

建設省住建発第三九号
平成一〇年四月八日
高齢者向け優良賃貸住宅制度要綱
第1 目的
この要綱は、高齢者の居住の用に供する優良な賃貸住宅について、建設又は改良に要する費用に対する助成と家賃の減額に要する費用に対する助成とを連携して行う制度を確立することにより、高齢者の安全で安定した居住の確保を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
第2 定義
この要綱において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 高齢者
六〇歳以上の者をいう。
二 土地所有者等
土地の所有権又は建物の所有を目的とする地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利を有する者をいう。
三 地方住宅供給公社等
特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律施行規則(平成五年建設省令第一六号。以下「規則」という。)第一八条に規定する者をいう。
四 高齢者向け優良賃貸住宅
第四の規定による認定を受けた供給計画(第六第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。第2において同じ。)に基づき建設又は改良(以下「建設等」という。)される賃貸住宅をいう。
五 高齢者向け優良賃貸住宅A型
高齢者向け優良賃貸住宅のうち土地所有者等(地方住宅供給公社等及び都市基盤整備公団を除く。)が建設等するものをいう。
六 高齢者向け優良賃貸住宅B型
高齢者向け優良賃貸住宅のうち地方住宅供給公社等が建設等するものをいう。
七 高齢者向け優良賃貸住宅C型
高齢者向け優良賃貸住宅のうち都市基盤整備公団が建設等するものをいう。
八 高齢者向け優良賃貸住宅CI型
高齢者向け優良賃貸住宅C型のうち都市基盤整備公団が自ら管理するものをいう。
九 高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型
高齢者向け優良賃貸住宅CI型のうち特定の既存住宅の改良に係るものをいう。
十 高齢者向け優良賃貸住宅CII型
高齢者向け優良賃貸住宅C型のうち第一六の規定に従い入居者に賃貸するために地方公共団体が賃借するものをいう。
十一 高齢者向け優良賃貸住宅CIII型
高齢者向け優良賃貸住宅C型のうち第16の規定に従い入居者に賃貸するために地方住宅供給公社等が賃借するものをいう。
十二 高齢者向け優良賃貸住宅活用予定住宅
地方住宅供給公社及び都市基盤整備公団が管理する住宅で、高齢者向け優良賃貸住宅として活用することを予定するものをいう。
十三 所得
規則第一条第三号に規定する所得をいう。
十四 一般賃貸人
高齢者向け優良賃貸住宅を第四第四号に掲げる者に賃貸する者をいう。
十五 賃貸人
高齢者向け優良賃貸住宅を賃貸する者をいう。
第3 供給計画の認定
賃貸住宅の建設等及び管理をしようとする者は、当該賃貸住宅の建設等及び管理に関する計画(以下「供給計画」という。)を作成し、都道府県知事(都市基盤整備公団にあっては建設大臣とし、以下「都道府県知事等」という。)の認定を申請することができる。
2 供給計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 賃貸住宅の位置
二 賃貸住宅の戸数
三 賃貸住宅の規模、構造及び設備
四 賃貸住宅の建設等の事業に関する資金計画
五 賃貸住宅の入居者及び同居者の資格に関する事項
六 賃貸住宅の家賃、家賃の支払方式その他の賃貸の条件に関する事項
七 賃貸住宅の管理の方法及び期間
八 賃貸住宅の入居者の事故、急病、負傷等に対応するサービス(以下「緊急時対応サービス」という。)に関する事項
九 賃貸住宅の入居契約締結前の説明等に関する事項
十 賃貸住宅の建設等の事業の実施時期
十一 賃貸住宅の敷地の権原に関する事項
3 第1項の認定の申請は、別記様式の申請書を都道府県知事等に提出して行うものとする。
4 前項の申請書には、次に掲げる図書を添付しなければならない。
一 賃貸住宅の位置を表示した付近見取図
二 縮尺、方位、賃貸住宅の敷地の境界線及び敷地内における賃貸住宅の位置を表示した配置図
三 縮尺、方位、間取り、各室の用途及び設備の概要を表示した各階平面図
四 認定を申請しようとする者が当該認定に係る賃貸住宅の敷地となるべき土地の区域内の土地又はその土地について建物の所有を目的とする地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利を有する者であることを証する書類
五 近傍同種の住宅の家賃の額を記載した書類
