

国住備第九一号
平成一三年八月五日
住宅局長通知
高齢者向け優良賃貸住宅整備基準
高齢者向け優良賃貸住宅補助要領(平成一三年八月五日付け国住備第九〇号)第3第三号に規定する整備基準は、次のとおりとする。
第一章 総則
(健全な地域社会の形成等)
第一条 賃貸住宅は、その周辺の地域を含めた健全な地域社会の形成に資するように考慮して整備しなければならない。
(良好な居住環境の確保)
第二条 賃貸住宅は、安全、衛生、美観等を考慮し、かつ、入居者等にとって便利で快適なものとなるように整備しなければならない。
第二章 敷地の基準
(位置の指定)
第三条 賃貸住宅の敷地(以下「敷地」という。)の位置は、災害の発生のおそれが多い土地及び公害等により居住環境が著しく阻害されるおそれがある土地をできる限り避け、かつ、日用品の購買、医療機関等の利用その他入居者の日常生活の利便を考慮して選定しなければならない。
(敷地の安全等)
第四条 敷地が地盤の軟弱な土地、がけ崩れ又は出水のおそれがある土地その他これらに類する土地であるときは、当該敷地に地盤の改良、擁壁の設置等安全上必要な措置が講じられていなければならない。
2 敷地には、雨水及び汚水を有効に排出し、又は処理するために必要な施設が設けられていなければならない。
第三章 住棟及び住戸専用部分の基準
(住棟の基準)
第五条 住棟その他の建築物は、敷地内及びその周辺の地域の良好な居住環境を確保するために必要な日照、通風、採光、開放性及びプライバシーの確保、災害の防止、騒音等による居住環境の阻害の防止等を考慮した配置でなければならない。
(住宅の規模、構造、設備等)
第六条 賃貸住宅は、各戸が床面積(共同住宅にあっては、共用部分の床面積を除く。以下同じ。)二五m2(居間、食堂、台所その他の住宅の部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合にあっては、一八m2)以上でなければならない。
2 賃貸住宅は、原則として、各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものでなければならない。ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備又は浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合にあっては、各戸が台所、収納設備又は浴室を備えたものであることを要しないものとすることができる。
3 賃貸住宅は、高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成一三年国土交通省令第一一二号)第一条第一号に規定する耐火構造の住宅又は同条第二号に規定する準耐火構造の住宅(防火上及び避難上支障がないと、都道府県知事が認める高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成一三年法律第二六号。以下「法」という。)第三四条の高齢者向け優良賃貸住宅及び都市基盤整備公団(以下「公団」という。)が認める法第五三条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅として公団が整備及び管理を行うものを含む。)でなければならない。ただし、法第四九条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅として地方公共団体又は法第五〇条の要請を受けた公団若しくは地方住宅供給公社が整備及び管理を行うものにあっては、この限りでない。
4 賃貸住宅には、防火、避難、防犯、断熱及び遮音のための適切な措置が講じられていなければならない。
(部屋の配置)
第七条 日常生活空間(高齢者の利用を想定する一の主たる玄関、便所、浴室、脱衣室、洗面所、寝室(以下「特定寝室」という。)、食事室及び特定寝室の存する階(設置階(地上階のうち最も低い位置に存する階をいう。以下同じ。)を除く。)にあるバルコニー、特定寝室の存する階にあるすべての居室並びにこれらを結ぶ一の主たる経路をいう。以下同じ。)のうち便所は、特定寝室の存する階になければならない。
(段差)
第八条 日常生活空間内の床は、段差のない構造(五mm以下の段差が生じるものを含む。以下同じ。)のものでなければならない。ただし、次に掲げるものにあっては、この限りでない。
一 玄関の出入口の段差で、くつずりと玄関外側の高低差を二〇mm以下とし、かつ、くつずりと玄関土間の高低差を五mm以下としたもの
二 玄関の上がりかまちの段差
三 勝手口その他屋外に面する開口部(玄関の出入口を除く。以下「勝手口等」という。)の出入口及び上がりかまちの段差
四 居室の部分の床のうち次に掲げる基準に適合するものとその他の部分の床の三〇〇mm以上四五〇mm以下の段差
イ 介助用車いすの移動の妨げとならない位置に存すること
ロ 面積が三m2以上九m2(当該居室の面積が一八m2以下の場合にあっては、当該面積の一/二)未満であること
ハ 当該部分の面積の合計が、当該居室の面積の一/二未満であること
ニ 長辺(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が一、五〇〇mm以上であること
