宅地造成等規制法及び同法施行令は昭和三七年二月一日から施行されたが、同法附則第三項の規定により建築基準法第八八条の一部が改正されたので、これらについて下記の諸点に留意して法の施行に遺憾なきを期せられたい。
一 建築基準法(以下「法」という。)第八八条第一項に規定する工作物として同法施行令第一三八条第一項第五号に規定する擁壁のうち、宅地造成等規制法(以下「宅造法」という。)第八条第一項の規定により許可を受けなければならない場合の擁壁については、法第八八条第一項中法第六条、第七条、第一八条(第一項及び第九項を除く)及び第八九条の規定を準用する部分は適用しないこととしたが、これは法令の手続上の重複を避けたものである。したがつて当該許可を受けた宅地に建築物が建築される場合の確認については、従来通りである。宅地造成と建築が同時に行なわれる場合、その宅地造成が宅造法第二条第二号に規定するものであるときは、当該宅地造成について宅造法の定める手続に従つて許可を受けるよう指導すること。
なお、宅地造成工事の擁壁の部分について、都道府県知事が宅造法第八条第一項の規定により許可した場合及び同法第一二条第二項の規定により検査済証を交付した場合には、その都度、当該工事施工地を管轄する建築主事に対しその旨を通知することとしたから、建築物の確認に際しての参考とすること。
二 法第六条の規定による確認に際して、建築物の敷地内に宅造法第八条第一項の規定により許可を受けて、同法第一二条第二項の規定により検査済証を交付された後、改変されていない擁壁又はがけがあるときは、当該擁壁については法第一九条第四項及び第八八条並びに建築基準法施行令第一四二条の規定に、当該がけについては法第一九条第四項の規定に適合しているものとして取扱つても差しつかえないが、この場合建築主に対し当該許可書等の写しを確認申請書に添付させること。
三 法第九条又は第一〇条の規定に基づいて、宅地造成等規制区域内にある擁壁又はがけに対して是正措置を命じようとするときは。あらかじめ当該区域を管轄する都道府県知事と協議して行なうこと。
四 その他建築物の敷地の安全を確保するため、関係機関と協力して、その技術上の指導に努めること。