建設省においては、既存の公共賃貸住宅の建替えにより、良好な公共賃貸住宅の供給促進を図っているところである。その一環として、住宅・都市整備公団及び地方住宅供給公社の賃貸住宅の建替事業の円滑な推進を図るとともに、平成元年度においては、同一生活圏域内にある複数の公共賃貸住宅団地等の建替えを一体的な計画に基づき行う公共賃貸住宅団地総合再生事業を創設し、建替えの一層の促進を図ることとしている。
これらの建替事業の際に、住宅・都市整備公団及び地方住宅供給公社の賃貸住宅から公営住宅への入居希望者が多い実情に鑑み、建替事業の推進及び建替対象住宅世帯の住生活の安定を図るため、一定の要件を満たす者については、「現に住宅に困窮していることが明らかな者」の要件に該当する者に含まれることとし、さらに特定の者については優先入居の扱いとすることとする。また、公共賃貸住宅相互の住替促進の観点から、従来から実施している公営住宅の収入超過者に対する住宅・都市整備公団の賃貸住宅等のあっせんの取扱いについても拡充することとする。
1 公営住宅への入居者資格及び優先入居
(1) 住宅・都市整備公団又は地方住宅供給公社(以下「公団等」という。)の賃貸住宅の建替えに伴う公営住宅への入居希望者のうち、その者が居住する団地の建替後賃貸住宅の最終家賃が、当該希望者の収入に比して著しく過大な家賃となる場合で、一定の要件を満たす者については、公営住宅法第一七条第三号「現に住宅に困窮していることが明らかな者」との要件に該当する者に含まれるものと解するものであること。
(2) (1)に該当する者のうち、特に建替えに伴う家賃の急激な上昇により家賃負担が困難となるものについては、公営住宅の入居者の選考に当たり、住宅困窮度が特に高いものとして、特定目的公営住宅に準じて優先的に取扱うこととし、この優先入居の取扱いは、地域の実情に即して行うこと。
(3) 優先入居の取扱いに当たっては、公団等から建替後賃貸住宅の家賃、移転先住宅のあっせん状況等に関する証明書の提出を求める等により、住宅困窮度の的確な把握に努めるほか、公団等賃貸住宅の建替計画等に関し、公団等と緊密な連繋を保ち、円滑な事務の実施がなされるよう留意すること。
2 公営住宅の収入超過者に対する住宅・都市整備公団の賃貸住宅等のあっせん
(1) 公営住宅の収入超過者に対する住宅・都市整備公団(以下「公団」という。)の賃貸住宅等への優先入居等のあっせんの取扱いについては、「公営住宅の収入超過者に対する公的資金による住宅のあっせんについて」(昭和四六年三月八日付け住総発第二五の一号 住宅局長通達、以下「昭和四六年通達」という。)により実施してきたところであるが、今般、右記1の措置と併せて、公共賃貸住宅相互の住替えの推進を図る上から、次のように拡充するものとすること。
1) 公団賃貸住宅へのあっせんについては、従来、公団賃貸住宅の新規住宅のうち市街地団地及び空家住宅への優先入居は高額所得者のみを対象とすることとしていたが、高額所得者以外の収入超過者もその対象とし、新規住宅のうちの一般団地と同様に「募集戸数のおおむね二割を限度として高額所得者を高額所得者以外の収入超過者よりも先順位で優先的に入居させるもの」とする。
なお、分譲住宅及び分譲宅地については、従来の取扱いに変更はないものである。
2) あっせん手続のうち、空家住宅についての通知は、従来、年一回の毎年四月三〇日までに行うこととなっていたが、年二回の半期ごととする。
(2) (1)の拡充内容について、昭和四六年通達を次のように改める。
1) 昭和四六年通達別紙第2(あっせんする住宅等の種類及びあっせん)の表を次のように改める。
区分
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賃貸住宅
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分譲住宅
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分譲宅地
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一般分譲
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法第二一条の三に規定する高額所得者に対して
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募集戸数の二割(高額所得者をそれ以外の収入超過者よりも先順位とする。)
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募集戸数の一割(高額所得者をそれ以外の収入超過者よりも先順位とする。)
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募集画地数の一割
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上記以外の収入超過者等に対して
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2) 昭和四六年通達別紙第3(あっせん手続きについて)1(2)のただし書き中「毎年四月三〇日までに」を「半期ごとに」に改める。
(3) この措置については、住宅・都市整備公団総裁に対して別添(写)(省略)のとおり依頼したので、積極的にこれら住宅のあっせんを行うよう努めること。