六 緊急時対応サービス以外に提供される生活支援サービスの概要を記載した書類
七 資金収支計画及び損益計画(以下「事業収支計画」という。)を記載した書類
第4 認定の基準
都道府県知事等は第3第1項の認定(以下「計画の認定」という。)の申請があった場合において、当該申請に係る供給計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、計画の認定をすることができる。
一 賃貸住宅の戸数が五戸以上であること。
二 賃貸住宅が別に定める整備基準に適合するものであること。
三 賃貸住宅の建設等の事業に関する資金計画が当該事業を確実に遂行するため適切なものであること。
四 賃貸住宅の入居者及び同居者の資格を、次に掲げる条件に該当するものであることとしているものであること
イ 入居者が高齢者(高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型にあっては、六五歳以上の者)であること。
ロ 入居者が、現に同居し、若しくは同居しようとする者(以下「同居者」という。)のない者又は同居者が配偶者(婚姻の届出をしないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。以下同じ。)若しくは高齢者であること。
ハ 入居者の所得が公営住宅法施行令(昭和二六年政令第二四〇号。以下「令」という。)第六条第三項第三号に定める額以下であること又は入居者の所得が同項第一号に定める額以下で都道府県知事等が定める額以下であること。(ただし、高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型にあっては、入居者の所得が令第六号第三項第三号に定める額以下であること。)
ニ 入居者及び同居者が、入居時において自立した日常生活を営むことができる健康状態にある者又は自立した日常生活を営むことができる健康状態にある入居者又は同居者の支援により日常生活を営むことができる者であること。
ホ 入居者及び同居者がイ、ロ、ハ及びニに掲げるもののほか都道府県知事等が必要があると認めて定める基準に適合する者であること。
五 賃貸住宅の家賃の額が近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
六 家賃の支払方式等が第24の規定に該当していること。
七 賃貸住宅の賃貸の条件が第10から第16までに定める基準に従い適正に定められるものであること。
八 賃貸住宅の管理の方法が第一七で定める基準に適合するものであること。
九 賃貸住宅の管理の期間が二〇年以上であること。
十 緊急時対応サービスの内容が、夜間を含め緊急時に迅速かつ適切に対応するものであり、その提供のために必要な体制を整えているものであること。
十一 賃貸住宅の敷地に係る権利が地上権又は賃借権である場合には、別に定める要件の全てを満たすものであること。
十二 その他都道府県知事等が必要があると認めて定める基準に適合するものであること。
第5 計画の認定の通知
都道府県知事等は、計画の認定をしたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。
第6 供給計画の変更
計画の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)は、当該計画の認定を受けた供給計画(以下「認定計画」という。)の変更(次項に掲げる軽微な変更を除く。)をしようとするときは、都道府県知事等の認定を受けなければならない。
2 認定を要しない軽微な変更は、次に掲げるものとする。
一 賃貸住宅の戸数の変更のうち、五分の一未満の戸数の変更(変更後の戸数が五戸以上である場合に限る。)
二 賃貸住宅の建設等の事業の実施時期の変更のうち、事業の着手又は完了の予定年月日の六月以内の変更
3 第4及び第5の規定は、第1項の場合について準用する。
第7 報告の徴収
都道府県知事等は認定事業者に対し、高齢者向け優良賃貸住宅の建設等又は管理の状況について報告を求めることができる。
第8 地位の承継
認定事業者(都市基盤整備公団を除く。以下第8において同じ。)の一般承継人又は認定事業者から高齢者向け優良賃貸住宅の敷地の所有権その他当該高齢者向け優良賃貸住宅の建設等及び管理に必要な権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該認定事業者が有していた計画の認定に基づく地位を承継することができる。
第9 計画の認定の取消し
都道府県知事等は、認定事業者が認定計画に従って高齢者向け優良賃貸住宅の建設等又は管理を行っていないと認めるときは、計画の認定を取り消すことができる。