ホ その他の部分の床より高い位置にあること
五 浴室の出入口の段差で、二〇mm以下の単純段差(立ち上がりの部分が一の段差をいう。以下同じ。)としたもの又は浴室内外の高低差を一二〇mm以下、またぎ高さを一八〇mm以下とし、かつ、手すりを設置したもの
六 バルコニーの出入口の段差。ただし、接地階を有しない住戸にあっては、次に掲げるもの並びにバルコニーと踏み段(奥行きが三〇〇mm以上で幅が六〇〇mm以上であり、当該踏み段とバルコニーの端との距離が一、二〇〇mm以上であり、かつ、一段であるものに限る。以下同じ。)との段差及び踏み段とかまちとの段差で一八〇mm以下の単純段差としたものに限る。
イ 一八〇mm(踏み段を設ける場合にあっては、三六〇mm)以下の単純段差としたもの
ロ 二五〇mm以下の単純段差とし、かつ、手すりを設置できるようにしたもの
ハ 屋内側及び屋外側の高さが一八〇mm以下のまたぎ段差(踏み段を設ける場合にあっては、屋内側の高さが一八〇mm以下で屋外側の高さが三六〇mm以下のまたぎ段差)とし、かつ、手すりを設置できるようにしたもの
2 日常生活空間外の床は、段差のない構造のものでなければならない。ただし、次に掲げるものにあっては、この限りでない。
一 玄関の出入口の段差
二 玄関の上がりかまちの段差
三 勝手口等の出入口及び上がりかまちの段差
四 バルコニーの出入口の段差
五 浴室の出入口の段差
六 室内又は室の部分の床とその他の部分の床の九〇mm以上の段差
(手すり)
第九条 手すりは、次の表の(い)項に掲げる空間ごとに、(ろ)項に掲げる基準に適合していなければならない。ただし、便所、浴室、玄関及び脱衣室にあっては、日常生活空間内に存するものに限るものとする。
(い)
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(ろ)
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空間
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手すりの設置の基準
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階段
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少なくとも片側(勾配が四五度を超える場合にあっては両側)に、かつ、踏面の先端からの高さが七〇〇mmから九〇〇mmの位置に設けられていること。ただし、ホームエレベーターが設けられている場合にあっては、この限りでない。
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便所
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立ち座りのためのものが設けられていること。
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浴室
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浴槽出入りのためのものが設けられていること。
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玄関
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上がりかまち部の昇降や靴の着脱のためのものが設置できるようになっていること。
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脱衣所
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衣服の着脱のためのものが設置できるようになっていること。
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2 転落防止のための手すりは、次の表の(い)項に掲げる空間ごとに、(ろ)項に掲げる基準に適合していなければならない。ただし、外部の地面、床等からの高さが一m以下の範囲又は開閉できない窓その他転落のおそれがないものについては、この限りでない。
(い)
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(ろ)
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空間
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手すりの設置の基準
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バルコニー
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一 腰壁その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「腰壁等」という。)の高さが六五〇mm以上一、一〇〇mm未満の場合にあっては、床面から一、一〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
