建設省住総発第五一号
昭和四六年四月一日

厚生省社会局長・厚生省児童家庭局長・厚生省援護局長・建設省住宅局長から各都道府県知事あて

通達


心身障害者世帯向公営住宅の建設等について


身体障害者世帯の公営住宅優先入居については、かねてから積極的に実施を図るよう格段のご努力をお願いしてきたところであるが、昭和四五年五月に心身障害者対策基本法が制定されたので、同法の趣旨にかんがみ、これを一層拡充して心身障害者世帯を公営住宅に優先的に入居させるとともに建設面での配慮を加えることとし、別紙のとおり実施要領を定めたので、貴管下事業主体に対しこの旨周知徹底させ積極的に実施するようご配慮願いたい。
なお、昭和四二年七月二五日付け社更第二一二号、援発第七四一号、建設省住総発第一二七号の通達は廃止する。



(別紙)

心身障害者世帯向公営住宅建設等実施要領

心身障害者で住宅に困窮しているものを優先入居させるための公営住宅(以下「心身障害者世帯向公営住宅」という。)の建設及び優先入居の取扱いは、この実施要領の定めるところにより行なう。
第1 建設

1 種別

心身障害者世帯向公営住宅は、第一種公営住宅及び第二種公営住宅とする。

2 建設基準

心身障害者世帯向公営住宅の規模、構造等は、公営住宅建設基準によるほか、建設にあたっては、心身障害者の福祉が増進されるよう特に次の事項について考慮するものとする。
(1) 心身障害者の通勤及び日常生活に便利な立地条件とすること。
(2) 原則として平家または共同住宅の一階部分とすること。
(3) 設計にあたっては、できるかぎり心身障害者の生活に適するよう配慮すること。

第2 心身障害者世帯の範囲

優先入居の対象とする心身障害者世帯は、入居者若しくは同居し又は同居しようとする親族が次の各号の一に該当する者の世帯とする。
(1) 戦傷病者にあっては、恩給法(大正一二年法律第四八号)別表第一号表ノ三の第一款症以上の障害があり、かつ、戦傷病者特別援護法(昭和三八年法律第一六八号)第四条の規定により交付を受けた戦傷病者手帳を所持している者
(2) 戦傷病者以外の身体に障害のある者にあっては、身体障害者福祉法施行規則(昭和二五年厚生省令第一五号)別表第五号の四級以上の障害があり、かつ、身体障害者福祉法(昭和二四年法律第二八三号)第一五条第四項の規定により交付を受けた身体障害者手帳に記載されている者
(3) 精神薄弱者等の精神的欠陥を有する者にあっては、精神薄弱の程度が児童相談所の長、精神薄弱者更生相談所の長、精神保健センターの長若しくは精神科の診療に経験を有する医師により、重度又は中度の精神薄弱者と判定された者及び精神薄弱者以外の者で重度又は中度の精神薄弱者と同程度の精神的欠陥を有していると判定された者

第3 入居

1 入居資格及び選考

入居者の選考に際しては、公営住宅の入居資格を有し、かつ、公営住宅法施行令第六条の各号の一に該当する心身障害者世帯を住宅困窮度が著しく高いものとして優先的に取扱うものとし、この場合において当該心身障害者の障害の程度、家庭の状況等を参酌して選考するものとする。

2 証明

入居申込書に福祉事務所長、福祉事務所を設置しない町村の長、児童相談所長、民生委員、身体障害者相談員(戦傷病者以外の身体に障害のある者に関する証明に限る。)又は戦傷病者相談員(戦傷病者に関する証明に限る。)の作成に係る前記第二に規定する心身障害者世帯であることを証する書面を添え申し込ませるものとする。

第4 相互連けい

(1) 事業主体の住宅主管部局は、心身障害者福祉主管部局と緊密な連けいを保ち心身障害者世帯の実情にそうような運営に努めるものとする。
(2) 都道府県の住宅主管部局は、翌年度の公営住宅建設計画を建設省住宅局長あてに提出するに際して、心身障害者福祉主管部局及び市町村と十分協議し、当該計画のうち心身障害者世帯の優先入居に充てるものについて事業主体及び種別戸数を明記するものとする。


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