道路の管理に当たっては、従来より、道路周辺における生活環境の保全に努められているところであるが、振動規制法(昭和五一年法律第六四号。以下「法」という。)が昭和五一年一二月一日から施行され、法第一六条の規定に基づき、事務の委任を受けている市町村長が、道路管理者に対し道路交通振動の防止のための舗装、維持又は修繕の措置を執るべきことを要請した場合において、当該道路管理者が道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、これらの措置を執るものとすることとされたので、今後左記事項に留意し、その運用に遺憾なきを期せられたい。
なお、この件については、警察庁及び環境庁と打合せ済みであること、また、法の施行に伴い別添「振動規制法の施行について」(昭和五一年一二月一日環大特第一五四号。以下「環境事務次官通達」という。)が通達されたことを念のため申し添える。
1 特定の既設幹線道路に係る道路交通振動の限度について
振動規制法施行規則(昭和五一年総理府令第五八号)第一二条ただし書により、特定の既設幹線道路の区間の全部又は一部における夜間の第一種区域の限度は、夜間の第二種区域の値とすることができることとされ、この取扱いについては環境事務次官通達第5の3の(3)及び(4)に示された通りであるが、本規定は既設幹線道路の我が国の社会経済に占める機能を考慮して定められたものであり、道路管理者としては、既設の一般国道又は主要地方道については、事前に交通量、当該道路及びその周辺における地質の状態等を十分に把握し、都道府県知事及び都道府県公安委員会と協議、調整し、本規定の趣旨に沿い適切な限度が定められるよう努めること。
2 道路管理者に対する要請事項について
法第一六条において、道路管理者に対する要請事項として「舗装、維持又は修繕」が定められたのは、要請の内容を道路交通振動を防止するために道路管理者が通常執りうる措置とすることとされたためであり、この場合において、舗装、維持又は修繕とは、未舗装道路の舗装、路面整正、路面被覆、段差部分の摺り合せ、舗装の打換え等を行うことであること。
3 道路管理者に対する要請があった場合の処理方法について法第一六条第一項の規定に基づき、市町村長から道路管理者に対して、舗装、維持又は修繕の措置を執るべきことの要請があった場合には、当該道路管理者は、速やかに、当該要請に係る区間において、道路交通振動の測定並びに路面の状態及び交通量の調査等を行い、道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、舗装、維持又は修繕の措置のうち最も適切なものを執ること。この場合において、道路交通法(昭和三五年法律第一〇五号)の規定による都道府県公安委員会の措置との調整を図る必要があるので、都道府県公安委員会と密接な連絡を図り適切な措置を講ずるよう努めること。
4 道路の占用について
道路の占用に関しては、車道上に設置されるマンホール等により生ずる段差又は道路占用工事に係る仮復旧区間における路面の凹凸等は、道路交通振動の要因となる場合もありうるので、占用者に対する指導その他占用事務の処理に当たっては、道路交通振動の防止又は軽減を図るよう努めること。