2 第5の規定は、都道府県知事等が前項の規定による取消しをした場合について準用する。
第10 入居者の募集方法
一般賃貸人は災害、不良住宅の撤去その他の特別な事情がある場合において賃貸住宅に入居させることが適当である者として都道府県知事等が認めるものを入居させる場合を除くほか、当該賃貸住宅の入居者を公募しなければならない。
2 前項の規定による公募は、都道府県知事等が定めるところにより、入居の申込みの期間の初日から起算して少なくとも一週間前に、新聞掲載、掲示等の方法により広告して行わなければならない。
3 前二項の規定による公募は、棟ごとに又は団地ごとに、少なくとも次に掲げる事項を示して行わなければならない。
一 賃貸する住宅が高齢者向け優良賃貸住宅であること。
二 賃貸住宅の所在地、戸数、規模及び構造
三 一般賃貸人の氏名及び住所又は名称及び主たる事務所の所在地
四 入居者の資格
五 家賃、家賃の支払い方式その他賃貸の条件
六 入居の申込みの期間及び場所
七 申込みに必要な書面の種類
八 提供される生活支援サービス
九 入居者の選定方法
十 賃貸住宅の管理期間
4 前項第六号の申込みの期間は、少なくとも一週間としなければならない。
第11 入居者の選定
入居の申込みを受理した戸数が賃貸住宅の戸数を超える場合においては、一般賃貸人は、抽選その他公正な方法により入居者を選定しなければならない。
第12 入居者の選定の特例
一般賃貸人は、特に居住の安定を図る必要がある者等で都道府県知事等が定める基準に該当するものについては、一回の募集ごとに賃貸しようとする住宅の戸数の五分の一を超えない範囲内の戸数(地域の実情を勘案して当該都道府県知事等が別に戸数を定める場合には、その戸数)について、第10及び第11に定めるところにより当該賃貸住宅の入居者を選定することができる。
2 高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型にあっては、前項に定めるところによるほか、都市基盤整備公団は、都市基盤整備公団が管理する賃貸住宅の入居者については、一回の募集ごとに賃貸しようとする住宅の戸数の三分の二を超えない範囲の戸数について、第10及び第11に定めるところにより当該賃貸住宅の入居者の選定をすることができる。
第13 入居契約締結前の説明等
一般賃貸人は、高齢者向け優良賃貸住宅の賃借の相手方に対し、その者が借りようとしている高齢者向け優良賃貸住宅に関し、その賃貸借契約が成立するまでの間に、契約書及び管理規程のほか、賃貸人及び一般賃貸人から管理を受託する者の住所及び氏名その他の別に定める入居契約に係る重要な事項を記載した書面(以下「重要事項説明書」という。)をその説明を行う者の署名を行った上で交付し、当該説明者により十分に説明をさせなければならない。
2 一般賃貸人は、賃貸住宅の管理開始後にあっては、賃貸借契約締結前に当該賃貸住宅への入居を体験をする機会を設けるよう努めるものとする。
第14 賃貸借契約の解除
一般賃貸人は、入居者が不正の行為によって賃貸住宅に入居したときは、当該賃貸住宅に係る賃貸借契約の解除をすることを賃貸の条件としなければならない。
第15 賃貸条件の制限
賃貸人は、家賃(要綱第二四第二項に規定する一時金を含む。)、家賃の三月分を超えない額の敷金及び別に定める費用を受領することを除くほか、賃借人から権利金、礼金等の金品を受領し、その他賃借人の不当な負担となることを賃貸の条件としてはならない。
第16 転貸の条件
一般賃貸人に当該賃貸住宅を賃貸する賃貸人は、入居者の資格、家賃その他転貸の条件、入居者の選定方法に関し、第四第四号から第一〇号まで及び第一二号、第一九、第二二、第二五並びに第二六の規定に準じて賃借人が当該賃貸住宅を転貸することを賃貸の条件としなければならない。
第17 管理の方法の基準
第4第八号の規定による賃貸住宅の管理の方法の基準は、次の各号のとおりとする。
一 賃貸人は、賃貸住宅の管理を行うために必要な資力及び信用並びにこれを的確に行うために必要な経験及び能力を有する者で都道府県知事等が定める基準に該当するものに当該賃貸住宅の管理を委託し、又は当該賃貸住宅を賃貸すること。ただし、当該賃貸人が当該基準に該当する者でありかつ、当該賃貸住宅の管理を自ら行う場合には、この限りでない。
二 賃貸住宅の修繕が計画的に行われるものであること。
三 管理規程を作成し、これに基づいた適正な管理を行うものであること。
四 賃貸住宅の賃貸借契約書並びに家賃(要綱第二四第二項に規定する一時金を含む。)及び敷金の収納状況を明らかにする書類その他の賃貸住宅に関する事業の収支状況を明らかにするために必要な書類が備え付けられるものであること。
第18 管理に当たっての配慮
