都道府県知事あて
記
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(別紙) 第一〇回国会衆議院建設委員会議録
(昭和二六年五月一五日)抜すい
第一〇回国会参議院建設委員会議録
(昭和二六年五月二四日)抜すい
○田中(角)委員 ただいま議題となりました公営住宅法案につきまして、提案の理由、及び要旨について御説明申し上げたいと思います。
(中略)
第一四条は、事業主体が公営住宅の入居者に対して不当な金品を賦課することを禁止した条文でありまして、公営住宅に入居する場合に、事業主体が特別な反対給付を受けて、特定人に優先入居を認めたりすることのないよう、その住民に対して平等に入居の機会を与えるために規定した次第であります。但し敷金については、慣行上広く行なわれておりますし、家賃の不払いの場合や、住宅を毀損した場合の担保となるものでありますので、これを徴収し得ることとしたのであります。なお、公営住宅の家賃不払いの場合には敷金を債務に充当するほか、地方自治法第二二五条による滞納処分をなし得ることはもちろんであります。
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(写) (昭和二六年一〇月二四日)
(/法務府/法意一/発第六七号)
法務府法制意見第一局長
札幌市長 殿
公営住宅法の家賃の性質について
八月一四日付 札庶第一七八八号をもって照会に係る標記の件について左のとおり、意見を回答する。
一 問題
公営住宅法第一二条及び第一三条等にいう「家賃」について滞納がある場合に、地方自治法第二二五条の規定する強制徴収手続を適用することができるか。
二 意見
お尋ねの点は、消極に解する。
三 理由
私経済的役務に対する反対給付は、地方自治法第二二〇条にいう「手数料」に包含されないのであり、従って、その滞納に対しては同法第二二五条の規定する強制徴収手続が適用されないことは、別添法務府法意一発第五二号「都道府県知事の行なう家畜人工授精講習会の受講料について」において述べたとおりであるが、右の理はいわゆる使用料についても、同様であって、私法上の使用料については、同法第二二五条の規定は、適用されないものと解すべきである。
お示しの家賃は、公営住宅の使用に対する反対給付である意味において、いわゆる使用料の概念に包含されるものであるが、その法律上の性質からいえば、私法上の使用料であるといわざるを得ない。けだし、公営住宅は、国民生活の安定と社会福祉の増進のために設けられるのであり(公営住宅法第一条参照)、その意味において、公営住宅の設置ないし維持管理に公益的目的の存することを否定するものではないけれども、その使用及びその反対給付たる家賃に関する法律関係は、通常の私人間に行なわれる借家契約に関するそれとなんら性質を異にする点はないのであって、お示しの家賃を公法上の使用料と解すべき根拠は全くないからである。
従って、公営住宅の家賃の滞納については、地方自治法第二二五条の規定する強制徴収手続を適用すべきではないと解する。
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