二 腰壁等の高さが三〇〇mm以上六五〇mm未満の場合にあっては、腰壁等から八〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
三 腰壁等の高さが三〇〇mm未満の場合にあっては、床面から一、一〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
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二階以上の窓
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一 窓台その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「窓台等」という。)の高さが六五〇mm以上八〇〇mm未満の場合にあっては、床面から八〇〇mm(三階以上の窓にあっては一、一〇〇mm)以上の高さに達するように設けられていること。
二 窓台等の高さが三〇〇mm以上六五〇mm未満の場合にあっては、窓台等から八〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
三 窓台等の高さが三〇〇mm未満の場合にあっては、床面から一、一〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
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廊下及び階段(開放されている側に限る。)
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一 腰壁等の高さが六五〇mm以上八〇〇mm未満の場合にあっては、床面(階段にあっては踏面の先端)から八〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
二 腰壁等の高さが六五〇mm未満の場合にあっては、腰壁等から八〇〇mm以上の高さに達するように設けられていること。
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3 転落防止のための手すりの手すり子で床面(階段にあっては踏面の先端)及び腰壁等又は窓台等(腰壁等又は窓台等の高さが六五〇mm未満の場合に限る。)からの高さが八〇〇mm以内の部分に存するものの相互の間隔は、内法寸法で一一〇mm以下でなければならない。
(通路及び出入口の幅員)
第一〇条 日常生活空間内の道路の有効な幅員は、七八〇mm(柱等の箇所にあっては七五〇mm)以上でなければならない。
2 日常生活空間内の出入口(バルコニーの出入口及び勝手口等の出入口を除く。)の幅員(玄関及び浴室の出入口については、開き戸にあっては建具の厚み、引き戸にあっては引き残しを勘案した通行上有効な幅員とし、玄関及び浴室以外の出入口については、軽微な改造により確保できる部分の長さを含む。)は、七五〇mm(浴室の出入口にあっては六〇〇mm)以上でなければならない。
(階段)
第一一条 次に掲げる基準に適合していなければならない。ただし、ホームエレベーターが設けられている場合にあっては、この限りでない。
一 勾配が二二/二一以下であり、けあげの寸法の二倍と踏面の寸法の和が五五〇mm以上六五〇mm以下であり、かつ、踏面の寸法が一九五mm以上であること。
二 蹴込みが三〇mm以下であること。
三 第一号に掲げる各部の寸法は、回り階段の部分においては、踏面の狭い方の端から三〇〇mmの位置における寸法とすること。ただし、次のいずれかに該当する部分にあっては、第一号の規定のうち各部の寸法に関するものは適用しないものとする。
イ 九〇度屈曲部分が下階の床から上三段以内で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状がすべて三〇度以上となる回り階段の部分
ロ 九〇度屈曲部分が踊場から上三段以内で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状がすべて三〇度以上となる回り階段の部分
ハ 一八〇度屈曲部分が四段で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状が下から六〇度、三〇度、三〇度及び六〇度の順となる回り階段の部分
(便所)
第一二条 日常生活空間内の便所は、次に掲げる基準のいずれかに適合していなければならない。
一 長辺(軽微な改造により確保できる部分の長さを含む。)が内法寸法で一、三〇〇mm以上であること。
二 便器の前方又は側方について、便器と壁の距離(ドアの開放により確保できる部分又は軽微な改造により確保できる部分の長さを含む。)が五〇〇mm以上であること。
(浴室)
第一三条 日常生活空間内の浴室は、次に掲げる基準に適合していなければならない。
一 浴室の短辺が、一戸建ての住宅にあっては内法寸法で一、三〇〇mm以上、一戸建ての住宅以外の用途に供する建築物内の住宅の浴室にあっては内法寸法で一、二〇〇mm以上であること。