認定事業者は、認定事業者が特定優良賃貸住宅の管理を行うに当たって配慮すべき事項(平成五年七月二七日建設省告示一六〇一号)に規定する事項に準じて賃貸住宅の管理を行わなければならない。
第19 事業収支計画の作成等
認定事業者及び一般賃貸人は、事業収支計画を長期にわたり安定した経営が可能な計画とすることその他の別に定める事項に留意して、事業収支計画を作成しなければならない。
2 認定事業者及び一般賃貸人は、事業開始後の経営方針として、単年度の財務内容が適正であることその他の別に定める事項の全てに該当するものを策定しなければならない。
3 高齢者向け優良賃貸住宅の経理及び会計は、独立したものでなければならない。
4 高齢者向け優良賃貸住宅は、供給計画等に基づき、相当数の入居見込み者を確保できると認められるものでなければならない。
第20 建設等に要する費用の補助
国は、地方公共団体が認定事業者に対し高齢者向け優良賃貸住宅A型の建設等に要する費用のうち住宅の共用部分、入居者の共同の福祉のために必要な施設及び高齢者向け設備その他の施設(以下「住宅の共用部分等」という。)に係る費用について補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該地方公共団体が補助する額(その額が、住宅の共用部分等に係る費用の三分の二に相当する額を超える場合においては、当該三分の二に相当する額)の二分の一を乗じて得た額以内の額を補助することができる。
2 国は、地方公共団体が認定事業者に対し高齢者向け優良賃貸住宅B型の建設に要する費用について補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該地方公共団体が補助する額(その額が、当該住宅の建設に要する費用の三分の一に相当する額を超える場合においては、当該三分の一に相当する額)の二分の一を乗じて得た額以内の額を補助することができる。
3 国は、地方公共団体が認定事業者に対し高齢者向け優良賃貸住宅B型の改良に要する費用のうち住宅の共用部分等に係る費用について補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該地方公共団体が補助する額(その額が、住宅の共用部分等に係る費用の三分の二に相当する額を超える場合においては、当該三分の二に相当する額)の二分の一を乗じて得た額以内の額を補助することができる。
4 国は、都市基盤整備公団が、高齢者向け優良賃貸住宅CI型の建設をする場合においては、予算の範囲内において、当該住宅の建設に要する費用の六分の一以内の額を補助することができる。
5 国は、都市基盤整備公団が、高齢者向け優良賃貸住宅CI型の改良をし、高齢者向け優良賃貸住宅CII型又は高齢者向け優良賃貸住宅CIII型の建設等をする場合においては、予算の範囲内において、当該住宅の建設等に要する費用のうち住宅の共用部分等に係る費用の三分の一(高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型にあっては二分の一)以内の額を補助することができる。
6 国は、地方公共団体が地方住宅供給公社に対し高齢者向け優良賃貸住宅活用予定住宅を含む住棟の改良に要する費用のうちエレベーターの設置(これに付随して行う住宅の共用部分の段差の解消等を含む。)及び耐震改修(以下「特定改良工事」という。)に係る費用について補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該地方公共団体が補助する額(その額が特定改良工事に係る費用の三分の二に相当する額を超える場合においては、当該三分の二に相当する額)の二分の一を乗じて得た額以内の額を補助することができる。
7 国は、都市基盤整備公団が、高齢者向け優良賃貸住宅活用予定住宅を含む住棟の改良をする場合においては、予算の範囲内において、当該住棟の改良に要する費用のうち特定改良工事に係る費用の二分の一以内の額を補助することができる。
第21 住宅金融公庫等の融資に当たっての配慮
住宅金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫(以下「住宅金融公庫等」という。)は、法令及びその事業計画の範囲内において、高齢者向け優良賃貸住宅の建設等が円滑に行われるよう、必要な資金の貸付けについて配慮するものとする。
第22 家賃
