

住総発第七号
昭和五〇年一月一七日
住宅局長通達
公営住宅家賃収入補助金交付要領
第1 目的
この要領は、公営住宅の入居者の家賃負担の軽減を図るため、国が公営住宅法の一部を改正する法律(平成八年法律第五五号)附則第四項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の公営住宅法(以下「旧法」という。)第一二条の二第一項の規定に基づき事業主体に交付する家賃収入補助金に関し、必要な事項を定めることにより、当該補助金の交付に係る事務の適正な執行を図ることを目的とする。
第2 補助基本額
補助基本額は、次の各項に定めるところにより算定する。
1 補助基本額の積算基礎となる費用
(1) 補助基本額の積算基礎となる費用は、昭和四四年度以降の各年度の予算による補助又は無利子貸付を受けて建設された公営住宅(昭和四三年度からの継続事業によるものを除く。以下「補助基本額の積算基礎となる公営住宅」という。)に係る土地の取得造成費(借地権の取得費を含む。以下同じ。)とする。
(2) 前号の土地には、昭和四四年度以降の各年度に取得造成(借地権の取得を含む。以下同じ。)を行ったもののほか、昭和二六年七月一日以降昭和四三年度末までに取得造成を行ったもので、当該取得造成について法による補助を受けていないものを含む。
(3) 第一号の土地の取得造成費の範囲は、次のとおりとする。ただし、旧法第八条第三項の規定により公営住宅の建設に係る公営住宅等を建設するための宅地の復旧に要する費用について国から補助を受けたときは、当該費用を除くものとする。
ア 用地買収費又は借地権の取得費
イ 補償費
ウ 盛土、切土、土留、擁壁設置等の宅地造成費
エ 建替事業の施工に伴う現に存する公営住宅及び共同施設の除却費
オ 取付け道路、給水施設、排水施設等でそれぞれの管理を他に移管する部分の工事に要する費用又はこれらの工事の負担金
カ 電気工事又はガス工事の負担金
キ 過年度に取得造成を行った土地については、前各号に掲げる費用の合計額に対する年六分の利息相当額
2 補助基本額の積算基礎となる期間
補助基本額の積算基礎となる期間は、月をもって算定することとし、当該公営住宅についての入居契約による入居可能日(家賃徴収の始期となる日)が月の初日である場合はその月から、その日が月の初日以外の日である場合は翌月から年度末までの期間とする。ただし、年度の途中において当該公営住宅の滅失等その管理が終了した場合においては、その終了の日が月の初日である場合はその前月まで、その日が月の初日以外の日であるときはその日の属する月までの期間とする。
3 補助基本額の算定
補助基本額は、次の算式により算定する。
(1) 当該土地に係る次の表の左欄の費用×同表の左欄の区分に応ずる右欄の率×第1種公営住宅であった住宅については2分の1、第2種公営住宅であった住宅については3分の2(公営住宅法の一部を改正する法律(平成8年法律第55号)による改正前の激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号)第22条第1項の規定により国の補助を受けて建設された住宅については、最初の5年間は4分の3)×12分の1×補助基本額の積算基礎となる期間の月数
土地の取得造成費
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率
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所有権の取得費及び造成費(借地権を取得したときは造成費のみ)
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一〇〇分の六
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借地権の取得費
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耐火構造の住宅を建設する場合
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一〇〇分の六・〇九八
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準耐火構造の住宅を建設する場合
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一〇〇分の六・四五二
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木造の住宅(準耐火構造を除く。)の住宅を建設する場合
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一〇〇分の七・二二七
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ただし、公営住宅法施行令の一部を改正する政令(平成5年政令第209号)の適用を受ける前に借地権取得により建設された簡易耐火構造の住宅で2階建のもの、簡易耐火構造の住宅で平家建のもの及び木造の住宅については、次の表による。
借地権の取得費
