一項
〔軌道建設規程、軌道運転規則、無軌条電車建設規則、無軌条電車運転規則〕
及び
・ 地下鉄道の火災対策の基準について(昭和五〇年一月三〇日付鉄総第四九号の二、昭和五〇年一月三〇日付建設省道政発第一一号)
・ 地下鉄道の火災対策の基準の取扱いについて(昭和五〇年二月一四日付鉄土第九号、昭和五〇年二月一四日付建設省道政発第一七号)
四箇月
運転開始認可の承認前の検査
第一三条第二項
〔軌道建設規程、軌道運転規則、無軌条電車建設規則、無軌条電車運転規則〕
及び
・ 地下鉄道の火災対策の基準について(昭和五〇年一月三〇日付鉄総第四九号の二、昭和五〇年一月三〇日付建設省道政発第一一号)
・ 地下鉄道の火災対策の基準の取扱いについて(昭和五〇年二月一四日付鉄土第九号、昭和五〇年二月一四日付建設省道政発第一七号)
一箇月

〔軌道法施行規則〕

事項名
条項
審査基準
標準処理期間
車両の設計の認可
第一三条ノ二
(法文上に明記)
四箇月
運賃・料金変更の認可
第二二条第一項

軌道法第一一条第一項に規定する運賃および料金の設定の認可に係る審査基準に準ずるものとする。

一箇月〜四箇月

〔軌道運転規則〕

事項名
条項
審査基準
標準処理期間
併用軌道の例外許可
第二条第一項前段
1 規定によることのできない理由が、規定の目的および背景に照らし合理的なものであること。
2 規定に適合する場合と同等の安全が確保される措置が講じられること。
四箇月
併用軌道の例外許可の変更許可
第二条第一項後段
1 規定によることのできない理由が、規定の目的および背景に照らし合理的なものであること。
2 規定に適合する場合と同等の安全が確保される措置が講じられること。
四箇月
新設軌道の特別の取扱いの可
第三条第一項(鉄道運転規則第五条第一項準用)
1 規定によることのできない理由が、規定の目的および背景に照らし合理的なものであること。
2 規定に適合する場合と同等の安全が確保される措置が講じられること。
四箇月


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