認定事業者は、第二〇の規定による補助に係る高齢者向け優良賃貸住宅の認定管理期間(認定計画に定められた管理の期間をいう。以下同じ。)における家賃については、規則第二〇条中「特定優良賃貸住宅」とあるのを「高齢者向け優良賃貸住宅」と、「建設」とあるのを「建設等」と読み替えて同条の額の計算の例により算定した額(規則第二一条第一項中「特定優良賃貸住宅」とあるのを「高齢者向け優良賃貸住宅」と、「建設」とあるのを「建設等」と読み替えた基準に該当する場合にあっては、同条第二項中「特定優良賃貸住宅」とあるのを「高齢者向け優良賃貸住宅」と、「建設」とあるのを「建設等」と読み替えて同第二〇条の額の計算の例により算定した額)を超えて、契約し、又は受領してはならない。
2 前項の規定は、高齢者向け優良賃貸住宅の家賃の額を変更する場合に準用する。
第23 家賃の減額に要する費用の補助
地方公共団体は、認定事業者が、認定管理期間のうち別に定める期間において、入居者の居住の安定を図るため高齢者向け優良賃貸住宅A型又は高齢者向け優良賃貸住宅B型の家賃を減額する場合においては、当該認定事業者に対し、その減額に要する費用の一部を補助することができる。
2 地方公共団体は、地方住宅供給公社等が、認定管理期間のうち別に定める期間において、入居者の居住の安定を図るため高齢者向け優良賃貸住宅CIII型の家賃を減額する場合においては、当該地方住宅供給公社等に対し、その減額に要する費用の一部を補助することができる。
3 国は、地方公共団体が前二項の規定により補助金を交付する場合には、予算の範囲内において、その費用の一部を補助することができる。
4 国は、地方公共団体が、認定管理期間のうち別に定める期間において、入居者の居住の安定を図るため高齢者向け優良賃貸住宅CII型の家賃を減額する場合においては、当該地方公共団体に対し、予算の範囲内において、その費用の一部を補助することができる。
5 国は、都市基盤整備公団が、認定管理期間のうちに別に定める期間において、入居者の居住の安定を図るため高齢者向け優良賃貸住宅CI―2型の家賃を減額する場合においては、都市基盤整備公団に対し、予算の範囲内において、その費用の一部を補助することができる。
6 第三項の規定による国の地方公共団体に対する補助金の額は、家賃の減額に要する費用に対して地方公共団体が補助する額(減額前の家賃の額から家賃並びに入居者の所得及び高齢者向け優良賃貸住宅の立地条件、規模等を勘案して別に定めるところにより算定した額(以下次項において「入居者負担基準額」という。)を控除した額を限度とする。)に二分の一を乗じて得た額とする。
7 第四項の規定による国の地方公共団体に対する補助金の額は、家賃の減額に要する費用の額(減額前の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額を限度とする。)に二分の一を乗じて得た額とする。
8 第五項の規定による国の都市基盤整備公団に対する補助金の額は、家賃の減額に要する費用の額(減額前の家賃の額から家賃並びに入居者の所得及び高齢者向け優良賃貸住宅の立地条件、規模等を勘案して別に定めるところにより算定した額を控除した額を限度とする。)に二分の一を乗じて得た額とする。
9 前三項の規定による補助は、入居者の所得が別に定める基準を超える場合には、別に定めるところにより、その額を減額し、又は補助を行わないものとする。
第24 家賃の支払方式等
一般賃貸人は、毎月その月分の家賃を受領する方式(以下「月払い方式」という。)のほか、一般賃貸人が十分な資力及び信用を有する場合に限り、月払い方式に代えて、一定の期間に係る月払い方式による家賃の額に相当する額を入居時にあらかじめ受領する方式(以下「一時払い方式」という。)又は一定の期間に係る月払い方式による家賃の額の一部に相当する額を入居時にあらかじめ受領し、かつ、家賃の残りの部分に相当する額を毎月受領する方式(以下「併用方式」という。)を採用することができる。
2 一時払い方式又は併用方式を採用する場合において、一時金とは、一定の期間に係る家賃に相当する額の全部又は一部(以下「家賃相当額」という。)を入居時にあらかじめ一括して受領する額をいう。
3 一般賃貸人が一時払い方式又は併用方式を採用する場合においては、次の各号に規定するところに従わなければならない。
一 一時金の算定の根拠となる期間(以下「基準期間」という。)を超えて居住することとなる入居者の居住の安定を図るため、基準期間を超える期間において基準期間内における家賃相当額を補填するための措置をあらかじめ講じること。
二 賃金又は物価が著しく上昇する場合その他特別な事由があるものとして都道府県知事等が認める場合を除き、入居時以外に家賃の一部に相当するものを一括して受領しないこと。
三 入居後基準期間内に退去する入居者に対しては、一時金から居住した期間の家賃の額に相当する額(併用方式を採用する場合においては毎月受領する額を除く。)を控除した額を払い戻すこと。当該払戻金については、その算定方法を明らかにして、入居しようとする者に入居前に説明しなければならないものとし、死亡による退去にあっては、法定相続人又は受遺者のうち払戻金交付者として入居者があらかじめ指定した者に払い戻すものとする。