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簡易耐火構造の住宅で二階建のものを建設する場合
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一〇〇分の六・四五二
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簡易耐火構造の住宅で平家建のものを建設する場合
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一〇〇分の六・八六八
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木造の住宅を建設する場合
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一〇〇分の八・六五三
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(2) 第一号の算式による算定は、公営住宅の種別、構造別ごとに団地(同一の団地であっても補助基本額の積算基礎となる期間が異なる公営住宅がある場合は、同一の期間であるものごとにこれを一の団地とみなす。以下同じ。)別に行う。
(3) 同一の事業主体で同一の申請開始年度に補助基本額の積算基礎となる公営住宅の団地が二以上ある場合における各団地についての土地の取得造成費は、次の算式により算定する。
ア 各団地の土地の取得造成費を合計した額(以下「土地取得造成費総額」という。)が各団地における一戸あたりの土地の取得造成費の標準価額に当該各団地における補助基本額の積算基礎となる公営住宅の戸数(以下「補助基本額積算基礎戸数」という。)を乗じて得た額の合計額(以下「標準価額総額」という。)を超えない場合
各団地ごとの土地の取得造成費
イ 土地取得造成費総額が標準価額総額を超える場合
各団地ごとの土地の取得造成費×(標準価額総額/土地取得造成費総額)
(4) 前号イの算式中標準価額総額/土地取得造成費総額については、小数第三位未満を切り捨てるものとする。
(5) 第一号の算式による算定は、各数値(分数であるものは分子)を乗じて得られた数値を各数値のうち分数であるものの分母を乗じて得られた数値で除して行うものとし、これにより算出された補助基本額については、円未満の端数は切り捨てるものとする。
(6) 同一事業主体で同一の申請開始年度に補助基本額の積算基礎となる公営住宅の団地が二以上ある場合においては、当該事業主体の補助基本額は第一号及び第二号の規定に基づき算定される団地ごとの補助基本額を合算した額とする。
(7) 第五号及び第六号において算出された補助基本額は、建設事業年度別、種別ごとに合算するものとする。ただし、補助金交付の申請を行う年度において管理の開始又は管理の終了があった公営住宅に係る建設事業年度については、当該公営住宅に係る申請開始年度の補助基本額とその他の申請開始年度の補助基本額とに区分して算定するものとする。
4 標準価額
土地の取得造成費の標準価額は、別に定めるところによる。
第3 補助対象率
補助対象率は次の算式により算定する。
1−(収入超過者入居戸数/基準日戸数)
2
(1) 前項の算式中「収入超過者入居戸数」とは、補助基本額の積算基礎となる公営住宅のうち毎年一〇月一日(以下「基準日」という。)現在において、収入超過者が入居している公営住宅の戸数をいうものとする。
(2) 前号に規定する収入超過者は、公営住宅の入居者で、当該公営住宅に引き続き三年以上入居し、かつ、公営住宅の種別に応じて別に定める基準を超える収入のあるものをいう。
(3) 前号の収入超過者の判定に係る収入の算定は、基準日の属する年の前年の収入により行うものとする。ただし、収入超過者となる者が当該基準日の属する年の一月一日から九月三〇日までに同居者の増加等により収入が収入基準以下となる場合には、収入超過者として取り扱わないものとする。
(4) 第一項の算式中「基準日戸数」とは、基準日における補助基本額の積算基礎となる公営住宅の戸数をいうものとする。
(5) 第一項の率は、第二、第三項第七号に準じて算定するものとする。
(6) 基準日戸数が0の場合における補助対象率は、一とする。
(7) 第一項の算式において、算定される数値の端数の取扱いは、別表によるものとする。
第4 家賃収入補助金の算定
家賃収入補助金の額は、第2で得られた補助基本額に第3で得られた補助対象率を乗じて得た額とする。
2 前項の規定は、建設事業年度別、種別ごとに算定するものとし、円未満の端数がある場合は、種別ごとに端数を切り捨てるものとする。ただし、第二、第三項第七号ただし書きに該当する場合にあっては、その区分、種別ごとに算定するものとし、それぞれ端数は切り捨て、当該区分の額を合算するものとする。
3 建設事業年度ごとの家賃収入補助金の額は、前項により得られた種別ごとの額を合算したものとし、千円未満の端数がある場合は、切り捨てるものとする。
4 家賃収入補助金の交付申請額は、前項により得られた額を合算したものとする。
第5 交付の申請
家賃収入補助金の交付申請は、別に定める期間内に行うものとする。