二 浴室の面積が、一戸建ての住宅にあっては内法寸法で二・〇m2以上、一戸建ての住宅以外の住宅の用途に供する建築物内の住宅の浴室にあっては内法寸法で一・八m2以上であること。
(特定寝室)
第一四条 特定寝室の面積は、内法寸法で九m2以上でなければならない。
(床及び壁の仕上げ)
第一五条 住戸内の床・壁の仕上げは、滑り、転倒等に対する安全性に配慮したものでなければならない。
(建具等)
第一六条 建具は、開閉がしやすく、かつ、安全性に配慮したものでなければならない。また、建具のとって、引き手及び錠は、使いやすい形状のものであり、適切な位置に取り付けられていなければならない。
(設備)
第一七条 日常生活空間内の便所の便器は、腰掛け式でなければならない。
2 浴槽の縁の高さ等は、高齢者の入浴に支障がない等安全性に配慮したものでなければならない。
3 住戸内の給水給湯設備、電気設備及びガス設備は、高齢者が安心して使用できる安全装置の備わった調理器具設備等を使用する等安全性に配慮したものであるとともに、操作が容易なものでなければならない。
4 住戸内の照明設備は、安全上必要な箇所に設置されているとともに、十分な照度を確保できるものでなければならない。
5 ガス漏れ検知器等(ガスを使用する場合に限る。)及び火災警報器は、高齢者が主に使用する台所に設けられていなければならない。
6 通報装置は、できる限り便所及び浴室に設けられていなければならない。
(温熱環境)
第一八条 各居室等の温度差をできる限りなくすよう断熱及び換気に配慮したものであるとともに、居室、便所、脱衣室、浴室等の間における寒暖差による事故等を未然に防ぐことができるように暖冷房設備等を用いることができる構造のものでなければならない。
(収納スペース)
第一九条 日常使用する収納スペースは、適切な量が確保されるとともに、無理のない姿勢で出し入れできる位置に設けられていなければならない。
(その他)
第二〇条 玄関は、できる限りベンチ等を設置できる空間が確保されているとともに、上がりかまちに必要に応じて式台が設けられていなければならない。
第四章 一戸建ての住宅の屋外部分の基準
(一戸建ての住宅の屋外部分)
第二一条 アプローチ等は、次に掲げる基準に適合していなければならない。
一 住戸へのアプローチ通路等が、歩行及び車いす利用に配慮した形状、寸法等のものであること。
二 屋外階段の勾配、形状等が、昇降の安全上支障のないものであること。
三 屋外の照明設備が、安全性に配慮して十分な照度を確保できるものであること。
第五章 一戸建ての住宅以外の住宅の共用部分及び屋外部分の基準
(共用階段)
第二二条 各階を連絡する共用階段のうち少なくとも一つは、次の第一号から第四号まで(住戸のある階においてエレベーターを利用できる場合にあっては、第三号及び第四号)に掲げる基準に適合していなければならない。
一 踏面が二四〇mm以上であり、かつ、けあげの寸法の二倍と踏面の寸法の和が五五〇mm以上六五〇mm以下であること。
二 蹴込みが三〇mm以下であること。
三 最上段の通路等への食い込み部分及び最下段の通路等への突出部分が設けられていないこと。
四 手すりが、少なくとも片側に、かつ、踏面の先端からの高さが七〇〇mmから九〇〇mmの位置に設けられていること。
2 直接外部に開放されている共用階段にあっては、次に掲げる基準に適合していなければならない。ただし、高さ一m以下の階段の部分については、この限りではない。
一 転落防止のための手すりが、腰壁等の高さが六五〇mm以上一、一〇〇mm未満の場合にあっては踏面の先端から一、一〇〇mm以上の高さに、腰壁等の高さが六五〇mm未満の場合にあっては腰壁等から一、一〇〇mm以上の高さに設けられていること。
二 転落防止のための手すりの手すり子で踏面の先端及び腰壁等(腰壁等の高さが六五〇mm未満の場合に限る。)からの高さが八〇〇mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で一一〇mm以下であること。
三 住戸のある階においてエレベーターを利用できない場合にあっては、当該階から建物出入口のある階又はエレベーター停止階に至る一の共用階段の有効幅員は九〇〇mm以上でなければならない。
(共用廊下)
第二三条 各住戸から建物出入口、共用施設、他住戸その他の日常的に利用する空間に至る少なくとも一の経路上に存する共用廊下は、次に掲げる基準に適合していなければならない。
一 共用廊下の床が、段差のない構造であること。
二 共用廊下の床に高低差が生じる場合にあっては、次に掲げる基準に適合していること。
イ 勾配が一/一二以下(高低差が八〇mm以下の場合にあっては一/八以下)の傾斜路が設けられているか、又は、当該傾斜路及び段が併設されていること。
ロ 段が設けられている場合にあっては、当該段が前条第一号から第四号までに掲げる基準に適合していること。
三 手すりが、共用廊下(次のイ及びロに掲げる部分を除く。)の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが七〇〇mmから九〇〇mmの位置に設けられていること。
イ 住戸その他の室の出入口、交差する動線がある部分その他のやむを得ず手すりを設けることのできない部分
ロ エントランスホールその他手すりに沿って通行することが動線を著しく延長させる部分