四 一時金のうち前号の払戻金相当額が保全されるよう適切な措置を講じること。
五 一時金の内金は一時金の二〇%以内とし、入居開始可能日前に契約が解除された場合については、既に受領した金額の全額又は別に定める額を返還すること。
4 一般賃貸人が一時払い方式又は併用方式を採用する場合においては、一時金を月払い方式による家賃相当額に換算した額(併用方式にあっては、この額に毎月受領する額を加えた額)を家賃とみなして、第四第五号、第二二及び第二三の規定を適用すること。
第25 情報開示
認定事業者及び一般賃貸人は、家賃の支払いについて一時払い方式若しくは併用方式を採用する場合又は生活支援サービスに対する費用(以下この項において「サービス費」という。)のうち一部若しくは全部を入居時にあらかじめ受領する方式を採用する場合にあっては、入居者又は入居希望者(以下第二五において「入居者等」という。)の請求に応じ、一時金若しくはサービス費に係る貸借対照表及び損益計算書又はそれらの要旨を閲覧に供するものとし、入居者等からそれらの写しの交付の請求があったときは、これに応ずるよう配慮するものとする。
2 認定事業者及び一般賃貸人は、前項に規定する場合にあっては、当該事業の経営状況及び将来見通しに関する入居者等の理解に資するため、事業収支計画を入居者等の閲覧に供するよう努めるものとする。
第26 賃貸借契約の内容
一般賃貸人は、入居者と高齢者向け優良賃貸住宅の賃貸借契約を締結するときは次に掲げる事項を契約の内容としなければならない。
一 入居者は、高齢者向け優良賃貸住宅を他の者に貸し、又はその入居の権利を他の者に譲渡してはならないこと。
二 入居者は、高齢者向け優良賃貸住宅の用途を変更してはならないこと。
三 入居者は、認定事業者及び一般賃貸人の承認を得たときを除き、高齢者向け優良賃貸住宅を模様替えし、又は増築してはならないこと。
四 入居者は、高齢者向け優良賃貸住宅の入居の際に同居した者以外の者を同居させようとするときは、認定事業者及び一般賃貸人に当該同居者の氏名及び所得を通知しなければならないこと。
五 入居者が退去する際に、引き続き同居者等が入居しようとするときは、入居者は、認定事業者及び一般賃貸人に引き続き入居しようとする者の氏名、年齢、所得等を通知しなければならないこと。
第27 高齢者向け優良賃貸住宅の用途廃止
認定事業者は、認定管理期間において、次の各号のいずれかに該当する場合において都道府県知事等の承認を受けたときには、高齢者向け優良賃貸住宅の用途を廃止することができる。
一 災害、老朽化その他の理由により高齢者向け優良賃貸住宅として引き続き管理することが不適当なとき
二 建替えを行うため必要があるとき
三 都市計画事業又はこれに準ずる事業を施行するため必要があるとき
四 管理開始後一〇年以上経過し、入居者を募集したにもかかわらず、三ケ月を超えて入居者がないとき
五 その他やむを得ない事情があるとき
第28 指導監督等
建設大臣は地方公共団体又は都市基盤整備公団に対し、地方公共団体は認定事業者(都市基盤整備公団を除く。)に対し、この要綱の施行のために必要な限度において、高齢者向け優良賃貸住宅制度の適正な実施のため必要な措置を命じ、又は必要な勧告、助言若しくは援助を行うことができる。
第29 大都市等の特例
この要綱中都道府県知事の権限に属する事務は、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二五二条の一九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二五二条の二二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、当該指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この要綱中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。
第30 実施の細目
高齢者向け優良賃貸住宅制度の実施の細目は、別に定めるところによるものとする。
2 高齢者向け優良賃貸住宅制度に係る住宅金融公庫等の融資の申込手続その他この制度の運用に関する細目は、住宅金融公庫等が定めるところによるものとする。
附 則 この要綱は平成一〇年一二月一一日から適用する。
|
附 則 この要綱は平成一一年三月一九日から適用する。
|
附 則 この要綱は平成一一年一二月九日から適用する。
|
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport
|