2 前項の申請は、事業主体の長が家賃収入補助金交付申請書(別記様式第1)に次の各号に掲げる書類を添付して、事業主体が都道府県又は指定都市(地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二五二条の一九に規定する指定都市をいう。以下同じ。)であるときは地方整備局長、北海道開発局長又は沖縄総合事務局長(以下「地方整備局長等」という。)に、事業主体が指定都市以外の市又は町村であるときは都道府県知事にそれぞれ提出して行うものとする。ただし、既に家賃収入補助金の交付を受けた団地については、第一号、第二号(年度の途中において管理終了があった公営住宅に係る建設事業年度のうち当該公営住宅に係る申請開始年度に係るものは除く。)、第四号及び第五号に掲げるものは、添付することを必要としない。
(1) 土地取得造成費調書(別記様式第2)
(2) 家賃収入補助基本額計算書(別記様式第3)
(3) 家賃収入補助金計算書・家賃収入補助金実績報告書(別記様式第4)
(4) 団地ごとに、入居契約書その他の当該団地における入居可能日を証する書類(代表となるもの一枚)の写し各一枚
(5) 新たに補助基本額の積算基礎となる公営住宅の団地配置図
3 地方整備局長等は、都道府県又は指定都市である事業主体の長から家賃収入補助金交付申請書を受理したときは、申請の内容が法令及びこの要領に適合しているかどうかを審査し、適合していると認めたときは、当該申請書に意見調査書(別記様式第5)を添付して、速やかに国土交通大臣に報告するものとする。
4 都道府県知事は、指定都市以外の市又は町村である事業主体の長から家賃収入補助金交付申請書を受理したときは、申請の内容が法令及びこの要領に適合しているかどうかを審査し、適合していると認めたときは、当該申請書に審査意見書(別記様式第5)を添付して、速やかに国土交通大臣に報告するものとする。
第6 交付の決定
国土交通大臣は、申請を適当と認めたときは、当該補助金の交付を決定するものとし、地方整備局長等は、事業主体が都道府県又は指定都市であるときは当該事業主体の長に、事業主体が指定都市以外の市又は町村であるときは都道府県知事を経由して、当該事業主体の長に通知するものとする。
第7 実績報告
事業主体は、第五の規定による補助金の交付の申請の際に、家賃収入補助金計算書・家賃収入補助金実績報告書(別記様式第4)に土地取得造成費調書(別記様式第2)を添付して、事業主体が都道府県又は指定都市であるときは地方整備局長等に、事業主体が指定都市以外の市又は町村であるときは都道府県知事にそれぞれ提出して、実績報告を行うものとする。ただし、既に家賃収入補助金の交付を受けた団地については、土地取得造成費調書は添付することを必要としない。
第8 補助金の額の確定
地方整備局長等は、都道府県又は指定都市である事業主体に対して、家賃収入補助金の交付の決定の通知をしたときは、速やかに第七の実績報告に基づき当該補助金の額を確定し、当該事業主体の長に通知するとともに、その旨及びその内容を国土交通大臣に報告するものとする。
2 都道府県知事は、指定都市以外の市又は町村である事業主体に対して、地方整備局長等から当該事業主体に対する家賃収入補助金の交付の決定の通知があった後、速やかに、第七の実績報告に基づき当該補助金の額を確定し、当該事業主体の長に通知するとともに、その旨及びその内容を国土交通大臣に報告するものとする。
別表
家賃収入補助基本額
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数値
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1万円未満
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小数第4位未満切り捨て
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1万円以上〜10万円未満
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小数第5位 〃
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10万円以上〜100万円未満
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小数第6位 〃
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100万円以上〜1,000万円未満
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小数第7位 〃
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1,000万円以上〜1億円未満
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小数第8位 〃
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1億円以上
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小数第9位 〃
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