四 直接外部に開放されている共用廊下(一階に存するものを除く。)にあっては、次に掲げる基準に適合していること。
イ 転落防止のための手すりが、腰壁等の高さが六五〇mm以上一、一〇〇mm未満の場合にあっては床面から一、一〇〇mm以上の高さに、腰壁等の高さが六五〇mm未満の場合にあっては腰壁等から一、一〇〇mm以上の高さに設けられていること。
ロ 転落防止のための手すりの手すり子で床面及び腰壁等(腰壁等の高さが六五〇mm未満の場合に限る。)からの高さが八〇〇mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で一一〇mm以下であること。
(エレベーター)
第二四条 各住戸(建物出入口の存する階にあるものを除く。)から、エレベーター又は共用階段(一階分の移動に限る。)を利用して建物出入口の存する階まで到達でき、かつ、当該住戸(エレベーターを利用せずに建物出入口に到達できるものを除く。)からエレベーターを経て建物出入口に至る少なくとも一の経路上に存するエレベーター及びエレベーターホールは、次に掲げる基準に適合していなければならない。
一 エレベーター及びエレベーターホールが、次に掲げる基準に適合していること。
イ エレベーターの出入口の有効な幅員が八〇〇mm以上であること。
ロ エレベーターホールに一辺を一、五〇〇mmとする正方形の空間を確保できるものであること。
二 建物出入口からエレベーターホールまでの経路上の床が、段差のない構造であること。
三 建物出入口とエレベーターホールに高低差が生じる場合にあっては、次に掲げる基準に適合していること。
イ 勾配が一/一二以下の傾斜路及び段が併設されており、かつ、それぞれの有効な幅員が九〇〇mm以上であるか、又は、高低差が八〇mm以下で勾配が一/八以下の傾斜路若しくは勾配が一/一五以下の傾斜路が設けられており、かつ、その有効な幅員が一、二〇〇mm以上であること。
ロ 手すりが、傾斜路の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さ七〇〇mmから九〇〇mmの位置に設けられていること。
ハ 段が設けられている場合にあっては、当該段が第二二条第一号から第四号までに掲げる基準に適合していること。
2 エレベーターの乗り場ボタン及びかご内の操作盤は、車いす利用者に配慮したものでなければならない。
(アプローチ等)
第二五条 主要な団地内通路及び建物出入口は、歩行及び車いすでの移動の安全性及び利便性に配慮した構造のものでなければならない。
(床の仕上げ)
第二六条 アプローチ、建物出入口、階段、傾斜路、共用廊下等の床の仕上げは、滑りやつまずきに対する安全性に配慮したものでなければならない。
(照明設備)
第二七条 屋外アプローチ及び共用部分の照明設備は、安全性に配慮して十分な照度を確保できるものでなければならない。
(附帯施設)
第二八条 敷地内には、必要な自転車置場、物置、ごみ置場等の附帯施設が設けられていなければならない。
2 前項の附帯施設は、入居者の衛生、利便等及び良好な居住環境の確保に支障が生じないように考慮されたものでなければならない。
第六章 共同施設等の基準
(共同施設)
第二九条 共同施設とは、賃貸住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設をいう。
2 共同施設の位置及び規模は、敷地内の住戸数、敷地の規模及び形状、住棟の配置等に応じて、入居者の利便を確保した適切なものでなければならない。
(公園、広場及び緑地)
第三〇条 公園、広場及び緑地の位置及び規模は、良好な居住環境の維持増進に資するように考慮されたものでなければならない。
(通路)
第三一条 敷地内の通路は、敷地の規模及び形状、住棟等の配置並びに周辺の状況を考慮して、日常生活の利便、通行の安全、災害の防止、環境の保全等に支障がないような規模及び構造で合理的に配置されたものでなければならない。
2 通路における階段は、高齢者等の通行の安全に配慮し、必要な補助手すり又は傾斜路が設けられていなければならない。
第七章 適用の特例
(適用の特例)
第三二条 建築材料又は構造方法により、この基準により難い部分のある賃貸住宅であって、この基準に該当する賃貸住宅と同等以上の性能を有すると、法第三四条の高齢者向け優良賃貸住宅にあっては都道府県知事、法第四九条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅として地方公共団体が整備及び管理を行うものにあっては当該地方公共団体の長、同項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅として法第五〇条の要請を受けた公団又は地方住宅供給公社が整備及び管理を行うものにあっては当該要請をした地方公共団体の長、法第五三条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅として公団が整備及び管理を行うものにあっては公団が認めるものについては、この基準に該当するものとすることができる。
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